白樫学園記

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2■学園生活スタート☆ぼくたち山田兄弟 SIDE:歩(了)

5.双子を溺愛する伯父

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 5.双子を溺愛する伯父

「のんのん! あゆあゆ!」
「う、わあおあ」
 部屋に入った瞬間、いつものように叔父さんに羽交い締めにされた。
 いつものことだから毎回避けようと思ってるのにうまくいかない…。

「大丈夫だった? 迷わなかった?」
「うん、うん」
 迷ったとか言ったら大騒ぎするんだろうな、と思って、とりあえず返事しといた。
「伯父さん、苦しい」
 いいかげん話してくれないと窒息する、と思って言うと、やっと伯父さんは僕らから離れた。
「ああごめんごめん、あんまりかわいいからさあ」
「だから、可愛いって何! 僕らもうジュウゴなんだけど!」

 いつまでも子供扱いするんだからー。

「ああごめんごめん」

 オレとノンは叔父さんから制服を受け取って部屋をあとにした。

 何かあったら理事長の甥っ子だって言えって言われたけど、できればそんなこと言いたくない。
 オレはみんなと楽しくやっていきたいだけだし、自分の問題は自分でケリつけたいから。
 理事長の甥とかいうバックグラウンド利用するなんて男としてどうかと思う。

「あれ?こっちだっけ?」
「こっちだろ?」

 とか言いながら、やたらと広い校内を迷いながら、なんとか外に出ることができた。
 学園を出れば寮までは一本道、その道ですら、白い石畳が敷き詰められて両脇には綺麗な葉っぱとか花が咲いていて、ノンはそれが何だとか説明してくれた。
 そういう一生懸命なノンがすごくかわいい。

 そうこうしているうちに、目の前には再びでっかい門が現れた。

「ギリシャ神殿?」
「いや、アユそれはちょっと違うと思うよ」
「え?じゃあ大聖堂?」
「それもどうかな…」


 というくらいのスケールの、でっかい洋館がオレらがこれから三年間暮らすことになる、白樫館。

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