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その後
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それからちょうど三日後、西さんが店にやって来た。何やら話したそうでそわそわしている。
「西さん、どうしたんですか?」
西さんは僕の目をじっと見て、ようやく話し始めた。
「アンマス、斉藤さんを食事に誘ってOk貰った」
今さら驚くこともない。先日に答えは出ていたし、後は西さん次第だったのだから。
僕は素直に祝福する。
「良かったですね、西さん。ちゃんとものにしてくださいよ。斉藤さん綺麗だし、歳的にもちょうどいいでしょ」
素直にのつもりだったが、表面には出ないひがみが少し入ったのは許して欲しい。
あらためて、僕は西さんの後押しをする。
「今こそ師匠の教えを発揮するときです。まあ、前回の彼女は忘れましょう。イレギュラーです。今回はいけますから」
別にいい人ぶるつもりはないが、結局応援してしまう。西さんのことは好きだから。それに、人は不幸せよりも、幸せな方がいいに決まってるしね。
西さんは告げることが終わると、一杯で店を後にした。借りた金の話もしない。
僕は思う。そういうところだぞ西さんと。
二週間くらい、何となく時は流れていき、暑さも本番となった頃に、西さんがやってきた。
あれ?何か暗いような。
西さんは、黙ったまま、注文もせずに下を向いたままだ。
たまらず僕は声をかける。
「どうしました、西さん? 明らかに分かりやすく落ち込んでますけど」
西さんは、それでも黙ったまま下を向いている。
さすがに察する。
僕も西さんが話すまで黙っていることにした。
暫くすると、西さんは話始めた。
あの後、三回食事に行った。そして、三回目の食事で告白したと。
黙り気味になる西さんを、僕は無言で促す。
西さんは語る。
その三回目でふられたと。理由を聞いたら、全然私の話に共感してくれないし、思ったことを、すぐに何でも口にするところも嫌と。あなたが誉めたつもりで言ってることでも、私が気にしていることで、不快に思うことも多々ある。きっとつきあうのは無理。今日はもう会わないと言いに来たと。
おい、おい、斉藤さん。それは余りにも酷いだろ。僕に言ってることと違うじゃないか。やっぱり共感できる、器用な3Bがいいんだね。残念。あなたは留年でした。
でも、ふと思う。怒りも最初は感じたが、よくよく考えてみれば、斉藤さんは幸せを掴むために変わろうとして頑張って、だけどまだ変われなかった。いや、変わろうとした矢先の西さんでは荷が重かったのかもしれない。
斉藤さんの真意は分からない。こちらからわざわざ連絡をすることもない。まあ、留年は一先ず取り消しに。
僕は西さんを見る。
空気を読めない不器用な西さん。今はきっと、まだ時期じゃないだけです。西さんを受け入れてくれる女性はきっといます。幸せになれる時期はきっと訪れます。僕も独り身。お互い、また合コン頑張りましょう。
僕は今心の中で思ったことを口に出す代わりに、西さんの大好きなスコッチを差し出した。
きっと言葉より伝わると思ったから。
そして西さんは今日もせっせとマウスの世話をする。休日も関係なく世話をする。
終わり
「西さん、どうしたんですか?」
西さんは僕の目をじっと見て、ようやく話し始めた。
「アンマス、斉藤さんを食事に誘ってOk貰った」
今さら驚くこともない。先日に答えは出ていたし、後は西さん次第だったのだから。
僕は素直に祝福する。
「良かったですね、西さん。ちゃんとものにしてくださいよ。斉藤さん綺麗だし、歳的にもちょうどいいでしょ」
素直にのつもりだったが、表面には出ないひがみが少し入ったのは許して欲しい。
あらためて、僕は西さんの後押しをする。
「今こそ師匠の教えを発揮するときです。まあ、前回の彼女は忘れましょう。イレギュラーです。今回はいけますから」
別にいい人ぶるつもりはないが、結局応援してしまう。西さんのことは好きだから。それに、人は不幸せよりも、幸せな方がいいに決まってるしね。
西さんは告げることが終わると、一杯で店を後にした。借りた金の話もしない。
僕は思う。そういうところだぞ西さんと。
二週間くらい、何となく時は流れていき、暑さも本番となった頃に、西さんがやってきた。
あれ?何か暗いような。
西さんは、黙ったまま、注文もせずに下を向いたままだ。
たまらず僕は声をかける。
「どうしました、西さん? 明らかに分かりやすく落ち込んでますけど」
西さんは、それでも黙ったまま下を向いている。
さすがに察する。
僕も西さんが話すまで黙っていることにした。
暫くすると、西さんは話始めた。
あの後、三回食事に行った。そして、三回目の食事で告白したと。
黙り気味になる西さんを、僕は無言で促す。
西さんは語る。
その三回目でふられたと。理由を聞いたら、全然私の話に共感してくれないし、思ったことを、すぐに何でも口にするところも嫌と。あなたが誉めたつもりで言ってることでも、私が気にしていることで、不快に思うことも多々ある。きっとつきあうのは無理。今日はもう会わないと言いに来たと。
おい、おい、斉藤さん。それは余りにも酷いだろ。僕に言ってることと違うじゃないか。やっぱり共感できる、器用な3Bがいいんだね。残念。あなたは留年でした。
でも、ふと思う。怒りも最初は感じたが、よくよく考えてみれば、斉藤さんは幸せを掴むために変わろうとして頑張って、だけどまだ変われなかった。いや、変わろうとした矢先の西さんでは荷が重かったのかもしれない。
斉藤さんの真意は分からない。こちらからわざわざ連絡をすることもない。まあ、留年は一先ず取り消しに。
僕は西さんを見る。
空気を読めない不器用な西さん。今はきっと、まだ時期じゃないだけです。西さんを受け入れてくれる女性はきっといます。幸せになれる時期はきっと訪れます。僕も独り身。お互い、また合コン頑張りましょう。
僕は今心の中で思ったことを口に出す代わりに、西さんの大好きなスコッチを差し出した。
きっと言葉より伝わると思ったから。
そして西さんは今日もせっせとマウスの世話をする。休日も関係なく世話をする。
終わり
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