白樫学園記

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13■艶めく初秋☆夕焼けロマネスク SIDE:希(了)

11.月夜の情事★

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「珠希、どうしたの?」
 珠希は僕の質問に答えなかった。代わりに降ってきた、キス…。
 ぎゅっと力強く僕を抱きしめた腕は、緩まない。それに僕の唇を割って珠希の舌が入って来て、僕の口の中を掻き回す。
「ん、あは、」
 息苦しくて、思わず声が漏れてしまう。
 僕の後ろ髪に手のひらを差し込んで、髪の毛を掴むようにくしゃっとする。
 やっと珠希が僕から少し顔を引いたけど、その熱に浮かされたような目に見つめられたらもう、僕はなにも聞くことはなかった。
 珠希はそのまま、僕をブランケットの上に押し倒した。
 キスが唇からそれて、まぶたに、ほっぺに。それから首筋にも。
「はんっ……」
 勝手に口から声が漏れてしまう。珠希はそれにかまわずに、片手で僕のシャツからリボンを解いて、ボタンを外す。
「希、ずっとこうしたかった」
「……ん、僕も」
 珠希は僕に体重をかけてぎゅっと抱きしめる。まるで敷き潰されているみたいに重いのに、それされもなんだか今は嬉しくてたまらない。
 珠希は少し体を浮かすと、僕のシャツをズボンから引き出して、その下から手を差し入れた。
 少しかさっとした珠希の温かい手が僕の肌に触れる。
「はぅ……」
 おなかから脇腹、そして、胸まで。
 珠希の手のひらは僕を試すように、じらすように、ゆっくりと這って来る。
 そして珠希は、僕を見てる。じっと。
「珠希、見ない、でよ」
「ううん、見てる。だって、希かわいい」
「やだ、かわい、んっ」
 珠希が僕の胸の突起を指で引っ掻いたせいで、思わぬ声が漏れてしまった。
「ほら、かわいい」
 珠希がくすっと笑う。絶対今のわざとだ。
「珠希のいじわる」
「ごめん」
 珠希は笑いながら僕に口づけたけど、まだ僕の胸の尖りを触っていて、僕はそれどころじゃなくなった。
 珠希は僕のベストとシャツを捲り上げる。
「寒くない?」
 火照った体に夜風が気持ちいい。
 僕はただふるふると首を振った。



「あんっ」
すぐに尖りが濡れたものに包まれて、僕は思わず声を漏らした。
「しっ…だめだよ、希、人がくる」
 珠希はそっと囁いた。でも、じゃあやめてくれればいいのに、そんなことしたら、声でちゃうよ。
 珠希は僕の胸から顔を外すと、またキスをしながら、今度はベルトをカチャカチャ言わせだした。
 すぐにするっと手が入って来て、僕の中心は珠希の手のひらに包まれた。
「…んっ」
 なんとか声を出すまいとしているのに、ときどき声が漏れてしまう。それを押さえようと必死で、僕は荒い深呼吸を繰り返した。
「た、まき、やめて」
「やだ」
「だ、って声、我慢できな、んん」
「今、やめたくない」
「ぼ、くも、でもむり」
 いつもは無理なこと絶対に言わないのに、珠希はまるで聞き分けのないだだっ子みたいだ。
 いつの間にか僕は半裸で、なんとか声が漏れないよう、自分の片腕を口に押し当てていた。
 生理的に出てくる涙で視界がぼんやりとして、お月様がさらに大きく見える。
「ん、あ、だめ珠希、ほんとやめて」
 珠希が僕のパンツを下げてそこに顔を埋めた瞬間、僕は思わずそう言った。
「嫌?」
「嫌、っていうか、あの、」
 やじゃないよ、今だってすごく気持ちがいいし、ほんとはやめてほしくなんかない。
 だけど、声出しちゃいけないっていうのは思ってたよりも難しくて、それにもしかしたら誰か来るかもしれないって考えると、どきどきよりも、恐怖の方が先に立ってしまう。
「希?」
 口ごもった僕を心配してか、珠希は顔を覗き込んだ。
「ここじゃ、やだ。部屋、連れてって?」
 止めてほしくないけど、止めてほしい。
 そう伝えるのに、僕はそう言った。
「ああ、うん。うんごめん、こんなとこで盛っちゃって」
 珠希は僕の首筋にへたっと顔を埋めると、そう言った。
「ううん、」
「ごめん、ほんと。押さえきかなくなった。ずっと離れてたから。だから」
「もういいよ珠希、早く、部屋に帰ろうよ」
 急にしゅんとなって謝りだした珠希がかわいくって、僕はくすくす笑った。
 とはいえ、未だに僕の中心は熱を持っていて、ズボンも下りたまま、おなかも胸も丸出しで。笑えるほど余裕って訳でもないんだけど。
「よし、超特急で帰る」
 そう言った珠希は僕がぼーっとしてる間に超特急で僕の服を整えてくれた。
「さ、帰ろ」


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