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二人目 チカドルキモオタ
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待ち合わせは電気街。
デートからお願いしたいというから、てっきり楽しいところに連れて行ってくれるのかと期待してはみたけれど、やっぱりオタクはオタクエリアから出られないのか、昼食に高架下のきったない食堂に連れて行かれた後、アイドルやアニメばかりの店が入ったビルをウロウロして、夕方になるとそろそろ家に帰らないといけないと言い出したので、
「帰っちゃっていいの?あたしまだ何にも虐めてあげてないけど」
と言ってようやくボソボソ何やら言い出した。
「え?聞こえなーい。もっと大きな声で言って」
人通りの多いところでわざと言うと、顔を真っ赤にして、
「踏んでください」
とようやく言いやがった。
あたしは邪悪な笑みを浮かべてキモオタのチェックシャツの襟首を掴んで路地裏に連れて行き、ポンと突き放した。
キモオタはよろよろと地面に倒れ込んだ。昨日の雨が地面に水溜まりを作っていて、そこにちょうど手と膝をつくとキモオタのメガネに泥が跳ねた。漫画のような展開。
「よっわ。男の子だろ?もうちょっとしっかりしたら」
脇腹を蹴った後、そのまま背中を踏んでやった。
「あっあっ」
と弱々しい声を出してしばらく悶えていたが、この細い路地で次の展開が思いつかないまま時間が経って、あたしが踏んだり蹴ったりするのを止めると、空気を読んだのかすくっと立ち上がり、
「もういいです。ありがとうございました」と頭を下げてきた。
泥だらけになったキモオタ。怒ったのかしら?
「あっそう。じゃあ、ここでお化粧代」
キモオタは色褪せたデニムパンツの後ろポケットからマジックテープ式の財布を出して、バリバリと派手に音を立てた後そこから諭吉ちゃん3枚を出した。
あたしは3マゾを受け取り、
「10分経ったらここから出ていいよ」
と中学生のカツアゲ現場みたいな方を言って先に路地を後にした。
ポツンと立ち尽くす泥だらけのキモオタ。置いてけぼりを食らったような間抜けな顔で私を見送っているのだろうが、あたしが振り向く事はない。
路地から出たところにメイド喫茶の客引きの女の子がいたから千円渡して、
「あそこの子、本当に10分いるか見張っておいてよ」
というと、
「かしこまりました、ご主人さまー」
と元気な返事が返ってきたので、日本もまだ捨てたもんじゃないなと嬉しくなって小躍りした。
デートからお願いしたいというから、てっきり楽しいところに連れて行ってくれるのかと期待してはみたけれど、やっぱりオタクはオタクエリアから出られないのか、昼食に高架下のきったない食堂に連れて行かれた後、アイドルやアニメばかりの店が入ったビルをウロウロして、夕方になるとそろそろ家に帰らないといけないと言い出したので、
「帰っちゃっていいの?あたしまだ何にも虐めてあげてないけど」
と言ってようやくボソボソ何やら言い出した。
「え?聞こえなーい。もっと大きな声で言って」
人通りの多いところでわざと言うと、顔を真っ赤にして、
「踏んでください」
とようやく言いやがった。
あたしは邪悪な笑みを浮かべてキモオタのチェックシャツの襟首を掴んで路地裏に連れて行き、ポンと突き放した。
キモオタはよろよろと地面に倒れ込んだ。昨日の雨が地面に水溜まりを作っていて、そこにちょうど手と膝をつくとキモオタのメガネに泥が跳ねた。漫画のような展開。
「よっわ。男の子だろ?もうちょっとしっかりしたら」
脇腹を蹴った後、そのまま背中を踏んでやった。
「あっあっ」
と弱々しい声を出してしばらく悶えていたが、この細い路地で次の展開が思いつかないまま時間が経って、あたしが踏んだり蹴ったりするのを止めると、空気を読んだのかすくっと立ち上がり、
「もういいです。ありがとうございました」と頭を下げてきた。
泥だらけになったキモオタ。怒ったのかしら?
「あっそう。じゃあ、ここでお化粧代」
キモオタは色褪せたデニムパンツの後ろポケットからマジックテープ式の財布を出して、バリバリと派手に音を立てた後そこから諭吉ちゃん3枚を出した。
あたしは3マゾを受け取り、
「10分経ったらここから出ていいよ」
と中学生のカツアゲ現場みたいな方を言って先に路地を後にした。
ポツンと立ち尽くす泥だらけのキモオタ。置いてけぼりを食らったような間抜けな顔で私を見送っているのだろうが、あたしが振り向く事はない。
路地から出たところにメイド喫茶の客引きの女の子がいたから千円渡して、
「あそこの子、本当に10分いるか見張っておいてよ」
というと、
「かしこまりました、ご主人さまー」
と元気な返事が返ってきたので、日本もまだ捨てたもんじゃないなと嬉しくなって小躍りした。
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