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File1 自覚無き殺人犯
番外編『うちの妹がヤンデレだと最近発覚して、それは別に大した問題ではないんだけど、俺を軟禁(?)するのはいかがなものかと思うんだが……。』
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俺には兄貴はいるが妹はいない。これにハマったのは、要は憧れみたいなもんだ。
兄妹もののアニメはよくあるが、ヤンデレというのはあまり出てこない。あっても、全年齢対象ではないのが常だ。
これは、身長差のある兄を軟禁する美少女の妹という設定なんだが、15禁や18禁のアニメではない。勘違いしないでほしい。至って健全なアニメだということを理解して頂きたい。
なかなか遊んでくれない兄を軟禁状態にして妹が満足するまで兄に構ってもらうというストーリーで、毎週水曜日の十八時から十八時五分のショートアニメ。
その内容を一部簡単に紹介する。
***
廊下をドタバタと走り、
「お兄ちゃーん、遊ぼ!」
と外へ遊びに行こうとする俺の服の裾をぎゅっと引っ張るのは、俺の可愛い妹の歩美だ。
「ごめん、歩美。今日、和馬達とサッカーするんだ」
「へぇ~、歩美をほったらかしにして、お兄ちゃんはお友達と遊ぶんだ……」
幼い女の子の割にドスの効いた低く暗い声音に、俺の喉がひゅっと一瞬だけ締め付けられる。
「ご、ごめんて。帰ったら遊ぼ? な?」
歳下で俺よりも身長の低い妹にややビビリながら妹の頭を撫でて、諭す。
「じゃあお兄ちゃん、帰ったら軟禁……ね?」
可愛らしい顔なのに、その暗い声音と満面の黒い笑みに俺は顔を引きつらせた。
な、な、軟禁って、一体何処からそういう言葉を……。
──帰宅し、夕食後。
俺は歩美の部屋にいた。
「で、何すんの?」
「ジャジャーン、ロシアンルーレットぉ!」
「過激⁉︎ 母さん許可したのかよ⁉︎」
………
……………
ロシアンルーレットに続き、本の読み聞かせ、トランプ、オセロ、麻雀等で遊んだ。
俺は麻雀のやり方はさっぱりだったので、歩美に教えてもらいながらやった。
なんでそんな渋い遊びを知ってるんだよ……。
遊び始めてから、かれこれ六時間経っている。
現在時刻午前二時。
「歩美、そろそろ寝かせてくれ。兄ちゃん眠たくなってきた。明日も学校あるし」
「いや! 今夜は寝かさないからね⁉︎」
「そんな言葉、一体どっから学習してくんだよ⁉︎」
俺は、自室へ戻るために勢いよく立ち上りドアノブに手を掛け、脱出を試みる。
ガシリ、と足に絡みつく何か。
「お兄ちゃん、逃さないわぁ」
歩美は黒い笑みを俺に向けながら、俺の左足に全体重を乗せてしがみ付いてきた。
「マ、マジかよ……」
歩美が満足し、解放してくれたのは三時間後の午前五時だった。
そして俺は、目をしょぼしょぼさせながら学校へ行ったのだった。
授業中、居眠りをして先生にしかられたのは言うまでもない。
***
いかがだっただろうか?
俺は、可愛く甘えてくれるライトなヤンデレ妹が欲しいのであって、ブラックなヤンデレ妹が欲しいわけじゃない。
断じて。
ムッツリでエロ本も買えねー兄貴と一緒にされるとかたまったもんじゃねーわ……。
兄妹もののアニメはよくあるが、ヤンデレというのはあまり出てこない。あっても、全年齢対象ではないのが常だ。
これは、身長差のある兄を軟禁する美少女の妹という設定なんだが、15禁や18禁のアニメではない。勘違いしないでほしい。至って健全なアニメだということを理解して頂きたい。
なかなか遊んでくれない兄を軟禁状態にして妹が満足するまで兄に構ってもらうというストーリーで、毎週水曜日の十八時から十八時五分のショートアニメ。
その内容を一部簡単に紹介する。
***
廊下をドタバタと走り、
「お兄ちゃーん、遊ぼ!」
と外へ遊びに行こうとする俺の服の裾をぎゅっと引っ張るのは、俺の可愛い妹の歩美だ。
「ごめん、歩美。今日、和馬達とサッカーするんだ」
「へぇ~、歩美をほったらかしにして、お兄ちゃんはお友達と遊ぶんだ……」
幼い女の子の割にドスの効いた低く暗い声音に、俺の喉がひゅっと一瞬だけ締め付けられる。
「ご、ごめんて。帰ったら遊ぼ? な?」
歳下で俺よりも身長の低い妹にややビビリながら妹の頭を撫でて、諭す。
「じゃあお兄ちゃん、帰ったら軟禁……ね?」
可愛らしい顔なのに、その暗い声音と満面の黒い笑みに俺は顔を引きつらせた。
な、な、軟禁って、一体何処からそういう言葉を……。
──帰宅し、夕食後。
俺は歩美の部屋にいた。
「で、何すんの?」
「ジャジャーン、ロシアンルーレットぉ!」
「過激⁉︎ 母さん許可したのかよ⁉︎」
………
……………
ロシアンルーレットに続き、本の読み聞かせ、トランプ、オセロ、麻雀等で遊んだ。
俺は麻雀のやり方はさっぱりだったので、歩美に教えてもらいながらやった。
なんでそんな渋い遊びを知ってるんだよ……。
遊び始めてから、かれこれ六時間経っている。
現在時刻午前二時。
「歩美、そろそろ寝かせてくれ。兄ちゃん眠たくなってきた。明日も学校あるし」
「いや! 今夜は寝かさないからね⁉︎」
「そんな言葉、一体どっから学習してくんだよ⁉︎」
俺は、自室へ戻るために勢いよく立ち上りドアノブに手を掛け、脱出を試みる。
ガシリ、と足に絡みつく何か。
「お兄ちゃん、逃さないわぁ」
歩美は黒い笑みを俺に向けながら、俺の左足に全体重を乗せてしがみ付いてきた。
「マ、マジかよ……」
歩美が満足し、解放してくれたのは三時間後の午前五時だった。
そして俺は、目をしょぼしょぼさせながら学校へ行ったのだった。
授業中、居眠りをして先生にしかられたのは言うまでもない。
***
いかがだっただろうか?
俺は、可愛く甘えてくれるライトなヤンデレ妹が欲しいのであって、ブラックなヤンデレ妹が欲しいわけじゃない。
断じて。
ムッツリでエロ本も買えねー兄貴と一緒にされるとかたまったもんじゃねーわ……。
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