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初演
回想2
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一人で来店するようになって、ちょうど十度目の帰り際に、俺は思いきって美廉を食事に誘った。笑顔でOKを貰い、その夜は閉店まで気持ち良く仕事ができた。正直自信がなかったわけではないが、住む世界が違うような気がして、断られたらと不安に思っていたのも確かだ。まあ、あまりにも毛色が違うから興味を持ってもらったのかもしれないが。
俺も多少ではあるが、飲食に携わる身。金はないが、それでも雰囲気が良く、まだ経験したこともないであろう店のセレクトに無い頭を働かせた。
俺が選んだのはスペイン料理だった。当時は今と違ってバル含むスペイン料理の店は数が少なく、きっと未経験だと思ったからだ。ちょうどその店も恵比寿にあり、そこのシェフとは顔馴染みだった。まあ、少しでも知ったフィールドでリードしたい思惑もあったわけだが。それに、その店はフラメンコのライヴも観れたので、きっと美廉の感心も引けるとの考えもあった。
当日美廉は本当に楽しんでくれていた。
今では珍しくないが、腿一本から切り出すハモン・イベリコに、これも珍しくはなくなったアヒージョ、そしてパエージャ。どれも美味しそうに食べる美廉の顔を見て、俺は満たされていた。
フラメンコにも興味津々で、観終わったあとには習いたいとまで言い始めた。
俺は確実に心を掴まれてるのを自覚しながら、今夜美廉に告白しようと決めた。急だとは思ったが、もう止められなかった。若さ故の勢いだろう。
駅までの道すがら、俺は美廉に想い伝えた。良く良く考えれば、彼氏の有無も訊かない無謀な告白だったが、美廉は優しく答えてくれた。
「わたしで良ければ」
俺は舞い上がって返した。
「ぜ、ぜひよろしくお願いします!」
「はい」
こうして俺たちの付き合いが始まった。
俺も多少ではあるが、飲食に携わる身。金はないが、それでも雰囲気が良く、まだ経験したこともないであろう店のセレクトに無い頭を働かせた。
俺が選んだのはスペイン料理だった。当時は今と違ってバル含むスペイン料理の店は数が少なく、きっと未経験だと思ったからだ。ちょうどその店も恵比寿にあり、そこのシェフとは顔馴染みだった。まあ、少しでも知ったフィールドでリードしたい思惑もあったわけだが。それに、その店はフラメンコのライヴも観れたので、きっと美廉の感心も引けるとの考えもあった。
当日美廉は本当に楽しんでくれていた。
今では珍しくないが、腿一本から切り出すハモン・イベリコに、これも珍しくはなくなったアヒージョ、そしてパエージャ。どれも美味しそうに食べる美廉の顔を見て、俺は満たされていた。
フラメンコにも興味津々で、観終わったあとには習いたいとまで言い始めた。
俺は確実に心を掴まれてるのを自覚しながら、今夜美廉に告白しようと決めた。急だとは思ったが、もう止められなかった。若さ故の勢いだろう。
駅までの道すがら、俺は美廉に想い伝えた。良く良く考えれば、彼氏の有無も訊かない無謀な告白だったが、美廉は優しく答えてくれた。
「わたしで良ければ」
俺は舞い上がって返した。
「ぜ、ぜひよろしくお願いします!」
「はい」
こうして俺たちの付き合いが始まった。
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