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街の灯 Ⅵ
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もういないだろうと思われていた生存者を鷹が見つけた。
もちろん、柏木さんの霊能力のお陰だ。
疲労の積み重なっていた柏木さんだったが、鷹の願いのために、更に全力で探してくれたのだ。
そしてシベリアから離れた山に篭っていた集団を見つけ、すぐに救助した。
俺が作戦終了を言い渡す間際だった。
「ブレイド・ハート」はロシア全土をもう一度捜索し、「ディケー」が何十回も飛んだ。
その集団は山中の奥深くに隠れ、人間がいるはずがない場所にいた。
相当の準備をしていたようで、俺たちも見逃していたのだ。
鷹は最後にそういう場所まで隈なく探し回った。
鷹は自ら一人の少女を助け、俺に報告しながら泣いていた。
「見つかりました」
「そうだな、御苦労だった」
「もうこれで終わりですね」
「そうだ。これ以上は留まれない」
「はい」
尚も探したい気持ちは俺にも分かるが、もう危険だ。
鷹も納得し、俺たちは帰投した。
最後の集団の検疫を済ませ、鷹は一人の少女に付ききりでいた。
なんでも、少女の父親がメタモルフォーゼし、少女を襲うところだったらしい。
鷹は目の前で少女の父親を殺したことを悔やんでいた。
仕方のないことなのだが、俺は鷹の好きなようにさせようと思った。
鷹が俺に懇願した最後の作戦《オペレーション・ラストソング》の、本当に最後の生存者なのだ。
一際鷹の中で何かがあるのだろう。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
あれから私たちはアラスカへ連れて行かれ、1週間の検疫の検査を受けた。
大きな海上の建物の中でも検疫を受けたけど、念のために詳しく調べてもらったのだ。
ヨウさんが何度も訪ねて来られ、私のことを気に掛けて下さった。
後から分かったが、ヨウさん、《ホークレディ》というのは、「虎」の軍の中でもトップの方らしい。
そんな偉い人が、私なんかの所へ何度も来て下さったのだ。
毎回何かを持って来てくれ、美味しい食事も頂いた。
その後《アヴァロン》という街に連れられ、それぞれに家を提供された。
私はファンドーリンおばさんと一緒に暮らせることになり、衣食住はすべて賄われたので驚いた。
民生員の方がうちに何度も来てくれ、不足しているものは無いか、またこれからの生活の話をしてくれた。
「ここは天国のような場所だね」
「おばさん、本当だよ! 私、また学校にも通えるんだって!」
「うん、私も簡単な仕事を紹介してもらえるそうだ。民生員の方が幾つか紹介してくれるって」
私たちは大きな集合住宅のお部屋をいただいていた。
4部屋もあり、リヴィングは広く、素敵なお部屋だった。
ファンドーリンおばさんと一緒に住み始めて、1週間後には本当に学校に通い出した。
ロシアからの人が集まる学校で、結構な人数がいた。
以前から「虎」の軍の方々が懸命にロシアから助けて来た人たちだそうだ。
ファンドーリンおばさんは野菜の集積場で働き始め、簡単な仕事をするようになった。
いつも新鮮な野菜をもらってきて、二人で喜んだ。
何よりも《アヴァロン》は美しい街だった。
よく二人で街を歩いた。
特に夜が素敵で、私は一人でもよく散歩に出た。
あの日、山から遠くに見えていた街の灯。
私は今、その中にいる。
年が明けて、ヨウさんがまた私に会いに来てくれた。
「レーナ、元気そうだね」
「ヨウさん、わざわざありがとうございます」
「ううん。今日はあなたに伝えておきたかったの」
「はい?」
「もうすぐ、前に話したロシアの「浄化」作戦が始まるの。もう救出作戦はレーナたちを助けたもので終わった」
「そうなのですか」
私は何故ヨウさんがその話をしてくれるのか分からなかった。
ヨウさんは私に向けて、苦しそうな顔をしていた。
あの私を助けてくれた時に、私のお父さんを殺したことを知った時と同じ顔だった。
「あのね、前に中国の浄化作戦があったの」
「はい」
「その時は、救出作戦と浄化作戦が一緒だった。私たちは中国にはまだ大勢の人間が生きていると思っていたのね」
「え、そうじゃなかったんですか……」
「うん。ほとんど生きていなかった。10億人もいたはずの中国は、僅か1万人も生存者はいなかったの」
「そんな……」
なんてことだろう。
本当に大勢に人が、あの怪物に襲われ、また自分も怪物になって死んだのだ。
「だからロシアの救出作戦を私たちは実行した。レーナ、あなたが生きていて本当にうれしい」
「ヨウさん……」
ヨウさんの嬉しいという気持ちは、本当に必死に生き残った人間を探してくれていたということなのだろう。
一人でも多く助けたいと思って、大勢の人が探し回ってくれた。
「でもね、あれで最期。これからロシアは誰も生きてはいない土地になる」
「……」
「ごめんね。私たちも手を尽くしたの。でももう終わる。レーナの生まれた国は地上から無くなる」
「そうですか」
それは確かに悲しいことだ。
でも、私はヨウさんが私たちのために苦しんでいることに感謝していた。
こんなにも優しい人がこの世にはいるのだ。
ヨウさんが私の手を握った。
「でもレーナ、聴いて! 浄化作戦が終わり、「業」との戦争が終わったら、レーナたちは国に戻れる! そうしたら私たちは復興の応援を精一杯にやるから!」
「ヨウさん!」
「だから今は許して。破壊しか出来ない私たちを許して! ごめんなさい!」
ヨウさんが涙を零した。
私のために、辛いことを告げるために、わざわざ来て下さったのだ。
「ヨウさん、宜しくお願いします」
「うん!」
「私、信じてます。ヨウさんたちが勝利して、きっとロシアを取り戻してくれると」
「うん、必ず!」
「私も頑張ります。一生懸命に勉強して、ロシアを甦らせます。ヨウさん、約束しますから」
「うん、ありがとう、レーナ!」
ヨウさんが私を抱き締めてくれた。
私もヨウさんを抱き締めた。
私はヨウさんに、山中から街の灯が見えたと話した。
あの灯をよく見ていたのだと。
「そう……」
ヨウさんはまた悲しそうな顔をしていた。
そして迷ったようだが、私に話してくれた。
「街にはね、怪物となった人間しか残っていないの」
「はい、お父さんもそう言っていました」
「怪物になった人も、最後は死ぬ。でもね、死んだ後に身体がしばらく発光するの」
「え!」
「その光に誘われて怪物がまた集まって来る。人間の中にも誘われるように近付く人がいるから。そして殺される」
「そんな……」
「「業」は本当に酷いことをする。生き残った人の最後の希望までも罠にする」
「……」
私はヨウさんに言った。
「ヨウさん、それでもね、あの街の灯は美しかった。まるで滅んだ土地に、まだ人間が残っているかのような幻想を観られました」
「そう……」
ヨウさんは私をまだ抱き締めて、静かに涙を流した。
ああ、この人は……
「そうね、その灯が偽物であったとしても、人間は憧れを抱く。私はそういうものがあってもいいと思うわ」
「はい」
偽物だった、あの街の灯。
そればかりか、死の罠であったもの。
今は本物のその中で暮らしている。
でも私は山から見たあの街の灯を忘れない。
それは、その灯を確かに街で生きていた人間が発していたものだからだ。
私にはそれが、人間であった最後の証だと感じる。
怪物になって滅んだとしても、人間は人間だ。
私は本物の灯を灯そう。
いつの日か、それで人々を幸せにしよう。
悲しむ人の心を癒そう。
寂しい人を笑顔にしよう。
お父さんは最後まで私のことを覚えていてくれた。
上手く説明にはならないけど、私はそのこととあの街の灯が繋がっている気がする。
ヨウさんは、いつかロシアが復興すると言ってくれた。
私はその人間になろう。
またロシアの街に光を灯そう。
そう誓った。
もちろん、柏木さんの霊能力のお陰だ。
疲労の積み重なっていた柏木さんだったが、鷹の願いのために、更に全力で探してくれたのだ。
そしてシベリアから離れた山に篭っていた集団を見つけ、すぐに救助した。
俺が作戦終了を言い渡す間際だった。
「ブレイド・ハート」はロシア全土をもう一度捜索し、「ディケー」が何十回も飛んだ。
その集団は山中の奥深くに隠れ、人間がいるはずがない場所にいた。
相当の準備をしていたようで、俺たちも見逃していたのだ。
鷹は最後にそういう場所まで隈なく探し回った。
鷹は自ら一人の少女を助け、俺に報告しながら泣いていた。
「見つかりました」
「そうだな、御苦労だった」
「もうこれで終わりですね」
「そうだ。これ以上は留まれない」
「はい」
尚も探したい気持ちは俺にも分かるが、もう危険だ。
鷹も納得し、俺たちは帰投した。
最後の集団の検疫を済ませ、鷹は一人の少女に付ききりでいた。
なんでも、少女の父親がメタモルフォーゼし、少女を襲うところだったらしい。
鷹は目の前で少女の父親を殺したことを悔やんでいた。
仕方のないことなのだが、俺は鷹の好きなようにさせようと思った。
鷹が俺に懇願した最後の作戦《オペレーション・ラストソング》の、本当に最後の生存者なのだ。
一際鷹の中で何かがあるのだろう。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
あれから私たちはアラスカへ連れて行かれ、1週間の検疫の検査を受けた。
大きな海上の建物の中でも検疫を受けたけど、念のために詳しく調べてもらったのだ。
ヨウさんが何度も訪ねて来られ、私のことを気に掛けて下さった。
後から分かったが、ヨウさん、《ホークレディ》というのは、「虎」の軍の中でもトップの方らしい。
そんな偉い人が、私なんかの所へ何度も来て下さったのだ。
毎回何かを持って来てくれ、美味しい食事も頂いた。
その後《アヴァロン》という街に連れられ、それぞれに家を提供された。
私はファンドーリンおばさんと一緒に暮らせることになり、衣食住はすべて賄われたので驚いた。
民生員の方がうちに何度も来てくれ、不足しているものは無いか、またこれからの生活の話をしてくれた。
「ここは天国のような場所だね」
「おばさん、本当だよ! 私、また学校にも通えるんだって!」
「うん、私も簡単な仕事を紹介してもらえるそうだ。民生員の方が幾つか紹介してくれるって」
私たちは大きな集合住宅のお部屋をいただいていた。
4部屋もあり、リヴィングは広く、素敵なお部屋だった。
ファンドーリンおばさんと一緒に住み始めて、1週間後には本当に学校に通い出した。
ロシアからの人が集まる学校で、結構な人数がいた。
以前から「虎」の軍の方々が懸命にロシアから助けて来た人たちだそうだ。
ファンドーリンおばさんは野菜の集積場で働き始め、簡単な仕事をするようになった。
いつも新鮮な野菜をもらってきて、二人で喜んだ。
何よりも《アヴァロン》は美しい街だった。
よく二人で街を歩いた。
特に夜が素敵で、私は一人でもよく散歩に出た。
あの日、山から遠くに見えていた街の灯。
私は今、その中にいる。
年が明けて、ヨウさんがまた私に会いに来てくれた。
「レーナ、元気そうだね」
「ヨウさん、わざわざありがとうございます」
「ううん。今日はあなたに伝えておきたかったの」
「はい?」
「もうすぐ、前に話したロシアの「浄化」作戦が始まるの。もう救出作戦はレーナたちを助けたもので終わった」
「そうなのですか」
私は何故ヨウさんがその話をしてくれるのか分からなかった。
ヨウさんは私に向けて、苦しそうな顔をしていた。
あの私を助けてくれた時に、私のお父さんを殺したことを知った時と同じ顔だった。
「あのね、前に中国の浄化作戦があったの」
「はい」
「その時は、救出作戦と浄化作戦が一緒だった。私たちは中国にはまだ大勢の人間が生きていると思っていたのね」
「え、そうじゃなかったんですか……」
「うん。ほとんど生きていなかった。10億人もいたはずの中国は、僅か1万人も生存者はいなかったの」
「そんな……」
なんてことだろう。
本当に大勢に人が、あの怪物に襲われ、また自分も怪物になって死んだのだ。
「だからロシアの救出作戦を私たちは実行した。レーナ、あなたが生きていて本当にうれしい」
「ヨウさん……」
ヨウさんの嬉しいという気持ちは、本当に必死に生き残った人間を探してくれていたということなのだろう。
一人でも多く助けたいと思って、大勢の人が探し回ってくれた。
「でもね、あれで最期。これからロシアは誰も生きてはいない土地になる」
「……」
「ごめんね。私たちも手を尽くしたの。でももう終わる。レーナの生まれた国は地上から無くなる」
「そうですか」
それは確かに悲しいことだ。
でも、私はヨウさんが私たちのために苦しんでいることに感謝していた。
こんなにも優しい人がこの世にはいるのだ。
ヨウさんが私の手を握った。
「でもレーナ、聴いて! 浄化作戦が終わり、「業」との戦争が終わったら、レーナたちは国に戻れる! そうしたら私たちは復興の応援を精一杯にやるから!」
「ヨウさん!」
「だから今は許して。破壊しか出来ない私たちを許して! ごめんなさい!」
ヨウさんが涙を零した。
私のために、辛いことを告げるために、わざわざ来て下さったのだ。
「ヨウさん、宜しくお願いします」
「うん!」
「私、信じてます。ヨウさんたちが勝利して、きっとロシアを取り戻してくれると」
「うん、必ず!」
「私も頑張ります。一生懸命に勉強して、ロシアを甦らせます。ヨウさん、約束しますから」
「うん、ありがとう、レーナ!」
ヨウさんが私を抱き締めてくれた。
私もヨウさんを抱き締めた。
私はヨウさんに、山中から街の灯が見えたと話した。
あの灯をよく見ていたのだと。
「そう……」
ヨウさんはまた悲しそうな顔をしていた。
そして迷ったようだが、私に話してくれた。
「街にはね、怪物となった人間しか残っていないの」
「はい、お父さんもそう言っていました」
「怪物になった人も、最後は死ぬ。でもね、死んだ後に身体がしばらく発光するの」
「え!」
「その光に誘われて怪物がまた集まって来る。人間の中にも誘われるように近付く人がいるから。そして殺される」
「そんな……」
「「業」は本当に酷いことをする。生き残った人の最後の希望までも罠にする」
「……」
私はヨウさんに言った。
「ヨウさん、それでもね、あの街の灯は美しかった。まるで滅んだ土地に、まだ人間が残っているかのような幻想を観られました」
「そう……」
ヨウさんは私をまだ抱き締めて、静かに涙を流した。
ああ、この人は……
「そうね、その灯が偽物であったとしても、人間は憧れを抱く。私はそういうものがあってもいいと思うわ」
「はい」
偽物だった、あの街の灯。
そればかりか、死の罠であったもの。
今は本物のその中で暮らしている。
でも私は山から見たあの街の灯を忘れない。
それは、その灯を確かに街で生きていた人間が発していたものだからだ。
私にはそれが、人間であった最後の証だと感じる。
怪物になって滅んだとしても、人間は人間だ。
私は本物の灯を灯そう。
いつの日か、それで人々を幸せにしよう。
悲しむ人の心を癒そう。
寂しい人を笑顔にしよう。
お父さんは最後まで私のことを覚えていてくれた。
上手く説明にはならないけど、私はそのこととあの街の灯が繋がっている気がする。
ヨウさんは、いつかロシアが復興すると言ってくれた。
私はその人間になろう。
またロシアの街に光を灯そう。
そう誓った。
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