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File1 自覚無き殺人犯
第二話 其々の見解
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***
【被害者】
服部 恵子(42歳)
職業:専業主婦
その他:
夫と二人暮らし
近所付き合いは良く、婦人会に毎回参加している。
夫の帰宅が遅く、近所では夫の不倫疑惑がある。
死因:事前購入しておいた包丁で胸腹部を複数回刺されたことによる失血死
殺害現場:被害者宅二階の夫の書斎
【加害者】
加藤 大輔(40歳)
職業:会社員
その他:
被害者の夫の同僚
勤務態度に問題無く勤勉で上司からの信頼も厚い
被害者との面識無し
【被害者の夫】
服部 和毅(43歳)
職業:会社員
その他:
加害者の同僚
勤務態度に問題無いが書類作成等のミスが多く上司に叱られる様子がよく見られている。
女遊びも激しく、不倫疑惑あり。
***
「服部恵子を殺害した加藤大輔は逮捕され今、拘置所にいる。だが、彼は殺した記憶もなければ面識も無いと未だに罪を認めない」
「はぁ? この事件のどこに能力者が関わってんの? ってか、もう事件解決で良くない? 殺した奴わかってんだしさー。どーせ、追い詰められてそう言ってるだけでしょ?」
ソフィアさんが口の中に含んだ棒付きの飴を取り出し、指で弄びながら言う。
「ソフィアの言う通りだな。被害者と犯人との間に面識が無いってのが気になるが……犯人は誰かに脅されていたか、弱味を握られたとかですか?」
「加藤大輔が服部恵子を殺害する動機は無い。面識も無ければ、弱味を握られた事実もない。しかも彼は職場でも近所でも人間関係は良好だったし、愛妻家で有名らしいんだよ」
「殺害による錯乱状態で記憶喪失になっているとは考えられませんか? 精神鑑定とかは?」
バッと皆んなの視線が俺に集中し、不思議な生き物でも見たかのような目で見てきた。
え? 俺なんか変なこと言ったっけ?
たらりと冷や汗を額に浮かべながら口を開いた。
「……あの?」
「……精神鑑定はまだだね。というか正人君、意外とまともな意見出せるんだね」
「えぇ⁉︎」
と見渡せば、うんうんと同調して皆んな頷いていた。
「俺だってちゃんと真面目に警察学校行ってましたよ?」
「いやぁねぇ、そういうことを言ってんじゃないわよぉ」
「後輩は事件になると、ヒトが変わったように真面目さんになるのダナ#/$€%」
「そ、そんな変わります? 俺」
うんうんと同調して皆んな頷いていた。課長も含めて。椿先輩の姿は見えないけど、なんとなく皆んなと同じように頷いてる気がする。
「はははは……じゃあ話を戻そうか」
課長に半ば強制的に話を引き戻された。
事件解決の方が大事だから話戻すのはいいですけど、皆んな俺に対してちょっと失礼じゃありません?
「錯乱による一部の記憶喪失も否定できない。
それによって被害者と関わった記憶全て抜け落ちた可能性も否めない。
犯行当日の彼の行動をとらえた街の監視カメラ映像をみせても、まるで他人を見ているかのような反応を示したそうだ。
あと、犯行現場に落ちていた包丁の柄の部分には彼の指紋がべっとりと付いていたし、被害者宅近くのゴミ捨て場から被害者の血の付いたシャツも見つかったから証拠も十分に揃っている。
一応、嘘発見器にかけたり行動心理学でも見たらしいけど、虚偽の説明はしていなかったそうだ。
つまり、彼は一切嘘はついていないことになるね」
「課長、そろそろアンタの考えを聞きたいんだが? 能力者関連の事件だと判断した理由をそろそろ話しタマエ#/$€%」
「ワタシ、周りくどいの嫌いダヨ#/$€%」
アナログロボットの声だったけど、なんかドスが効いてるように感じた。
……もしかして先輩、苛々してる?
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【被害者】
服部 恵子(42歳)
職業:専業主婦
その他:
夫と二人暮らし
近所付き合いは良く、婦人会に毎回参加している。
夫の帰宅が遅く、近所では夫の不倫疑惑がある。
死因:事前購入しておいた包丁で胸腹部を複数回刺されたことによる失血死
殺害現場:被害者宅二階の夫の書斎
【加害者】
加藤 大輔(40歳)
職業:会社員
その他:
被害者の夫の同僚
勤務態度に問題無く勤勉で上司からの信頼も厚い
被害者との面識無し
【被害者の夫】
服部 和毅(43歳)
職業:会社員
その他:
加害者の同僚
勤務態度に問題無いが書類作成等のミスが多く上司に叱られる様子がよく見られている。
女遊びも激しく、不倫疑惑あり。
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「服部恵子を殺害した加藤大輔は逮捕され今、拘置所にいる。だが、彼は殺した記憶もなければ面識も無いと未だに罪を認めない」
「はぁ? この事件のどこに能力者が関わってんの? ってか、もう事件解決で良くない? 殺した奴わかってんだしさー。どーせ、追い詰められてそう言ってるだけでしょ?」
ソフィアさんが口の中に含んだ棒付きの飴を取り出し、指で弄びながら言う。
「ソフィアの言う通りだな。被害者と犯人との間に面識が無いってのが気になるが……犯人は誰かに脅されていたか、弱味を握られたとかですか?」
「加藤大輔が服部恵子を殺害する動機は無い。面識も無ければ、弱味を握られた事実もない。しかも彼は職場でも近所でも人間関係は良好だったし、愛妻家で有名らしいんだよ」
「殺害による錯乱状態で記憶喪失になっているとは考えられませんか? 精神鑑定とかは?」
バッと皆んなの視線が俺に集中し、不思議な生き物でも見たかのような目で見てきた。
え? 俺なんか変なこと言ったっけ?
たらりと冷や汗を額に浮かべながら口を開いた。
「……あの?」
「……精神鑑定はまだだね。というか正人君、意外とまともな意見出せるんだね」
「えぇ⁉︎」
と見渡せば、うんうんと同調して皆んな頷いていた。
「俺だってちゃんと真面目に警察学校行ってましたよ?」
「いやぁねぇ、そういうことを言ってんじゃないわよぉ」
「後輩は事件になると、ヒトが変わったように真面目さんになるのダナ#/$€%」
「そ、そんな変わります? 俺」
うんうんと同調して皆んな頷いていた。課長も含めて。椿先輩の姿は見えないけど、なんとなく皆んなと同じように頷いてる気がする。
「はははは……じゃあ話を戻そうか」
課長に半ば強制的に話を引き戻された。
事件解決の方が大事だから話戻すのはいいですけど、皆んな俺に対してちょっと失礼じゃありません?
「錯乱による一部の記憶喪失も否定できない。
それによって被害者と関わった記憶全て抜け落ちた可能性も否めない。
犯行当日の彼の行動をとらえた街の監視カメラ映像をみせても、まるで他人を見ているかのような反応を示したそうだ。
あと、犯行現場に落ちていた包丁の柄の部分には彼の指紋がべっとりと付いていたし、被害者宅近くのゴミ捨て場から被害者の血の付いたシャツも見つかったから証拠も十分に揃っている。
一応、嘘発見器にかけたり行動心理学でも見たらしいけど、虚偽の説明はしていなかったそうだ。
つまり、彼は一切嘘はついていないことになるね」
「課長、そろそろアンタの考えを聞きたいんだが? 能力者関連の事件だと判断した理由をそろそろ話しタマエ#/$€%」
「ワタシ、周りくどいの嫌いダヨ#/$€%」
アナログロボットの声だったけど、なんかドスが効いてるように感じた。
……もしかして先輩、苛々してる?
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