1,241 / 3,202
早乙女家の引っ越し
しおりを挟む
「ドミノ」事件の翌週の土曜日。
本当は先週の予定だった早乙女達の引っ越しをした。
大雨が降るのが分かったので、延期になったのだ。
まあ、俺としては助かった。
別に俺が何かを手伝うわけでもなかったが、子どもたちには手伝わせるつもりでいたし、俺も顔を出してちょっとは手助けしようとは思っていた。
基本は引っ越し業者が荷造りから運送、開梱、収納までやる。
でも、大事なものなどは自分たちでやるので、人手はあった方がいい。
掃除は既に「ラン、スー、ミキ」の三体の家事アンドロイドたちが十分にやっている。
家具も俺が勝手に入れたものが多い。
早乙女の本の他は大した荷物もない。
引っ越しは、本来楽なもののはずだった。
俺は早乙女の新居で双子と待っていた。
亜紀ちゃんだけがちょっとした手伝いがあればと、早乙女の家に行っていた。
皇紀は留守番だ。
研究とチンコいじりが必要だった。
「来たよー!」
ハーが早乙女のポルシェを見つけて叫んだ。
亜紀ちゃんが後ろをCBRで付いて来た。
「よう!」
「石神! 今日はありがとう!」
「いいって。雪野さん、大丈夫ですか?」
「はい! 本当にありがとうございます」
早乙女は車を駐車場に入れ、吉原龍子の御札を大事に両手に抱えて降りて来た。
「これをまず寝室に置きたいんだ」
「ああ」
俺たちは一緒に家の中に入った。
ラン、スー、ミキたちが出迎える。
豪奢な通路を早乙女達がキョロキョロと見渡し、慣れない仕草で奥のエレベーターに乗った。
「しかし、派手な家だなぁ」
「石神!」
俺と子どもたちが笑った。
寝室には既にキングサイズのベッドが置かれ、布団もちゃんとある。
壁に御札を置くための棚が設えてある。
早乙女と雪野さんが、丁寧にそこへ置き、手を合わせた。
「さて、業者が来るまでに間があるから、うちに来いよ。食事にしよう」
300メートルほど離れている。
俺たちは楽しく話しながら歩いた。
昼食は海鮮丼にしてある。
石神家の場合、好きなネタを好きなだけ乗せていいことになっている。
早乙女と雪野さんも大喜びで自分の丼を作っていた。
「モハメド、俺がマグロを切ってやろう」
《ほんとうですかー! ありがとうございますー!》
早乙女の肩からテーブルに飛び跳ねた。
「今日のマグロはお前のために最高のものを用意したからな。いつも早乙女を守ってくれてありがとうな」
《いいえー、とんでもありませんー》
俺は宝石のルビーのように輝くマグロを、1センチ角に二つ切った。
モハメドは大興奮で(アリだからよく分からんが)食べた。
自分の身体の何倍もあるが、綺麗に食べ尽くした。
《ありがとうございましたー》
「おう! これからも宜しくな!」
《はいー》
早乙女が嬉しそうに見ていた。
大分仲良くなったらしい。
食後に、雪野さんが図面を拡げた。
引っ越しの荷物の置き場所を書いている。
やはり優秀な女性だった。
俺は亜紀ちゃんたちに配置を指示し、その場所の荷物を覚えさせた。
ルーが雪野さんに断ってコピーを撮る。
業者も昼食を摂ってから来るので、大体3時頃になる予定だ。
まだ1時半だが、みんなで新居に移動した。
広大な新居を楽しく見て回る。
「広すぎてどうかと思ってましたけど、なんだか素敵でいいですよね!」
「亜紀ちゃん!」
早乙女が俺をじっと見ていた。
「あ、あの! うちもこういう広いのにしましょうか!」
「そ、そうだよな!」
絶対いらねー。
雪野さんが笑っていた。
1階のエレベーターホールに戻る。
「石神、あの「柱」はここに置こうと思うんだ」
早乙女が言った。
「ここかぁ」
「折角お前に貰ったものだ。毎日見たいからな」
こいつの性格が分からん。
俺は絶対に嫌だ。
「まあ、いいんじゃねぇか?」
「そうだろ!」
「お前たちの好きにしろよ」
「うん! あれは大事にするよ。今日もあれだけは美術運送で頼んだんだ」
「そうか」
バカじゃねぇのか。
見て回っているうちに、いい時間になった。
俺たちは配置に着いた。
荷物の量は本が多いのと、何しろ新居が広大なので、結構な人数が揃っていた。
俺は念のためにタマを呼び、全員に怪しいことが無いかを探らせた。
また、帰る時には全員にこの家の間取りなどの記憶を消させてもらう。
どんどん荷物が運ばれ、指示通りに収納されて行く。
俺は蔵書室に貼りついた。
しかし、便利屋が丁寧に箱に内容を書いていたので、スムーズに本棚に並んで行く。
父親と姉の本を見たが、本当の本好きのようで、独自の世界が紡がれているのがよく分かった。
早乙女と雪野さんは、小説が多かった。
二人とも文庫がほとんどだ。
まあ、これからも増えていくのだろう。
父親と姉の本は、もう増えることが無い。
でも、それはそれでいいものだった。
蔵書室が大丈夫そうなので、俺は1階のホールに戻った。
そろそろ終わる頃だ。
丁度、美術運送のトラックが来て、丁寧に荷下ろしがされた。
クッション性の高い布にくるまれている。
カーゴに入れられ、養生された床をゆっくりと進んでくる。
「ここに置いて下さい」
早乙女が指示した。
業者が開梱し、柱が姿を現わした。
驚いた。
「おい!」
白かった柱が、ピンク色になっている。
「何でピンク色なんだ!」
「え? そうだったじゃないか」
「何言ってる! 俺が運んだ時は真っ白だったぞ!」
だから大理石かと思っていた。
今は柱もその下の四本の足も、全て同じピンク色だ。
毒々しいものではない。
桜の花弁よりも、もう少し濃い上品なピンクだ。
「夜は気付かなかったけど、朝になって見たらこの色だったぞ?」
「!」
俺は外に出て皇紀に電話した。
「緊急! アラスカ「虎の穴」に入電! 俺に柱をくれたイヌイットの長老に問い合わせろ! あの柱がピンクになった! どういうことか至急聞け!」
「はい!」
「「皇紀通信」の使用を許可! 東雲に最優先事項! 急げ!」
「はい!」
20分後、皇紀から折り返しの連絡が来た。
「タカさん! 長老から「最高の幸福がもたらされる時に、柱はピンク色に染まるそうです!」
「本当か!」
「はい! 伝承ではこれまでたった一度だけ! 神が降臨し、百年間豊富な獲物を与えてくれたそうです」
「そうか」
『サーモン係長』が、爆発的に売れるのだろうか。
俺は長老から聞いた話を早乙女に伝えた。
「そういうことなのか!」
「ああ、良かったな」
早乙女は喜んで、雪野さんに知らせに行った。
俺は独り残された。
「お前、早乙女たちとこの家を宜しく頼むな」
柱を優しく撫でた。
柱が紫色になった。
「おい! 戻れ!」
戻らなかった。
俺は外に出て皇紀に電話した。
「緊急! アラスカ「虎の穴」に入電! 俺に柱をくれたイヌイットの長老に問い合わせろ! あの柱が今度は紫色になった! どういうことか至急聞け!」
「はい!」
「「皇紀通信」の使用を許可! 東雲に最優先事項! 急げ!」
「はい!」
15分後、皇紀から折り返しの連絡が来た。
「分からないそうです!」
「なんだと!」
早乙女が雪野さんを連れて来た。
エレベーターが開き、二人でニコニコして降りた。
「あれ?」
二人が紫色になった柱に驚いた。
「あのよ! 今問い合わせたんだ!」
「なんだって?」
「それがな、もう信じられないくらいに幸福になっちゃうんだってさ!」
「そうなのか!」
「石神さん! ありがとうございました!」
早乙女と雪野さんがキラキラした目で俺に近づいて感謝した。
二人に両手を取られ、ブンブンされた。
お、俺がお前らを絶対に幸せにしてやる!
本当は先週の予定だった早乙女達の引っ越しをした。
大雨が降るのが分かったので、延期になったのだ。
まあ、俺としては助かった。
別に俺が何かを手伝うわけでもなかったが、子どもたちには手伝わせるつもりでいたし、俺も顔を出してちょっとは手助けしようとは思っていた。
基本は引っ越し業者が荷造りから運送、開梱、収納までやる。
でも、大事なものなどは自分たちでやるので、人手はあった方がいい。
掃除は既に「ラン、スー、ミキ」の三体の家事アンドロイドたちが十分にやっている。
家具も俺が勝手に入れたものが多い。
早乙女の本の他は大した荷物もない。
引っ越しは、本来楽なもののはずだった。
俺は早乙女の新居で双子と待っていた。
亜紀ちゃんだけがちょっとした手伝いがあればと、早乙女の家に行っていた。
皇紀は留守番だ。
研究とチンコいじりが必要だった。
「来たよー!」
ハーが早乙女のポルシェを見つけて叫んだ。
亜紀ちゃんが後ろをCBRで付いて来た。
「よう!」
「石神! 今日はありがとう!」
「いいって。雪野さん、大丈夫ですか?」
「はい! 本当にありがとうございます」
早乙女は車を駐車場に入れ、吉原龍子の御札を大事に両手に抱えて降りて来た。
「これをまず寝室に置きたいんだ」
「ああ」
俺たちは一緒に家の中に入った。
ラン、スー、ミキたちが出迎える。
豪奢な通路を早乙女達がキョロキョロと見渡し、慣れない仕草で奥のエレベーターに乗った。
「しかし、派手な家だなぁ」
「石神!」
俺と子どもたちが笑った。
寝室には既にキングサイズのベッドが置かれ、布団もちゃんとある。
壁に御札を置くための棚が設えてある。
早乙女と雪野さんが、丁寧にそこへ置き、手を合わせた。
「さて、業者が来るまでに間があるから、うちに来いよ。食事にしよう」
300メートルほど離れている。
俺たちは楽しく話しながら歩いた。
昼食は海鮮丼にしてある。
石神家の場合、好きなネタを好きなだけ乗せていいことになっている。
早乙女と雪野さんも大喜びで自分の丼を作っていた。
「モハメド、俺がマグロを切ってやろう」
《ほんとうですかー! ありがとうございますー!》
早乙女の肩からテーブルに飛び跳ねた。
「今日のマグロはお前のために最高のものを用意したからな。いつも早乙女を守ってくれてありがとうな」
《いいえー、とんでもありませんー》
俺は宝石のルビーのように輝くマグロを、1センチ角に二つ切った。
モハメドは大興奮で(アリだからよく分からんが)食べた。
自分の身体の何倍もあるが、綺麗に食べ尽くした。
《ありがとうございましたー》
「おう! これからも宜しくな!」
《はいー》
早乙女が嬉しそうに見ていた。
大分仲良くなったらしい。
食後に、雪野さんが図面を拡げた。
引っ越しの荷物の置き場所を書いている。
やはり優秀な女性だった。
俺は亜紀ちゃんたちに配置を指示し、その場所の荷物を覚えさせた。
ルーが雪野さんに断ってコピーを撮る。
業者も昼食を摂ってから来るので、大体3時頃になる予定だ。
まだ1時半だが、みんなで新居に移動した。
広大な新居を楽しく見て回る。
「広すぎてどうかと思ってましたけど、なんだか素敵でいいですよね!」
「亜紀ちゃん!」
早乙女が俺をじっと見ていた。
「あ、あの! うちもこういう広いのにしましょうか!」
「そ、そうだよな!」
絶対いらねー。
雪野さんが笑っていた。
1階のエレベーターホールに戻る。
「石神、あの「柱」はここに置こうと思うんだ」
早乙女が言った。
「ここかぁ」
「折角お前に貰ったものだ。毎日見たいからな」
こいつの性格が分からん。
俺は絶対に嫌だ。
「まあ、いいんじゃねぇか?」
「そうだろ!」
「お前たちの好きにしろよ」
「うん! あれは大事にするよ。今日もあれだけは美術運送で頼んだんだ」
「そうか」
バカじゃねぇのか。
見て回っているうちに、いい時間になった。
俺たちは配置に着いた。
荷物の量は本が多いのと、何しろ新居が広大なので、結構な人数が揃っていた。
俺は念のためにタマを呼び、全員に怪しいことが無いかを探らせた。
また、帰る時には全員にこの家の間取りなどの記憶を消させてもらう。
どんどん荷物が運ばれ、指示通りに収納されて行く。
俺は蔵書室に貼りついた。
しかし、便利屋が丁寧に箱に内容を書いていたので、スムーズに本棚に並んで行く。
父親と姉の本を見たが、本当の本好きのようで、独自の世界が紡がれているのがよく分かった。
早乙女と雪野さんは、小説が多かった。
二人とも文庫がほとんどだ。
まあ、これからも増えていくのだろう。
父親と姉の本は、もう増えることが無い。
でも、それはそれでいいものだった。
蔵書室が大丈夫そうなので、俺は1階のホールに戻った。
そろそろ終わる頃だ。
丁度、美術運送のトラックが来て、丁寧に荷下ろしがされた。
クッション性の高い布にくるまれている。
カーゴに入れられ、養生された床をゆっくりと進んでくる。
「ここに置いて下さい」
早乙女が指示した。
業者が開梱し、柱が姿を現わした。
驚いた。
「おい!」
白かった柱が、ピンク色になっている。
「何でピンク色なんだ!」
「え? そうだったじゃないか」
「何言ってる! 俺が運んだ時は真っ白だったぞ!」
だから大理石かと思っていた。
今は柱もその下の四本の足も、全て同じピンク色だ。
毒々しいものではない。
桜の花弁よりも、もう少し濃い上品なピンクだ。
「夜は気付かなかったけど、朝になって見たらこの色だったぞ?」
「!」
俺は外に出て皇紀に電話した。
「緊急! アラスカ「虎の穴」に入電! 俺に柱をくれたイヌイットの長老に問い合わせろ! あの柱がピンクになった! どういうことか至急聞け!」
「はい!」
「「皇紀通信」の使用を許可! 東雲に最優先事項! 急げ!」
「はい!」
20分後、皇紀から折り返しの連絡が来た。
「タカさん! 長老から「最高の幸福がもたらされる時に、柱はピンク色に染まるそうです!」
「本当か!」
「はい! 伝承ではこれまでたった一度だけ! 神が降臨し、百年間豊富な獲物を与えてくれたそうです」
「そうか」
『サーモン係長』が、爆発的に売れるのだろうか。
俺は長老から聞いた話を早乙女に伝えた。
「そういうことなのか!」
「ああ、良かったな」
早乙女は喜んで、雪野さんに知らせに行った。
俺は独り残された。
「お前、早乙女たちとこの家を宜しく頼むな」
柱を優しく撫でた。
柱が紫色になった。
「おい! 戻れ!」
戻らなかった。
俺は外に出て皇紀に電話した。
「緊急! アラスカ「虎の穴」に入電! 俺に柱をくれたイヌイットの長老に問い合わせろ! あの柱が今度は紫色になった! どういうことか至急聞け!」
「はい!」
「「皇紀通信」の使用を許可! 東雲に最優先事項! 急げ!」
「はい!」
15分後、皇紀から折り返しの連絡が来た。
「分からないそうです!」
「なんだと!」
早乙女が雪野さんを連れて来た。
エレベーターが開き、二人でニコニコして降りた。
「あれ?」
二人が紫色になった柱に驚いた。
「あのよ! 今問い合わせたんだ!」
「なんだって?」
「それがな、もう信じられないくらいに幸福になっちゃうんだってさ!」
「そうなのか!」
「石神さん! ありがとうございました!」
早乙女と雪野さんがキラキラした目で俺に近づいて感謝した。
二人に両手を取られ、ブンブンされた。
お、俺がお前らを絶対に幸せにしてやる!
1
あなたにおすすめの小説
烏の王と宵の花嫁
水川サキ
キャラ文芸
吸血鬼の末裔として生まれた華族の娘、月夜は家族から虐げられ孤独に生きていた。
唯一の慰めは、年に一度届く〈からす〉からの手紙。
その送り主は太陽の化身と称される上級華族、縁樹だった。
ある日、姉の縁談相手を誤って傷つけた月夜は、父に遊郭へ売られそうになり屋敷を脱出するが、陽の下で倒れてしまう。
死を覚悟した瞬間〈からす〉の正体である縁樹が現れ、互いの思惑から契約結婚を結ぶことになる。
※初出2024年7月
芙蓉は後宮で花開く
速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。
借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー
カクヨムでも連載しております。
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
【完結】狡い人
ジュレヌク
恋愛
双子のライラは、言う。
レイラは、狡い。
レイラの功績を盗み、賞を受賞し、母の愛も全て自分のものにしたくせに、事あるごとに、レイラを責める。
双子のライラに狡いと責められ、レイラは、黙る。
口に出して言いたいことは山ほどあるのに、おし黙る。
そこには、人それぞれの『狡さ』があった。
そんな二人の関係が、ある一つの出来事で大きく変わっていく。
恋を知り、大きく羽ばたくレイラと、地に落ちていくライラ。
2人の違いは、一体なんだったのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる