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モブは端にいたいのです。
茶番劇の裏側2(聖女の知らない真実)
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「まず、そもそもの前提として今回の事件を起こしたのにはいじめの解決という理由を抜いて大きく三つある。
一つは簡単に聖女様との取引だ。」
えっ、ケリーと取引?
「どうやって契約を行ったのですか?」
疑問を感じた私はすぐさま彼に尋ねる。
「まあそう急ぐな。時間はたっぷりある。
...一か月前の深夜にアイシャ様が侵入してきてな。
取引を持ち掛けられたんだ。」
あいつは馬鹿なのか?
聡明な王太子じゃなきゃ牢に放り込まれ...、はしないか。
教会との関係悪化だな。
聖女様、だから。
「大丈夫だったか?」
王太子殿下は剣の名手だったはずだ。
心配になった俺は思わずケリーに尋ねた。
「心配して下さってありがとうございます。
ですが、大丈夫です。
王太子殿下は聡明な方だったので。」
..................。
聡明な方でなければどうしていたのか、なんて聞けなかった。
そういえば、今代の聖女は魔法の腕は超一流だとかいっていたな。
「そうか。それで、どんな取引をしたのですか?」
今度は王太子殿下に問いかける。
「いじめ問題解決、及び、『聖女』がそのことを許す、という話の代わりに、ミカ、お前との接点を作ってくれと頼まれたんだ。
それが取引だ。
そして、そこまでの流れがあの卒業生たちが集う夜会での聖女様との作戦。」
まさかそこで王太子殿下に頼んでいるとは...。
気心の知れていると言えば失礼かもしれないが、昔から知っている王太子殿下にそれを知られてしまうとは!
少し頬が熱くなった感覚がした。
それを見て彼はにやりと笑う。
俺は、その視線を払うようにケリーに話しかける。
「それで?ケリーは直接来ただろう?俺との接点は自分で作ってしまった。」
ケリーが答えようとすると、それを王太子殿下が制止する。
その様子を見て私は納得がいく。
「もしかして、私が平民なのに態々あの舞台で発言させられたのは接点を作るためですか?」
そういえば気になっていたことだ。
王太子殿下はさも当然のように横柄にうんうんと頷く。
「そうだ。まぁ、今回はついでのようなものだし、またの機会に設けようと思っていたのだが、私の作戦破りに彼女がご立腹で...、プロポーズをしてしまったという訳だ。」
え......
「では、それでは、完全なる巻き込まれというやつではないですか!?
お陰で私は絶対に彼女と結婚しなければならなくなったのですが!?」
「そうなのか?」
と、存外王太子殿下は落ち着いた様子でケリーを見やった。
「こちらは約束を守ります。ミカ様の名誉のためにも、私の名誉のためにも結婚はしていただきますが、好きな方ができたり、結婚を辞めたいようでしたらこちらは応じるつもりです。一度結婚し、離婚したと噂され、敬遠されるとは思いますが、それはあなた様の主が全て悪いのです。」
ふんっと憤ってはいるが、国の上に立つものは約束が一つ反故にされるだけで命取りだ。
作戦がいきなり変わって不安は多くあっただろう。
だからこの反応も間違ってはいない。
まだかわいい方だな。
それにしても、結婚を止めたいと思うなら止められるのか。
直球型に見えていたケリーだけれど意外と考えているらしい。
「それはそうですね。理解しています。
こういう場合、私の主はいつでも悪いのです。
申し訳ありません。」
すると、我が主はビクッとし、
「おい!庇え!」
と少し悪いことをした子のような助けてほしそうな眼を私に向けてくる。
だが、助けないぞ?
そして、気を取り直した王太子殿下が続きを話しだした。
一つは簡単に聖女様との取引だ。」
えっ、ケリーと取引?
「どうやって契約を行ったのですか?」
疑問を感じた私はすぐさま彼に尋ねる。
「まあそう急ぐな。時間はたっぷりある。
...一か月前の深夜にアイシャ様が侵入してきてな。
取引を持ち掛けられたんだ。」
あいつは馬鹿なのか?
聡明な王太子じゃなきゃ牢に放り込まれ...、はしないか。
教会との関係悪化だな。
聖女様、だから。
「大丈夫だったか?」
王太子殿下は剣の名手だったはずだ。
心配になった俺は思わずケリーに尋ねた。
「心配して下さってありがとうございます。
ですが、大丈夫です。
王太子殿下は聡明な方だったので。」
..................。
聡明な方でなければどうしていたのか、なんて聞けなかった。
そういえば、今代の聖女は魔法の腕は超一流だとかいっていたな。
「そうか。それで、どんな取引をしたのですか?」
今度は王太子殿下に問いかける。
「いじめ問題解決、及び、『聖女』がそのことを許す、という話の代わりに、ミカ、お前との接点を作ってくれと頼まれたんだ。
それが取引だ。
そして、そこまでの流れがあの卒業生たちが集う夜会での聖女様との作戦。」
まさかそこで王太子殿下に頼んでいるとは...。
気心の知れていると言えば失礼かもしれないが、昔から知っている王太子殿下にそれを知られてしまうとは!
少し頬が熱くなった感覚がした。
それを見て彼はにやりと笑う。
俺は、その視線を払うようにケリーに話しかける。
「それで?ケリーは直接来ただろう?俺との接点は自分で作ってしまった。」
ケリーが答えようとすると、それを王太子殿下が制止する。
その様子を見て私は納得がいく。
「もしかして、私が平民なのに態々あの舞台で発言させられたのは接点を作るためですか?」
そういえば気になっていたことだ。
王太子殿下はさも当然のように横柄にうんうんと頷く。
「そうだ。まぁ、今回はついでのようなものだし、またの機会に設けようと思っていたのだが、私の作戦破りに彼女がご立腹で...、プロポーズをしてしまったという訳だ。」
え......
「では、それでは、完全なる巻き込まれというやつではないですか!?
お陰で私は絶対に彼女と結婚しなければならなくなったのですが!?」
「そうなのか?」
と、存外王太子殿下は落ち着いた様子でケリーを見やった。
「こちらは約束を守ります。ミカ様の名誉のためにも、私の名誉のためにも結婚はしていただきますが、好きな方ができたり、結婚を辞めたいようでしたらこちらは応じるつもりです。一度結婚し、離婚したと噂され、敬遠されるとは思いますが、それはあなた様の主が全て悪いのです。」
ふんっと憤ってはいるが、国の上に立つものは約束が一つ反故にされるだけで命取りだ。
作戦がいきなり変わって不安は多くあっただろう。
だからこの反応も間違ってはいない。
まだかわいい方だな。
それにしても、結婚を止めたいと思うなら止められるのか。
直球型に見えていたケリーだけれど意外と考えているらしい。
「それはそうですね。理解しています。
こういう場合、私の主はいつでも悪いのです。
申し訳ありません。」
すると、我が主はビクッとし、
「おい!庇え!」
と少し悪いことをした子のような助けてほしそうな眼を私に向けてくる。
だが、助けないぞ?
そして、気を取り直した王太子殿下が続きを話しだした。
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