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蓮花の裏切り
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「ま、まさかお前が裏切っていたなんて、蓮花! 俺は大バカだったな」
「ウフフフ、石神様も甘い。私を信じている石神様は滑稽でございました」
「蓮花! 信じていたのに!」
「アハハハハハ! 石神様、ここであなたは終わるのです!」
俺は最後の抵抗で蓮花を睨みつけた。
蓮花は高らかに笑い、俺に止めを刺した。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
栞に会いに行った翌週、月岡から皇紀システム通信が来た。
「石神さん、イーヴァの情報が盗まれたらしい!」
「なんだと!」
「ウラノスからでした。夕べ基地の外から衛星通信で飛ばされているのをジャックしたようです」
「そいつは特定してるんだろうな!」
「それが、IDを殺して奪ってゲートを出たようなんです。そのまま逃亡しています。今、懸命に探していますが」
「必ず捕まえろ! アラスカの全ての脱出経路を閉じろ!」
「分かりました!」
ついに出て来た。
どこにでも裏切り者はいる。
「しかし、どうしてだ。イーヴァに関しては徹底的な情報アクセス制限がかけられているだろう?」
「どうも、そのコードからして盗まれていたようで」
「そんなはずはねぇ! あれは日本国内でも一部でしか」
「石神さん。だったらそこだ。そこにも裏切り者がいますぜ」
「なんてこった」
蓮花の研究所だ。
「盗まれたのはどこまでだった?」
「はい、衛星通信の内容では設計図の80%だったようでした。私らにはもちろん内容は知らされていません」
「そうか、分かった」
俺は必ずスパイを捕まえろともう一度言って皇紀システム通信を切った。
亜紀ちゃんが俺を呼びに来た。
もうみんな集まって俺が来るのを待っているようだ。
俺はリベンジに燃えていた。
今日はあいつらにも話さなければならないことがある。
俺は獰猛に笑った。
2月最初の金曜日の夜。
子どもたちは斎田を鍛えに丹沢に行っている。
柳が全員を乗せて行き、明日の夕方まで俺はロボと二人きりだ。
「久しぶりだにゃー」
「にゃー」
俺は野球はドヘタだ。
だから初回しか行っていない。
まあ、そう無茶なことはやらんだろう。
やってもいーし。
食事を作り、ロボと食べていた。
俺はナスみそ炒めを作り、それと焼きビーフンを作って食べた。
ロボは海老とホタテを焼いてやった。
カリカリと一緒に食べている。
食べ終わった頃に、蓮花から電話が来た。
あいつはタイミングがいい。
「夜分に失礼しました」
「いいんだ。丁度飯を喰い終わった所だったしな」
「さようでございますか。あの、一応明日の予定の確認をしておこうと」
「ああ、あの楽しい大会だよな! 終わったら絶対にうちに来てくれな!」
「はい、ありがとうございます」
「やっぱり俺が迎えに行くよ」
「いえ、とんでもございません!」
「いいって。荷物もあるしな」
「それでも……」
「おい、今更遠慮するなって! お前とミユキを迎えに行けるなんて、こんな楽しいことはないぞ?」
「はぁ。それでは本当に申し訳ございませんが」
「おし! じゃあ3時頃に行くからな!」
「はい」
「丁度蓮花にも話したいことがあったしな」
「それは?」
「まあ、こっちに来てからだ」
「はぁ、かしこまりました」
電話を切った。
蓮花め、思い知らせてやる。
土曜日の朝。
俺は尋問のあれこれを考えながらのんびりした。
ロボと散歩に出る。
家に戻って昼食を食べてのんびりしていると、宅急便が届いた。
俺は中身を確認し、別な化粧箱に入れてリボンをかけ、栞の家へ行った。
3月中に左門とその恋人がここに住むようになる。
俺は栞の寝室だった部屋へ行き、化粧箱を置いた。
ウェルカム・バイブだ。
後ろ用3。
プラグ1。
本来は前用2。
その他洗浄用具等。
楽しんで欲しい。
丁度時間になったので、俺はハマーで蓮花たちを迎えに行った。
ロボも乗せる。
また新宿の高層ビルなので、すぐだ。
もう蓮花たちは、待ち合わせの青梅街道側に立って待っていた。
大勢の蓮花ファンの「自走ロボ同好会」の人たちもいた。
「あ! 石神さん!」
俺の顔を覚えている人が声を掛けて来る。
俺は車を降りて挨拶した。
また是非来て欲しいと言われ、俺は嬉しかった。
今度は真面目に作って行こうかと思う。
蓮花とミユキはファンの人たちに見送られ、ハマーに乗り込んだ。
「また楽しかったようだな!」
「はい! 本当にいい方々です」
「そうか! まあお前の人柄ならなぁ」
「ウフフフ」
「ミユキはどうだった?」
「はい! 蓮花様と一緒に旅行が出来るだけでも嬉しいのですが、会場の方々もみんな親切な方ばかりで」
「そうだよなぁ。オフ会なんて失敗も多いそうだけどな」
「ええ、それに石神様の御宅へまた伺えるなんて!」
「お前! 嬉しいこと言ってくれるな!」
「はい!」
蓮花が後ろでクスクスと幸せそうに笑っていた。
そのあどけなさを見て、俺は今夜やらねばならないことを思い、胸が痛んだ。
「石神様?」
「ああ、何でもねぇ!」
蓮花が俺の様子を見て心配してきた。
また胸が痛んだ。
夕方。
予定通りに子どもたちが帰って来た。
「また斎田、泣いちゃいましたよ」
「アハハハハハ!」
亜紀ちゃんが帰るなりそう言い、俺は大笑いした。
ざまぁ。
リヴィングで蓮花とミユキが子どもたちに挨拶する。
俺は子どもたちが大好きになった鳥の香草焼きを作っており、他の肉は適当に子どもたち自身にやらせた。
蓮花とミユキが感動してくれる。
「お前らも早く喰って風呂に入って来い! すぐに始めるからな!」
「タカさん、大丈夫ですか?」
亜紀ちゃんが心配そうに俺に言う。
「今日はいろいろ俺も考えた! 蓮花! お前覚悟しろ!」
「はい?」
蓮花とミユキが不思議そうな顔をする。
「いいから風呂に入るぞ! そこで話してやる!」
「はい、分かりました」
蓮花とミユキを連れて風呂に入り、楽しんだ。
だが、本当の楽しみはこれからだ。
「じゃー、蓮花さんとミユキさんに説明しますね! これは「人狼ゲーム」って言いまして、まず人狼と村人と……」
亜紀ちゃんがゲームのやり方を説明する。
頭の良い蓮花とミユキはすぐに理解した。
「蓮花! お前たちは初心者だが、手加減しねぇからな!」
「まあ、コワイ」
蓮花は笑った。
最近、石神家で流行っているゲームだ。
少し前に世間では流行ったようだが、双子の学校で再燃しているらしい。
うちでやってみると、面白い!
だが、俺はいつも負けていた。
配役が決まった。
俺は「村人」だ。
よし、今度こそ。
「ま、まさかお前が裏切っていたなんて、蓮花! 俺は大バカだったなぁ!」
「ウフフフ、石神様も甘い。私を信じている石神様は滑稽でございました」
「蓮花! 信じていたのに!」
「アハハハハハ! 石神様、ここであなたは終わるのです!」
俺は最後の抵抗で蓮花を睨みつけた。
蓮花は高らかに笑い、俺に止めを刺した。
「グギャァーーーー!」
「タカさん、そういうのはいいですから」
亜紀ちゃんが呆れて言う。
「それにしてもタカさんってこのゲームは、ほんと弱いですよね」
「うるせぇ! 俺はお前たちを疑うってことがどうしてもできねぇんだぁ!」
「はいはい、遠吠えはやめましょうねー」
「このやろう!」
「石神様、どうもすみません」
「俺は今日、お前を騙してしまうことで胸が痛むくらいだったのに!」
「ウフフフ、それは本当に申し訳ございません」
蓮花は笑ってそう言った。
「蓮花さんは流石に強いですね!」
亜紀ちゃんが褒める。
「まあ、石神様を見ていると強いことが悪いことのように」
「あー、この人は単に弱いだけで」
「なんだとぉー!」
「弱いくせに、やけにやりたがるんですよ」
「オホホホホホ」
みんなで笑った。
俺は蓮花とミユキを部屋に呼んだ。
「蓮花、イーヴァの設計図が上手く盗み出されたぞ」
「さようでございますか!」
「ああ。俺たちが流したコードが掴まれてからしばらく動きが無かったからな。どうしたもんかと思ってたんだが」
「慎重に動いたのでしょうね」
アラスカの「虎の穴」基地にスパイが潜り込むのは分かっていた。
「業」の者か他の国なのか、何にせよ、俺たちの秘密を知りたい連中は幾らでもいる。
だから逆に偽の情報を掴ませるようにしていた。
そこから辿って、どういう連中が狙っているのかを掴むつもりだった。
今回は大当たりだったようだ。
スパイは海上に逃げ、ロシア方面へ向かった。
隠されているが、全てのアラスカの基地の人間に生体チップを埋め込んである。
発信器付きだ。
そして、俺たちの秘密兵器がある操作をしている。
俺たちは大笑いした。
ミユキも笑っている。
俺は二人をベッドに倒し、優しくキスをした。
「ウフフフ、石神様も甘い。私を信じている石神様は滑稽でございました」
「蓮花! 信じていたのに!」
「アハハハハハ! 石神様、ここであなたは終わるのです!」
俺は最後の抵抗で蓮花を睨みつけた。
蓮花は高らかに笑い、俺に止めを刺した。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
栞に会いに行った翌週、月岡から皇紀システム通信が来た。
「石神さん、イーヴァの情報が盗まれたらしい!」
「なんだと!」
「ウラノスからでした。夕べ基地の外から衛星通信で飛ばされているのをジャックしたようです」
「そいつは特定してるんだろうな!」
「それが、IDを殺して奪ってゲートを出たようなんです。そのまま逃亡しています。今、懸命に探していますが」
「必ず捕まえろ! アラスカの全ての脱出経路を閉じろ!」
「分かりました!」
ついに出て来た。
どこにでも裏切り者はいる。
「しかし、どうしてだ。イーヴァに関しては徹底的な情報アクセス制限がかけられているだろう?」
「どうも、そのコードからして盗まれていたようで」
「そんなはずはねぇ! あれは日本国内でも一部でしか」
「石神さん。だったらそこだ。そこにも裏切り者がいますぜ」
「なんてこった」
蓮花の研究所だ。
「盗まれたのはどこまでだった?」
「はい、衛星通信の内容では設計図の80%だったようでした。私らにはもちろん内容は知らされていません」
「そうか、分かった」
俺は必ずスパイを捕まえろともう一度言って皇紀システム通信を切った。
亜紀ちゃんが俺を呼びに来た。
もうみんな集まって俺が来るのを待っているようだ。
俺はリベンジに燃えていた。
今日はあいつらにも話さなければならないことがある。
俺は獰猛に笑った。
2月最初の金曜日の夜。
子どもたちは斎田を鍛えに丹沢に行っている。
柳が全員を乗せて行き、明日の夕方まで俺はロボと二人きりだ。
「久しぶりだにゃー」
「にゃー」
俺は野球はドヘタだ。
だから初回しか行っていない。
まあ、そう無茶なことはやらんだろう。
やってもいーし。
食事を作り、ロボと食べていた。
俺はナスみそ炒めを作り、それと焼きビーフンを作って食べた。
ロボは海老とホタテを焼いてやった。
カリカリと一緒に食べている。
食べ終わった頃に、蓮花から電話が来た。
あいつはタイミングがいい。
「夜分に失礼しました」
「いいんだ。丁度飯を喰い終わった所だったしな」
「さようでございますか。あの、一応明日の予定の確認をしておこうと」
「ああ、あの楽しい大会だよな! 終わったら絶対にうちに来てくれな!」
「はい、ありがとうございます」
「やっぱり俺が迎えに行くよ」
「いえ、とんでもございません!」
「いいって。荷物もあるしな」
「それでも……」
「おい、今更遠慮するなって! お前とミユキを迎えに行けるなんて、こんな楽しいことはないぞ?」
「はぁ。それでは本当に申し訳ございませんが」
「おし! じゃあ3時頃に行くからな!」
「はい」
「丁度蓮花にも話したいことがあったしな」
「それは?」
「まあ、こっちに来てからだ」
「はぁ、かしこまりました」
電話を切った。
蓮花め、思い知らせてやる。
土曜日の朝。
俺は尋問のあれこれを考えながらのんびりした。
ロボと散歩に出る。
家に戻って昼食を食べてのんびりしていると、宅急便が届いた。
俺は中身を確認し、別な化粧箱に入れてリボンをかけ、栞の家へ行った。
3月中に左門とその恋人がここに住むようになる。
俺は栞の寝室だった部屋へ行き、化粧箱を置いた。
ウェルカム・バイブだ。
後ろ用3。
プラグ1。
本来は前用2。
その他洗浄用具等。
楽しんで欲しい。
丁度時間になったので、俺はハマーで蓮花たちを迎えに行った。
ロボも乗せる。
また新宿の高層ビルなので、すぐだ。
もう蓮花たちは、待ち合わせの青梅街道側に立って待っていた。
大勢の蓮花ファンの「自走ロボ同好会」の人たちもいた。
「あ! 石神さん!」
俺の顔を覚えている人が声を掛けて来る。
俺は車を降りて挨拶した。
また是非来て欲しいと言われ、俺は嬉しかった。
今度は真面目に作って行こうかと思う。
蓮花とミユキはファンの人たちに見送られ、ハマーに乗り込んだ。
「また楽しかったようだな!」
「はい! 本当にいい方々です」
「そうか! まあお前の人柄ならなぁ」
「ウフフフ」
「ミユキはどうだった?」
「はい! 蓮花様と一緒に旅行が出来るだけでも嬉しいのですが、会場の方々もみんな親切な方ばかりで」
「そうだよなぁ。オフ会なんて失敗も多いそうだけどな」
「ええ、それに石神様の御宅へまた伺えるなんて!」
「お前! 嬉しいこと言ってくれるな!」
「はい!」
蓮花が後ろでクスクスと幸せそうに笑っていた。
そのあどけなさを見て、俺は今夜やらねばならないことを思い、胸が痛んだ。
「石神様?」
「ああ、何でもねぇ!」
蓮花が俺の様子を見て心配してきた。
また胸が痛んだ。
夕方。
予定通りに子どもたちが帰って来た。
「また斎田、泣いちゃいましたよ」
「アハハハハハ!」
亜紀ちゃんが帰るなりそう言い、俺は大笑いした。
ざまぁ。
リヴィングで蓮花とミユキが子どもたちに挨拶する。
俺は子どもたちが大好きになった鳥の香草焼きを作っており、他の肉は適当に子どもたち自身にやらせた。
蓮花とミユキが感動してくれる。
「お前らも早く喰って風呂に入って来い! すぐに始めるからな!」
「タカさん、大丈夫ですか?」
亜紀ちゃんが心配そうに俺に言う。
「今日はいろいろ俺も考えた! 蓮花! お前覚悟しろ!」
「はい?」
蓮花とミユキが不思議そうな顔をする。
「いいから風呂に入るぞ! そこで話してやる!」
「はい、分かりました」
蓮花とミユキを連れて風呂に入り、楽しんだ。
だが、本当の楽しみはこれからだ。
「じゃー、蓮花さんとミユキさんに説明しますね! これは「人狼ゲーム」って言いまして、まず人狼と村人と……」
亜紀ちゃんがゲームのやり方を説明する。
頭の良い蓮花とミユキはすぐに理解した。
「蓮花! お前たちは初心者だが、手加減しねぇからな!」
「まあ、コワイ」
蓮花は笑った。
最近、石神家で流行っているゲームだ。
少し前に世間では流行ったようだが、双子の学校で再燃しているらしい。
うちでやってみると、面白い!
だが、俺はいつも負けていた。
配役が決まった。
俺は「村人」だ。
よし、今度こそ。
「ま、まさかお前が裏切っていたなんて、蓮花! 俺は大バカだったなぁ!」
「ウフフフ、石神様も甘い。私を信じている石神様は滑稽でございました」
「蓮花! 信じていたのに!」
「アハハハハハ! 石神様、ここであなたは終わるのです!」
俺は最後の抵抗で蓮花を睨みつけた。
蓮花は高らかに笑い、俺に止めを刺した。
「グギャァーーーー!」
「タカさん、そういうのはいいですから」
亜紀ちゃんが呆れて言う。
「それにしてもタカさんってこのゲームは、ほんと弱いですよね」
「うるせぇ! 俺はお前たちを疑うってことがどうしてもできねぇんだぁ!」
「はいはい、遠吠えはやめましょうねー」
「このやろう!」
「石神様、どうもすみません」
「俺は今日、お前を騙してしまうことで胸が痛むくらいだったのに!」
「ウフフフ、それは本当に申し訳ございません」
蓮花は笑ってそう言った。
「蓮花さんは流石に強いですね!」
亜紀ちゃんが褒める。
「まあ、石神様を見ていると強いことが悪いことのように」
「あー、この人は単に弱いだけで」
「なんだとぉー!」
「弱いくせに、やけにやりたがるんですよ」
「オホホホホホ」
みんなで笑った。
俺は蓮花とミユキを部屋に呼んだ。
「蓮花、イーヴァの設計図が上手く盗み出されたぞ」
「さようでございますか!」
「ああ。俺たちが流したコードが掴まれてからしばらく動きが無かったからな。どうしたもんかと思ってたんだが」
「慎重に動いたのでしょうね」
アラスカの「虎の穴」基地にスパイが潜り込むのは分かっていた。
「業」の者か他の国なのか、何にせよ、俺たちの秘密を知りたい連中は幾らでもいる。
だから逆に偽の情報を掴ませるようにしていた。
そこから辿って、どういう連中が狙っているのかを掴むつもりだった。
今回は大当たりだったようだ。
スパイは海上に逃げ、ロシア方面へ向かった。
隠されているが、全てのアラスカの基地の人間に生体チップを埋め込んである。
発信器付きだ。
そして、俺たちの秘密兵器がある操作をしている。
俺たちは大笑いした。
ミユキも笑っている。
俺は二人をベッドに倒し、優しくキスをした。
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