王に振られた公爵令嬢は王の側近に拾われる

空田かや

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27 銀のネックレス

ルドンが部屋を出て行き
スピナは自分のした失態に頭を抱えながらも
何とか身を起こし、下の食堂に足を向けようと思った。

レジーが来たことでショックを受け
ふせっていると誤解した家の者達に
腫れ物に触るように扱われたくなかったからだ。


ドアの外に出ていくと、食堂から客室に戻るレジーとちょうど出会う。

輝くばかりの美しさをまき散らし、赤いドレスを身にまとっている。

そして、一際目立つ銀色のネックレスを首につけていた。

色とりどりの宝石が散りばめられ
太めのデザインのそれは
レジーによく似合っていた。


「おはようございます。レジー様。」

つい、そのネックレスを目で追いながらスピナが挨拶をする。

その目線に気がついたレジーは嬉しそうに言う。

「このネックレス…。
自分が居なくて寂しいだろうからって、ルドン様に昨夜もらったの。
ルドン様の髪の色と同じでしょ?フフッ…。」

レジーは、そっとネックレスに手を触れる。

「…でも、もしスピナ様が欲しいのならお譲りしますよ?私、新参者ですから
古株のスピナ様には敬意をはらいたいんです。
ちょっと取りにくいですけれど、後ろをはずしていただければ…。」

くるりと嬉しそうにターンをして、首の後ろのネックレスの留め金を
スピナに見せる。

昨夜、寝所で自己嫌悪におそわれ、みのむしになっていたスピナにとって
彼女は眩しすぎた。

「そんな…。いただけませんわ…レジー様。
よく似合っております。…大事になさって。」

そう言うと、まるで逃げるように、足早に食堂に向かった。

その後ろ姿に、レジーは形のいい深紅の唇を歪め、舌打ちをした…。


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