富豪外科医は、モテモテだが結婚しない?

青夜

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ダンスをしよう!

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 鷹と亜紀ちゃんと、三人でまた風呂に入った。
 まだ、抵抗しても無駄だ。
 亜紀ちゃんと鷹が、ニコニコして俺を脱がせる。
 
 「はーい! 御開帳!」
 亜紀ちゃんがそう言って俺のパンツを降ろす。
 どこで覚えた?

 もう自分で洗えると言ったが、結局全身を洗われた。
 一応、前は鷹に洗ってもらう。
 どうにも反応してしまう。
 鷹がちょっと困った顔をする。
 ますます反応した。

 「本当に筋肉が戻って来てますよね」
 鷹が俺の胸や腹を洗いながら言った。
 戻ったよなぁ。

 「肌がきれいになってません?」
 亜紀ちゃんが言う。

 「お前ら、俺に何をして欲しいんだぁ?」
 嬉しくなった。
 オチンチンを振り回した。
 亜紀ちゃんがバチンと受け止めてやめろと言った。
 ちょっと疲れた。

 「オチンチンの泡が飛ぶんでやめてください」
 亜紀ちゃんに怒られた。

 三人で湯船に浸かり、亜紀ちゃんがまたノリノリの歌を歌って欲しいと言う。
 J.ガイルズ・バンドが気に入ったようだ。
 俺がまた『堕ちた天使』を歌ってやると、手を叩いてノリノリになった。
 俺は嬉しくなり、欅坂46の『ガラスを割れ』を歌ってやった。
 二人は普段は歌わない俺の選曲に驚く。

 「タカさんの守備範囲って広いですよねぇ」
 「あの歌詞が好きなのと、あとはPVの見事さよなぁ」
 「そうなんですか?」
 「亜紀ちゃん、見たことねぇの?」
 「はい」
 鷹も知らないと言う。

 「おい、風呂を上がるぞ!」
 亜紀ちゃんに止められ、もうちょっと入った。
 100数えなさいと言われた。
 鷹が声を出して笑った。



 風呂から上がり、俺は亜紀ちゃんにノートPCを持って来るように言った。
 子どもたちを全員集める。

 『ガラスを割れ』のPVを見せた。

 「カッコイイよ!」
 ルーが叫んだ。

 「これ、やりたいよね!」
 ハーがそう言ったので、俺は思い切りキスをした。

 「いいじゃないですか!」
 亜紀ちゃんが言う。

 「僕もやるんですか?」
 皇紀の頭をはたく。

 「みんなでやったら面白いですね」
 鷹にもキス。

 「フフフ、俺の快気祝いが決まったな」
 「「「「「はい!」」」」」

 テーブルを端に運び、みんなでちょっと練習した。
 俺は、亜紀ちゃんにすぐに座ってろと言われた。
 ハーが抜群に上手い。
 ルーも振付をすぐに覚え、PVでは見えない部分も創作で示した。
 ハーと一緒に、全部の振り付けをすぐに完成させる。
 その後、みんなでネットの革のコートや衣装を探して盛り上がった。
 鎌倉に、オーダーで革コートを作る店を見つけた。
 亜紀ちゃんと鷹が全員の採寸をした。
 オチンチンも測れと言うと、亜紀ちゃんに怒られた。


 「栞と六花にもやってもらおう。響子は無理だなぁ。セグウェイで適当に走らせるか」
 「いいですね!」
 「あいつを外すと拗ねそうだからなぁ」
 「アハハハ」

 「一江さんと大森さんは?」
 「ブサイクはだめ」
 「酷いですよ!」
 「ばかやろ! ショーっていうのは厳しいんだ!」

 「ロボは?」
 ハーが言った。
 俺はロボの前でマイケル・ジャクソンのゾンビダンスをした。

 「「「「「「!」」」」」」
 やった。


 嬉しくなって、俺はムーンウォークを見せると、全員から拍手を浴びた。
 更にマイケルの『Smooth Criminal』のあの斜めになる奴をやって、派手に倒れそうになった。
 寸前に、ハーに支えられ助けられた。

 「バカですか」
 亜紀ちゃんが吐き捨てるように言った。
 亜紀ちゃんが解散を宣言し、終わった。




 バカみたいな子は寝ましょうね、と亜紀ちゃんに抱えられて寝室へ行った。
 全然眠くなかった。
 自分の身体が戻っていくことに、バカな子みたいに興奮していた。

 「もう一度栞が来ても対応できるな!」
 「「やめてください!」」
 亜紀ちゃんと鷹に怒られた。
 マジで怖かったらしい。
 俺はベッドの中でユーミンの数々を歌った。
 ロボに額を叩かれた。

 「タカさん、お願いですからもう寝て下さい」
 「石神先生、また明日にでも」
 「双子の部屋へ行こうか?」
 二人に押さえつけられた。

 「どうしちゃったんですか、今日は」
 「アハハハ」
 二人が苦笑いする。

 「分かったよ、もう寝よう」
 俺は鷹の胸を触った。
 ビクッとする。
 亜紀ちゃんの胸も揉んだ。
 亜紀ちゃんはベッドからでて、どこかへ行った。

 「α」入りの手錠を持って来た。
 怖い顔で嵌められた。

 「いい加減にして下さい!」
 「悪い」
 鷹がクスクスと笑った。

 「どうにも嬉しさが抑えられなくてなぁ」
 「テンガ、使います?」
 「すいませんでした」
 鷹が知らなかったので、亜紀ちゃんがUSMから出して説明した。

 「勘弁してくれ」
 鷹が笑った。


 
 亜紀ちゃんが、俺の額にかかる髪の毛をたくし上げてくれる。
 鷹は俺の胸を優しく撫でてくれる。
 そのうち、二人は眠った。
 安らかな寝息だ。
 俺は寝付けずに、目が冴えていた。
 奈津江との夢を思い出した。

 (奈津江、またお前に助けられたな)
 あの楽しかった山の一夜。

 (また行きたかったよなぁ、おい)
 レイと一晩語り明かしたのも山の中だ。
 阿久津先輩ともそうだった。
 士郎。
 別荘も、海ではなく山に建てた。
 
 (今度はこいつらと山で語り明かすか)
 楽しいことを考えた。









 亜紀ちゃん、鷹、子どもたち、みんな、俺は元気になったぞ。 
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