僕がスカートを履く理由

タッピー♂

文字の大きさ
2 / 5

第二章:初登校、地獄の一日目

しおりを挟む
「おい見て、あの子新入生じゃない? 男子……だよね?」

「え、でもあの制服……やば、普通に似合ってるし……」

「スカートの丈、長めにしてるね。最初はやっぱ照れるよね~」

学校中の視線が、俺の脚に集中している気がした。いや、気のせいじゃない。間違いなく、俺のセーラー服姿が話題になってる。

……そりゃそうだろ。

昨日、生徒会室で渡された制服は、ちゃんと男子サイズで作られていた。とはいえ、スカートだ。履き慣れないヒラヒラの布の感触と、太ももに当たる風が妙に生々しい。

「ふ、不自然じゃないかな……やっぱり変かな……」

「大丈夫。自然だよ」

そう言って隣を歩くのは、あの朝比奈優先輩。
今日も相変わらず爽やかスマイル全開で、俺の動揺なんてお構いなし。

「みんな最初は驚くけど、すぐ慣れる。問題は君自身がどうしたいかってことさ」

「……どうしたいか、って言われても」

正直、まだよく分からない。

スカートを履いている自分に違和感があるのか、それとも周囲の反応に戸惑っているだけなのか。


教室に入ると、さらにザワつきが大きくなる。

俺の席は教室の後ろの窓際。そこに座るまでの十数歩が、永遠のように長かった。

「転入生の如月蒼真くんです。みんな仲良くするようにねー」

担任の先生――これまたセーラー服姿の男性――が紹介を終えると、クラスの空気が一瞬凍りつく。

でもその直後、

「スカート、いい感じじゃん!」
「中性的な顔だし似合ってる~!」
「てか普通にかわいくない?」

――まさかの歓迎ムード。

「……は?」

ポカンとする俺を見て、後ろの席の女子がクスクスと笑う。

「このクラス、男子セーラー初めてじゃないから。ていうか、うちの学校じゃそれが普通なんだってば」

「まじかよ……」


昼休み。屋上に出て、ようやく深呼吸できた。

まだ慣れないけど、少しずつ、ここでやっていける気がしてきた――

「……ねえ、如月くん」

その時、不意に声をかけられた。

振り返ると、そこにいたのは一人の少女――いや、男子生徒だった。セーラー服に、ポニーテール。白く整った肌。一瞬、本気で女子かと思った。

「僕、三条レン。同じ1年だよ。……君のこと、ずっと気になってた」

――この出会いが、俺の高校生活をさらに予想外な方向へと導いていく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

刈り上げの教室

S.H.L
大衆娯楽
地方の中学校で国語を教える田辺陽菜は、生徒たちに校則を守らせる厳格な教師だった。しかし、家庭訪問先で思いがけず自分の髪を刈り上げられたことをきっかけに、彼女の人生は少しずつ変化していく。生徒たちの視線、冷やかし、そして自分自身の内面に生まれた奇妙な感覚――短くなった髪とともに、揺らぎ始める「教師」としての立場や、隠されていた新たな自分。 襟足の風を感じながら、彼女は次第に変わりゆく自分と向き合っていく。地方の閉鎖的な学校生活の中で起こる権威の逆転劇と、女性としての自己発見を描く異色の物語。 ――「切る」ことで変わるのは、髪だけではなかった。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

カオルとカオリ

廣瀬純七
青春
一つの体に男女の双子の魂が混在する高校生の中田薫と中田香織の意外と壮大な話です。

処理中です...