転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

ジェーン

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病の話

約束

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父上の部屋を後にした僕達は各自、バラバラに動く事になった。

リアは街の南側で情報を集め、僕は北側

アルトは西側と余裕があれば東側にも行くという感じだ。

二人は先にでていったが、僕はルナの場所に戻る。

救護室に入ると父上の近衛が、二人居た。

「フェル…」

「ルナ」

ルナは僕を見て体を起こす。発作は止まっているが顔が少し赤い。

「熱があるね。ルナ、実は父上から任務を与えられたんだ。」

「え?」

ルナは僕の手を握る。

「だから暫く、留守にするけど我慢できる?」

「や、やだ…フェル行かないで」

ルナの瞳から涙が零れる。

とはいえ今回は連れて行くことは出来ない。

「僕も離れたくないけど大切な任務なんだ」

「やだ…寂しい…いや…だよ」

ルナは本格的に泣き出してしまう。

僕はルナを抱きしめる

「大丈夫。必ずルナの場所に戻って来るからね?」

「けど、フェルが怪我とかするのは嫌なの…やだよ」

「しないよ。約束する。必ずルナの所に無傷で戻ってくる。それに任務はルナ達の発作の原因究明だから」

「そうなの?」

「うん。街でもルナ達の発作の症状が現れてる人が多くいるから、何かの魔法の可能性はあるんだ。だからさ、それを調べる」

ルナは僕を見つめ、そして僕にキスをする。

「フェル…戻ってきてね…僕我慢するから」

「ありがとう。必ずルナの所に戻ってくるよ。だからさ…」

僕はルナの耳元で囁く。

「帰ったらルナを抱かせて?」

「え……?」

「あ、もちろん、その発作が止まってルナが回復したらだよ?」

そう言うとルナは僕を見つめる。

「いいよ。凄く嬉しい」

「ありがとうルナ。愛してるよ」

「僕も愛してる」

僕達はキスをする。

「必ずルナの所に戻ってくるね。これはお守り」

僕はルナの手に香水の瓶を握らせる。

「フェルの匂い…」

「そうだよ。匂いだけでも寂しさは和らぐから」

「ありがとう」

ルナの頭を撫でて、そしてルナをベッドに横たえる。

「行ってくるね。すぐ戻るからね」

「行ってらっしゃい。戻ってきてね?約束だよ」

そしてもう一度キスをし、僕は立ち上がる。近衛の方にお礼を言い、部屋を後にし、街に向かった。
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