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ダーティ玻璃 Ⅴ : 失恋はウンコ味
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「ハイドラ」の馬込から面会の申し込みがあった。
「虎」の軍に関わることではなく、ごく私的な用件ということだった。
何にしても俺に直接会いたいなんて、珍しいことだ。
あいつらとは結構顔を合わせている。
「ハイドラ」は常に著しい活躍を見せ、俺の方から会いに行ったり祝宴を開いてやったりもしている。
本当に頼もしい連中だ。
だからどんな用件かは分からなかったが、俺は面会を優先的に手配し、その翌日に会うことにした。
馬込と副官の葉佩兄妹が俺の居室に来た。
「石神さんには直接報告しておこうと思いまして」
「ほう、なんだ?」
「実は……」
「!!!!!!!!」
俺の全く想定外のことだったが、大変なことになった。
「おい、それを誰が知っている!」
「え? ああ、まあ「ハイドラ」の仲間は結構。あとは磯良と竹流にはもう先週に。あ、ルーとハーにはもちろん石神さんに話すんで、さっき早速メールで送っときました」
「お前、やっちまったかぁ!」
「はい?」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
ここしばらく、結構忙しく飛び回った。
東京、パリ、重慶、盛岡、それにチュニジアとコートダジュールとベルギーなどなど。
その他にアフリカや中南米各国の農園などの見回りをし、北京の「大空洞」の調査には蓮花さんの護衛を兼ねて何日か行った。
それと楽しかったのは、タカさんと一緒に何日か《ハスハ》と柳ちゃんのブロンズ像を作ったことだ。
久し振りにずっとタカさんと寝起きし、一緒に食事をした!
タカさんは相変わらずカッコ良くて優しくて楽しくてイヤらしい。
一緒にお風呂に入った。
「よし! お尻の穴も洗ってやるぞ! 四つん這いになれ!
「タカさんのが先だよ!」
「おう!」
コシコシコシ……
「も、もういいです」
「「なんだよ!」」
タカさん、相変わらず優しいな。
私たちがいつも忙しくしてると思って、楽しませようとしてくれた。
何度か食事も作ってくれ、懐かしかった。
タカさんは今でも私たちを引き取ってくれた、あの日と同じ気持ちでいてくれているのだ。
だから私たちも頑張っている。
私たちもあの日の感謝を忘れていないのだ。
だから《オペレーション・ゴルディアス》とそれに先立つ救出作戦《オペレーション・ラストソング》の準備も仕上げて行った。
私たちやみんなが頑張ったことで、幾つかの問題に大きな目途がついた。
まず柳ちゃんの会得した「オロチ・ストーム」のお陰で、「ゲート」の効率的な無効化方法が見つかった。
それに加えて「オロチ・ストーム」は、これまで手の出せなかった《ディラック・クラウド》も破壊出来るようになった。
そのお陰で鷹さんの悲願だった《オペレーション・ラストソング》が実行に移せたのだ。
本当はもうロシアでの救出活動は危険過ぎて出来なかったはずなのだが。
もう一つは《ニルヴァーナ》の特効薬の原材料となる「ロドール・パイカ」の生育が地球でも出来るようになったことだ。
北京の「大空洞」の中で育てることが可能となり、今大増産の準備をしている。
「大空洞」の壁面に反射板を備えて、陽光を採り入れるようにしているのだ。
「神素」を濃密に含んだ場所になったからこその設備だった。
本当に忙しく、ちょっと疲れちゃったから、ハーと「ヘッジホッグ」にしばらくこもっていた。
いつものように、ハーと一緒に私たちの部屋の中で仕事をしていた。
自室兼仕事場だ。
私たちにはもはやその区別はない。
タカさんは最初に亜紀ちゃんのように《キャッスル》も用意してくれたのだが、私たちの仕事にはこの部屋があれば良かった。
今はその城は《キャッスル・ドドンコ》として虎蘭さんたちが住んでる。
最初は虎水さんも一緒だったのだが、虎水さんは剣聖になるために石神家本家に戻り、今は虎蘭さんと青月、美空が主な住人で、剣士はいつも数万人いるし、また石神家のみなさんがしょっちゅう来る場所になっていたので逆に拡大している。
私とハーは常に情報を得られて指示を出せる、「ヘッジホッグ」の中のこの部屋が一番都合が良かった。
だから、大抵ここにいることが多い。
情報の端末と寝起きして食事が出来るスペースがあれば私たちには十分なので、そんなに広い必要は無い。
常に多くの情報が私たちに流れてきて、二人でそれぞれ処理をしていく。
《ウラノス》、《アイオーン》、《ロータス》がある程度整理してくれるので、見るべき情報は絞られ、しかも仕分けされているので助かる。
馬込からのメールが来ていたのに気付いた。
馬込も「虎」の軍の私たちのアドレスは知っている。
というか、メールを送る資格を持っているということだ。
私たちを送信先にした場合、《ウラノス》が厳密に調べてそのまま単純には送らせないようにしているのだ。
一応メールアドレスの態は成しているが、実際のメールにはならない。
サイバー攻撃を避けるためと、私たちの居場所を隠すためだ。
当然内容の確認と安全性も確認している。
ちなみに《ウラノス》は世界中のネットを監視し、様々な組織や人々の動きを把握している。
私はメールを開いた。
私たちは全ての情報を瞬時に読む。
長文でも一瞬だ。
「!!!!」
これはぁ!
ハーも見るかもしれねぇ!
「ハー!」
振り向いて声を掛けると、ハーが突然立ち上がった。
やっぱもう見てしまったかよぉ!
「ハー! ちょっと落ち着いて!」
ハーは立ったまま動かない。
「ハー?」
私も立ち上がってハーに近づいた。
「ギャァァァァァーーーー!!!!」
ハーが「棒」になっとるぅぅぅーーー!
「虎」の軍に関わることではなく、ごく私的な用件ということだった。
何にしても俺に直接会いたいなんて、珍しいことだ。
あいつらとは結構顔を合わせている。
「ハイドラ」は常に著しい活躍を見せ、俺の方から会いに行ったり祝宴を開いてやったりもしている。
本当に頼もしい連中だ。
だからどんな用件かは分からなかったが、俺は面会を優先的に手配し、その翌日に会うことにした。
馬込と副官の葉佩兄妹が俺の居室に来た。
「石神さんには直接報告しておこうと思いまして」
「ほう、なんだ?」
「実は……」
「!!!!!!!!」
俺の全く想定外のことだったが、大変なことになった。
「おい、それを誰が知っている!」
「え? ああ、まあ「ハイドラ」の仲間は結構。あとは磯良と竹流にはもう先週に。あ、ルーとハーにはもちろん石神さんに話すんで、さっき早速メールで送っときました」
「お前、やっちまったかぁ!」
「はい?」
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ここしばらく、結構忙しく飛び回った。
東京、パリ、重慶、盛岡、それにチュニジアとコートダジュールとベルギーなどなど。
その他にアフリカや中南米各国の農園などの見回りをし、北京の「大空洞」の調査には蓮花さんの護衛を兼ねて何日か行った。
それと楽しかったのは、タカさんと一緒に何日か《ハスハ》と柳ちゃんのブロンズ像を作ったことだ。
久し振りにずっとタカさんと寝起きし、一緒に食事をした!
タカさんは相変わらずカッコ良くて優しくて楽しくてイヤらしい。
一緒にお風呂に入った。
「よし! お尻の穴も洗ってやるぞ! 四つん這いになれ!
「タカさんのが先だよ!」
「おう!」
コシコシコシ……
「も、もういいです」
「「なんだよ!」」
タカさん、相変わらず優しいな。
私たちがいつも忙しくしてると思って、楽しませようとしてくれた。
何度か食事も作ってくれ、懐かしかった。
タカさんは今でも私たちを引き取ってくれた、あの日と同じ気持ちでいてくれているのだ。
だから私たちも頑張っている。
私たちもあの日の感謝を忘れていないのだ。
だから《オペレーション・ゴルディアス》とそれに先立つ救出作戦《オペレーション・ラストソング》の準備も仕上げて行った。
私たちやみんなが頑張ったことで、幾つかの問題に大きな目途がついた。
まず柳ちゃんの会得した「オロチ・ストーム」のお陰で、「ゲート」の効率的な無効化方法が見つかった。
それに加えて「オロチ・ストーム」は、これまで手の出せなかった《ディラック・クラウド》も破壊出来るようになった。
そのお陰で鷹さんの悲願だった《オペレーション・ラストソング》が実行に移せたのだ。
本当はもうロシアでの救出活動は危険過ぎて出来なかったはずなのだが。
もう一つは《ニルヴァーナ》の特効薬の原材料となる「ロドール・パイカ」の生育が地球でも出来るようになったことだ。
北京の「大空洞」の中で育てることが可能となり、今大増産の準備をしている。
「大空洞」の壁面に反射板を備えて、陽光を採り入れるようにしているのだ。
「神素」を濃密に含んだ場所になったからこその設備だった。
本当に忙しく、ちょっと疲れちゃったから、ハーと「ヘッジホッグ」にしばらくこもっていた。
いつものように、ハーと一緒に私たちの部屋の中で仕事をしていた。
自室兼仕事場だ。
私たちにはもはやその区別はない。
タカさんは最初に亜紀ちゃんのように《キャッスル》も用意してくれたのだが、私たちの仕事にはこの部屋があれば良かった。
今はその城は《キャッスル・ドドンコ》として虎蘭さんたちが住んでる。
最初は虎水さんも一緒だったのだが、虎水さんは剣聖になるために石神家本家に戻り、今は虎蘭さんと青月、美空が主な住人で、剣士はいつも数万人いるし、また石神家のみなさんがしょっちゅう来る場所になっていたので逆に拡大している。
私とハーは常に情報を得られて指示を出せる、「ヘッジホッグ」の中のこの部屋が一番都合が良かった。
だから、大抵ここにいることが多い。
情報の端末と寝起きして食事が出来るスペースがあれば私たちには十分なので、そんなに広い必要は無い。
常に多くの情報が私たちに流れてきて、二人でそれぞれ処理をしていく。
《ウラノス》、《アイオーン》、《ロータス》がある程度整理してくれるので、見るべき情報は絞られ、しかも仕分けされているので助かる。
馬込からのメールが来ていたのに気付いた。
馬込も「虎」の軍の私たちのアドレスは知っている。
というか、メールを送る資格を持っているということだ。
私たちを送信先にした場合、《ウラノス》が厳密に調べてそのまま単純には送らせないようにしているのだ。
一応メールアドレスの態は成しているが、実際のメールにはならない。
サイバー攻撃を避けるためと、私たちの居場所を隠すためだ。
当然内容の確認と安全性も確認している。
ちなみに《ウラノス》は世界中のネットを監視し、様々な組織や人々の動きを把握している。
私はメールを開いた。
私たちは全ての情報を瞬時に読む。
長文でも一瞬だ。
「!!!!」
これはぁ!
ハーも見るかもしれねぇ!
「ハー!」
振り向いて声を掛けると、ハーが突然立ち上がった。
やっぱもう見てしまったかよぉ!
「ハー! ちょっと落ち着いて!」
ハーは立ったまま動かない。
「ハー?」
私も立ち上がってハーに近づいた。
「ギャァァァァァーーーー!!!!」
ハーが「棒」になっとるぅぅぅーーー!
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