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《オペレーション・ゴルディアス》 XⅢ : 《位相反射》 2
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俺は《オペレーション・ゴルディアス》を一旦中断した。
まあ、やるべきことはほとんど終わっていたのだが。
44か所のロシアに残った拠点は、全て石神家の剣聖たちや斬、亜紀ちゃんたちが潰した。
側近たちも全て斃し、残るは「業」だけだ。
あと一人、「タイニー・タイド」もいるが。
彼女はまだ「業」の傍にいるのだろうか……
作戦としては最後の一歩なのだが、それが途轍もなく難題なことが判明したのだ。
このままでは「業」に負ける。
ここまで追い込んで、俺たちは手が出せずにいる。
俺は亜紀ちゃんたちと斬、そして、石神家の剣聖たち50名を俺たちの《ジャガーノート》に集めた。
この状況を共有する必要があった。
ルイーサと「グレイプニル」、そして桜大隊と「虎酔会」は休ませているが、一応マルコルムと桜、御影と伊庭は作戦会議に参加させた。
俺の前では気丈に振る舞っていたルイーサだったが、相当に状態は悪いらしい。
眷族の中で治療能力の高い何人かが付ききりで看ているようだ。
俺には何も出来ることは無いし、今は目の前の問題を片付けるために《オペレーション・ゴルディアス》の主だった人間を集めた。
真の主力だけの会議だ。
作戦行動中には異例のことであったが、事態は切迫している。
今は俺と聖だけしか知らない。
多くの者が事態を知らずにいるので、まずは全員に現在の状況を話す必要がある。
通信回線で伝えるには、あまりにも大きなことだったのだ。
誰もが、この《オペレーション・ゴルディアス》が中断するとは思ってもいなかっただろう。
作戦の進捗は逐一デュールゲリエたちが知らせているので、ほぼ99%が攻略出来たことも分かっている。
側近たちや残った44カ所の拠点も潰しているのだ。
だからここに来て俺が作戦の中断を告げたのを不思議に思っているだろう。
「ルイーサが「業」にやられた」
『!』
俺の告げたことで全員が驚愕している。
全員がルイーサの絶大な強さを知っているのだ。
ルイーサはノスフェラトゥの女王として数千年を生きて来た。
そして実際の戦闘を見た者はほとんどいなかったが、誰しもが実力を疑ったことはない。
それは眷族の者たちの力を知っているからだ。
ルイーサはそれよりも遙かに上だと分かっている。
「「業」は《位相反射》を使った」
「高虎、なんだそれは?」
虎白さんが聞き、俺は説明した。
「簡単に言うと、こちらの攻撃を跳ね返す技です。反射されたものは攻撃技そのものではないようですが、威力は遜色ないものと思われます」
「なんだよそりゃ?」
「言った通りですよ。虎白さんが放った「連山」で虎白さんは切り刻まれるんです」
「おい!」
そんなことはねぇ、と言いたいのだろうが、俺が真面目に言っていることはもちろん虎白さんも分かっている。
他の全員が俺の本気を理解していた。
俺は《位相反射》について想像できることは話した。
「量子もつれ」を利用した技だろうということも言った。
量子力学を理解している人間はいなかったが、可能な限り説明した。
要は、俺たちの起こした攻撃はどこかで同じことが起き、それを「業」が操れるようになったということだ。
そして「業」には「ゲート」という、空間をある程度自在に操る能力がある。
それを使って俺たちに返しているのだろうということだ。
何となくだろうが、全員がそういう技があるということは理解する。
「高虎さん、威力の高い技を撃ったらどうなりますか?」
虎蘭は常に冷静だ。
まあ、虎白さんたちもそうなのだが、虎蘭は最速で確認して来る。
虎蘭の言わんとしていることは分かる。
高威力の技で撃てば、それを変換したり反射することも難しいのではないかということだ。
何しろ俺たちは次元の壁すら破壊する威力を持っているのだ。
そしてもちろん俺と聖もそのことは話し合っていた。
「分からん。だが、ルイーサの「異界魔導」が跳ね返された。ルイーサが死に掛けたぞ」
「そんな……」
「異界魔導」のことは全員が知っているので、俺の言うことも分かっただろう。
「異界魔導」は人間には解析が及ばない、その名の通り異界の技なのだ。
俺ももちろん全てを理解しているわけではない。
ただ、そういう技があるということの前提で作戦に組み込んでいるだけなのだ。
その上でルイーサが放つものが特大であることも分かっただろう。
マルコルムなどの眷族が使う技は見ている者も多くいる。
「虎星」での合同演習で、石神家の人間たちは全員見ているし、その威力の凄まじさも知っている。
ルイーサ自身が使った場面は無いが、マルコルムよりも攻撃力は遙かに高いことは誰しも想像している。
それが跳ね返されたのだ。
「異界魔導」は人間に理解出来るようなものではないのに、「業」は《位相反射》によって返して来た。
「業」の《位相反射》は究極と言わざるを得ない。
だから、高威力の技であっても、反射される可能性は高い。
「俺がやる」
「高虎さん! 私が!」
虎白さんと虎蘭が同時に叫んだ。
この二人は石神家の「見切り戦」をやるつもりなのだ。
最高威力の技をぶつけるつもりなのだろう。
それで自分が吹っ飛べば、それを俺たちに見せることが出来る。
こいつらは自分が死ぬことなど、何とも思っていないのだ。
現状で打つ手が無いことを悟り、自分たちが試してそれを見ろと言っているのだ。
俺が怒鳴った。
「うるせぇ! あいつは俺がぶっ殺すと決めてるんだぁ!」
立ち上がった虎蘭の首を掴んで座らせた。
虎蘭が泣きながら抵抗するのを、俺は力づくで座らせた。
激しい光を帯びた瞳で俺を睨んでいる。
こいつはまったく……
珍しく虎白さんが諫めた。
「虎蘭、高虎が当主だ。当主に従え」
「……」
「おい高虎、俺たちは「見切り戦」でいいんだな」
「お願いします」
聖が立ち上がって俺に言った。
「トラ、俺もやるぜ」
「ああ、お前は相棒だ。一緒に「業」を殺そう」
「うん!」
聖は嬉しそうに笑った。
こいつは俺と一緒に戦うことしか望んでいない。
「他の部隊は全部撤退だ。俺たちだけで行く。残るのは石神家の剣聖たち、斬、それに亜紀ちゃんだけだ」
「石神さん、是非俺たちも連れて行って下さい」
「自分もお願いします」
御影と桜が言った。
「ダメだ。お前たちは《轟霊号》を護衛しながらアラスカへ戻れ。もしも俺たちがやられた時は最終戦争だ。存分にやれ」
「「石神さん……」」
その場合、「武神」たちの出番だ。
この世界は亡びる。
作戦会議を終え、それぞれ準備に入った。
「グレイプニル」、「虎酔会」、桜大隊、ストライカー大隊は既に《轟霊号》に戻している。
《轟霊号》は最大船速でアラスカへ帰投するはずだ。
「業」はまだ動かない。
この艦には今集まっている俺と聖、斬、亜紀ちゃん、そして石神家の剣聖だけがいる。
あとは操艦と観測のデュールゲリエたち500体。
斬だけが何も、一言も喋らなかった。
「業」の新しい能力の情報は、すぐにアラスカへ送られた。
観測していたデュールゲリエたちが直接向かった。
ルイーサがやられた時の映像や様々な観測結果も添えられている。
もちろん俺たちも映像やデータを何度も観直して検討して行った。
だが有効な解決策は見つからなかった。
「業」が現われたら、とにかく俺と聖が出るしかねぇ。
そしてきっとあいつも……
まあ、やるべきことはほとんど終わっていたのだが。
44か所のロシアに残った拠点は、全て石神家の剣聖たちや斬、亜紀ちゃんたちが潰した。
側近たちも全て斃し、残るは「業」だけだ。
あと一人、「タイニー・タイド」もいるが。
彼女はまだ「業」の傍にいるのだろうか……
作戦としては最後の一歩なのだが、それが途轍もなく難題なことが判明したのだ。
このままでは「業」に負ける。
ここまで追い込んで、俺たちは手が出せずにいる。
俺は亜紀ちゃんたちと斬、そして、石神家の剣聖たち50名を俺たちの《ジャガーノート》に集めた。
この状況を共有する必要があった。
ルイーサと「グレイプニル」、そして桜大隊と「虎酔会」は休ませているが、一応マルコルムと桜、御影と伊庭は作戦会議に参加させた。
俺の前では気丈に振る舞っていたルイーサだったが、相当に状態は悪いらしい。
眷族の中で治療能力の高い何人かが付ききりで看ているようだ。
俺には何も出来ることは無いし、今は目の前の問題を片付けるために《オペレーション・ゴルディアス》の主だった人間を集めた。
真の主力だけの会議だ。
作戦行動中には異例のことであったが、事態は切迫している。
今は俺と聖だけしか知らない。
多くの者が事態を知らずにいるので、まずは全員に現在の状況を話す必要がある。
通信回線で伝えるには、あまりにも大きなことだったのだ。
誰もが、この《オペレーション・ゴルディアス》が中断するとは思ってもいなかっただろう。
作戦の進捗は逐一デュールゲリエたちが知らせているので、ほぼ99%が攻略出来たことも分かっている。
側近たちや残った44カ所の拠点も潰しているのだ。
だからここに来て俺が作戦の中断を告げたのを不思議に思っているだろう。
「ルイーサが「業」にやられた」
『!』
俺の告げたことで全員が驚愕している。
全員がルイーサの絶大な強さを知っているのだ。
ルイーサはノスフェラトゥの女王として数千年を生きて来た。
そして実際の戦闘を見た者はほとんどいなかったが、誰しもが実力を疑ったことはない。
それは眷族の者たちの力を知っているからだ。
ルイーサはそれよりも遙かに上だと分かっている。
「「業」は《位相反射》を使った」
「高虎、なんだそれは?」
虎白さんが聞き、俺は説明した。
「簡単に言うと、こちらの攻撃を跳ね返す技です。反射されたものは攻撃技そのものではないようですが、威力は遜色ないものと思われます」
「なんだよそりゃ?」
「言った通りですよ。虎白さんが放った「連山」で虎白さんは切り刻まれるんです」
「おい!」
そんなことはねぇ、と言いたいのだろうが、俺が真面目に言っていることはもちろん虎白さんも分かっている。
他の全員が俺の本気を理解していた。
俺は《位相反射》について想像できることは話した。
「量子もつれ」を利用した技だろうということも言った。
量子力学を理解している人間はいなかったが、可能な限り説明した。
要は、俺たちの起こした攻撃はどこかで同じことが起き、それを「業」が操れるようになったということだ。
そして「業」には「ゲート」という、空間をある程度自在に操る能力がある。
それを使って俺たちに返しているのだろうということだ。
何となくだろうが、全員がそういう技があるということは理解する。
「高虎さん、威力の高い技を撃ったらどうなりますか?」
虎蘭は常に冷静だ。
まあ、虎白さんたちもそうなのだが、虎蘭は最速で確認して来る。
虎蘭の言わんとしていることは分かる。
高威力の技で撃てば、それを変換したり反射することも難しいのではないかということだ。
何しろ俺たちは次元の壁すら破壊する威力を持っているのだ。
そしてもちろん俺と聖もそのことは話し合っていた。
「分からん。だが、ルイーサの「異界魔導」が跳ね返された。ルイーサが死に掛けたぞ」
「そんな……」
「異界魔導」のことは全員が知っているので、俺の言うことも分かっただろう。
「異界魔導」は人間には解析が及ばない、その名の通り異界の技なのだ。
俺ももちろん全てを理解しているわけではない。
ただ、そういう技があるということの前提で作戦に組み込んでいるだけなのだ。
その上でルイーサが放つものが特大であることも分かっただろう。
マルコルムなどの眷族が使う技は見ている者も多くいる。
「虎星」での合同演習で、石神家の人間たちは全員見ているし、その威力の凄まじさも知っている。
ルイーサ自身が使った場面は無いが、マルコルムよりも攻撃力は遙かに高いことは誰しも想像している。
それが跳ね返されたのだ。
「異界魔導」は人間に理解出来るようなものではないのに、「業」は《位相反射》によって返して来た。
「業」の《位相反射》は究極と言わざるを得ない。
だから、高威力の技であっても、反射される可能性は高い。
「俺がやる」
「高虎さん! 私が!」
虎白さんと虎蘭が同時に叫んだ。
この二人は石神家の「見切り戦」をやるつもりなのだ。
最高威力の技をぶつけるつもりなのだろう。
それで自分が吹っ飛べば、それを俺たちに見せることが出来る。
こいつらは自分が死ぬことなど、何とも思っていないのだ。
現状で打つ手が無いことを悟り、自分たちが試してそれを見ろと言っているのだ。
俺が怒鳴った。
「うるせぇ! あいつは俺がぶっ殺すと決めてるんだぁ!」
立ち上がった虎蘭の首を掴んで座らせた。
虎蘭が泣きながら抵抗するのを、俺は力づくで座らせた。
激しい光を帯びた瞳で俺を睨んでいる。
こいつはまったく……
珍しく虎白さんが諫めた。
「虎蘭、高虎が当主だ。当主に従え」
「……」
「おい高虎、俺たちは「見切り戦」でいいんだな」
「お願いします」
聖が立ち上がって俺に言った。
「トラ、俺もやるぜ」
「ああ、お前は相棒だ。一緒に「業」を殺そう」
「うん!」
聖は嬉しそうに笑った。
こいつは俺と一緒に戦うことしか望んでいない。
「他の部隊は全部撤退だ。俺たちだけで行く。残るのは石神家の剣聖たち、斬、それに亜紀ちゃんだけだ」
「石神さん、是非俺たちも連れて行って下さい」
「自分もお願いします」
御影と桜が言った。
「ダメだ。お前たちは《轟霊号》を護衛しながらアラスカへ戻れ。もしも俺たちがやられた時は最終戦争だ。存分にやれ」
「「石神さん……」」
その場合、「武神」たちの出番だ。
この世界は亡びる。
作戦会議を終え、それぞれ準備に入った。
「グレイプニル」、「虎酔会」、桜大隊、ストライカー大隊は既に《轟霊号》に戻している。
《轟霊号》は最大船速でアラスカへ帰投するはずだ。
「業」はまだ動かない。
この艦には今集まっている俺と聖、斬、亜紀ちゃん、そして石神家の剣聖だけがいる。
あとは操艦と観測のデュールゲリエたち500体。
斬だけが何も、一言も喋らなかった。
「業」の新しい能力の情報は、すぐにアラスカへ送られた。
観測していたデュールゲリエたちが直接向かった。
ルイーサがやられた時の映像や様々な観測結果も添えられている。
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