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第77話 看病三銃士(パトレシア)
しおりを挟む再び目を覚ました時には、辺りはすっかり夜になっていた。カーテンの奥から月の光が差し込んでいて、その明かりだけがぼんやりと室内を照らしていた。
外の様子を見ようと立ち上がろうとしたが、腕が縛られていて起き上がることができない。
見ると、両腕はさっきよりもきつく縛られていて、包装用のリボンまで付いている。
「なんだ……これ……!?」
いや、こんなことをするのは、あのくそ女神しかいない。
横を見ると、枕元にデカデカとした字で書かれたメモが転がっていた。
『3銃士の1人は倒したようだね。だが、彼女は3銃士の中でも最弱……。本当の戦いはこれから始まる。次は……』
メモを読むのをやめる。
完全にふざけている。
どこまでおちょくりたいんだ。子孫繁栄だか何だか知らないが、俺はやりたい時にやるんだ。こんな風に縛られてのプレイなんて望んでいない。
「っく……なかなか取れないな」
固く縛《しば》られた紐は、なかなか引き千切れなかった。魔力用の防御も施してある。これはさすがにさっきのように無理やり取るのは難しそうだ。今の体力では不可能に近い。
「まずい、早くしないと……」
次の刺客がやってくる。
だが、間に合うことはなかった。俺が縄抜け手こずっていると、コンコンとドアをノックする音の後で、ナース服姿のパトレシアが飛び込んできた。
「アンク!? 大丈夫!? 『ナース服姿の女の子と看病ごっこをしながら密着していないと死んじゃう病気』って聞いて飛んできたけど!」
……ある意味で最強の戦士があらわれた。
かなり急いできたのか、パトレシアの息は上がっていた。それを気にすることもなく、彼女は俺が横たわるベッドへと駆け寄ってきた。
「パ、パトレシア。落ち着いて聞いてくれ……実は……」
「こんな夜中に起きているなんて病気よね。たいへん、早く治療しなくちゃ」
「だから、違うんだ!」
「うんうん、そうだね。じゃあ。ちょっと失礼するね。うわー、汗びっしょりだね」
だめだ、聞く耳を持たない。
パトレシアは俺の上にまたがると、手から透明な液体が入ったガラス瓶を取り出した。
「ずっと寝たきりだと、身体が汚れちゃうから。新しい石鹸が手に入ったから、溶かしてローション上にしてみたの。これなら寝たままで身体が洗えるでしょ」
「寝たままで身体を……洗う……だと」
「大丈夫。毒とかは入っていないから。植物性の健康的なローション。シーツも防水の魔法をかけておいたから、ベッドがベタベタになる心配はないよ」
「いつの間に……」
「ふふふ」
パトレシアは笑いながらガラス瓶を傾けて、透明な液体を垂らした。はだけた胸の方にかかると、ひんやりとしていて心地よかった。べっとりとした液体は俺の胸の内から外へと、ゆっくりと広がっていった。
ローションからは柑橘系の匂いがした。
「どう、気持ち良いでしょ?」
月明かりに顔の半分が照らされたパトレシアは、妖艶に微笑んだ。自分の服のボタンをぷちんぷちんと外しながら、片方の手で俺の身体にローションを慣らしていった。
心地の良い香りは一層強くなった。肌の表面は液体で冷えていたが、身体の内側からは確かな熱がこみあげていた。
「お前、これ何か混ぜただろ……」
「うん、媚薬を少しね。魔力が活性化するようにって思って」
「く……そ」
パトレシアが手で撫でると、ぴちゃぴちゃと音が鳴った。まるで肉体の内側を貪られているように思えた。
「う……」
俺がうめくと、パトレシアは嬉しそうに微笑んだ。
「もっと、丁寧に洗うね」
身体をもたげて、パトレシアは俺の上にのっかった。胸から腰のラインがぴったりと、合わさった。
「密着、密着っ……と」
特に柔らかなおっぱいの感覚はあまりに扇情的だった。ぬらぬらとしたローションに浸ったパトレシアのおっぱいは、こするように身体の上をなぞった。
これは……何という感覚だろう。上下左右に動くパトリシアがこんなにも近くにいる。魔力の流れをずっと近くに感じる。
「ここ……」
パトリシアが身体を起こす。
俺の下腹部に目を向けると、ほんのりと白い魔力を帯び始めた魔力炉を指差した。
「熱くなってる」
熱くなってる、そう間違いない。
「これはびょうきだね」
ナツと同じようなことを言って、パトレシアは自分の魔力炉をぴったりと近づけて、ゆるやかに前後に動き始めた。
「ん……」
肌と肌を通して、パトレシアの魔力を感じる。小さな声を漏らしたパトレシアは、恍惚としたように動きを早めた。
ローション(媚薬入り)がこすれて、くちゅくちゅという音が病室に響いていた。顔をあげると、その分が月明かりを吸い込んで静かに輝いているのが分かった。
「あ…………」
淡い光の中でパトレシアは気持ち良さそうに声を出した。
静かな交わいが続く。
彼女の息とローションが立てる音だけが、病室に響く。ただこみあげる魔力だけが、濃度を増し、白と水色が交じり合って決壊しそうなほどに身体からほとばしっていた。
「……ん……、す、ごい……」
パトリシアはひたすらに自分のペースで魔力を貪っていた。その姿はいじらしく、硬い果実を舐めて削っていくような緩慢な営みだった。ある一線を超えないように、彼女は常にギリギリのところで理性を保っていた。
「パトレ……シア」
……だめだ。
これ以上は耐えられない。
全力で自分の身体を結ぶ縄に力を入れる。ミシミシとベッドがきしむ。力を入れた手首が真っ赤に染まっていく。
「う……おぉぉぉお……!」
だが、こんなもので俺の本能を縛ることは出来ない。ベッドの柵が壊れるバキンという激しい音が鳴る。
やった。
両手が自由になった。
「え」
「おしおきだ」
拘束を解いた俺に、パトレシアは呆然と目を丸くした。硬直した身体をベッドの上に押し倒す。はだけたナース服をむいて、彼女の身体をむき出しにする。
「や……ちょっと、アンク……!」
「おとなしくしろ」
「きゃ、あ……!」
水色に染まる彼女の魔力炉を指の先で刺激する。
「あ……あぁ」
主導権を奪われたパトレシアは、なすがままに俺の動きに反応した。身体をよがらせて、甲高い声を漏らした。柔らかな月明かりに照らされたローションまみれのパトレシアは、ベッドに横たわりながらもだえた。
下腹部を刺激すると、パトリシアは激しく反応した。時にいやがるように、時に逃げるように抵抗しながらも、結局最後は諦めたように魔力の放出を受け止めた。
「この前よりすごい量の魔力だな」
「そ……んなこと、ないってば……」
「嘘つけ」
彼女の身体は信じられないほどに熱くなっていた。それに伴って、放出される魔力も膨らんでいく。俺の魔力炉を合わせて刺激を送り込むと、パトレシアは天をあおいで、激しくあえいだ。
「やっ、……あんっ……!」
流し込む魔力の量を最大に大きくすると、パトリシアの魔力炉も反応して、際限なく膨らんでいった。
パトレシアの身体は、ときおり抑えきれずに電気の魔法がピリピリと発生させていた。「もうげんかい」と蚊の鳴くような声で言っていたパトレシアは、最後に激しく身体を震わせた。
「やぁっ……!」
彼女の身体がきゅうと震える。天井で小さな雷鳴が轟いて、やがて消えた。
パトレシアはしばらく何も言わずに、シーツで顔を隠し荒く息を吐いていた。ちらりと見える横顔は、真っ赤に染まっていた。
「あ……う……」
……また少しやりすぎた。
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