王に振られた公爵令嬢は王の側近に拾われる

空田かや

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47 辞意

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そして硬い表情のまま、寝ているレジーに
目を向けた。

「……王…レジーの件は、あなたがお一人で
最後まで、きちんと解決してくださいね……。
お手伝いは、しません…。
討伐の時…私も、まさか死闘を繰り広げている
最中に、一番の攻撃部隊の主軸であるあなたが
消える…なんて事があるのかと……。
自分の目を疑いましたが…。
そのせいで、シールド部隊のはずの私が攻撃の
筆頭になって、あんな巨大な魔物相手に………。」

「でも、大きいだけで大して強くはなかっただろう…。
あれなら、お前だけでいけると確信したから私は……。」

それを聞いたルドンの、周りの空気が変わる…。

ルドンの怒りの波動を察知した王は
続けて喋るのをやめた。

代わりにルドンが、ぽつりぽつりと語り出す。

「……認めたくないのですが、王と私の
女性の趣味は似ている。
女性の髪に惹かれやすいのもそうだし
頭が悪くて、優しい女が好きな所も…。
あなたの守備範囲は広いが、特に好きな女性は
そのタイプだ。」

ルドンは、長椅子のひじ掛けに腰を下ろすと
スピナの、乱れている黒茶色の髪を直すように
触れながら言った。

「だから、あなたとスピナをかかわらせたくなかった。
興味を持たれないように、散々悪口を
言いましたが無駄だった…。」

ルドンは、スピナの一筋の髪を口元に持ってくるとキスをした。

「あなたには絶大な力がある。
糞みたいな性格と反比例するかのような
強大な魔力を…あなたは………。
私がそこに惹かれたのも事実です……。
だから学生時代、離れずにずっとあなたの側にいた。
国と共に守る価値のある方だと…。

もちろん、自由への憧れは常にあった。
しかし、気がつけばローセンナ公との約束
…というだけではなく、スピナを守る事
ひいては国とあなたを守る事が、私の生きがい
となっていた……。」

そしてルドンは、スピナの髪をそっと戻して言った。

「だが、スピナを手放した以上、私はこの国を
守る必要がない。
つまり、あなたの側にいる必要もない。」

王は、部屋のドアに寄りかかりながら
腕を胸の前で組み、聞いていた。

「……というと?」


「───側近など辞めさせて頂く。」


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