檻から抜け出せない

かえねこ

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2 発熱

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 丸二日近く犯され続けた正輝は、翌朝高い熱を出した。

「何の病気だ?」
 海棠は主治医に問うた。

「身体には特に異常は見当たりませんから、これは精神的なものでしょう」
「精神的?」
「はい。人間は強いストレスを感じた時にも熱を出すことがあります」

 どうやら、敵の手中に落ちた上に男に強姦されたことがショックだったらしい。

「・・・成る程。だが、今まで熱を出した男はいなかったが・・・」
「見たところ、彼は強靭な精神の持ち主でしょう。ですが、身体と心が相反したことで強いストレスを感じたのだと思います」
 海棠に抱かれて感じる身体とそれをいと厭う心が精神に負担をかけ、それが高熱となって現れたのだ。
「暫くは安静にしたほうがいいでしょう」
 高熱は二日も続き、三日目には下がってきた。

 五日ほど食事を取っていなかった正輝は食べ物を受け付けず、暫くは点滴生活が続いた。

「落ち着いたようだな」
「触るなっ」
 ようやく起き上がれるまでになった正輝は頬に触れようとした海棠の手を払いのけた。

「まるで手負いの獣だな」
 そのまるで毛を逆立てた猫のような彼に男は苦笑を洩らした。
「だが、あまり焦らさないで欲しいな」
 男は正輝の手を押さえつけると、唇に口付けた。

「・・・んっ・・・放せっ!」
 正輝はもがいて男を押し戻そうとするが敵わない。
 刑事として鍛えているはずなのに振り解けない。
 病み上がりで体力が落ちているのか。

 男はいとも簡単に正輝の手足を封じ込めると、再びじっくりと口腔を味わった。
「ん・・・んんー」
 その間にも男は暴れる正輝の服を器用にはだけ、ズボンを脱がせてゆく。
 更に正輝の両手をシーツで縛り付けると、身体のあちこちに口づけていった。

「や・・・めろっ」
 正輝は屈辱に顔を歪めた。
 そんなことにはお構いなく、海棠は正輝の肉体に愛撫を施してゆく。
 既に正輝の身体の隅々まで知り尽くした男はいとも簡単に官能の火を呼び起こす。

「あ・・・くっ・・・」
 前を口で嬲られ、漏れそうになる声を必死で殺す。

「やめっ、あ・・・」
 いきなり蕾を舐められ、正輝は思わず腰を浮かした。
 袋を揉みしだかれながら蕾を舌先で突付かれると、ぴくぴくと身体が跳ねる。

 海棠は舌先を捻じ込み、襞の一つ一つを丹念に舐め、蕾を解してゆく。
「・・・あ・・・」
 指が差し入れられた瞬間、正輝は瞠目して身体を硬直させた。

 男は正輝の砲身に唇を寄せ、丁寧に愛撫を施しながら、徐々に蕾が綻んでゆくのを確認して指を奥まで挿入し、柔柔と奥を弄った。
「ひ・・・ぁっ・・・やめっ」
 男は正輝のツボを心得ており、そこを重点的に攻めてきた。

 痺れるような感覚に流されまいと正輝は腰を引き、男の指から逃れようとした。

 だが男はそれを許さず、指を増やして攻め立てる。
「ん・・はっ・・・ぁ」
 正輝の目尻に溜まった涙を舐めとると、海棠は正輝の中に入っていった。

「う、あ・・・ぁ」
 一度男を受け入れた経験のある身体は、以前より容易く男の進入を許してしまう。

 海棠の動きにあわせて腰を動かしながらも、正輝は心が追いつかずにいた。


「あ、もう・・・」
 何度も達かされて、身体は限界に来ていた。

「もう出ないか? だが、ここはまだ欲しがっているぞ」
 海棠は結合したまま突き上げた。
 ぐちょぐちょと淫靡な音を響かせる。
 さっきから一度も抜かれず、何度も精を吸った筈のそこは、まだひくひくと男を締め付けていた。

「あっ・・・あぁっ」
 もう出ないと思った欲望が迸る。
 また熱が出そう・・・そう思いつつ正輝は意識を失った。




 目覚めた正輝は起きようとして、身体の痛みに唸り声をあげた。
 体中がギシギシと筋肉痛で動かない。僅かに動いただけで、身体の奥からも鈍い痛みが奔る。
 まるで自分の身体じゃないみたいに思い通りにならない。

 全身に残る痕跡があの男に蹂躙されたことを物語っていた。
「ち・・・くしょう・・・」
 悔しさに唇を噛み締める。

 何度か起き上がろうとしたが、身体が軋んで力が入らない。

 チャリ・・・
 耳元に金属音が聞こえ、そちらに目をやった。手首に革らしきものが嵌められ、そこからベッドの枕元の柵に鎖で繋がれていた。

「目が覚めたか」
 扉が開く音とともに海棠が入ってきた。

「気分はどうだ?」
「・・・最・・・悪・・」
 心持ち顔をあげ、男を睨む。

 海棠はクスリと笑うと、
「昨日は最高だったろう? 何度も達ったくせに、違うとは言わせないよ」
 そういって、シーツの上から正輝の腰の辺りを撫でた。

「クッ」
 悔しそうに正輝は睨み返した。

「あんた、俺を飼い殺しにでもする気か?」
「フッ、それもいいな・・・。君はなかなかいい声で啼くし」

「なっ! ・・・くぅっ」
 正輝は海棠の科白に顔を朱に染め、殴りかかろうとしたが無駄だった。
 全身の苦痛と鎖の拘束で、起き上がれなかったのだ。

「無理をしないほうがいい。普段使わない筋肉を使ったんだ・・・ゆっくり休め。そのうち慣れる」
「慣れて堪るか!」
 ぎゃんぎゃん吠える正輝を海棠は面白げに眺めた。

「毎日抱かれれば嫌でも慣れるさ」
「え・・・?」
 一瞬、その言葉を理解するのを頭が拒否した。が、直ぐにその意味することに気付き、正輝は全身を朱に染めた。
「この、変態野郎!」
 クックッと海棠は正輝の反応を楽しみながら、部屋を後にした。

「くそっ!」
 またあの男にいいようにされるかと思うと腸が煮えくり返るが、囚われの身ではどうしようもない。
 なんとか逃げる方法を考えようとしたが、全身の痛みと気だるさに次第に眠りに落ちていった。

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