公開処女喪失させられた王女は魔力を奪われました

空田かや

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38 金色のショール

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「何してんだ…こんなとこで…」

ダートは吸いかけの煙草を手に、驚いた表情を浮かべ、シャルリンテを見ていた。

シャルリンテに馬乗りになっていた男は、ダートの存在に気がつくとチッと小さく舌打ちする。

「──助け…」

そう言いかけたシャルリンテより、男の動きは早かった。

男は振り向きざまに、風の刃をいくつもダートに投げつける。

突然襲いかかってきた刃に、びっくりしながらも、ダートは一瞬にして男の魔術を粉砕した。

そして男を宙に浮かせると、崖の上から激しい波で泡立つ海へと真っ逆さまに落としす…。

男の悲鳴が崖の下から聞こえ、消えた…。

「………嘘!!」

シャルリンテは慌てて起き上がると、男の消えて行った海を見た。

「いや…殺しちゃいねーよ…。ぎりぎりのところで寸止めして、あの船に瞬間移動させた」

ダートは遠くの海上に見える、大型の商船を指差した。

「俺の仕事の荷を載せた船だ…。今ちょうど、一仕事終えたところで…。あいつには、不能になる魔術もかけた。あいつを本気で愛してくれる者が現れたら解けるようにはしてあるが…」

くゆらせていた煙草を魔術で消し、ダートは小さく笑った。

「……まぁ、あの船の行き先は、魔族の国だから…色々な苦労が…想像できてしまうがな…」

シャルリンテは、ダートの言葉があまり頭に入っていない様子で、小さく頷いた。

そして、震える手で、乱された自分の衣服を整え始める…。

「そこに落ちているショール…。お前、売春婦になったのか?…スーは…どうした?」

「……知らない」

「知らない…って。次の日、二日酔いになってただろ?俺も丸一日、足止めを食らった」

「…私の面倒は見切れないって言って…スーは出て行ってしまって…。喧嘩別れしたから……」

ショールを拾おうとしていた手をピタリと止めて、ダートはシャルリンテを見た。

「本当か?あの夜だって、お前が気がかりみたいで早く帰りたがっていた…。お前が嫌だと言ってもそばにいると思ったが…」

ダートは固まったままのシャルリンテを見ながら、腑に落ちない…という顔をした。

「……でも、スーがいたら売春婦などやらせていないだろうし、こんな状況になっても助けに来ていないところをみると……まぁ、そういう事なんだろうな…」

そして、指先を小さく回すと、魔術を使って赤いショールを、勝手に豪華な金色のショールに変えた。

ダートは、そのショールをシャルリンテにふわりと掛けた。

「…こっちの色の方が、よくはないか?」

シャルリンテは、ゆっくりとダートを見上げた…。

「……腹…減ってるか?飯…食いに行く…?」

そう言われたシャルリンテの顔は、久しぶりに輝いた。

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