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17 茶会のおみやげ
スピナは、優しい口づけで目を覚ました。
気がつくと、茶会から帰ってきたルドンがシャツからタイを外し
首もとを緩めながらスピナにキスをしていた。
──どうやら自分は、ソファーで横になったまま、グシャグシャの顔も
ドレスもそのままに、眠ってしまっていたらしい…。
カーテンも閉めていない。
窓の外は真っ暗になっていた。
「…甘い。チョコでも食べていたのか?」
キスをしながら、くぐもった声でルドンが聞く。
「今日は一人にさせた…すまない…。」
スピナの口の中を味わうように、ルドンはキスを続けながら言った。
スピナは眠りに落ちる直前まで、チョコレート菓子をソファーで食べ
自堕落に過ごしていた。
そのせいで、カラフルなチョコレートの包み紙は、まるで花が咲いたかのように
スピナの周りに撒き散らされていた。
「茶会で貰ってきたものか?」
ルドンは顔を離し、まわりに散らばっている包み紙を見ながら聞いた。
「いえ、王が…。」
言いかけて、スピナはしまったと思った。
「…王?」
ピクッとルドンが動きを止める。
ルドンは 、スピナに覆い被さるようにして座っていたが
起き上がり、スピナの隣に足を組んで座り直す。
いけない…と思ったスピナも、寝ていたソファーから体を起こし
ゆっくりと座り直す。
「王からは、スピナが足を挫いた、と護衛から連絡があったから
手当てさせて、そのまま帰宅させたと聞いたが違うか?」
ルドンは手短に聞く。
ルドンの手には、王に抜き取られた扇子が握られていた。
「…いえ、王の言う通りです。」
「これは、忘れ物だと王から渡された…。」
扇子の先を、もう片方の手のひらに、トントンと打ちつけながらルドンは
質問した。
「足は?」
隙なく、鋭く聞く。
──まるで尋問のようだ。
右足をそっとスピナは出す。
「…左足と聞いたが。」
「…ですね!」
スピナは足を素早く替えて、左足をルドンに見せる。
ルドンは足首を触りながら
「どこも何ともないようだが…。」
と言った。
「王宮医の方が治癒してくださいました。
もともと大した事なかったのですが…。」
「その割りに、 泣き跡が酷いように見えるが…。」
ルドンは足首に乗せていた手を、扇子に替えて 段々と上に這わせて行く…。
その扇子の先には、小さな鳥の羽が数枚ついていた。
その羽が優しくスピナをなでる。
「…ん…。」
スピナの体が反応し、中心部分がぬれ出すのが自分でも分かる。
こんな体にしたルドンが憎い。
「帰宅は馬車で?誰の?」
気がつくと、扇子はドレスのスカートをまくり上げながら太ももまで達していた。
王の瞬間移動で送ってもらったと言ったら、いけない気がした。
スピナはグッと口つぐむ。
それを見てルドンは言った。
「フッ…解った。今からあなたを抱くから…。
寝所ではあなたは素直になる。そこでゆっくりと話を聞こう。」
そう言ってルドンはキスを続けようと、スピナの肩に手をまわし顔を近づける。
スピナは、思わず顔を背けた。
「スピナ?」
ルドンがスピナに問いかける。
王とルドンの会話が、どうしてもスピナを弱気にさせた。
ルドンはそんなスピナの顔を、無理やり自分の方に向けさせ
スピナの口を舌でまさぐる。
いつもならすぐにスピナは喘ぎ出し、スピナも上手ではないなりに
舌でルドンのキスに答えようとする。
ところが今日は、口の中からもルドンを拒絶していた。
唇を離すとルドンは、薄い水色の瞳で探るようにスピナを見た。
「…王か。」
ぼそりとルドンが呟く。
スピナは、王とルドンの会話を思い出し、顔を背ける。
「…なるほど?」
ルドンは理解したようだった。
「厄介だな…。でもまぁいい。
あなたの体は素直だから、誰と結婚したのか教えてあげればすぐ思い出す…。」
そう言うとルドンは人形のように、青い顔でうつむいている妻の首筋を
丁寧にキスし始める。
「…王の残り香…。」
ルドンは一旦動きを止めて呟いた。
気がつくと、茶会から帰ってきたルドンがシャツからタイを外し
首もとを緩めながらスピナにキスをしていた。
──どうやら自分は、ソファーで横になったまま、グシャグシャの顔も
ドレスもそのままに、眠ってしまっていたらしい…。
カーテンも閉めていない。
窓の外は真っ暗になっていた。
「…甘い。チョコでも食べていたのか?」
キスをしながら、くぐもった声でルドンが聞く。
「今日は一人にさせた…すまない…。」
スピナの口の中を味わうように、ルドンはキスを続けながら言った。
スピナは眠りに落ちる直前まで、チョコレート菓子をソファーで食べ
自堕落に過ごしていた。
そのせいで、カラフルなチョコレートの包み紙は、まるで花が咲いたかのように
スピナの周りに撒き散らされていた。
「茶会で貰ってきたものか?」
ルドンは顔を離し、まわりに散らばっている包み紙を見ながら聞いた。
「いえ、王が…。」
言いかけて、スピナはしまったと思った。
「…王?」
ピクッとルドンが動きを止める。
ルドンは 、スピナに覆い被さるようにして座っていたが
起き上がり、スピナの隣に足を組んで座り直す。
いけない…と思ったスピナも、寝ていたソファーから体を起こし
ゆっくりと座り直す。
「王からは、スピナが足を挫いた、と護衛から連絡があったから
手当てさせて、そのまま帰宅させたと聞いたが違うか?」
ルドンは手短に聞く。
ルドンの手には、王に抜き取られた扇子が握られていた。
「…いえ、王の言う通りです。」
「これは、忘れ物だと王から渡された…。」
扇子の先を、もう片方の手のひらに、トントンと打ちつけながらルドンは
質問した。
「足は?」
隙なく、鋭く聞く。
──まるで尋問のようだ。
右足をそっとスピナは出す。
「…左足と聞いたが。」
「…ですね!」
スピナは足を素早く替えて、左足をルドンに見せる。
ルドンは足首を触りながら
「どこも何ともないようだが…。」
と言った。
「王宮医の方が治癒してくださいました。
もともと大した事なかったのですが…。」
「その割りに、 泣き跡が酷いように見えるが…。」
ルドンは足首に乗せていた手を、扇子に替えて 段々と上に這わせて行く…。
その扇子の先には、小さな鳥の羽が数枚ついていた。
その羽が優しくスピナをなでる。
「…ん…。」
スピナの体が反応し、中心部分がぬれ出すのが自分でも分かる。
こんな体にしたルドンが憎い。
「帰宅は馬車で?誰の?」
気がつくと、扇子はドレスのスカートをまくり上げながら太ももまで達していた。
王の瞬間移動で送ってもらったと言ったら、いけない気がした。
スピナはグッと口つぐむ。
それを見てルドンは言った。
「フッ…解った。今からあなたを抱くから…。
寝所ではあなたは素直になる。そこでゆっくりと話を聞こう。」
そう言ってルドンはキスを続けようと、スピナの肩に手をまわし顔を近づける。
スピナは、思わず顔を背けた。
「スピナ?」
ルドンがスピナに問いかける。
王とルドンの会話が、どうしてもスピナを弱気にさせた。
ルドンはそんなスピナの顔を、無理やり自分の方に向けさせ
スピナの口を舌でまさぐる。
いつもならすぐにスピナは喘ぎ出し、スピナも上手ではないなりに
舌でルドンのキスに答えようとする。
ところが今日は、口の中からもルドンを拒絶していた。
唇を離すとルドンは、薄い水色の瞳で探るようにスピナを見た。
「…王か。」
ぼそりとルドンが呟く。
スピナは、王とルドンの会話を思い出し、顔を背ける。
「…なるほど?」
ルドンは理解したようだった。
「厄介だな…。でもまぁいい。
あなたの体は素直だから、誰と結婚したのか教えてあげればすぐ思い出す…。」
そう言うとルドンは人形のように、青い顔でうつむいている妻の首筋を
丁寧にキスし始める。
「…王の残り香…。」
ルドンは一旦動きを止めて呟いた。
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