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期末試験編

36話 白の透けているTバックですが脈ありでしょうか?

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 紫陽花から返答が無い。
 さっきから、ピクリとも動かずに頭を抱えている。余程言いづらいものなのか。

(別に無理に言わなくてもいいぞ?)

(……ちょっと待ってて)

 紫陽花は、スカートに手を入れて、何かを確かめている。確認し終わったのか、手を引っ込めて再び頭を抱えた。

(……恥ずかしいから、もうちょっと耳を近づけて)

(お、おう、わかった)

 紫陽花の口に耳を近づける。
 暖かい息が、耳に触れる。
 吐息が、徐々に荒くなってくる。

(白い……透けてるTバック)

 俺は、目を閉じイメージする。
 白い透けてるTバック。
 つまり、カーテンのレースのような無防備な布生地のTバック。
 しかも、Tバックはほぼお尻が丸見えの変態仕様のランジェリー。
 それをこのTバックというワードを言っただけで、恥ずかしそうに呟く彼女が履いている。
 その事実、このシュチュエーション、とても素晴らしい!
 言い表すなら、Tバックという変態を身に纏った聖女の如き、背徳的なエロス!

(……ありがとう)

 俺は、この状況を伝えてくれた紫陽花に、ただ感謝していた。
 最高の変態をありがとうと。

(約束だしいいけど、よからぬ事を考えてるあんたが癪にさわるから、爪で皮つまんでやる)

「痛い痛い!やめて紫陽花ちゃん!」

 その後、さっきのポーズから解放された。
 でも、待てよ。
 よくよく考えたら、あの座ってた時。
 紫陽花のほぼ生尻が、俺のズボンに触れていたという事になるよな?
 いや、やめておこう。
 これ以上考えたら、まともに紫陽花を見れなさそうだ。

 そんなこんなありつつ、今日の勉強会は終わった。
 帰り道、みんなと別れて紫陽花と2人きりになった。さっきの事もあり、ちょっと気まずい。
 紫陽花もどこか、ぎこちない顔をしている。

「そういえばさ」

 先に沈黙を破ったのは、紫陽花だった。

「夏休みどこに行く?」

「夏休みか~、海とか行きたいなぁ」

「ちょっと、視線がやらしいよ」

「おっと、なんのことやら?」

「全く、そういうのは向日葵にしてなさいよ」

「大丈夫だ!お前なら似合う!俺的にはフリルがついたビキニとか絶対似合うと思うぞ!」

「却下です、変態は帰りなさい」

「そんな下着着けてるなら、どっちが変態かね~」

「……これは、その熱くて一時の気の迷いというか~なんというか~」

「安心しろ!変態な紫陽花も大好きだぞ!」

「うっさい!このスケベ!」

 その瞬間、いきなり突風が俺達を通り抜ける。
 突風は、結構強めで一瞬つむじ風かと勘違いするほどのものだった。
 そう、強い風。
 スカートをめくるには、十分過ぎる程の突風。
 俺が、なにが言いたいのか分かるかい?
 見えたのさ。
 紺のスカートが、激しく揺蕩う。
 その隙間から十分に見える、透けた白い三角形が。
 紫陽花は、急いでスカートを手で押さえつける。

「……見た?」

「……はい」

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