王都から追放されて、貴族学院の落ちこぼれ美少女たちを教育することになりました。

スタジオ.T

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 ダンテたちがアカデミアに帰った頃には、対抗戦はすでに終わりを告げていた。スタジアムに到着して、モニターが表示する結果を見て、ダンテは「やったな、あいつら」と嬉しそうに微笑んだ。

『マキネス・サイレウス・・・7ポイント
 リリア・フラガラッハ・・・1ポイント
 ミミ・・・14ポイント』

 参加した全員がプラスポイントで通過している。文句なしの合格点だった。特にミミの点数はトップ3にも入るほどの高得点。ダンテが託した作戦は見事に功を奏し、ブラムを倒したリリアたちは、その後誰にもポイントを取られることなく対抗戦を終えていた。

「先生! シオン! イムドレッド!」

 観戦席に現れた三人の姿を、リリアたちが見つけた。怪我をしてボロボロになった彼らを見て、全員が慌てて駆け寄ってきた。

「どうしたの、みんなそんな怪我して!」

「……心配してた……」

「イムドレッドも帰ってきたニャ!」

「よう、久しぶり。世話かけたな」

「あれ? シオン、服どうしたの?」

「あはは……ちょっとね」

 怪我をしていることを心配しているのか、していないのか駆け寄ってきたリリアたちは三人をもみくちゃにして質問攻めにした。

「悪い。いろいろと事情があるんだ。後で説明する」

 よく頑張ったと言葉を続けて、ダンテは歩いてくるフジバナとアイリッシュ卿に声をかけた。

「フジバナ、いろいろと手間をかけたな。アイリッシュ卿、ご無沙汰してます」

「隊長、お疲れ様です」

「あらまぁ、私の知らないうちに随分と派手なことをしていたみたいですね」

 ボロボロの三人の姿を見て、アイリッシュ卿はほっと「無事で何よりです」と微笑んだ。

「対抗戦での皆の活躍振り、素晴らしかったですよ」

「だよ! 私、一ポイント取ったんだよ!」

「……私も大きい触手出せた……」

「ミミはトップ3入りだニャ!」

「あぁ、すごいよお前ら」

 三人の晴れやかな表情を見て、どんな戦いが繰り広げられていたかは想像がついた。自信と喜びに満ちあふれた表情は、前回の模擬戦の時とは明らかに違っていた。

 そんな幸福な空気を打ち壊すように、一人の男が近づいてきていた。

「おや、ずいぶんと遅い到着ではないか!」

 ゆさゆさと巨体を揺らして、バーンズ卿はダンテたちの会話に割って入ってきた。腰巾着のように付いてくる校長と教頭の姿も変わらずだった。

「いやはや、驚いた。まさか生徒を模造人形コピーキャットで替え玉をさせているなどとは! 気高き対抗戦で不正を行うなど言語道断! ですよね、校長先生?」

「そ、そうでございます。バーンズ卿」

「となると、当該の生徒が退学処分になるのは当然だと言うことだね?」

 バーンズ卿はジロリとイムドレッドとシオンを見ながら言った。隣に立つ校長が
「そうでございます」と頷くと、腹を抱えて笑いだした。

「さて、結果が出たなぁ! これでクラスナッツ、そしてアイリッシュ卿も終わりだ!」

「なんの話だ?」

「アイリッシュ卿が自らの首を賭けられたのです。この対抗戦を全員が突破できなかったら、賢老院の座を降りるという賭けです」

 事態を飲み込めないダンテに、フジバナがそっと耳打ちした。

「……おいおい、まじかよ」

「本当だ。お前も二度と王都の地を踏めなくしてやる」

「陰湿な男だ……。アイリッシュ卿も何をしているんですか」

「申し訳ない、つい……」

「つい……って」

 二人の会話を鼻で笑って、バーンズ卿は言った。

「さて、アイリッシュ卿。二言は許されないぞ」

 口をつぐんだアイリッシュ卿を、ニタニタと笑いながらバーンズ卿が覗き込んでいた。ブラムがリリアに負けた時は、青ざめた顔をしていたにもかかわらず、シオンとイムドレッドが模造人形コピーキャットだと分かってから、水を得た魚のように元気になっていた。

「賢老院の座を降りてもらおう」

 たとえ、イムドレッドを連れ戻すことに成功しようが、ルールは変わらない。対抗戦を通過できなかったら、ナッツクラスの生徒は退学だ。ダンテは任を解かれ、牢獄へ送られる。

 バーンズ卿の主張を折る手札は、存在しなかった。

「……待たれよ、バーンズ卿」

 絶望的に見えたその状況に、不倒のエーリヒが割って入った。
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