白樫学園記

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5■萌える緑☆恋する季節? SIDE:希(了)

22.先輩の助言

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 携帯が震えて、アユからメールが入って来た。
『空也とカレー作った。一緒に食べる? それか部屋に持って行こうか? 久しぶりじゃない?』
 そっと珠希の部屋を覗くと、珠希はぐっすり眠っていた。
『空也先輩の部屋だよね? 一緒に食べていい? 今から行く』
 僕はそうメールを打った。
 すぐにアユからOKのメールが帰って来たから、僕はそっと部屋を抜け出した。


***
 僕とアユはカレーに大満足だった。
「おいしいです、空也先輩」
「確かにうまいな。こういうの初めて食べた」
 空也先輩がそんなことを言ったから、僕とアユは目を丸くした。
「あ、空也先輩、おじやって食べたことあります?」
「おじや?……なにそれ」
 やっぱり。
「歩、カレーついてる」
 そう言って空也先輩はアユの口元についたカレーを指先で拭って舐めた。
「ありがと」
 いつからだっけ? アユがそういうふうにされて怒らなくなったのって。
 あんなに嫌いって言ってたのに。
 正直、僕はアユが一体いつから空也先輩のことを好きだったのか分からない。でも、目の前にいるふたりは、どう見ても幸せいっぱいのカップルだ。
「なに? ノン、僕の顔になんか付いてる?」
「ううん。ふたり仲いいなあって思って」
「そりゃ仲いいよ、だって愛しあってるもん」
「空也!? そういうハズいこと人前でよく言えるなっ」
 アユが顔を真っ赤にして、意義を唱える。それでも空也先輩は涼しい顔。
「どうしたの? ノン、珠希と喧嘩でもした?」
「ううん」
 僕はすぐに首を振った。喧嘩なんてありえない。それどころか……。
「ノン、顔赤いよ? 風邪うつったんじゃない?」
「へえ……なんか分かった」
 突然、空也先輩が見透かしたような顔で言った。わ、分かったってなんですかっ?
「もし、今希に聞きたいことがあるんだとしたら、まあ一応はノーだよ。まだ。でも、まあ近いうちかな」
 ひっ!!
 僕は目を真ん丸にしてしまった。空也先輩って、エスパー!!?
 そうだよ、僕考えてたんだ。
 ふたりはエッチなこととかしたのかなって。
 僕がおどおどしながら見ると、空也先輩は余裕で微笑んでいた。
「まあ、珠希は苦労するんだろなあ。ある意味。歩って単純だから、勢いで流しちまえってとこもあるんだけど、希はそうはいかないだろうしなあ、それに、あいつの性格上、そういうことも出来ないだろうし」
「空也!!? 僕が単純ってなんだよってかふたりとも何のこと話してんのッ? なんかむかつくんだけど」
「おい、拗ねんなよお、歩がかわいいって話じゃん」
「はあ? 絶対違うじゃん」
「まあまあ。とにかくさ。あいつはすげえ優しい奴だから。珠希が歩のことを傷つけたり、絶対にしないと思う」
 空也先輩はアユの髪をかき回しながら、僕の目を真直ぐに見つめてそう言った。


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