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マネージャーとアイドルと社長

想像と電話

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 ちなみに、伊永、相手が神崎だったら、どんなデートをするのだろうか。気になる。でも、多分なら、嬉しそうに笑ったり、照れたりするんだろうな。
 いや、めっちゃ見たい。俺、それの方が見たい。番組の無茶振りで、あーんとかしてみてほしいし、そしたら、震えるだろうな。伊永は。絶対、普通に感想言ったりとかスマートな感じとか全部なくなるだろうし。
 俺、ああいう余裕ない伊永、大好きなんだけどなあ。がっついてんのも好きだし。え、めっちゃ可愛いんじゃない?二人お揃いのカチューシャに、制服着せて、手とか繋がせて。
 は?絶対良いじゃん。させようかな。下見っつってんだし。てか、美男美女カップルとかそういう風な位置付けにできたら良いのに。あー、アイドルって大変だな。
 そんなことを思っていると、電話が鳴った。
「はい、もしもし、佐藤です」
電話に出ると、社長だ。
「どうしました?」
「どうもこうもないよ、白鳥くんは何とかならんのかね」
「白鳥が何か?」
「今すぐ、事務所に戻るように」
電話ガチャ切り。えぐ。何なん。
「ごめん、伊永、俺ちょっと行かないと。伊永も行く?」
「行きます」
どうしたもんかねえ、白鳥が何かしたとしたら、それは、きっと失礼な発言とか、喧嘩とかそういったものだろうか。
 白鳥は、困ったところもあるけど、素直で良い奴なんだよな。分かりにくいし、困ったところ七割くらいだけど。
「白鳥、何したと思う?」
「何か言われて、かっとなったとか?」
「やっぱり、そんなもんだよな」

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