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足軽大将な軍師
軍師、新たな主命を受ける
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2ヵ月後。俺は評定の間に来て、報告と新たな武器の開発を発案した。
見事可決し、鉄砲が開発が開始された。
しかし、それと同時に主命を言い渡される。
「次は「異民族の徴兵」よ。できるかしら?」
「成程、徴兵できるように訓練するわけですな?」
「そうそう。話が早くて助かるわ」
要は俺とは下官だけど、隊長クラスの人員が欲しいという訳か。
分からなくもない。俺が城主ならそうする。
今の魔王城の戦力を俺のステータスボードで紹介しよう。
城名:魔王城 城主:サイサリス
規模:25 (大) 防御度:75
人口:18万人 兵士数:8万人
生産力:650 士気:80
鉱山:81 訓練度:88
住民安定:66 軍馬:4000頭
軍資金:95万G 兵糧:8万2785
こんな感じだ。規模は城の大きさを指している。大はまぁ文字通りでかい。
防御度はこの城の頑丈さを指している。高ければ高いほど門とか壊しづらいらしいな。
人口は住んでいる住人の数だ。結構いるんだよね。生産力は兵糧の生産力を指してるらしい。鉱山も武器生産に影響し、低いと大変な事になるだとか。
住人安定は蜂起を防ぐためのものらしい。軍資金はそのまんま、この城の所持金だ。結構金持ちだな魔王城。
指揮や訓練度は高ければ高いほどより兵士たちが動いてくれるし、尚且つ強くなってくれるとなるわけだ。敵側から見るとかなり強いという意味にもなってしまうが。
他にも教えたいが、そろそろ主命をやりに行かないとな。
そそくさと指定された場所に移動する。そこにはユキムラさんがいた。
「来たか、カイン殿」
「ユキムラ殿、あなたも徴兵に?」
「ああ、とはいっても普通の徴兵だが、貴殿のは異民族だろう?」
「正直、異民族の連中に会うのは初めてだ」
それを聞いてユキムラさんは笑う。
「そうか、なら経験されよ。この経験が後に貴殿の役に立つはずだ」
「ですな。経験させてもらいますよ」
*
数日後、時間をかけて沢山の人達が来た。
何やら古いローブを纏い、素顔を隠している集団だ。
しかし、素手の肌色は褐色肌。マジの移民にしては南蛮みたいなものか?
「よく来たな。俺が試験官のカインだ。お前さん達が徴兵されたのは他でもない……が、一つ確認させてくれ」
ローブの異民族達はざわざわと話し合う。
「安心しろ。ローブを脱げとは言わない。脱ぐのは試験中だからな。これは試験前だ」
安心させるように言葉をかけ、話を続ける。
「今回、俺が試験官となったわけだが、お前さん達に質問だ。何故、魔王軍に志願する?この国の住人ではないのに、下手すると差別され、捨て駒にされる可能性もある。そう、入隊するには必ず理由が必要なはずだ。各々本当の理由を聞きたい。そしてその先、お前さん達は本当に入隊する気はあるのかを試させてもらう」
「お、おでは村を敵国の兵に燃やされただ!奴らに一矢報いるなら、この命、魔王様に渡すだ!」
「あ、アタシだって村を燃やされて家族が、仲間が皆殺しにされたんだ!奴らに一泡吹かせられたならこの命を渡せる!」
それに続くかのように「俺だって」や「儂だって」など、他国に対する最悪な情報を言ってくれた。
おーおー…、魔王領の周りの国物騒なことしてるな……村焼きに重税、ここまで批判買ってるって事気づいているんだろうか?
ステータスボードを見て確認してたけど、各国の住人安定が40以下とか舐めプとしか思えない。
「わかった。ならお前さん達、一人一人並べ。何ができるか聞いてやる」
訓練生を選別するために並べていく。
「よし、お前さん達!お前さん達は何ができる!」
「はっ!おでは、木こりだがこう見えて弓を扱った経験があるだ!」
「アタシはこう見えて村の戦士だったんだ!弓なり剣なり持って戦うぞ!」
色々な経験、元の役職を聞いて俺は合格や保留を入れていく。決して不合格ではない。
ただ、その中でたった一人、俺に対し不安を持つ人物がいた。
「……お前さん、子供か?ダメだぞ、ここは遊び場じゃない」
「違う、もう大人。見た目が小さいだけ。後、自分「マリナ」。子供じゃない。そしてお前、言葉だけじゃ信用できない」
「ほう?徴兵を行ってる俺が弱そうに見えると?」
確かに言ってることは間違っていない。手枷を付けられ、惨めな姿となっているが、そんな奴が強いとは限らない。
要は口だけ野郎という可能性を考えたな?
「いいだろう。お前さんだけ実技だ。それにちょうどいい。俺の強さをどんと見せてやる」
別に怒っているわけじゃない。信じてもらうには様々なコミュニケーションが必要だ。
この実技もまた、コミュニケーションの一つ。やってやろうじゃんよ!
取り合ず、マリナと名乗る人物を前に出し、急遽実技試験を始める。
「俺が勝てば入隊するか?」
「マリナ、嘘をつかない。その代わり、マリナが勝ったら全員を無条件合格させる」
「大きく出たな。いいだろう」
咄嗟にステータスボードを開き、マリナのステータスを見る。
名前:マリナ
Lv43 JOB:狩人 SideJOB:軍師
HP:360/360 MP:230/230
器用:300 敏捷:400 筋力:220
生命:360 精神:230 知力:160
指揮:5 祈祷術Lv:7 槍術Lv:7 弓術Lv:8 短剣術Lv:9
炎魔法Lv:5 風魔法Lv:10 (MAX)
完全に後衛、または密偵型の軍師か……忍者みたいだな。そしてレベルが40台なのにこのステータス。ヤバいな。
実技前にマリナがローブを脱ぐ、肌は褐色で、体のあちこちに入れ墨みたいなのがある事から、完全に南蛮人であることが分かった。
そしてマリナは女の子だった。
「手加減無し、いい?」
「構わない。かかってこい」
マリナが懐から短剣を取り出し、斬りかかってくる。
俺は軽く攻撃を手枷で往なし、蹴飛ばす。一直線に飛んでいくが、即座に体勢を持ち直し、向かってくる。
「おおおおっ!!」
「むん!」
鉄球を振り回し、彼女の手に器用に当てた。短剣は宙を舞い、俺の足元に落ちる。
「今度は素手で来るか?」
「勿論」
マリナは拳を握り締め、殴りかかる。
その攻撃を、俺はあえて受けた。
「っ!?」
「……悪くない拳だ」
カインのHP:1200→1040
今の拳で160も喰らうとか痛いな。流石器用が300もあって急所を狙いやすいという事か
「どうして、受けた?躱せるはず」
「それじゃあ、お前さんの熱意が俺に伝わらない。だが今の一撃でお前さんの熱意がわかった。だが!」
鎖を掴んで鉄球を振り回す。マリナはそれを躱そうとするが、一歩遅く鉄球が直撃した。
「かはっ!?」
回転しながら一直線に飛んでいく。手加減してたとはいえ、やり過ぎたか?
マリナはよろよろと立ち上がり、降参を言い渡した。
「負けた、こんなに強いなんて思わなかった。マリナ、謝る」
「良い。お前さんの実力も知れたし、その心意気に免じて全員合格にしてやる。が、俺の部隊に来たら最後、辛いぞ?」
そう言った後、試験と徴兵を続ける。
今日で3000人の異民族を徴兵出来た、が。こう見えてまだまだダメなんだろう。
一度は失敗しなくちゃな……。
見事可決し、鉄砲が開発が開始された。
しかし、それと同時に主命を言い渡される。
「次は「異民族の徴兵」よ。できるかしら?」
「成程、徴兵できるように訓練するわけですな?」
「そうそう。話が早くて助かるわ」
要は俺とは下官だけど、隊長クラスの人員が欲しいという訳か。
分からなくもない。俺が城主ならそうする。
今の魔王城の戦力を俺のステータスボードで紹介しよう。
城名:魔王城 城主:サイサリス
規模:25 (大) 防御度:75
人口:18万人 兵士数:8万人
生産力:650 士気:80
鉱山:81 訓練度:88
住民安定:66 軍馬:4000頭
軍資金:95万G 兵糧:8万2785
こんな感じだ。規模は城の大きさを指している。大はまぁ文字通りでかい。
防御度はこの城の頑丈さを指している。高ければ高いほど門とか壊しづらいらしいな。
人口は住んでいる住人の数だ。結構いるんだよね。生産力は兵糧の生産力を指してるらしい。鉱山も武器生産に影響し、低いと大変な事になるだとか。
住人安定は蜂起を防ぐためのものらしい。軍資金はそのまんま、この城の所持金だ。結構金持ちだな魔王城。
指揮や訓練度は高ければ高いほどより兵士たちが動いてくれるし、尚且つ強くなってくれるとなるわけだ。敵側から見るとかなり強いという意味にもなってしまうが。
他にも教えたいが、そろそろ主命をやりに行かないとな。
そそくさと指定された場所に移動する。そこにはユキムラさんがいた。
「来たか、カイン殿」
「ユキムラ殿、あなたも徴兵に?」
「ああ、とはいっても普通の徴兵だが、貴殿のは異民族だろう?」
「正直、異民族の連中に会うのは初めてだ」
それを聞いてユキムラさんは笑う。
「そうか、なら経験されよ。この経験が後に貴殿の役に立つはずだ」
「ですな。経験させてもらいますよ」
*
数日後、時間をかけて沢山の人達が来た。
何やら古いローブを纏い、素顔を隠している集団だ。
しかし、素手の肌色は褐色肌。マジの移民にしては南蛮みたいなものか?
「よく来たな。俺が試験官のカインだ。お前さん達が徴兵されたのは他でもない……が、一つ確認させてくれ」
ローブの異民族達はざわざわと話し合う。
「安心しろ。ローブを脱げとは言わない。脱ぐのは試験中だからな。これは試験前だ」
安心させるように言葉をかけ、話を続ける。
「今回、俺が試験官となったわけだが、お前さん達に質問だ。何故、魔王軍に志願する?この国の住人ではないのに、下手すると差別され、捨て駒にされる可能性もある。そう、入隊するには必ず理由が必要なはずだ。各々本当の理由を聞きたい。そしてその先、お前さん達は本当に入隊する気はあるのかを試させてもらう」
「お、おでは村を敵国の兵に燃やされただ!奴らに一矢報いるなら、この命、魔王様に渡すだ!」
「あ、アタシだって村を燃やされて家族が、仲間が皆殺しにされたんだ!奴らに一泡吹かせられたならこの命を渡せる!」
それに続くかのように「俺だって」や「儂だって」など、他国に対する最悪な情報を言ってくれた。
おーおー…、魔王領の周りの国物騒なことしてるな……村焼きに重税、ここまで批判買ってるって事気づいているんだろうか?
ステータスボードを見て確認してたけど、各国の住人安定が40以下とか舐めプとしか思えない。
「わかった。ならお前さん達、一人一人並べ。何ができるか聞いてやる」
訓練生を選別するために並べていく。
「よし、お前さん達!お前さん達は何ができる!」
「はっ!おでは、木こりだがこう見えて弓を扱った経験があるだ!」
「アタシはこう見えて村の戦士だったんだ!弓なり剣なり持って戦うぞ!」
色々な経験、元の役職を聞いて俺は合格や保留を入れていく。決して不合格ではない。
ただ、その中でたった一人、俺に対し不安を持つ人物がいた。
「……お前さん、子供か?ダメだぞ、ここは遊び場じゃない」
「違う、もう大人。見た目が小さいだけ。後、自分「マリナ」。子供じゃない。そしてお前、言葉だけじゃ信用できない」
「ほう?徴兵を行ってる俺が弱そうに見えると?」
確かに言ってることは間違っていない。手枷を付けられ、惨めな姿となっているが、そんな奴が強いとは限らない。
要は口だけ野郎という可能性を考えたな?
「いいだろう。お前さんだけ実技だ。それにちょうどいい。俺の強さをどんと見せてやる」
別に怒っているわけじゃない。信じてもらうには様々なコミュニケーションが必要だ。
この実技もまた、コミュニケーションの一つ。やってやろうじゃんよ!
取り合ず、マリナと名乗る人物を前に出し、急遽実技試験を始める。
「俺が勝てば入隊するか?」
「マリナ、嘘をつかない。その代わり、マリナが勝ったら全員を無条件合格させる」
「大きく出たな。いいだろう」
咄嗟にステータスボードを開き、マリナのステータスを見る。
名前:マリナ
Lv43 JOB:狩人 SideJOB:軍師
HP:360/360 MP:230/230
器用:300 敏捷:400 筋力:220
生命:360 精神:230 知力:160
指揮:5 祈祷術Lv:7 槍術Lv:7 弓術Lv:8 短剣術Lv:9
炎魔法Lv:5 風魔法Lv:10 (MAX)
完全に後衛、または密偵型の軍師か……忍者みたいだな。そしてレベルが40台なのにこのステータス。ヤバいな。
実技前にマリナがローブを脱ぐ、肌は褐色で、体のあちこちに入れ墨みたいなのがある事から、完全に南蛮人であることが分かった。
そしてマリナは女の子だった。
「手加減無し、いい?」
「構わない。かかってこい」
マリナが懐から短剣を取り出し、斬りかかってくる。
俺は軽く攻撃を手枷で往なし、蹴飛ばす。一直線に飛んでいくが、即座に体勢を持ち直し、向かってくる。
「おおおおっ!!」
「むん!」
鉄球を振り回し、彼女の手に器用に当てた。短剣は宙を舞い、俺の足元に落ちる。
「今度は素手で来るか?」
「勿論」
マリナは拳を握り締め、殴りかかる。
その攻撃を、俺はあえて受けた。
「っ!?」
「……悪くない拳だ」
カインのHP:1200→1040
今の拳で160も喰らうとか痛いな。流石器用が300もあって急所を狙いやすいという事か
「どうして、受けた?躱せるはず」
「それじゃあ、お前さんの熱意が俺に伝わらない。だが今の一撃でお前さんの熱意がわかった。だが!」
鎖を掴んで鉄球を振り回す。マリナはそれを躱そうとするが、一歩遅く鉄球が直撃した。
「かはっ!?」
回転しながら一直線に飛んでいく。手加減してたとはいえ、やり過ぎたか?
マリナはよろよろと立ち上がり、降参を言い渡した。
「負けた、こんなに強いなんて思わなかった。マリナ、謝る」
「良い。お前さんの実力も知れたし、その心意気に免じて全員合格にしてやる。が、俺の部隊に来たら最後、辛いぞ?」
そう言った後、試験と徴兵を続ける。
今日で3000人の異民族を徴兵出来た、が。こう見えてまだまだダメなんだろう。
一度は失敗しなくちゃな……。
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