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24.街へのお出かけ1
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クラヴィスと出かける当日の朝。
リーリルはいつもより上機嫌で、私の髪を整えていた。
「どんな髪型が良いでしょうか? お出かけするのですから、動きやすくて、それでいて可愛くて、お嬢様に似合って……」
「リーリル。折角考えてくれているところ申し訳ないのだけれど、フードの付いた服を着るのよ?」
私は今日すでにワンピースに着替えていて、この上にさらにフード付きの服を羽織る予定だった。
「分かっておりますが、お嬢様が街に出かけるなどいつぶりですか! ずっと外に出たくても出れない状況が続いていたのですから……」
リーリルが少しだけ悲しそうに目線を落とした後に、すぐにパッと顔を上げた。
「お嬢様、三つ編みはどうでしょうか?」
「え……?」
「いつも学園では、お嬢様の美しいブロンドヘアを活かすために髪を下ろすようなヘアスタイルにすることが多いのですが、今日は三つ編みにしたくて……」
「勿論いいけれど……何故三つ編みが良いの?」
すると、リーリルが私の髪を優しく撫でた。
「お嬢様は昔から身体が弱かったですが、幼い頃にたまに街へお出かけになった際はいつも三つ編みにしていたのを覚えておいでですか? ですから、少しでも街に出かけることに対して怖さより楽しさを思い出して欲しくて……」
私はつい「ふふっ」と笑ってしまった。
「お嬢様?」
「思い出したわ。いつもリーリルもお揃いで三つ編みにして、二人で街を走り回っていたもの。それをクロルが危ないと注意してくれて……ねぇ、リーリル。私も三つ編みにしたくなったわ」
私の言葉にリーリルは「では、すぐにセットしますね……!」と微笑んだ。
髪を整え終えると、私はフードの付いた服を羽織る。
「……折角、リーリルが三つ編みにしてくれたのにフードを被るのは申し訳ないわね……」
「お嬢様、気にしないで下さい。この三つ編みは、もう役目を果たしておりますわ」
「……??」
「お嬢様の緊張が解けて、いつも通り笑って下さった……それだけで十分価値がありますよ」
リーリルの言葉に私は、また心が温かくなっていくのが分かった。
私はフードを被って、頬をペチンと軽く叩いた。
「行ってきます」
寮を出ると、心地よい風が吹いてさらに心が落ち着いていく。
クラヴィスはもう寮の前に馬車を停めて、待ってくれていた。
私を見つけると、クラヴィスはすぐに馬車から降りてくる。
「お早う、マリーナ。あれ、もうフードを被っているの? 確かに街では君の悪女の噂は消えていないし、まだ顔を知られない方が良いかもしれないけれど、今は……」
きっとクラヴィスは寮の前からフードを被るのは、早いと思っているのだろう。
「前も言いましたが、まだ私の噂は消えていませんわ。学園の生徒に二人で街に出かける仲だと思われない方が良い。クラヴィスの評判に関わりますわ」
私がそう述べた瞬間、クラヴィスがパッと私のフードに手を伸ばし、私のフードを頭から下ろした。
「っ!」
「確かに私はマリーナと関わることで評判が下がるリスクを始め君に提示した。でも、もういいよ」
「え……?」
「今はもう噂よりも、評判よりも、ただ君と堂々としていたい。それに悪いことをしていないのに、コソコソと隠れるなんてマリーナの言う格好良い王女とは違うだろう?」
わざとクラヴィスは私を揶揄うようにそう仰って、私の心の憂いを晴らしてくれるのだ。
それでも、私はやっぱり自分のせいでクラヴィスの評判が落ちるのは嫌だと思ってしまう。
だから、私は誤魔化すようにすぐに馬車に飛び乗った。
リーリルはいつもより上機嫌で、私の髪を整えていた。
「どんな髪型が良いでしょうか? お出かけするのですから、動きやすくて、それでいて可愛くて、お嬢様に似合って……」
「リーリル。折角考えてくれているところ申し訳ないのだけれど、フードの付いた服を着るのよ?」
私は今日すでにワンピースに着替えていて、この上にさらにフード付きの服を羽織る予定だった。
「分かっておりますが、お嬢様が街に出かけるなどいつぶりですか! ずっと外に出たくても出れない状況が続いていたのですから……」
リーリルが少しだけ悲しそうに目線を落とした後に、すぐにパッと顔を上げた。
「お嬢様、三つ編みはどうでしょうか?」
「え……?」
「いつも学園では、お嬢様の美しいブロンドヘアを活かすために髪を下ろすようなヘアスタイルにすることが多いのですが、今日は三つ編みにしたくて……」
「勿論いいけれど……何故三つ編みが良いの?」
すると、リーリルが私の髪を優しく撫でた。
「お嬢様は昔から身体が弱かったですが、幼い頃にたまに街へお出かけになった際はいつも三つ編みにしていたのを覚えておいでですか? ですから、少しでも街に出かけることに対して怖さより楽しさを思い出して欲しくて……」
私はつい「ふふっ」と笑ってしまった。
「お嬢様?」
「思い出したわ。いつもリーリルもお揃いで三つ編みにして、二人で街を走り回っていたもの。それをクロルが危ないと注意してくれて……ねぇ、リーリル。私も三つ編みにしたくなったわ」
私の言葉にリーリルは「では、すぐにセットしますね……!」と微笑んだ。
髪を整え終えると、私はフードの付いた服を羽織る。
「……折角、リーリルが三つ編みにしてくれたのにフードを被るのは申し訳ないわね……」
「お嬢様、気にしないで下さい。この三つ編みは、もう役目を果たしておりますわ」
「……??」
「お嬢様の緊張が解けて、いつも通り笑って下さった……それだけで十分価値がありますよ」
リーリルの言葉に私は、また心が温かくなっていくのが分かった。
私はフードを被って、頬をペチンと軽く叩いた。
「行ってきます」
寮を出ると、心地よい風が吹いてさらに心が落ち着いていく。
クラヴィスはもう寮の前に馬車を停めて、待ってくれていた。
私を見つけると、クラヴィスはすぐに馬車から降りてくる。
「お早う、マリーナ。あれ、もうフードを被っているの? 確かに街では君の悪女の噂は消えていないし、まだ顔を知られない方が良いかもしれないけれど、今は……」
きっとクラヴィスは寮の前からフードを被るのは、早いと思っているのだろう。
「前も言いましたが、まだ私の噂は消えていませんわ。学園の生徒に二人で街に出かける仲だと思われない方が良い。クラヴィスの評判に関わりますわ」
私がそう述べた瞬間、クラヴィスがパッと私のフードに手を伸ばし、私のフードを頭から下ろした。
「っ!」
「確かに私はマリーナと関わることで評判が下がるリスクを始め君に提示した。でも、もういいよ」
「え……?」
「今はもう噂よりも、評判よりも、ただ君と堂々としていたい。それに悪いことをしていないのに、コソコソと隠れるなんてマリーナの言う格好良い王女とは違うだろう?」
わざとクラヴィスは私を揶揄うようにそう仰って、私の心の憂いを晴らしてくれるのだ。
それでも、私はやっぱり自分のせいでクラヴィスの評判が落ちるのは嫌だと思ってしまう。
だから、私は誤魔化すようにすぐに馬車に飛び乗った。
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