2 / 2
0章
転生
しおりを挟む
私はこの世界で消滅や死を繰り返してきた。そしてその後、特に何事もなかったかのようにこの世界に復活する。そしてこの世界は私を初めから存在していたように振る舞った。私もそれに合わせていた。
しかし、この転生という概念の誕生を機に、私は消滅や死を迎えるたびに、人類としての生を受けるようになった。味覚、触覚、視覚、聴覚、嗅覚、全てが私にとって初めて味わう感覚であった。
飢え以外に私は新たな感覚を得ることが出来たのだ。
そしてまた時を同じくして人類にも、転生するものが現れた。
この世界の最初期の転生は強大な力も持ったまま死した者が新たな生を受けるという仕組みであった。それも時代の流れにつれて、生に対する強い思いなど本人の肉体的強さだけでなくその感情の強さによって転生できるようになっていった。転生によって人類は私と同じく悠久の時を生きることが可能な存在となった。しかし、人類の多くは一度の生を終えればそれ以降転生することはなく長い者でも10回目の転生を迎えずに完全なる死を受け入れてしまうもの達がほとんどであった。
しかし、私にはそれが許されていなかった。必ず新たな人類として転生を繰り返し続けていた。始めのうちはいずれ私も人類であるゆえに完全な死を迎える日が来るのだと疑っていなかった。
しかし、数百、数千、数万と回数を重ねるごとにそのような日は訪れないのだと悟った。
私は転生を繰り返すうちに、時には転生していない人類として生活したり、幾度も転生を繰り返す魔法使いとして、大賢者と言われる地位を人類から得た時もあった。
人類という生命体は実に様々なことを考え、様々な事を起こす。どれほどの年月をかけようと私が退屈という感情に苛まれることはなかった。私が死を求めるのに理由などなかったのもその一因なのだろう。単純な興味の域でしかなかったのだ。
そして、そんな平穏な時代が長く続いたある時、死を受け入れない人類の存在を知ることとなった。
私自身この広大な世界全てを魔法の力で見渡すことが出来るようになっていたが、その遊びは、とうの昔にやめていた。それ故、彼らの存在を知ったのは彼ら自身がその存在を世界に知らしめた時であった。
彼らは魔神王、かつての私を悪行を崇拝し、魔法が生み出した転生という概念は、私が滅びる時に、いつか私の後継者となるものが私と同等の存在へと昇華する為に、私自身がこの世界を呪ったことで生まれた力であると信じている者達の集団であった。
そして、彼らは私が、何万という回数の転生を繰り返すのと時を同じく、より強くなるため幾度も転生を繰り返し、その身に宿る魔法の力、魔力を極限まで高めていった存在であった。
そんな彼らが存在を世界に知らしめたのは、当然かつての私の悪行と同じく、人類の殲滅を実行するためであった。
幾万と転生を繰り返した得たその力は、人類の英雄、天使、神すらをも凌駕し、かつての私が振るったその力と遜色ないと言って良かっただろう。
だが常に魔法は人類を滅びの危機から救う。一時的とはいえ圧倒的な力を与えるのだ。当時の私ですら消滅させられた力である。私は彼らの悪行はその魔法の圧倒的な力の前に敗北する日が来るのだと勘違いしていた。
しかし、彼らもまた人類であった。故にどちらの勝利に終わろうとも人類は滅びず存続する。であれば、魔法そのものが人類を救うことはない。そう結論付けていた。
私は彼らによって人類は一度数を大きく減らすのだろうと予測していたが、ここでまた私は大きな思い違いをしていた。そもそも魔法という概念を生みだしたのが人類であるということを忘れてしまっていたのだ。それによって今回の人類が持っている底力を見誤っていた。
彼らの侵攻が人類の領域のおよそ半分を越えたころ、人類最古の国家がある魔法を完成させた。
異世界人召喚魔法であった。
しかし、この転生という概念の誕生を機に、私は消滅や死を迎えるたびに、人類としての生を受けるようになった。味覚、触覚、視覚、聴覚、嗅覚、全てが私にとって初めて味わう感覚であった。
飢え以外に私は新たな感覚を得ることが出来たのだ。
そしてまた時を同じくして人類にも、転生するものが現れた。
この世界の最初期の転生は強大な力も持ったまま死した者が新たな生を受けるという仕組みであった。それも時代の流れにつれて、生に対する強い思いなど本人の肉体的強さだけでなくその感情の強さによって転生できるようになっていった。転生によって人類は私と同じく悠久の時を生きることが可能な存在となった。しかし、人類の多くは一度の生を終えればそれ以降転生することはなく長い者でも10回目の転生を迎えずに完全なる死を受け入れてしまうもの達がほとんどであった。
しかし、私にはそれが許されていなかった。必ず新たな人類として転生を繰り返し続けていた。始めのうちはいずれ私も人類であるゆえに完全な死を迎える日が来るのだと疑っていなかった。
しかし、数百、数千、数万と回数を重ねるごとにそのような日は訪れないのだと悟った。
私は転生を繰り返すうちに、時には転生していない人類として生活したり、幾度も転生を繰り返す魔法使いとして、大賢者と言われる地位を人類から得た時もあった。
人類という生命体は実に様々なことを考え、様々な事を起こす。どれほどの年月をかけようと私が退屈という感情に苛まれることはなかった。私が死を求めるのに理由などなかったのもその一因なのだろう。単純な興味の域でしかなかったのだ。
そして、そんな平穏な時代が長く続いたある時、死を受け入れない人類の存在を知ることとなった。
私自身この広大な世界全てを魔法の力で見渡すことが出来るようになっていたが、その遊びは、とうの昔にやめていた。それ故、彼らの存在を知ったのは彼ら自身がその存在を世界に知らしめた時であった。
彼らは魔神王、かつての私を悪行を崇拝し、魔法が生み出した転生という概念は、私が滅びる時に、いつか私の後継者となるものが私と同等の存在へと昇華する為に、私自身がこの世界を呪ったことで生まれた力であると信じている者達の集団であった。
そして、彼らは私が、何万という回数の転生を繰り返すのと時を同じく、より強くなるため幾度も転生を繰り返し、その身に宿る魔法の力、魔力を極限まで高めていった存在であった。
そんな彼らが存在を世界に知らしめたのは、当然かつての私の悪行と同じく、人類の殲滅を実行するためであった。
幾万と転生を繰り返した得たその力は、人類の英雄、天使、神すらをも凌駕し、かつての私が振るったその力と遜色ないと言って良かっただろう。
だが常に魔法は人類を滅びの危機から救う。一時的とはいえ圧倒的な力を与えるのだ。当時の私ですら消滅させられた力である。私は彼らの悪行はその魔法の圧倒的な力の前に敗北する日が来るのだと勘違いしていた。
しかし、彼らもまた人類であった。故にどちらの勝利に終わろうとも人類は滅びず存続する。であれば、魔法そのものが人類を救うことはない。そう結論付けていた。
私は彼らによって人類は一度数を大きく減らすのだろうと予測していたが、ここでまた私は大きな思い違いをしていた。そもそも魔法という概念を生みだしたのが人類であるということを忘れてしまっていたのだ。それによって今回の人類が持っている底力を見誤っていた。
彼らの侵攻が人類の領域のおよそ半分を越えたころ、人類最古の国家がある魔法を完成させた。
異世界人召喚魔法であった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
聖女のはじめてのおつかい~ちょっとくらいなら国が滅んだりしないよね?~
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女メリルは7つ。加護の権化である聖女は、ほんとうは国を離れてはいけない。
「メリル、あんたももう7つなんだから、お使いのひとつやふたつ、できるようにならなきゃね」
と、聖女の力をあまり信じていない母親により、ひとりでお使いに出されることになってしまった。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる