1,480 / 3,202
羽入と紅 Ⅴ
しおりを挟む
翌日。
俺たちは改造ハイエースで出発した。
午前10時。
モーター車であるため、怖い程に音が無い。
昼前に早乙女さんが指定したビルの駐車場に入った。
簡単にブリーフィングがあった。
地図を拡げ、説明された。
「ここから500メートル先に、廃工場がある。仲間が見張っているが、中には30人程がいる」
「分かりました」
「建物の高さは8メートルほどだ。元は木材の加工をしていたようだが、中には幾つか部屋が仕切られている。工場部分は吹き抜けで、事務所部分は二階まである」
図面を別に開いた。
「人員がどのように配置されているのかは分からない。ここの鉄骨の無い壁を壊して突入してくれ」
「「はい!」」
「紅さんが破壊してくれるかな?」
「分かりました。突入の後は私の判断で宜しいですね」
「うん」
「では羽入。外で待っているように」
「何言ってんだ!」
「私が全てやります。お前は安全な場所で見ていろ」
「このやろう!」
早乙女さんが笑いながら言った。
「ダメだよ、紅。君たちはバディなんだ。一緒に突入してくれ」
「そうですか」
紅は不満そうな顔をしたが受け入れた。
なんなんだ、このやろう。
現場までは「アドヴェロス」の車両で向かった。
大分改造した装甲車だった。
「車が停止したらすぐに始めてくれ」
「「はい!」」
俺も紅も黒のコンバットスーツを着ている。
胴体部分は防弾仕様で、顔にも同じく防弾仕様の覆面を被っている。
胴体はケブラー繊維のものだが、身体は柔軟に動く設計だ。
程なく装甲車が止まり、俺と紅は後部から飛び出した。
紅は迷うことなく壁に取りつき、「螺旋花」で一気に破壊した。
幅4メートルに渡って消え失せた。
粉塵が室内に舞い上がる。
紅が即座に俺を見てから中へ飛び込んだ。
俺も後ろに続く。
紅は壁を駆け上がって妖魔化した人間を探す。
中では銃を握った男たち10人程が紅を追って銃口を向けようとしていた。
俺はそいつらに襲い掛かる。
ただのヤクザなので、瞬時に5人の急所を撃って戦闘不能にした。
俺に銃口を向けようとした男たちは、紅が「槍雷」で仕留めて行く。
殺傷力は押さえているようだが、男たちの手足が折れ曲がり、幾本か吹っ飛んで行く。
事務所から残りの男たちが飛び出して来る。
全員がアサルトライフルやマシンガンで武装し、5人が変身していた。
紅が妖魔化した連中に襲い掛かる。
素晴らしいスピードだった。
銃撃をかわしながら、瞬時に目の前に立ち、身体を粉砕していく。
俺も「カサンドラ」を抜き、手前の妖魔化した男の胴を払った。
一閃で身体が真っ二つになった。
武装した連中にも「カサンドラ」を使う。
ガンモードで撃ち込むと、身体が四散しながら吹っ飛んだ。
生かして置ける状況ではなかった。
ただ、幹部らしい恰幅の良い男が事務所の二階部分に残っていたので、俺は確保に向かった。
その間に、紅が残りの連中を始末していた。
「大人しくしろ。そうすれば生かしておいてやる」
「お前は「アドヴェロス」か!」
「そうだ。お前らはもう終わりだ」
「ふざけんな!」
「吼えるな、チンピラ」
俺は男の顎を蹴り上げて黙らせた。
一瞬で脳震盪を起こして意識を喪う。
派手に倒れたが、命に別条は無い。
俺は100キロ程のデブを肩に担いで下に降りた。
紅が周囲を警戒しながら、俺に駆け寄って来た。
「怪我はないか?」
「大丈夫だ。お前も?」
「当たり前だ」
確かに、物凄いスピードと的確な攻撃だった。
紅がまだ全然本気でもないことはよく分かっていた。
俺と紅が工場の扉を開けると、「アドヴェロス」の隊員たちが入って来た。
早乙女さんが微笑んでいる。
「素晴らしい動きだった。これほど鮮やかに終わるとは」
「こいつがここの責任者だったようです」
早乙女さんが隊員に命じてデブを運ばせた。
「これで作戦終了だ。ご苦労様。明後日には羽入の口座に振り込まれるはずだよ」
「はい?」
「え! もしかして、聞いていないのかい?」
「なにが?」
早乙女さんがちょっと慌てた。
「まいったな。そういうことは最初に伝わっていると思っていた」
「お金がもらえるんです?」
「そうだよ! こんな危険な仕事なんだ! 基本手当で一回の出撃で500万円。後は現場の状況で別途手当てが付くよ。今回は妖魔化した奴が5体いたから500万円。武装した人間は一人10万円だよ。だから全部で2300万円だね。ああ、税金は掛からない収入だから」
「なんですって!」
「そういうことだ」
「じゃあ! 俺と紅で1000万円以上も貰えるんですか!」
「あ、いや。紅さんは無いよ。人間である羽入だけだ」
「!」
俺は早乙女さんに近寄った。
「早乙女さん! それはダメだ! 紅と俺で半々、いや今回は紅の方が敵を撃破した。だから俺よりも多くしてくれ!」
「羽入、でもそういうことは……」
「早乙女さん! もしもそうならなければ、俺はこの仕事は今後一切受けない!」
紅が俺と早乙女さんの間に割って入った。
「羽入! バカなことを言うな! 私はアンドロイドだ。お金なんか貰ってもしょうがない」
「使えよ! お前みたいな美人は幾らでもいい服を買って着飾ればいいだろう!」
「私には興味は無い」
「無くたってそうしろ! 俺だけが金を貰うなんて、冗談じゃねぇ! 命を懸けてるのはお前も同じだろうが!」
「バカ! 私には命なんてない」
「あるよ! お前には命がある!」
「!」
紅が俺の剣幕に圧倒されたか、押し黙ったまま目を見開いて俺を見ていた。
「分かった羽入。俺が間違っていた。石神に話して紅さんの口座を作ろう。紅さん、申し訳なかった」
「いえ、早乙女様! 私には必要の無いことですから!」
「いや、俺が間違っていたよ。命の無い者ならば、羽入とバディは組めない。羽入、ただ、金は半分ずつ均等に分けるよ。撃破数じゃない。同じ任務を果たした二人だからな」
「分かりましたよ。じゃあ、宜しくお願いします」
「バカ羽入!」
「うるせぇ!」
俺たちはまた改造ハイエースに乗り込んだ。
紅はムスッとした顔で助手席には座らず、後ろのシートを取り払った荷台に入った。
俺も構わず発進した。
その夜、またでかいステーキが夕飯に出て、今日は高そうなワインまで付いていた。
「好きなだけ飲め」
「なんだよ、このワインは?」
「私にはお金の使い道は無い。お前に使うのはもったいないが、他に思いつかない」
「ばーか! じゃあ俺が教えてやるよ」
「なに?」
「明日買い物に行くぞ! お前に必要なものを俺が選んでやる」
「いらない」
「じゃあ、俺が勝手に選んで来るからな。俺の金でな!」
「ば、ばか!」
「嫌なら一緒に来い。どぎつい下着なんか辞めて欲しいならな」
「お前ぇ!」
「バイブレーターを買おうかな! お前もオナニーをしろよ!」
「バカを言うな!」
紅は仕方が無いから一緒に行くと言った。
俺が風呂上がりにビールでも飲もうとキッチンに行くと、紅がまた俺の「カサンドラ」の手入れをしていた。
微笑んでいたのを俺に見られたのに気付き、一瞬で鬼のような顔になった。
「何しに来た!」
「ビールだよ! なんだ、今のお前の顔は?」
「き、今日は石神様の御役に立てた。だから嬉しかっただけだ!」
「なら笑って手入れしてりゃいいだろう!」
「お前の顔を見たから気分が悪くなったんだ!」
「なんだ、このやろう!」
俺が冷蔵庫からビールを出すと、紅がキッチンに立った。
「枝豆を煮てやるからゆっくり飲め」
「ヘッ!」
一気に飲もうかと思ったが、急いで用意をする紅を見て辞めた。
ビールに枝豆なんて最高だ。
癪に障るが、ちょっとだけ待ってやろう。
俺は一口飲んで顔を綻ばせた。
「おい、早くしろ!」
「黙れ! 今やってる!」
俺は笑いながら紅を見ていた。
あいつ、また手を丁寧に洗ってから始めやがった。
まったく、バカ丁寧な女だ。
俺なんかのためによ。
俺は紅の背中に頭を下げた。
俺たちは改造ハイエースで出発した。
午前10時。
モーター車であるため、怖い程に音が無い。
昼前に早乙女さんが指定したビルの駐車場に入った。
簡単にブリーフィングがあった。
地図を拡げ、説明された。
「ここから500メートル先に、廃工場がある。仲間が見張っているが、中には30人程がいる」
「分かりました」
「建物の高さは8メートルほどだ。元は木材の加工をしていたようだが、中には幾つか部屋が仕切られている。工場部分は吹き抜けで、事務所部分は二階まである」
図面を別に開いた。
「人員がどのように配置されているのかは分からない。ここの鉄骨の無い壁を壊して突入してくれ」
「「はい!」」
「紅さんが破壊してくれるかな?」
「分かりました。突入の後は私の判断で宜しいですね」
「うん」
「では羽入。外で待っているように」
「何言ってんだ!」
「私が全てやります。お前は安全な場所で見ていろ」
「このやろう!」
早乙女さんが笑いながら言った。
「ダメだよ、紅。君たちはバディなんだ。一緒に突入してくれ」
「そうですか」
紅は不満そうな顔をしたが受け入れた。
なんなんだ、このやろう。
現場までは「アドヴェロス」の車両で向かった。
大分改造した装甲車だった。
「車が停止したらすぐに始めてくれ」
「「はい!」」
俺も紅も黒のコンバットスーツを着ている。
胴体部分は防弾仕様で、顔にも同じく防弾仕様の覆面を被っている。
胴体はケブラー繊維のものだが、身体は柔軟に動く設計だ。
程なく装甲車が止まり、俺と紅は後部から飛び出した。
紅は迷うことなく壁に取りつき、「螺旋花」で一気に破壊した。
幅4メートルに渡って消え失せた。
粉塵が室内に舞い上がる。
紅が即座に俺を見てから中へ飛び込んだ。
俺も後ろに続く。
紅は壁を駆け上がって妖魔化した人間を探す。
中では銃を握った男たち10人程が紅を追って銃口を向けようとしていた。
俺はそいつらに襲い掛かる。
ただのヤクザなので、瞬時に5人の急所を撃って戦闘不能にした。
俺に銃口を向けようとした男たちは、紅が「槍雷」で仕留めて行く。
殺傷力は押さえているようだが、男たちの手足が折れ曲がり、幾本か吹っ飛んで行く。
事務所から残りの男たちが飛び出して来る。
全員がアサルトライフルやマシンガンで武装し、5人が変身していた。
紅が妖魔化した連中に襲い掛かる。
素晴らしいスピードだった。
銃撃をかわしながら、瞬時に目の前に立ち、身体を粉砕していく。
俺も「カサンドラ」を抜き、手前の妖魔化した男の胴を払った。
一閃で身体が真っ二つになった。
武装した連中にも「カサンドラ」を使う。
ガンモードで撃ち込むと、身体が四散しながら吹っ飛んだ。
生かして置ける状況ではなかった。
ただ、幹部らしい恰幅の良い男が事務所の二階部分に残っていたので、俺は確保に向かった。
その間に、紅が残りの連中を始末していた。
「大人しくしろ。そうすれば生かしておいてやる」
「お前は「アドヴェロス」か!」
「そうだ。お前らはもう終わりだ」
「ふざけんな!」
「吼えるな、チンピラ」
俺は男の顎を蹴り上げて黙らせた。
一瞬で脳震盪を起こして意識を喪う。
派手に倒れたが、命に別条は無い。
俺は100キロ程のデブを肩に担いで下に降りた。
紅が周囲を警戒しながら、俺に駆け寄って来た。
「怪我はないか?」
「大丈夫だ。お前も?」
「当たり前だ」
確かに、物凄いスピードと的確な攻撃だった。
紅がまだ全然本気でもないことはよく分かっていた。
俺と紅が工場の扉を開けると、「アドヴェロス」の隊員たちが入って来た。
早乙女さんが微笑んでいる。
「素晴らしい動きだった。これほど鮮やかに終わるとは」
「こいつがここの責任者だったようです」
早乙女さんが隊員に命じてデブを運ばせた。
「これで作戦終了だ。ご苦労様。明後日には羽入の口座に振り込まれるはずだよ」
「はい?」
「え! もしかして、聞いていないのかい?」
「なにが?」
早乙女さんがちょっと慌てた。
「まいったな。そういうことは最初に伝わっていると思っていた」
「お金がもらえるんです?」
「そうだよ! こんな危険な仕事なんだ! 基本手当で一回の出撃で500万円。後は現場の状況で別途手当てが付くよ。今回は妖魔化した奴が5体いたから500万円。武装した人間は一人10万円だよ。だから全部で2300万円だね。ああ、税金は掛からない収入だから」
「なんですって!」
「そういうことだ」
「じゃあ! 俺と紅で1000万円以上も貰えるんですか!」
「あ、いや。紅さんは無いよ。人間である羽入だけだ」
「!」
俺は早乙女さんに近寄った。
「早乙女さん! それはダメだ! 紅と俺で半々、いや今回は紅の方が敵を撃破した。だから俺よりも多くしてくれ!」
「羽入、でもそういうことは……」
「早乙女さん! もしもそうならなければ、俺はこの仕事は今後一切受けない!」
紅が俺と早乙女さんの間に割って入った。
「羽入! バカなことを言うな! 私はアンドロイドだ。お金なんか貰ってもしょうがない」
「使えよ! お前みたいな美人は幾らでもいい服を買って着飾ればいいだろう!」
「私には興味は無い」
「無くたってそうしろ! 俺だけが金を貰うなんて、冗談じゃねぇ! 命を懸けてるのはお前も同じだろうが!」
「バカ! 私には命なんてない」
「あるよ! お前には命がある!」
「!」
紅が俺の剣幕に圧倒されたか、押し黙ったまま目を見開いて俺を見ていた。
「分かった羽入。俺が間違っていた。石神に話して紅さんの口座を作ろう。紅さん、申し訳なかった」
「いえ、早乙女様! 私には必要の無いことですから!」
「いや、俺が間違っていたよ。命の無い者ならば、羽入とバディは組めない。羽入、ただ、金は半分ずつ均等に分けるよ。撃破数じゃない。同じ任務を果たした二人だからな」
「分かりましたよ。じゃあ、宜しくお願いします」
「バカ羽入!」
「うるせぇ!」
俺たちはまた改造ハイエースに乗り込んだ。
紅はムスッとした顔で助手席には座らず、後ろのシートを取り払った荷台に入った。
俺も構わず発進した。
その夜、またでかいステーキが夕飯に出て、今日は高そうなワインまで付いていた。
「好きなだけ飲め」
「なんだよ、このワインは?」
「私にはお金の使い道は無い。お前に使うのはもったいないが、他に思いつかない」
「ばーか! じゃあ俺が教えてやるよ」
「なに?」
「明日買い物に行くぞ! お前に必要なものを俺が選んでやる」
「いらない」
「じゃあ、俺が勝手に選んで来るからな。俺の金でな!」
「ば、ばか!」
「嫌なら一緒に来い。どぎつい下着なんか辞めて欲しいならな」
「お前ぇ!」
「バイブレーターを買おうかな! お前もオナニーをしろよ!」
「バカを言うな!」
紅は仕方が無いから一緒に行くと言った。
俺が風呂上がりにビールでも飲もうとキッチンに行くと、紅がまた俺の「カサンドラ」の手入れをしていた。
微笑んでいたのを俺に見られたのに気付き、一瞬で鬼のような顔になった。
「何しに来た!」
「ビールだよ! なんだ、今のお前の顔は?」
「き、今日は石神様の御役に立てた。だから嬉しかっただけだ!」
「なら笑って手入れしてりゃいいだろう!」
「お前の顔を見たから気分が悪くなったんだ!」
「なんだ、このやろう!」
俺が冷蔵庫からビールを出すと、紅がキッチンに立った。
「枝豆を煮てやるからゆっくり飲め」
「ヘッ!」
一気に飲もうかと思ったが、急いで用意をする紅を見て辞めた。
ビールに枝豆なんて最高だ。
癪に障るが、ちょっとだけ待ってやろう。
俺は一口飲んで顔を綻ばせた。
「おい、早くしろ!」
「黙れ! 今やってる!」
俺は笑いながら紅を見ていた。
あいつ、また手を丁寧に洗ってから始めやがった。
まったく、バカ丁寧な女だ。
俺なんかのためによ。
俺は紅の背中に頭を下げた。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】狡い人
ジュレヌク
恋愛
双子のライラは、言う。
レイラは、狡い。
レイラの功績を盗み、賞を受賞し、母の愛も全て自分のものにしたくせに、事あるごとに、レイラを責める。
双子のライラに狡いと責められ、レイラは、黙る。
口に出して言いたいことは山ほどあるのに、おし黙る。
そこには、人それぞれの『狡さ』があった。
そんな二人の関係が、ある一つの出来事で大きく変わっていく。
恋を知り、大きく羽ばたくレイラと、地に落ちていくライラ。
2人の違いは、一体なんだったのか?
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
竜帝は番に愛を乞う
浅海 景
恋愛
祖母譲りの容姿で両親から疎まれている男爵令嬢のルー。自分とは対照的に溺愛される妹のメリナは周囲からも可愛がられ、狼族の番として見初められたことからますます我儘に振舞うようになった。そんなメリナの我儘を受け止めつつ使用人のように働き、学校では妹を虐げる意地悪な姉として周囲から虐げられる。無力感と諦めを抱きながら淡々と日々を過ごしていたルーは、ある晩突然現れた男性から番であることを告げられる。しかも彼は獣族のみならず世界の王と呼ばれる竜帝アレクシスだった。誰かに愛されるはずがないと信じ込む男爵令嬢と番と出会い愛を知った竜帝の物語。
芙蓉は後宮で花開く
速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。
借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー
カクヨムでも連載しております。
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる