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皇紀の進路
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1月最後の金曜日の夜。
俺は皇紀を部屋へ呼んだ。
皇紀が入って来る。
「おう、座れ」
「はい」
皇紀とソファで差し向いに座った。
「お前、決心は変わらないのか?」
「はい、すみません」
昨年の9月頃からずっと何度も話し合っている。
夏休みが終わり、皇紀の進路相談が本格的に始まった頃だ。
「しつこいけどよ。俺はお前に高校に進学して欲しいんだよ」
「はい、分かってます」
「何故か分かるか?」
「はい」
そのことも皇紀には何度も話している。
「山中と奥さんは、お前に高校、大学に進んで欲しいと思っていたからだ」
「はい」
「お前にはもう学校の勉強は必要ないかもしれない。それは分かるよ。でも学校生活というものをお前に味わっておいて欲しいんだ」
「分かってます。でも、僕はもう決めたんです」
「俺の手伝いってか」
「そうです!」
皇紀が真直ぐに俺を見た。
「おい、そんな目で見るな」
「すいません」
俺はため息を吐いた。
「お前がこんなに頑固だとはなぁ」
「アハハハハ」
「別に高校に通いながらでもいいだろう。亜紀ちゃんの行っている筑紫野高校なら、上位に入れば出席の必要も無いんだ」
「ええ」
皇紀の考えは変わらない。
「あのな、亜紀ちゃんが道を付けてくれたんだぞ?」
「え?」
「お前が研究や様々な防衛施設の手配で一層忙しくなるのは分かってるんだよ。だから、高校に通いながら自由に時間を割けられるように、亜紀ちゃんが学校に明確に示し、ちゃんと話を通しているんだ」
「え!」
「もちろん自分が自由にやりたいってこともあるよ。でも多くは後から来る皇紀のためだったんだぞ」
「そんな……」
皇紀がうつむいた。
「何度も言ってたよ。皇紀が入っても自由に出来るんだって。授業も出なくていいし、必要なら学校内に研究室を作ってもいいって。皇紀は優しいから、きっと友達が一杯出来て手伝ってくれるんだってさ」
「お姉ちゃん……」
「学食ももっと充実させたいって言ってたよ。皇紀は一人じゃそんなに食べないだろうけど、その代わりにもっと美味しい食事が出せるようにしたいってな」
「……」
皇紀が泣いていた。
「双子にも相談してたよ。学校に俺の名前で多額の寄付をして、学食を変えて必要なら研究施設も作れるようにってなぁ。ルーもハーも喜んでやるって言ってたぞ。お前、どうすんだよ」
「タカさん……」
皇紀が涙を拭った。
「それでも僕は、もっと今の仕事をやりたいんです。お父さんたちの気持ちもお姉ちゃんやルー、ハーの気持ちも嬉しい。でも僕は自分の役目を果たしたい!」
俺は笑って、座れと言った。
「分かった。じゃあ話し合いはここまでだ。俺ももう何も言わん。みんなには明日話そう」
「はい! 宜しくお願いします!」
「一つだけな。お前の決意を聞いたら、亜紀ちゃんも大学に行かないかもしれん。ルーもハーも進学しないかもしれない。お前はどうする?」
「止めます! 僕はダメな人間なんで、進学したら出来なくなるだけです。お姉ちゃんは違う。妹たちもそうです。学校へ行くことで、もっと大きなことが出来るようになる。だから止めます」
「そうか」
俺は皇紀の頭を撫で、部屋から出した。
予想しなかったわけではないが、やはり残念だ。
しかし、あいつの人生はあいつが決めればいい。
俺もそうして来た。
まあ、学校などはどうでもいい。
俺は一人で一階に降りて、山中たちの仏壇に謝った。
俺が出来るのは、もうそれしか無かった。
翌朝。
朝食の後で、全員を集めて皇紀が進学しないことを話した。
「なんで!」
「ダメだよ、皇紀ちゃん!」
「考え直して!」
「高校を出てから考えてもいいじゃない」
亜紀ちゃんと双子が特に強く止めようとした。
しかし皇紀の決意は変わらなかった。
「みんなごめんね。でも、僕はやりたいんだ。今よりもずっと集中して取り組みたい。やらなければならないことは幾らでもある。それに僕は学校はもう必要ないよ。タカさんのお陰で、「勉強」はもう分かった。もういいよ。それよりも、僕は研究を極めたいんだ」
みんな分かっている。
「みんな、聞いてくれ。皇紀が夕べ言ったんだ。皇紀はみんなには学校に通って欲しいそうだ。亜紀ちゃんは大学に、ルーとハーも高校から大学へ進んで欲しいそうだ」
「なんでよ!」
亜紀ちゃんが叫ぶ。
「それは、お前たちが学校に行くことで、大きなものを得るだろうからだってな。そうだな、皇紀?」
「はい! 勉強そのものはともかく、そうでないものを沢山得てくれるんじゃないかと」
「それはあんただって同じでしょう!」
「お姉ちゃん、それは違うよ。僕はもうやらなきゃならないことが目の前に並んでいるんだ。でもお姉ちゃんたちはまだ違う。それにさ」
「なによ!」
「僕たちが普通に進学して大学まで出るのは、お父さんとお母さんの望みだよ。聞いたことはないけどね」
「皇紀! あんた!」
「ごめんね、僕は自分のワガママでそれは出来ないよ。でも、お姉ちゃんたちにはちゃんと大学を出て欲しいんだ」
「皇紀!」
「「皇紀ちゃん!」」
亜紀ちゃんたちが泣いた。
柳も泣いている。
「四人もいるんだ。一人くらい落ちこぼれてもいいだろう?」
「何言ってんのよ……」
「それにさ。お父さんも稼げる仕事じゃなくて研究職だったじゃない。僕も同じようにやりたいんだ」
「ずるいよ、そんなこと言って!」
「アハハハハハ!」
まあ、決まったようだ。
「タカさん! 皇紀のためにとびっきりのお祝いを!」
「まあ待て。それは亜紀ちゃんの合格が決まってからな。それにプレゼントはもう用意しているんだ」
「え?」
「「「「え?」」」」
「今作っている最中だけどな。4月には完成するはずだ」
「研究施設とかですか?」
「あー、それは取り敢えずは必要無いだろう。ここで出来るよな?」
「は、はい! むしろみんなと一緒にいたいですし」
「そうだよな!」
皇紀がが腕を組んで考えている。
「じゃー、一体なにを……」
「実は大阪に新居をな」
「エェェェェェッーーーーー!」
「「「「ワハハハハハハ!」」」」
皇紀以外にはもう話している。
俺は笑って言った。
「ほら、もう風花とは正式に付き合い出したんだ。皇紀があっちに行ったら一緒にいれる「愛の巣」をな!」
「た、た、タカさん!」
皇紀が動揺している。
「出来たらみんなで見に行くぞ! ああ、その前に俺と皇紀は引っ越しの手伝いもな。六花も連れて行くしな」
「そ、そんな!」
「早乙女宅は「ケルン大聖堂」だったけどよ。今度は「アヤソフィア大寺院」だからな!」
「タカさん!」
「二万坪ですよね!」
「おお、よく覚えてたな!」
「お姉ちゃんは知ってたの!」
「うん! ただ、皇紀の高校入学祝いだって、その時はね」
「そうだ。気が変わってたかもしれないしな。俺は高校に行って欲しかったし。でも、多分変わらないのは分かってもいたしな」
「タカさん!」
「まあ、だから社会人になる祝いだな」
「で、で、でも!」
「あれ? 風花と一緒にならないのか?」
「そんなことはありません!」
言い切った。
みんなが笑った。
「じゃあ良かったよ。お前らのために建ててるんだからなぁ」
「タカさーん!」
「一応CGとかもあるんだけどな。まあ、お前は直接見た方がいいだろう」
「「お前は」ってことは、お姉ちゃんたちは見たの?」
「ああ、そうだけど」
「素敵だったわよ!」
「なんてことー!」
みんなでまた笑った。
「お前、早乙女たちが新居でひっくり返ったのを笑って見てただろう」
「そんなことしてないですよ!」
「今度はお前の番だ。ああ、早乙女たちも連れて行くかぁ!」
「やめてくださいー!」
みんなで皇紀の傍に行き、肩と背中を叩いた。
「月に一度は行ってやれ」
「毎週はやめてね」
「どうして、ルー?」
「私たちが寂しいじゃん!」
「!」
皇紀が大泣きした。
我慢していたのだろう。
「皇紀! 今日はすき焼きにするよ!」
「え、そうなの?」
「皇紀は好きなだけ食べなよ! 私たちは邪魔しないから!」
「本当に!」
「「「「うん!」」」」
その夜はすき焼き大会になった。
亜紀ちゃんが30キロのいい肉を用意する。
皇紀の目の前に鍋が置かれた。
皇紀がニコニコして好きなように肉をゆっくりと食べて行った。
他の子どもたちもニコニコして見ていた。
3分後。
我慢出来なくなった子どもたちが油断していた皇紀をぶっ飛ばし、いつものように肉を奪い合った。
部屋の隅でひっくり返った皇紀が大笑いしていた。
俺は皇紀を部屋へ呼んだ。
皇紀が入って来る。
「おう、座れ」
「はい」
皇紀とソファで差し向いに座った。
「お前、決心は変わらないのか?」
「はい、すみません」
昨年の9月頃からずっと何度も話し合っている。
夏休みが終わり、皇紀の進路相談が本格的に始まった頃だ。
「しつこいけどよ。俺はお前に高校に進学して欲しいんだよ」
「はい、分かってます」
「何故か分かるか?」
「はい」
そのことも皇紀には何度も話している。
「山中と奥さんは、お前に高校、大学に進んで欲しいと思っていたからだ」
「はい」
「お前にはもう学校の勉強は必要ないかもしれない。それは分かるよ。でも学校生活というものをお前に味わっておいて欲しいんだ」
「分かってます。でも、僕はもう決めたんです」
「俺の手伝いってか」
「そうです!」
皇紀が真直ぐに俺を見た。
「おい、そんな目で見るな」
「すいません」
俺はため息を吐いた。
「お前がこんなに頑固だとはなぁ」
「アハハハハ」
「別に高校に通いながらでもいいだろう。亜紀ちゃんの行っている筑紫野高校なら、上位に入れば出席の必要も無いんだ」
「ええ」
皇紀の考えは変わらない。
「あのな、亜紀ちゃんが道を付けてくれたんだぞ?」
「え?」
「お前が研究や様々な防衛施設の手配で一層忙しくなるのは分かってるんだよ。だから、高校に通いながら自由に時間を割けられるように、亜紀ちゃんが学校に明確に示し、ちゃんと話を通しているんだ」
「え!」
「もちろん自分が自由にやりたいってこともあるよ。でも多くは後から来る皇紀のためだったんだぞ」
「そんな……」
皇紀がうつむいた。
「何度も言ってたよ。皇紀が入っても自由に出来るんだって。授業も出なくていいし、必要なら学校内に研究室を作ってもいいって。皇紀は優しいから、きっと友達が一杯出来て手伝ってくれるんだってさ」
「お姉ちゃん……」
「学食ももっと充実させたいって言ってたよ。皇紀は一人じゃそんなに食べないだろうけど、その代わりにもっと美味しい食事が出せるようにしたいってな」
「……」
皇紀が泣いていた。
「双子にも相談してたよ。学校に俺の名前で多額の寄付をして、学食を変えて必要なら研究施設も作れるようにってなぁ。ルーもハーも喜んでやるって言ってたぞ。お前、どうすんだよ」
「タカさん……」
皇紀が涙を拭った。
「それでも僕は、もっと今の仕事をやりたいんです。お父さんたちの気持ちもお姉ちゃんやルー、ハーの気持ちも嬉しい。でも僕は自分の役目を果たしたい!」
俺は笑って、座れと言った。
「分かった。じゃあ話し合いはここまでだ。俺ももう何も言わん。みんなには明日話そう」
「はい! 宜しくお願いします!」
「一つだけな。お前の決意を聞いたら、亜紀ちゃんも大学に行かないかもしれん。ルーもハーも進学しないかもしれない。お前はどうする?」
「止めます! 僕はダメな人間なんで、進学したら出来なくなるだけです。お姉ちゃんは違う。妹たちもそうです。学校へ行くことで、もっと大きなことが出来るようになる。だから止めます」
「そうか」
俺は皇紀の頭を撫で、部屋から出した。
予想しなかったわけではないが、やはり残念だ。
しかし、あいつの人生はあいつが決めればいい。
俺もそうして来た。
まあ、学校などはどうでもいい。
俺は一人で一階に降りて、山中たちの仏壇に謝った。
俺が出来るのは、もうそれしか無かった。
翌朝。
朝食の後で、全員を集めて皇紀が進学しないことを話した。
「なんで!」
「ダメだよ、皇紀ちゃん!」
「考え直して!」
「高校を出てから考えてもいいじゃない」
亜紀ちゃんと双子が特に強く止めようとした。
しかし皇紀の決意は変わらなかった。
「みんなごめんね。でも、僕はやりたいんだ。今よりもずっと集中して取り組みたい。やらなければならないことは幾らでもある。それに僕は学校はもう必要ないよ。タカさんのお陰で、「勉強」はもう分かった。もういいよ。それよりも、僕は研究を極めたいんだ」
みんな分かっている。
「みんな、聞いてくれ。皇紀が夕べ言ったんだ。皇紀はみんなには学校に通って欲しいそうだ。亜紀ちゃんは大学に、ルーとハーも高校から大学へ進んで欲しいそうだ」
「なんでよ!」
亜紀ちゃんが叫ぶ。
「それは、お前たちが学校に行くことで、大きなものを得るだろうからだってな。そうだな、皇紀?」
「はい! 勉強そのものはともかく、そうでないものを沢山得てくれるんじゃないかと」
「それはあんただって同じでしょう!」
「お姉ちゃん、それは違うよ。僕はもうやらなきゃならないことが目の前に並んでいるんだ。でもお姉ちゃんたちはまだ違う。それにさ」
「なによ!」
「僕たちが普通に進学して大学まで出るのは、お父さんとお母さんの望みだよ。聞いたことはないけどね」
「皇紀! あんた!」
「ごめんね、僕は自分のワガママでそれは出来ないよ。でも、お姉ちゃんたちにはちゃんと大学を出て欲しいんだ」
「皇紀!」
「「皇紀ちゃん!」」
亜紀ちゃんたちが泣いた。
柳も泣いている。
「四人もいるんだ。一人くらい落ちこぼれてもいいだろう?」
「何言ってんのよ……」
「それにさ。お父さんも稼げる仕事じゃなくて研究職だったじゃない。僕も同じようにやりたいんだ」
「ずるいよ、そんなこと言って!」
「アハハハハハ!」
まあ、決まったようだ。
「タカさん! 皇紀のためにとびっきりのお祝いを!」
「まあ待て。それは亜紀ちゃんの合格が決まってからな。それにプレゼントはもう用意しているんだ」
「え?」
「「「「え?」」」」
「今作っている最中だけどな。4月には完成するはずだ」
「研究施設とかですか?」
「あー、それは取り敢えずは必要無いだろう。ここで出来るよな?」
「は、はい! むしろみんなと一緒にいたいですし」
「そうだよな!」
皇紀がが腕を組んで考えている。
「じゃー、一体なにを……」
「実は大阪に新居をな」
「エェェェェェッーーーーー!」
「「「「ワハハハハハハ!」」」」
皇紀以外にはもう話している。
俺は笑って言った。
「ほら、もう風花とは正式に付き合い出したんだ。皇紀があっちに行ったら一緒にいれる「愛の巣」をな!」
「た、た、タカさん!」
皇紀が動揺している。
「出来たらみんなで見に行くぞ! ああ、その前に俺と皇紀は引っ越しの手伝いもな。六花も連れて行くしな」
「そ、そんな!」
「早乙女宅は「ケルン大聖堂」だったけどよ。今度は「アヤソフィア大寺院」だからな!」
「タカさん!」
「二万坪ですよね!」
「おお、よく覚えてたな!」
「お姉ちゃんは知ってたの!」
「うん! ただ、皇紀の高校入学祝いだって、その時はね」
「そうだ。気が変わってたかもしれないしな。俺は高校に行って欲しかったし。でも、多分変わらないのは分かってもいたしな」
「タカさん!」
「まあ、だから社会人になる祝いだな」
「で、で、でも!」
「あれ? 風花と一緒にならないのか?」
「そんなことはありません!」
言い切った。
みんなが笑った。
「じゃあ良かったよ。お前らのために建ててるんだからなぁ」
「タカさーん!」
「一応CGとかもあるんだけどな。まあ、お前は直接見た方がいいだろう」
「「お前は」ってことは、お姉ちゃんたちは見たの?」
「ああ、そうだけど」
「素敵だったわよ!」
「なんてことー!」
みんなでまた笑った。
「お前、早乙女たちが新居でひっくり返ったのを笑って見てただろう」
「そんなことしてないですよ!」
「今度はお前の番だ。ああ、早乙女たちも連れて行くかぁ!」
「やめてくださいー!」
みんなで皇紀の傍に行き、肩と背中を叩いた。
「月に一度は行ってやれ」
「毎週はやめてね」
「どうして、ルー?」
「私たちが寂しいじゃん!」
「!」
皇紀が大泣きした。
我慢していたのだろう。
「皇紀! 今日はすき焼きにするよ!」
「え、そうなの?」
「皇紀は好きなだけ食べなよ! 私たちは邪魔しないから!」
「本当に!」
「「「「うん!」」」」
その夜はすき焼き大会になった。
亜紀ちゃんが30キロのいい肉を用意する。
皇紀の目の前に鍋が置かれた。
皇紀がニコニコして好きなように肉をゆっくりと食べて行った。
他の子どもたちもニコニコして見ていた。
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我慢出来なくなった子どもたちが油断していた皇紀をぶっ飛ばし、いつものように肉を奪い合った。
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