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5■萌える緑☆恋する季節? SIDE:希(了)
20.のんちゃん特製おじや
しおりを挟む「なにか食べないとね。ね、珠希、おかゆと、おじや、どっちがいい?」
珠希をまたベッドに横たえて聞くと、きょとんとした顔で黙っていた。
「希、おじやってなに」
「え? おじや知らない?」
「うん」
あれ? みんな知ってるもんだと思ってたんだけど。それとも、金持ちの人はもっと違う食べ物を食べるのかな。
「あのね、おかゆみたいで、もうちょっと味つけしてあって、卵とじなの」
「へえ……なんか、おいしそうだね。食べたい」
「わかったっ。じゃあ。作るっ」
「え?希が作ってくれるの?」
「そうだよ? あれ、なんか不安そうな顔した? 大丈夫だよ。僕上手だもん」
僕はいざ、キッチンへ向かった。
今日は、泊まった方がいいかも。そう思ってアユに電話したけど、アユは出なかった。
怪我のことも聞きたかったし、話したいんだけどな。
そう思って、何度かかけていると、アユが出た。
「アユ、もう部屋戻ってる?」
『あ、ううん、空也んとこ』
「そっか。珠希がね、熱出してるんだ。それで、僕看病するから今夜は珠希の部屋に泊まるね」
『ええ? えあ、うん。わかった』
「アユ、怪我の具合は大丈夫?」
『ああ、もうぜんっぜん大丈夫だからなっ、ノンは気にすんなよ。じゃ、またな』
「うん。ごめんね」
『なんで謝んだよ、変なの』
アユはへへっと笑って、電話を切った。
よかった。怪我も大丈夫そうだし。
***
「さ、珠希。できたよおじや。起きれる?」
「うん、だいじょうぶ」
珠希の部屋にどんぶりとかレンゲみたいなものはもちろんなくって。だから、深めの器とスプーンにした。
「はい。熱いよ」
僕はスプーンに乗せたおじやをふうふうして、珠希に差し出す。
「ありがと……。希、僕自分で食べれるよ」
珠希は恥ずかしそうにそう言ったけど、僕はもちろん聞き入れなかった。
だって珠希、かわいいんだもん。なんでもしてあげたくなるよ。
珠希は観念したように口を開けて、ぱくっと食べる。
「おいし……」
「ほんと? よかった。じゃあ、もうちょっと食べて、薬飲もうね」
「うん」
珠希は頷くと、よろよろと手を差し伸べて、僕の頭を撫でた。
今夜くらいは、僕はそれをやる方だと思うんだけどなっ。
もちろん、その不満は胸に閉じ込めて、僕は珠希の口にスプーンを運んだ。
珠希が薬を飲んで眠ってから、僕は一度部屋に戻った。
制服のままだったから、部屋着に着替えた。
それに、珠希のシャワーを勝手に借りていいのか迷ったから、お風呂に入って戻ることにした。
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