王に振られた公爵令嬢は王の側近に拾われる

空田かや

文字の大きさ
6 / 52

6 美しい男に望まれるということ ※

とはいえ処女であるという事。
まだ学校を卒業したばかりの18歳であるという事。

この2つ以外に女としての価値は薄い。

それでもルドンは私を妻として受け入れてくれたのだ。

「……はっ恥ずかしくて…顔をそむ…けました…。」

息もたえだえだが、するりとこんな言葉が出る。
こんな状況だ。嘘はない。

それを聞くとルドンの硬かった顔がゆるむ。

「恥ずかしく思っている暇などない…。
あなたは初めてだからきっと痛い思いをさせると思う。
──すまない。許せ。」

そう、切なそうに言うとルドンは、はりつめたものをスピナの中へおしいれる。

「…あああっ!」

スピナはあまりの痛みと衝撃に、思わず息をとめる。
ルドンはそれも承知の上とばかりに、ゆっくりと奥へ進める。

「ううっ…!」

苦しげなスピナの声を聞き、ルドンは優しく声をかける。

「息を吐きながら、こちらを見て…。」

スピナは、痛みを引き受けながら言われた通りルドンの方を見て
ゆっくり息を吐く。

ルドンは、優しく甘いキスをスピナにし、なぐさめるように
スピナの顔にかかっている乱れた髪をすいてやる。
少しずつルドンは動き、動くたび、スピナの奥へと進む。

そんな奥があるのかと思わせるほど、知らなかった深く深くスピナの奥へと。

「うっ…くっ…ああんっ…。」

寝室に淫靡な声がひびく。

ルドンは、はちきれそうになる自分を押さえながら、それでもスピナの手首を
力強く離さず、スピナの一番奥まで入った。

「うっ。」

ルドンがうめく。
スピナにも一番奥まで貫かれたのが分かった。

スピナの中で痛みが一番だったのが、ルドンが奥まで入ったっという安心感からか
甘い痛みとともに、はりつめた顔で荒い息を吐いているルドンに愛しさがつのる。

そして、ルドンは優しくゆっくりと彼のものを動かす…。
そしてそれも限界をむかえた。

スピナの中でルドンのはりつめていたものがドクっという少しの振動
と共に解放された。

スピナにも自分の中に、それが散らばったことが分かった。
スピナに大きな充足感がひろがる。

果てたルドンは荒い息を吐いて、片ひじをつき
スピナをつぶさないように抱きしめる。
さらりとした銀色の髪がスピナの顔にかかる。

美しい男に、望まれて抱かれ、彼のものが自分を満たす。
女としてこれ以上の幸せって、ないのではないだろうか…。

今、自分の体でルドンは果てた。
彼がスピナの中で自分のものを出したということは
彼は自分の一部を私にくれたということ。
もしかしたら、この女が彼の子を生むかもしれないのに。

嬉しくなって、安心して、スピナは知らぬうちに涙がつつっと頬をつたった。

実は結婚を承諾したあたりから、気に病んでいた。
美しくもない私の顔で、体で、彼はいくことができるのか?
私を抱く事ができるのか…と。

あらゆる才能に恵まれた男としての認識はあったが
ローブを脱ぐまでは、積極的に女を抱くイメージがわかなかったからだ。

彼の体を見た時に確実に女を抱けるとは思ったが、それでも私に欲情するのだろうかと。

生きてきて18年間、男に言い寄られた事はない。言い寄った男には
鼻も引っ掛けてもらえないまま、振られた。

これが私の男性遍歴だ。

スピナの涙に気がついたルドンが、血の気の引いた顔で言う。

「…すまない。」

スピナは、ルドンの焦った顔を初めて見た。
小さく首をふるとスピナは答えた。

「…違います。嬉しくて泣いていたんです。」

「──それはやっと終わったからか?」

ふっと硬い顔になると、彼はスピナの中から自分を抜いた。

「あっ…。」

ぬるりとした甘い感覚と共に、彼が中からいなくなるのを感じる。

「…違います。抜かないで。」

「?」

彼は一瞬、何を言っているのかという顔をする。

「もう一度、中に戻ってください。丁度、慣れてきた所だったんです。」

不満げに無知な事を言うスピナに、今度は言葉の意味を理解したルドンの方が
顔を赤らめる。

「物理的に今すぐ戻るのは困難だが、もう一度入ることは
あなたがお嫌でなければ可能です。」

そう言うとルドンはスピナに優しい口づけをした。


あなたにおすすめの小説

その眼差しは凍てつく刃*冷たい婚約者にウンザリしてます*

音爽(ネソウ)
恋愛
義妹に優しく、婚約者の令嬢には極寒対応。 塩対応より下があるなんて……。 この婚約は間違っている? *2021年7月完結

これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー

小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。 でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。 もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……? 表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。 全年齢作品です。 ベリーズカフェ公開日 2022/09/21 アルファポリス公開日 2025/06/19 作品の無断転載はご遠慮ください。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます

おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」 そう書き残してエアリーはいなくなった…… 緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。 そう思っていたのに。 エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて…… ※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~

塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます! 2.23完結しました! ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。 相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。 ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。 幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。 好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。 そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。 それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……? 妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話 切なめ恋愛ファンタジー

悪女は愛より老後を望む

きゃる
恋愛
 ――悪女の夢は、縁側でひなたぼっこをしながらお茶をすすること!  もう何度目だろう? いろんな国や時代に転生を繰り返す私は、今は伯爵令嬢のミレディアとして生きている。でも、どの世界にいてもいつも若いうちに亡くなってしまって、老後がおくれない。その理由は、一番初めの人生のせいだ。貧乏だった私は、言葉巧みに何人もの男性を騙していた。たぶんその中の一人……もしくは全員の恨みを買ったため、転生を続けているんだと思う。生まれ変わっても心からの愛を告げられると、その夜に心臓が止まってしまうのがお約束。  だから私は今度こそ、恋愛とは縁のない生活をしようと心に決めていた。行き遅れまであと一年! 領地の片隅で、隠居生活をするのもいいわね?  そう考えて屋敷に引きこもっていたのに、ある日双子の王子の誕生を祝う舞踏会の招待状が届く。参加が義務付けられているけれど、地味な姿で壁に貼り付いているから……大丈夫よね? *小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください> 私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜

橘しづき
恋愛
 姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。    私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。    だが当日、姉は結婚式に来なかった。  パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。 「私が……蒼一さんと結婚します」    姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。