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《ハイヴ》攻略 招待観戦 Ⅵ
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俺たちがいるのは、窓の無い壁に囲まれた四角い部屋だった。
皐月少佐の言う通りここが《ハイヴ》だとすれば、上に向かうのが良いのだろう。
《ハイヴ》は地下に続く構造だからだ。
武器は皐月少佐が提げている二本の「黒笛」と士官学校の教官たちとデュールゲリエたちが持っている「カサンドラ」が合計六振り。
「黒笛」は俺も吹雪も使えるが、皐月少佐は石神家本家で訓練しているとのことで、彼にそのまま持たせることにする。
二本を提げているということは、おそらく二刀流なのだろう。
相当な実力者に違いない。
「カサンドラ」も生徒たちより扱い慣れた教官たちの方がいいだろう。
あとは俺と吹雪の「花岡」だ。
デュールゲリエ4体も「花岡」の第三階梯まで使えるし、「魔方陣」も使える。
吹雪は二重の「魔方陣」を使える。
俺は三重だ。
《地獄の悪魔》でも数体であれば俺と吹雪が対応出来ると思うし、もちろん皐月少佐も大丈夫だ。
《青い剣士》は厳しいだろうか。
でも出くわしたらやるしかない。
もちろん、俺と吹雪がいることを知っての誘拐であれば、確実に準備されているだろう。
皐月少佐をポイントマンにし、誘導させた。
間違いなく部屋の外へ出れば襲撃が待っている。
部屋に飛び込んでこなかったのは、恐らく俺たちの実力を知っているためだ。
俺と吹雪、それにもしかしたら皐月少佐のことも知っているのかもしれない。
だから待ち伏せしているだろう。
それにそれだけではないはずだ。
ここには、強い俺と吹雪がいても確実に殺せる算段があるのだ。
デュールゲリエ4体を間にして生徒たちを護り、俺と吹雪は最後尾だ。
人間の活動区画があるということは、外への出口もあるはずだ。
闇雲に「花岡」の大技で上部を破壊しても、俺たちが埋まってしまう可能性がある。
俺たちが地上に出れば、「皇紀通信」が使えるだろう。
そうすれば「虎」の軍の救援が呼べる。
それまでにこの先の《ハイヴ》の敵を撃破しなければならない。
ここがどれほどの階層なのかは分からないが、皐月少佐の情報では人間の区画は比較的上方にあるということだった。
そう願いたい。
「吹雪、何か感じるか?」
「はい、下から何かが迫っている感じがあります」
「俺もそうだ。ヤバいな」
「はい」
嫌な感じを下に感じている。
それが徐々に強くなっているのだ。
「下」ということは、最下層の強力な妖魔の可能性が高い。
俺たちが《ハイヴ》に入ったことは既に感知されているのだろう。
と言うよりも、俺たちはここに転移させられたのだ。
だから俺たちを殺すために、今、最下層の奴が向かっているのだ。
最初から何の目的もなく俺たちを拉致したはずがない。
俺と吹雪を殺すためだ。
その時、廊下の向こうからバイオノイドの襲撃があった。
「《ニルヴァーナ》に気を付けろ! 皐月少佐、即座に排除しろ!」
緒戦は《ニルヴァーナ》の感染か。
まあ、通常の妖魔相手では俺たちを殺せないことが分っているのだろう。
ならば、やはり敵は俺と吹雪がいることを知っているのだ。
皐月少佐が見事な抜き打ちで前方のバイオノイドの集団を斬り伏せた。
一撃で30体以上を同時にだ。
石神家の剣技の凄まじさを見た。
指示することなく皐月少佐が脇にどいて射線を開き、俺が「槍雷」を連射して焼き尽くす。
《ニルヴァーナ》は熱に弱い。
バイオノイドはAK74を全員が持っていたが、一発も撃つ間も無かった。
やはり皐月少佐は素晴らしい。
「《デスキング》、また来ます!」
皐月少佐が叫び、俺も気配を感じていた。
前方から殺気が近づいて来る。
生徒たちを見ると、緊張してはいるがビビってはいない。
よし、動けそうだ。
「このまま進め! あいつらは足止めだ!」
「はい!」
皐月少佐が先行して走り出す。
咄嗟の良い判断だ。
俺も全員を走らせた。
優秀な生徒ばかりが来ているので、走る速さはそこそこいい。
下からのプレッシャーが強まって来る。
そいつが来るまで俺たちを留めておくつもりなのだと分かった。
皐月少佐は「黒笛」を前方に放って一瞬で敵を駆逐していく。
「黒笛」は幾つにも刃を展開させて、妖魔もバイオノイドも斬り裂いて行く。
「やはりここは上方階層です! 敵がそれほど強くありません!」
「そうか!」
経験豊富な皐月少尉が戦いながら教えてくれる。
だが次第に妖魔たちの数が多くなって行った。
周囲に生徒たちがいるので巻き込む恐れがあり、思うように大技は使えない。
そういう戦闘はパリでの市街戦で経験はあるが、敵の数が今回は桁違いだ。
押し返せなければ、生徒たちがやられる。
背後から来る敵に俺が「槍雷」や「虚震花」などを連発し、吹雪が脇から接近する敵を的確に排除していく。
皐月少佐は前方の敵を余裕でこなしているので助かった。
だがこのままでは下層から接近して来る強敵に追いつかれる。
ソフィや他の生徒たちは俺たちが悠々と敵を殲滅しているように見えているので、時々歓声すら挙がる。
デュールゲリエたちは俺の指示で万一ここまで近づいた敵を迎撃するように待機している。
まだ総力戦の段階ではない。
「士王兄さん!」
「分かってる!」
もう下の奴のプレッシャーが強い。
どうやら俺たちが脱出するのは間に合いそうに無い。
俺は決意した。
「全員、右の壁に退避! 吹雪! 守れ!」
「はい!」
俺の指示で全員が右側の壁に張り付く。
吹雪が「大闇月」で覆う。
デュールゲリエたちも同様に「大闇月」を使って補強する。
《龍槍》
三重「魔方陣」で上方に向けて放った。
降って来る瓦礫は吹雪と皐月少佐が破壊して行った。
天井が崩れ、巨大な穴が空き、2キロ先の頭上に太陽光が見えた。
だが下方からのプレッシャーはもう間もない!
「吹雪! 全員を連れて飛べ!」
「はい!」
吹雪が全員に腕を組ませ、皐月少佐とデュールゲリエたちがそれを手伝って一斉に飛んだ。
俺も飛んで、下に向かって三重「魔方陣」で「ブリューナク」を撃つ。
「魔方陣」を通すことで、「ブリューナク」が巨大な光の柱となって伸びて行く。
床面が大きく爆発し、何層もぶち抜いて空洞を生じる。
下方300メートルで激しい火花が散った。
下の強敵がレジストしているのだ。
三重「魔法陣」の攻撃を退けることの出来る敵!
吹雪は全員を地上へ逃したようだ。
すぐに皐月少佐が「皇紀通信」を使うはず。
俺は連発して「ブリューナク」を撃った。
凄まじい熱気が空洞に満ちて行く。
「あっちぃなぁ!」
俺は500メートルほど飛んで、残った足場に立った。
まだここまで熱風が上がって来る。
《ハイヴ》の攻略ではこういうこともあるのかと思った。
やはり俺は圧倒的に戦闘経験が足りない。
「《デスキング》!」
「士王兄さん!」
皐月少佐と吹雪が来た。
生徒たちを地上に降ろして来たのだろう。
デュールゲリエ4体が生徒たちの護衛をしているらしい。
外には防衛の妖魔やライカンスロープたちもいるはずだった。
「皐月少佐、「皇紀通信」は!」
「つながりました! 13分で救援が来ます!」
「分かった!」
「ここはボリビア・ラパス西の《ハイヴ》です! 巧妙に隠蔽されていた模様!」
良かった、救援が呼べた!
だが下から恐ろしい勢いで敵が上がって来る。
やはり俺の攻撃は通じていない。
「《青い剣士》!」
「なに!」
皐月少佐が叫び、俺の前に出る。
自分が楯になるつもりか。
途端に無数の斬撃が飛んできた。
吹雪が更に前に出てその攻撃を捌く。
「皐月! 下がれ!」
「いいえ、ここは自分が! 《デスキング》と吹雪さんは退避して下さい!」
「バカ! 命令に従え!」
《青い剣士》が上がって来た。
皐月少佐の言う通りここが《ハイヴ》だとすれば、上に向かうのが良いのだろう。
《ハイヴ》は地下に続く構造だからだ。
武器は皐月少佐が提げている二本の「黒笛」と士官学校の教官たちとデュールゲリエたちが持っている「カサンドラ」が合計六振り。
「黒笛」は俺も吹雪も使えるが、皐月少佐は石神家本家で訓練しているとのことで、彼にそのまま持たせることにする。
二本を提げているということは、おそらく二刀流なのだろう。
相当な実力者に違いない。
「カサンドラ」も生徒たちより扱い慣れた教官たちの方がいいだろう。
あとは俺と吹雪の「花岡」だ。
デュールゲリエ4体も「花岡」の第三階梯まで使えるし、「魔方陣」も使える。
吹雪は二重の「魔方陣」を使える。
俺は三重だ。
《地獄の悪魔》でも数体であれば俺と吹雪が対応出来ると思うし、もちろん皐月少佐も大丈夫だ。
《青い剣士》は厳しいだろうか。
でも出くわしたらやるしかない。
もちろん、俺と吹雪がいることを知っての誘拐であれば、確実に準備されているだろう。
皐月少佐をポイントマンにし、誘導させた。
間違いなく部屋の外へ出れば襲撃が待っている。
部屋に飛び込んでこなかったのは、恐らく俺たちの実力を知っているためだ。
俺と吹雪、それにもしかしたら皐月少佐のことも知っているのかもしれない。
だから待ち伏せしているだろう。
それにそれだけではないはずだ。
ここには、強い俺と吹雪がいても確実に殺せる算段があるのだ。
デュールゲリエ4体を間にして生徒たちを護り、俺と吹雪は最後尾だ。
人間の活動区画があるということは、外への出口もあるはずだ。
闇雲に「花岡」の大技で上部を破壊しても、俺たちが埋まってしまう可能性がある。
俺たちが地上に出れば、「皇紀通信」が使えるだろう。
そうすれば「虎」の軍の救援が呼べる。
それまでにこの先の《ハイヴ》の敵を撃破しなければならない。
ここがどれほどの階層なのかは分からないが、皐月少佐の情報では人間の区画は比較的上方にあるということだった。
そう願いたい。
「吹雪、何か感じるか?」
「はい、下から何かが迫っている感じがあります」
「俺もそうだ。ヤバいな」
「はい」
嫌な感じを下に感じている。
それが徐々に強くなっているのだ。
「下」ということは、最下層の強力な妖魔の可能性が高い。
俺たちが《ハイヴ》に入ったことは既に感知されているのだろう。
と言うよりも、俺たちはここに転移させられたのだ。
だから俺たちを殺すために、今、最下層の奴が向かっているのだ。
最初から何の目的もなく俺たちを拉致したはずがない。
俺と吹雪を殺すためだ。
その時、廊下の向こうからバイオノイドの襲撃があった。
「《ニルヴァーナ》に気を付けろ! 皐月少佐、即座に排除しろ!」
緒戦は《ニルヴァーナ》の感染か。
まあ、通常の妖魔相手では俺たちを殺せないことが分っているのだろう。
ならば、やはり敵は俺と吹雪がいることを知っているのだ。
皐月少佐が見事な抜き打ちで前方のバイオノイドの集団を斬り伏せた。
一撃で30体以上を同時にだ。
石神家の剣技の凄まじさを見た。
指示することなく皐月少佐が脇にどいて射線を開き、俺が「槍雷」を連射して焼き尽くす。
《ニルヴァーナ》は熱に弱い。
バイオノイドはAK74を全員が持っていたが、一発も撃つ間も無かった。
やはり皐月少佐は素晴らしい。
「《デスキング》、また来ます!」
皐月少佐が叫び、俺も気配を感じていた。
前方から殺気が近づいて来る。
生徒たちを見ると、緊張してはいるがビビってはいない。
よし、動けそうだ。
「このまま進め! あいつらは足止めだ!」
「はい!」
皐月少佐が先行して走り出す。
咄嗟の良い判断だ。
俺も全員を走らせた。
優秀な生徒ばかりが来ているので、走る速さはそこそこいい。
下からのプレッシャーが強まって来る。
そいつが来るまで俺たちを留めておくつもりなのだと分かった。
皐月少佐は「黒笛」を前方に放って一瞬で敵を駆逐していく。
「黒笛」は幾つにも刃を展開させて、妖魔もバイオノイドも斬り裂いて行く。
「やはりここは上方階層です! 敵がそれほど強くありません!」
「そうか!」
経験豊富な皐月少尉が戦いながら教えてくれる。
だが次第に妖魔たちの数が多くなって行った。
周囲に生徒たちがいるので巻き込む恐れがあり、思うように大技は使えない。
そういう戦闘はパリでの市街戦で経験はあるが、敵の数が今回は桁違いだ。
押し返せなければ、生徒たちがやられる。
背後から来る敵に俺が「槍雷」や「虚震花」などを連発し、吹雪が脇から接近する敵を的確に排除していく。
皐月少佐は前方の敵を余裕でこなしているので助かった。
だがこのままでは下層から接近して来る強敵に追いつかれる。
ソフィや他の生徒たちは俺たちが悠々と敵を殲滅しているように見えているので、時々歓声すら挙がる。
デュールゲリエたちは俺の指示で万一ここまで近づいた敵を迎撃するように待機している。
まだ総力戦の段階ではない。
「士王兄さん!」
「分かってる!」
もう下の奴のプレッシャーが強い。
どうやら俺たちが脱出するのは間に合いそうに無い。
俺は決意した。
「全員、右の壁に退避! 吹雪! 守れ!」
「はい!」
俺の指示で全員が右側の壁に張り付く。
吹雪が「大闇月」で覆う。
デュールゲリエたちも同様に「大闇月」を使って補強する。
《龍槍》
三重「魔方陣」で上方に向けて放った。
降って来る瓦礫は吹雪と皐月少佐が破壊して行った。
天井が崩れ、巨大な穴が空き、2キロ先の頭上に太陽光が見えた。
だが下方からのプレッシャーはもう間もない!
「吹雪! 全員を連れて飛べ!」
「はい!」
吹雪が全員に腕を組ませ、皐月少佐とデュールゲリエたちがそれを手伝って一斉に飛んだ。
俺も飛んで、下に向かって三重「魔方陣」で「ブリューナク」を撃つ。
「魔方陣」を通すことで、「ブリューナク」が巨大な光の柱となって伸びて行く。
床面が大きく爆発し、何層もぶち抜いて空洞を生じる。
下方300メートルで激しい火花が散った。
下の強敵がレジストしているのだ。
三重「魔法陣」の攻撃を退けることの出来る敵!
吹雪は全員を地上へ逃したようだ。
すぐに皐月少佐が「皇紀通信」を使うはず。
俺は連発して「ブリューナク」を撃った。
凄まじい熱気が空洞に満ちて行く。
「あっちぃなぁ!」
俺は500メートルほど飛んで、残った足場に立った。
まだここまで熱風が上がって来る。
《ハイヴ》の攻略ではこういうこともあるのかと思った。
やはり俺は圧倒的に戦闘経験が足りない。
「《デスキング》!」
「士王兄さん!」
皐月少佐と吹雪が来た。
生徒たちを地上に降ろして来たのだろう。
デュールゲリエ4体が生徒たちの護衛をしているらしい。
外には防衛の妖魔やライカンスロープたちもいるはずだった。
「皐月少佐、「皇紀通信」は!」
「つながりました! 13分で救援が来ます!」
「分かった!」
「ここはボリビア・ラパス西の《ハイヴ》です! 巧妙に隠蔽されていた模様!」
良かった、救援が呼べた!
だが下から恐ろしい勢いで敵が上がって来る。
やはり俺の攻撃は通じていない。
「《青い剣士》!」
「なに!」
皐月少佐が叫び、俺の前に出る。
自分が楯になるつもりか。
途端に無数の斬撃が飛んできた。
吹雪が更に前に出てその攻撃を捌く。
「皐月! 下がれ!」
「いいえ、ここは自分が! 《デスキング》と吹雪さんは退避して下さい!」
「バカ! 命令に従え!」
《青い剣士》が上がって来た。
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