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第15話 第二章 社員旅行
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「プハーッ」
揺れるバスの中、缶ビールを半分くらいゴキュゴキュ一気に飲んで息を吐く。
「は~幸せ」
横の席で同僚の涼子がレモンサワーの缶を開けながら呆れる。
「あんたって本当に美味しそうに飲むよねえ」
涼子は経理部所属だ。社員旅行は日をわけて他部署も一緒に行う。
私と涼子は相談して今日の伊香保旅行に決めた。
同じ部署にはあまり喋れる人がいないから、この旅行は涼子が一緒で楽しみだった。
部屋も一緒にしてもらえた。
「ほんといい飲みっぷりだねえ。新人ちゃんはどんどん飲まなきゃ」
横の席から川瀬がスルメ臭い息を吐きかけて来る。
こいつが一緒じゃなきゃもっとよかったんだけど。
「新人だからって飲まなきゃいけない理屈はないと思いますけど」
涼子がメガネを吊り上げながらズバッと返す。
涼子は私と違って物事をはっきリ言うから気持ちいい。
「ちっ。可愛くねえな」
涼子は私が川瀬に嫌がらせを受けているのを知っているから、あえて通路側に座ってくれた。
かっこいい同僚だ。
「はーい。お酒無くなった人配るよ~」
幹事の人がお酒を配りに来た。
「わあ。じゃあ、私鶴齢で」
「日本酒飲むの!?」
涼子がすかさずツッコム。
「いいよいいよ。飲むために買ってあるんだから~。参加料は一律だからいっぱい飲んだ方が得だよ~」
私はわくわくしながら鶴齢のワンカップを開ける。よく冷やしてくれてあって、めちゃくちゃ美味しい。
配られたつまみの奈良漬チーズサンドと相性抜群。
「おい」
と、後ろから声がして顔を乗り出すと、部長だ。
「部長、そこに座ってたんですか」
「島田が車酔いしたというから、席を変わったんだ」
「そうだったんですか」
「またあまり飲み過ぎるなよ」
「え、はい。気をつけます」
私は席に戻って首を傾げる。
「あんた、闘護部長と飲みに行ったことあるの?」
涼子が声を落として聞いてくる。
「ない、と思うけど」
新入社員歓迎会は、感染症が流行っていたせいで無くなった。
部署だけの飲み会をやった時は、部長は急な出張でいなかったし、私もそんなに酔っ払いはしなかった。
「でも今の言い方、あんたと飲んだことあるみたいだったじゃん」
「ね。不思議」
「同期飲みであんたがハッスルして一升開けたこととかが知れ渡ってるんじゃないの?」
「え、やだ。酒豪キャラみたいなの勘弁だよ」
「事実だから仕方ない」
「えーっ」
そうこうしているうち、私は眠りこけてしまって、その間にバスは 目的地に着いていた。
夕食の時間までは自由時間。
涼子が生理だと言うので、私は一人で大浴場に向かった。
その途中、貸切風呂を見つけた。ここの貸切風呂は、空いていれば誰でも自由に入れるスタイル。
大浴場で他の女子社員に行き合ってもめんどくさい。
私は貸切風呂に入ることにした。
あとで涼子にも教えてあげよう。
そう思いながら、貸切の露天風呂に身を沈める。
じんわりと身体が温まっていく。
空を見上げると木の枝が蔓延る向こうに青空が広がっている。
「はあ~気持ちいい」
幸せだなあ。
こんな平和な日々、贅沢だなあ。
普通の人の普通の生活を支える誰かのおかげ。
私はそう思う。
きっと、誰かがこの平和を守るために頑張ってくれている。
「あれ」
なんか前に、それを誰かの前で口に出したらーー。
私は不意に、闘護部長の泣いている姿を思い出した。
「え」
何今の記憶。
ただの、妄想?
なんか、頭痛い。
飲み過ぎたかなあ。
そう思いながら目を閉じると、気持ち良すぎて眠気が襲ってきた。
寝そうーー……。
私ははっと目覚める。
寝てた。
熱い。
私はクラクラしながらなんとか湯船から上がった。
タオルを手に取ったところで、いきなりドアが開いた。
「「えっ」」
その開いたドアの向こうに、浴衣姿の部長が立っていた。
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揺れるバスの中、缶ビールを半分くらいゴキュゴキュ一気に飲んで息を吐く。
「は~幸せ」
横の席で同僚の涼子がレモンサワーの缶を開けながら呆れる。
「あんたって本当に美味しそうに飲むよねえ」
涼子は経理部所属だ。社員旅行は日をわけて他部署も一緒に行う。
私と涼子は相談して今日の伊香保旅行に決めた。
同じ部署にはあまり喋れる人がいないから、この旅行は涼子が一緒で楽しみだった。
部屋も一緒にしてもらえた。
「ほんといい飲みっぷりだねえ。新人ちゃんはどんどん飲まなきゃ」
横の席から川瀬がスルメ臭い息を吐きかけて来る。
こいつが一緒じゃなきゃもっとよかったんだけど。
「新人だからって飲まなきゃいけない理屈はないと思いますけど」
涼子がメガネを吊り上げながらズバッと返す。
涼子は私と違って物事をはっきリ言うから気持ちいい。
「ちっ。可愛くねえな」
涼子は私が川瀬に嫌がらせを受けているのを知っているから、あえて通路側に座ってくれた。
かっこいい同僚だ。
「はーい。お酒無くなった人配るよ~」
幹事の人がお酒を配りに来た。
「わあ。じゃあ、私鶴齢で」
「日本酒飲むの!?」
涼子がすかさずツッコム。
「いいよいいよ。飲むために買ってあるんだから~。参加料は一律だからいっぱい飲んだ方が得だよ~」
私はわくわくしながら鶴齢のワンカップを開ける。よく冷やしてくれてあって、めちゃくちゃ美味しい。
配られたつまみの奈良漬チーズサンドと相性抜群。
「おい」
と、後ろから声がして顔を乗り出すと、部長だ。
「部長、そこに座ってたんですか」
「島田が車酔いしたというから、席を変わったんだ」
「そうだったんですか」
「またあまり飲み過ぎるなよ」
「え、はい。気をつけます」
私は席に戻って首を傾げる。
「あんた、闘護部長と飲みに行ったことあるの?」
涼子が声を落として聞いてくる。
「ない、と思うけど」
新入社員歓迎会は、感染症が流行っていたせいで無くなった。
部署だけの飲み会をやった時は、部長は急な出張でいなかったし、私もそんなに酔っ払いはしなかった。
「でも今の言い方、あんたと飲んだことあるみたいだったじゃん」
「ね。不思議」
「同期飲みであんたがハッスルして一升開けたこととかが知れ渡ってるんじゃないの?」
「え、やだ。酒豪キャラみたいなの勘弁だよ」
「事実だから仕方ない」
「えーっ」
そうこうしているうち、私は眠りこけてしまって、その間にバスは 目的地に着いていた。
夕食の時間までは自由時間。
涼子が生理だと言うので、私は一人で大浴場に向かった。
その途中、貸切風呂を見つけた。ここの貸切風呂は、空いていれば誰でも自由に入れるスタイル。
大浴場で他の女子社員に行き合ってもめんどくさい。
私は貸切風呂に入ることにした。
あとで涼子にも教えてあげよう。
そう思いながら、貸切の露天風呂に身を沈める。
じんわりと身体が温まっていく。
空を見上げると木の枝が蔓延る向こうに青空が広がっている。
「はあ~気持ちいい」
幸せだなあ。
こんな平和な日々、贅沢だなあ。
普通の人の普通の生活を支える誰かのおかげ。
私はそう思う。
きっと、誰かがこの平和を守るために頑張ってくれている。
「あれ」
なんか前に、それを誰かの前で口に出したらーー。
私は不意に、闘護部長の泣いている姿を思い出した。
「え」
何今の記憶。
ただの、妄想?
なんか、頭痛い。
飲み過ぎたかなあ。
そう思いながら目を閉じると、気持ち良すぎて眠気が襲ってきた。
寝そうーー……。
私ははっと目覚める。
寝てた。
熱い。
私はクラクラしながらなんとか湯船から上がった。
タオルを手に取ったところで、いきなりドアが開いた。
「「えっ」」
その開いたドアの向こうに、浴衣姿の部長が立っていた。
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