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23 レジー
スピナは、かつて王が言った事を思い出していた。
立ち聞きなどしても、何もいい事はないと…。
夜中になっても、ルドンはスピナの元に来なかった。
スピナに、自分は止められなかった。
吸い寄せられるように、レジーが泊まっている客室のドアの前まで来ると
スピナはそっと耳をそばだてた。
すると息継ぎをするのも苦しげな、男と女の声が聞こえてきた。
「…お手やわらかに…と言ったのに、あなたは手加減してくれない…。」
張りつめた、美しい女の声がきこえる。
「…する必要が…何処にあるというのか?
私があなたを逃すわけがない…。レジー?」
荒い息をしているルドンの声が聞こえる。
「ああっ……。うっ…あっ……ああっ──!」
女の嬌声が部屋に響き渡る。
これ以上は聞けなかった。
スピナは耳をふさいで、寝室へと逃げ帰った。
スピナが目を覚ましたのは、冷たい水が
自分の胸にしたたり落ちたからだ。
寝所で寝ていた自分の上に、ぬれた髪もそのままのルドンが乗っていた。
ルドンの着ている白いシャツは、胸の前がはだけている。
知らぬうちに、自分のナイトウェアの前のボタンも全てはずされ
白い胸があらわになっていた。
「…スピナ…。会いたかった。」
そう言うと、スピナに優しいキスをした。
そして、ゆっくりと白い胸に手を這わせる。
「髪がぬれて…。」
スピナが聞く。
「急いでシャワーを浴びたから、髪もそのままで来てしまった。
すぐにあなたの所へ行きたかったから…。」
そう言って、しずくがスピナに飛ばないように
少し離れると、顔の前に落ちてくる
ぬれた髪の毛を邪魔くさそうにかき上げ
後ろにながそうとした。
そうしても、さらさらとしている髪はすぐに前に戻ってきてしまう…。
月明かりに照らされて、銀色の髪についている水滴がまるで小さな真珠の玉を
散らしたように輝いている。
白いシャツ姿の彼は美しかった。
思わずスピナはルドンにみとれた。
「…スピナ…。一週間も留守にしてすまない…。
レジーまで連れて帰って…。レジーの事は…。」
レジーという名前を聞いただけで、体が熱くなるのが分かる。
ルドンはここに来る前に、レジーを抱いた。
その痕跡を消す為にシャワーを浴びて、スピナの元に来た…。
レジーの話を打ち消すように、スピナは唐突に言った。
「…爵位譲渡書…。昨日、私があなたの代わりに受け取って
執務室の机の上に置きました…。」
スピナはルドンに、自分のはだけた胸を見られないように座り直すと
手早くボタンをとめ直した。
そして、念願の物を手に入れた男の顔を見てやろうと意地悪く横目で彼の顔を
盗み見る。
「……爵位譲渡書?…ああ、あなたが受け取ってくれたのか。ありがとう。」
そう、礼を言ったルドンからは、特に思い入れがある様子は伝わって来なかった。
はだけた胸を元に戻して寝直そうとする妻を見て、ルドンは言った。
「…私はあなたとしたいのだが、あなたは抱かせてはくれないのか…?」
立ち聞きなどしても、何もいい事はないと…。
夜中になっても、ルドンはスピナの元に来なかった。
スピナに、自分は止められなかった。
吸い寄せられるように、レジーが泊まっている客室のドアの前まで来ると
スピナはそっと耳をそばだてた。
すると息継ぎをするのも苦しげな、男と女の声が聞こえてきた。
「…お手やわらかに…と言ったのに、あなたは手加減してくれない…。」
張りつめた、美しい女の声がきこえる。
「…する必要が…何処にあるというのか?
私があなたを逃すわけがない…。レジー?」
荒い息をしているルドンの声が聞こえる。
「ああっ……。うっ…あっ……ああっ──!」
女の嬌声が部屋に響き渡る。
これ以上は聞けなかった。
スピナは耳をふさいで、寝室へと逃げ帰った。
スピナが目を覚ましたのは、冷たい水が
自分の胸にしたたり落ちたからだ。
寝所で寝ていた自分の上に、ぬれた髪もそのままのルドンが乗っていた。
ルドンの着ている白いシャツは、胸の前がはだけている。
知らぬうちに、自分のナイトウェアの前のボタンも全てはずされ
白い胸があらわになっていた。
「…スピナ…。会いたかった。」
そう言うと、スピナに優しいキスをした。
そして、ゆっくりと白い胸に手を這わせる。
「髪がぬれて…。」
スピナが聞く。
「急いでシャワーを浴びたから、髪もそのままで来てしまった。
すぐにあなたの所へ行きたかったから…。」
そう言って、しずくがスピナに飛ばないように
少し離れると、顔の前に落ちてくる
ぬれた髪の毛を邪魔くさそうにかき上げ
後ろにながそうとした。
そうしても、さらさらとしている髪はすぐに前に戻ってきてしまう…。
月明かりに照らされて、銀色の髪についている水滴がまるで小さな真珠の玉を
散らしたように輝いている。
白いシャツ姿の彼は美しかった。
思わずスピナはルドンにみとれた。
「…スピナ…。一週間も留守にしてすまない…。
レジーまで連れて帰って…。レジーの事は…。」
レジーという名前を聞いただけで、体が熱くなるのが分かる。
ルドンはここに来る前に、レジーを抱いた。
その痕跡を消す為にシャワーを浴びて、スピナの元に来た…。
レジーの話を打ち消すように、スピナは唐突に言った。
「…爵位譲渡書…。昨日、私があなたの代わりに受け取って
執務室の机の上に置きました…。」
スピナはルドンに、自分のはだけた胸を見られないように座り直すと
手早くボタンをとめ直した。
そして、念願の物を手に入れた男の顔を見てやろうと意地悪く横目で彼の顔を
盗み見る。
「……爵位譲渡書?…ああ、あなたが受け取ってくれたのか。ありがとう。」
そう、礼を言ったルドンからは、特に思い入れがある様子は伝わって来なかった。
はだけた胸を元に戻して寝直そうとする妻を見て、ルドンは言った。
「…私はあなたとしたいのだが、あなたは抱かせてはくれないのか…?」
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