ドSな幼馴染の分かりにくい愛情表現

めるてぃ

文字の大きさ
6 / 11

【6話】 デート

しおりを挟む
とうとう迎えてしまった約束の日。
私は当日ギリギリまで服選びに没頭していた。服は大体お母さんに任せてたから何が可愛いか、なんて正直あまり分からない。服を胸の前に当ててみるけど…どれも変わらない気がする。

でも、こういうデートってスカートかワンピースとかが定番なような…と勝手に思い込む。うーんうーんと悩んでいると約束の時間を超えそうになっていた。やばい、遅れたら確実に怒られる…!もうどうにでもなれ!と、1番新しくて自分が可愛いと思う物に着替えた。

「お、お待たせ…」

一応走っては来たものの、間に合わなかったようだ。とっても不機嫌そうに睨みつけてくる。

「おい、34秒遅刻だぞ」

「ごめんなさい…」

ほんっと、変なとこで細かいんだから…
それからまじまじと私を探るように見つめてくる快人。

「それでオシャレしてきたわけ?」

「う、うん…どうかな?」

春らしい服という事で花柄の白いワンピースに、サンダル。そしていつもは下ろしているセミロングの髪を今日は横三つ編みにしてきた。三つ編み自体慣れてなくて動画を参考にしてみた。何回もやったかいあって、だいぶ綺麗に整えられた。
だけど…快人の返事はあまり期待していない。私が何をやったってブスって言われるのは目に見えていたから。

「…まぁまぁいいんじゃね?」

「えっ…?」

とっさに熱くなった両頬を抑える。
まさかそんな事言われるなんて思わなかった。いつもなら豚に真珠とかどうとか言うじゃない。ふと、快人の顔を見上げると耳が少し赤かった。
何だか居たたまれなくなりお互いに沈黙が流れる。

「言っとくけどブスには変わりねぇから。前より1%マシってだけ。調子乗んなよ」

さ、さいってー!何もそこまで言わなくても!!本当何なの…振り回さないでよ。それからこちらへ手を伸ばしてきた。いつもなら腕を掴んでくるのに、手を掴まれた。しかも、指を絡ませて。

こ、これって…恋人繋ぎ?デートだから?今更ながら実感し始めて恥ずかしくなる。いつもと違う幼馴染に少しだけキュンとしてしまった。

─────

「ん~、美味しい♡」

ここは街の中にあるけどひっそりとしたカフェ。美味しいし映えるという事で毎日予約が殺到している場所だ。私は今、いちごパンケーキをほお張っている。

「そんな食ったらデブるぞ」

私が食べている様子をゴミを見るような目で眺める快人。ここに来るのは何気に初めてだからつい沢山食べてるだけなのに。そこはあえてスルーして、訪ねてみる。

「快人は甘いの苦手だったよね?どうしてここに連れてきてくれたの?」

ずっと疑問だった。快人は昔から洋菓子より和菓子を好むくらい甘ったるい食べ物が苦手だ。それなのに、何の気まぐれなんだろう。

──────

快人side

『甘いの苦手だったよね』

コイツ…なんで覚えてんだよ。“あの日以降の”大事な事は全部覚えてないはずなのに。

「別にお前のためじゃねぇけど?」

「あ…ご、ごめん!私ってば何言って…」

フォークを持ったままブンブン手を振って慌て出す咲。顔あっか…。それ無意識で言ってたの?しかもそんなに手、振ったらフォークについたホイップクリームが飛ぶだろ。………ほら。
ガタンと、椅子を引いて机に身を乗り出す。

「甘すぎ」

「!!い、今舐め…!?!?」

ホイップクリームとってやっただけなのに動揺しすぎだろ。コロコロ表情が変わって…本当いつ見ても飽きねー奴。

─────

頬を…舐められた。さっき私が明らかに自意識過剰みたいな事言って混乱してたけど…。今日は涼しいのに顔が熱い。

「これが全部腹にいって胸にいかないとかお前…残念な奴だな」

「よ、余計なお世話です…!!」

哀れみの視線を向けてくる快人。欲しいけど…なくても生きていける、と開き直る事にした。
一段落食べ終わると、また何処かへ行くのか私を引っ張る快人。今度は何処に行くんだろうと、軽く胸を弾ませて着いて行った。

「ゲームセンター?」

「見れば分かるだろ」

常に周りが大音量で音が飛び交う場所。1度来たら皆がハマるような場所。
高校生だからリアルが忙しくなってきて最近行っていなかった。私は実は音ゲーが好きで、小さい頃から両親とよく行ってダンスのような音ゲーや、腕を広げて叩く物等々、数々のゲームを楽しんできた。
それをまた楽しめるなんて…!!久々のゲームセンターに私はワクワクしていた。

「わ、新しい機器だ…」

新鮮で、キラキラして見える。とてつもなく遊びたい衝動に駆られるけど、快人もいるしな…。でもこの機会を逃したらまたいつ行けるかなんて分からない。

「やればいいじゃん」

と、お金をサッと投入する。

「ありがとう…!」

楽しい。こんなに楽しい時間久しぶり!ありのままで過ごせているような気分。ずっと続いてほしいな─。


「楽しかった…!」

途中から熱中しすぎて一人の世界に入っていた。本当、快人には感謝しよう。

「今日は本当にありがとう!なんか、私だけ楽しんじゃってて申し訳ないかも…」

「…アホ。鈍感。そういうのはさぁ」

両手で頬を包み込むように添える。

「黙っておいて感謝だけしてればいいんだよ」

刹那、強引に唇を押し付けられ、舌を絡ませてきた。突然の事に、抵抗出来ず流されてしまう。クチュクチュと、いやらしい水音が響く。
それから壁に迫られ、下からワンピースに手を入れる。頭を引きはがそうとしてもピクリとも動かなかった。私の非力さに落ち込んだ。
ここは路地裏とはいえ、いつ人が通ってもおかしくない場所。

「や…!」

また、されるの!?嫌、でも外だ。大声を出したら助けが来てくれるかも…

「そんなに大きな声出したら変態がいるって訴えるから」

心を見透かしたような言動をする快人。変態はどっちよ…!
そんな私はお構いなしにズルっとパンツを下ろす。そして信じられない行動に出た。私のスカートに顔をうずめて、直後、恥部に生暖かい液体が触れるのを感じた。

「んああぁっ、きたな、いよ…!」

「うるせーな」

ピチャピチャと、絶妙な舌使いで舐めてくる快人。変になりそう…!

「足、動いてるけど。感じてんの?」

ニヤリと、妖艶な笑みを浮かべる快人。前のあの時とは違う表情だった。

「違うっ!」

「ふーん、じゃあここは?」

「ふあっ…」

弱点を見つけたと言わんばかりに満足そうに見上げてくる快人。何だか幼い頃の無邪気な笑顔を連想させて憎めない。それから指を入れてくる快人。この前は痛みが強かったのに…どうして?気持ち良くなっちゃう。私の僅かな反応を見逃さず執拗に指を動かす快人。

「あっ、そこ、だめぇっっ…んああ!」

私はとうとう耐えられず、絶頂を迎えてしまった。思わず力が抜けてぺたんと座り込む。ピクピク足も痙攣していて、余韻が続く。涙は出たけど痛いとかの生理現象だった。

「快人のばか…、今日楽しかったのに、こんな酷い事…っ」

前謝ってきたから安心してたのに。あんまりだよ…

「だからだけど?ご褒美あげてやっただろ」

「えっ?」

意味が分からず首を傾げる。

「気持ち良くしてやっただろーが」

カァァァッと体中熱くなるのを感じた。え?ほ、奉仕されてたって事?こういう事には疎いから分からなかった。
でも、確かに前よりは苦しくなかった。けど、そんなの頼んでない…。恥ずかしすぎる。

「でも、嫌だったのに…」

「…お前嘘つくの下手すぎ」

突如、グイッと私の両腕を両手で強く掴んでくる。チュッと触れるか触れないか程度でキスを何度も落としてくる。

「んっ、、んん!あっ…」

息する暇もない勢いでまた、流されていく。

「ほら、嫌なんだろ?拒めよ」

「んむぅ…!」

そんな事言ったって、変に優しくするから…!なんでそんな、急に甘いキスなんか…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

田舎に帰ったら従妹が驚くほど積極的になってた話

神谷 愛
恋愛
 久しぶりに帰った田舎には暫くあっていない従妹がいるはずだった。数年ぶりに帰るとそこにいたのは驚くほど可愛く、そして積極的に成長した従妹の姿だった。昔の従妹では考えられないほどの色気で迫ってくる従妹との数日の話。 二話毎六話完結。だいたい10時か22時更新、たぶん。

処理中です...