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0章
魔法
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私の最も古い記憶は、飢えだ。
覚えているのはただひたすらに飢えていたことだけ。
恐らくそれが私の初めての死の記憶なのだろう。
この世界は私という生き物に退屈という感情を抱かせることはなかった。人類と定義できる生き物たちが、何度も栄光の時代を気づいては滅びていった。栄光の時代は私にとっても実に楽しい日々であり、滅びの時は栄光の輝きに反比例するかの如く、より醜悪な絶望を私に叩き付けた。
そんな栄光と滅びを繰り返して行くうちに段々と人類の栄光の時代が長くなり、滅びを迎えるまでに掛かる時間が伸びていった。あれは何度目の時であったのか私にはわからないが、世界に変革時が訪れた。
魔法。
その時代の人類はこの世界の構造、真実、その全てを理解するべく、科学の研究をひたすらに繰り返し、この世界の外へと飛び出していく者達すらいた。そんな中で人類はついに存在しない概念すら生み出すことに成功した。
だが、私にとって最も驚くべき変化は、魔法という概念を見つけてから今日に至るまで、人類は滅びの時を迎えていないという点であった。
魔法のおかげで世界が平和に保たれていたわけでは決してなく、人類は幾度も戦争を繰り返し、国が何度も滅んでいった。しかし人類という種が滅びることはなかった。
とある時代に、疫病が流行り滅びの危機が訪れると魔法がそれに答えるかのように、一部の人類が進化し病に掛かることがなくなり、彼らの強力な治癒の力で人類は滅びから救われた。
また、別の時代では、人類が魔神と呼んだ神に等しい存在に対応するため、魔法は人類に神を殺す力を与え、魔神の脅威を打消した。
さらに、別の時代には、この世界と別の世界の衝突の時には、久しく見ていない完全な生命の滅びを見ることになるかと思えば、魔法は人類の選ばれし者達に、運命に抗うために神の力を与えた。
それから数々の滅びの脅威が人類を襲ったがその全てが魔法により解決されていった。
私は魔法とは一体何なのか、その存在、概念に非常に興味が沸いた。科学では人類は滅び、魔法では滅びない。一体何が違うのか、なぜそれほどまでに魔法が万能なのか、もしかしたら私という存在すら完全かつ不可逆的に消し去れるものなのではないのか。
そう思い私は行動に移すことにした。
あれは、そう忘れもしない区切りの時。その時代の人類は、神や天使と言われる人類が何故か天に暮らし、それを同じ人類が讃え、そして魔王、魔物、魔人呼ばれる人類と戦争を繰り返していた時代。
魔法は願えばこの私にすら力を与えた。そして人類が残り僅かになり最果ての地まで追い込んだ時、その時は訪れた。私はかつての魔神と比較され魔神王として世界を滅ぼすものとして人類に滅びの時を与える寸前までいった。
そして、やはり魔法は人類を滅びの時から救うため、人類に私に対抗するため大いなる力を与えた。何十億という生を歩んできた私ですら見たことのない異次元の力。その力に私は飲み込まれ、私という存在は消滅した。
しかし、魔法はついに私の願いを叶えることはなかった。
だが、私は魔法に絶望することはなかった何故なら、私が消滅してから復活した時には新たな世界の概念が出来上がっていたからだ。
魔法は私という存在をその時初めて認識したのだろうか?。それとも誕生したあの時から既に私を認識していたのだろうか、私を消滅させたことで魔法は世界に新たな概念を与えた。
それが転生であった。
覚えているのはただひたすらに飢えていたことだけ。
恐らくそれが私の初めての死の記憶なのだろう。
この世界は私という生き物に退屈という感情を抱かせることはなかった。人類と定義できる生き物たちが、何度も栄光の時代を気づいては滅びていった。栄光の時代は私にとっても実に楽しい日々であり、滅びの時は栄光の輝きに反比例するかの如く、より醜悪な絶望を私に叩き付けた。
そんな栄光と滅びを繰り返して行くうちに段々と人類の栄光の時代が長くなり、滅びを迎えるまでに掛かる時間が伸びていった。あれは何度目の時であったのか私にはわからないが、世界に変革時が訪れた。
魔法。
その時代の人類はこの世界の構造、真実、その全てを理解するべく、科学の研究をひたすらに繰り返し、この世界の外へと飛び出していく者達すらいた。そんな中で人類はついに存在しない概念すら生み出すことに成功した。
だが、私にとって最も驚くべき変化は、魔法という概念を見つけてから今日に至るまで、人類は滅びの時を迎えていないという点であった。
魔法のおかげで世界が平和に保たれていたわけでは決してなく、人類は幾度も戦争を繰り返し、国が何度も滅んでいった。しかし人類という種が滅びることはなかった。
とある時代に、疫病が流行り滅びの危機が訪れると魔法がそれに答えるかのように、一部の人類が進化し病に掛かることがなくなり、彼らの強力な治癒の力で人類は滅びから救われた。
また、別の時代では、人類が魔神と呼んだ神に等しい存在に対応するため、魔法は人類に神を殺す力を与え、魔神の脅威を打消した。
さらに、別の時代には、この世界と別の世界の衝突の時には、久しく見ていない完全な生命の滅びを見ることになるかと思えば、魔法は人類の選ばれし者達に、運命に抗うために神の力を与えた。
それから数々の滅びの脅威が人類を襲ったがその全てが魔法により解決されていった。
私は魔法とは一体何なのか、その存在、概念に非常に興味が沸いた。科学では人類は滅び、魔法では滅びない。一体何が違うのか、なぜそれほどまでに魔法が万能なのか、もしかしたら私という存在すら完全かつ不可逆的に消し去れるものなのではないのか。
そう思い私は行動に移すことにした。
あれは、そう忘れもしない区切りの時。その時代の人類は、神や天使と言われる人類が何故か天に暮らし、それを同じ人類が讃え、そして魔王、魔物、魔人呼ばれる人類と戦争を繰り返していた時代。
魔法は願えばこの私にすら力を与えた。そして人類が残り僅かになり最果ての地まで追い込んだ時、その時は訪れた。私はかつての魔神と比較され魔神王として世界を滅ぼすものとして人類に滅びの時を与える寸前までいった。
そして、やはり魔法は人類を滅びの時から救うため、人類に私に対抗するため大いなる力を与えた。何十億という生を歩んできた私ですら見たことのない異次元の力。その力に私は飲み込まれ、私という存在は消滅した。
しかし、魔法はついに私の願いを叶えることはなかった。
だが、私は魔法に絶望することはなかった何故なら、私が消滅してから復活した時には新たな世界の概念が出来上がっていたからだ。
魔法は私という存在をその時初めて認識したのだろうか?。それとも誕生したあの時から既に私を認識していたのだろうか、私を消滅させたことで魔法は世界に新たな概念を与えた。
それが転生であった。
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