【ライト版】元死にたがりは、異世界で奴隷達と自由気ままに生きていきます。

産屋敷 九十九

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第4章 奴隷と暮らす

第12話

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 そう思っていたのは俺だけではなかったようで、鬼人が慌てた様子でご主人様に問う。

 だが、話を聞いてみるに、嘘を言っていたわけではなかったようだ。どうやら血の契約の重複した契約は身体に負担がかかるらしく、主な症状は倦怠感だと言う。

 ご主人様は「そんなに危険はない」と言ってすぐに瞼を閉じ、俺たちから視線をスッと逸らし、足速に自宅へと帰る道ゆく人々の方へと顔を移した。

 小柄で幼さのあるご主人様の横顔は、やけに大人びていて儚さを纏う。俺は、その様子に違和感を覚えた。

(危険は、ない……? 倦怠感だけ……)

 なら、なぜ最初から俺たちとも血の契約を結ぼうとしなかったんだ? あの場で俺たちとも契約を結んでさえくれれば、不安を抱かずご主人様を信じついて行くことができたはずだ。

(一体、何を隠してるんだ?)

 俺は瞼を下ろしすぅっと目を細めてご主人様の横顔を見つめる。それから直ぐにご主人様の目が俺たちへと戻され、口が開かれる。

「他に聞きたいことがないなら、選んできてくれ。これは命令ではなく、"願い"だ」

(願い……?)

「どう違うのですか?」

 相手がご主人様だからとか、何の考えも無しに、ぽろっと気の抜けた声を出していつのまにか聞いていた。

「命従紋が機能するか、しないかの違いだな」

 俺は目を丸くする。命令で言うことを聞かせようとしなかった理由が、まさか俺たちのためだったとは……そんなこと、思いもしなかった。

(どれが本当の貴方あなたなんだ……?)

 嘘の中に紛れる真実に、手を伸ばしたくなる。本当のことを知るのが怖い。だが、それ以上に知りたいという好奇心が上回りつつあり、ぐるぐると胸の中で渦巻く。

 俺は複雑な感情を抱きながら、エルフと鬼人と共に店の中へと入る────その時、視線を感じた。

「………?」

 顔を上げて見渡してみれば、険しい顔をした狐人と一瞬だけ目が合った。直ぐに視線は逸らされたので、たまたま合っただけなのだろう。

 この時、俺はその視線の意味に気づいていなかったし、気づこうともしていなかった。俺は、俺自身のことでいっぱいいっぱいだったから。

 まさか、あんなことになるとは思いもしなかった。この時点で、誰が予測出来ただろうか、あんな恐ろしい未来を──。ご主人様が⬛︎⬛︎EKA0⬛︎⬛︎*R@>ことになるとは。

 俺たちが服や靴を選ぶ間、ご主人様は近くの雑貨屋と本屋に寄っていた。足音は把握しているし、耳がいいのでどこにいるのかすぐにわかる。

 ようやく俺たちが選び終えた頃、ご主人様が戻って来て、衣服やその他諸々の会計を済ませた。そして、ご主人様に試着室の中へ押し込まれると、買った服に着替えさせられて店を出たのだった。

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