白樫学園記

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12■きらめき☆楽園バースデー SIDE:歩(了)

13.ひとりっきりのバースデイ

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 カーテンから差し込む陽射しがまたまともに顔を照りつけて、目が覚めた。
 やだー。まだねむい。

 隣にごろん、と寝返りをうってみたけど、いるはずの空也の気配がない。
 ぱちっと目を開いてみると、ベッドの上にはオレ以外誰もいなかった。

 そういえばいつ眠ってしまったんだっけ。
 結構早かった気がする…。
 時間を見ようと携帯を開くと、何十件もメールが届いていた。

 HAPPY BIRTHDAY!

 …おお!!
 ここ来て日にち感覚全くなくって、すっかり忘れてた。
 携帯の表示は8月8日。
 オレの誕生日。ていうことは、ノンも一緒。
 うわー。みんななつかしー。元気かなー。
 親からも来てる。

 全てのメールに目を通して、嬉しかったけど、心のどこかがぽっかり穴が開いた感じがした。

 あ…。
 空也には言われてない上、何故いない!?
 しかも、オレの誕生日って知らないんじゃ…。

 とりあえず、コテージの中の隅々まで空也を探してみたけど、どこにも見当たらなかった。
 それどころがメッセージやプレゼント類いのものもひとつもない。

 ぷー。
 なんだよ…。

 なんかおもしろくなくて、さくっと着替えて、コテージを飛び出した。
 誰かいるかも…、という期待は虚しく昨日までの盛り上がりが嘘のように、外は静けさに包まれていた。
 聞こえるのは波の音、ジャングルの風に揺れる木々の音。

 …ひとりっきりの誕生日って、初めてだな。
 いつも家族や、友達と一緒に過ごしたりしてたけど、今回は誰も知らないよな?

 ノンは珠希と一緒かなー。
 なんか、つまんないな。ってか、…さみしい。

 気が付けば、オレはジャングルの方に足を運んでいた。
 鬱蒼とした緑が、なんか光合成とかのおかげなのか、空気がきれいな気がして好き。
 洞窟まではさすがに一人で行く勇気はないけど。
 いつものように、マンゴーを手にとり、皮をむいて食べる。
 なんでマンゴーってこんな変な種なんだろ。
 そう思いながらいつのまにか次々にマンゴーをもぎ取り、更に近くにあったほかの実までもぎとって、もぐもぐと口に詰め込んだ。

 口いっぱいに甘さが広がったのに、いつの間にかそこに塩気も足されていた。
 気が付けばオレはフルーツを次々に口に詰め込みながら、えぐえぐと泣いていた。


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