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シャドウ・ガンブレイク
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昼食はブランたちと一緒に海鮮丼を食べた。
ブランたちも食欲旺盛で、食事用にでかい丼が用意されている。
最大3合が入るものだ。
同じものを子どもたちも使い、「石神家式」に、好きな具材を好きなだけ入れて良いことになっていた。
ブランたちも大喜びで自分のネタを乗せて行った。
もちろん子どもたちは何度もお替りをしていった。
蓮花が、ウニを黄身に溶いて、別途濃い出汁で溶いた山芋と併せたものを作った。
「石神家で卵をご飯にかけると伺ったので、このようなものを朝食でお出ししようと思っていたのですが」
「ワハハハハハ!」
「酷い方に邪魔されて、今朝はお出し出来ませんでした」
「そいつを連れて来い! 説教してやる」
「はい、宜しくお願いいたします」
御堂が笑い、俺と一緒に試した。
物凄く美味かった。
「蓮花! これ最高だな!」
「ありがとうございます!」
俺が叫んだので子どもたちが寄って来た。
俺が最高に美味かったと言うと、みんなが試し、感動した。
双子が蓮花に作り方を聞いている。
俺は喰い切られる前に、ブランたちにも少しずつ分けた。
みんな喜んでいた。
「蓮花! 戦争が終わったら俺と一緒に割烹料理の店をやろう!」
「はい! 最高でございます!」
「タカさん! 私もー!」
「「私たちもー!」」
亜紀ちゃんと双子が言う。
「お前らがいると、店のものが全部飲み食いされるだろう!」
「「「ワハハハハハ!」」」
御堂が笑って言った。
「じゃあ、僕は毎日通うよ」
「おう! お前はいつもタダな!」
御堂が大笑いした。
午後も、午前中と同じ準備で備えた。
一つ違うのは、俺がラットを可愛がったことだ。
「俺、ネズミってあんまし好きじゃないんだよなー」
「タカさん! 大事なことなんだから!」
「分かったよ」
ネズミは俺が両手で優しく包むと、心地よさそうに仰向けになった。
「流石タカさん!」
「うるせぇ」
小さな肉をやると、嬉しそうに食べ、俺をじっと見つめた。
目が綺麗だ。
俺を見ながら、後ろ足で立ち、身体を左右に揺らした。
前足を上に上げながら。
「お、なんかカワイイな」
俺はそっと地面に置き、ジルバを踊った。
ラットがたどたどしく、動きを真似た。
「お前! やるな!」
手招きすると、俺に駆け寄って身体を昇って来た。
右肩に乗る。
「もういいんじゃない?」
「大丈夫そうだよね?」
双子がそう言い、ラットをゲージに戻した。
ラットは暴れて俺に向かって手を伸ばした。
双子はゲージの網を動かしてラットを固定する。
シリンジを打ち込むと、ラットが痛がって苦しんだ。
「おい、可愛そうだろう!」
「タカさん! 何言ってんの!」
シリンジから、俺の血液がラットの身体に入って行く。
みるみる身体が大きくなり、ラットは肉を食べながら更に巨大化した。
しかし、2メートルを超えた辺りで成長が止まった。
「さっきと違うな」
ゲージはラットの身体が大きくなる過程で壊れていた。
巨大化したラットが俺を見ていた。
「我が主」
「なんだ?」
「我は生まれました。なんなりと御命じ下さい」
「いや、別にないけど」
ラットが恭しく俺に傅いた。
「ねえ、あんた悪いことする?」
ルーが問う。
「我が主の命であれば、どのようなことも」
「人間を襲いたい?」
「我が願いは、我が主の望みを叶えるのみ。それ以外は興味は無い」
「そーなんだ」
ルーとハーが俺に向いて、首を縦に振った。
「この子は大丈夫そうだよ」
「とってもきれいな色だよ」
「そうなのか」
よく分からないが、午前のラットとは違うらしい。
「タカさん! 成功だよ!」
「やっぱり、タカさんの愛なんだよ! それが受けられないと野生の本能だけだけど、タカさんの愛があれば、愛を知る者になるんだよ!」
「そうか!」
俺も嬉しかった。
俺の血が悪いばかりのものではないことが証明されたからだ。
「でも、レイラには愛を注いだつもりだったんだが」
「人間は別なんだと思う。元々自我があるからね。だから力に溺れちゃって、とんでもないことをすることもあるんだよ」
「じゃあやっぱり、気軽に輸血はしない方がいいんだな」
「それは言えるね! でも重要なのは、相手がタカさんに愛情を持っていれば大丈夫ってことだよ!」
「亜紀ちゃんにも輸血したじゃん!」
親父と戦った時、重傷を負った亜紀ちゃんに俺の血液を輸血した。
「ああ! あの後はちょっと狂暴になったけどな!」
「なってませんよ!」
亜紀ちゃんが叫び、みんなが笑った。
「そうか! 俺が愛する仲間にならば、俺の血は分けてもいいんだな!」
「そうだよ! 良かったね、タカさん!」
「もう安心してね、タカさん!」
双子が俺に抱き着いた。
「よし! じゃあ解散だな! 今日はお祝いだ!」
「「うん!」」
「蓮花! 今晩の夕食はなんだっけ!」
「はい! めでたいお祝いですから、鯛の食べ放題ですよ!」
「そうか! じゃあ群馬の鯛は全滅だな!」
みんなが笑った。
「じゃあ、撤収! ブランたちも今日は休みだ! みんな夕飯まで自由に楽しめ!」
「タカさん! 飲みましょうか!」
「ばかやろう! 明るいうちから酒なんか飲むんじゃねぇ!」
「石神さん、デート行きましょう!」
「おう! いいな! じゃあ柳と散歩でもするかぁー!」
「「「「わたしたちもー!」」」」
「ダメだよ! みんなぁー!」
御堂が大笑いしていた。
ブランたちも笑っていた。
「まずはお茶でもみんなで飲むか! 亜紀ちゃん、みんなと準備してくれ!」
「はい!」
俺たちは大騒ぎしながら撤収の準備をした。
「あの」
「ん?」
でかラットが俺に聞いた。
「「「「「「「「!」」」」」」」」」
「おい、ルー! ハー! こいつ、どうすんだ?」
「え!」
「あ!」
「おい、まさか考えてねぇのかぁー!」
「だって!」
「成功するとは思ってたけど!」
「あの、死にましょうか?」
「待て待て待てぇー!」
死なせるわけにはいかん。
こっちの都合で勝手にやったことだ。
「も、もちろんお前も夕飯の祝いには来てくれ」
「ありがたく」
「そ、それとお前はもう仲間だかんな!」
「ありがたく」
俺は高速で思考していた。
「そうだ! まずは名前だな! まだ名前はないよな!」
「あの、《シャドウ・ガンブレイク》では如何でしょうか?」
「あ?」
「自分の名前です。宜しければ《シャドウ・ガンブレイク》とお呼び下さい」
「厨二病?」
「いえ、《シャドウ・ガンブレイク》です」
「あ、ああ。でも、ちょっと長いからシャドウでもいい?」
「はい、ありがたく」
なんなんだ、こいつ。
「それとさ。お前はここで生まれたわけだ」
「はい、さようでございます」
「だから、当座はここで暮らしてくれ」
「石神様!」
蓮花が慌てた。
「ここにいる連中はみんな俺の大事な仲間だ。お前の力で守って欲しい」
「はい、承りました。元々皆さまは自分を生み出すお手伝いをされた方と見受けました。幾久しく、ここを守りましょう」
「頼むな!」
「石神様!」
「ところでシャドウは鯛は好き?」
「はい」
「人間とかも食べる?」
「いいえ、自分は美食家ですので」
「そうか!」
俺は蓮花の肩を叩き、安心しろと言った。
「食べられないこともないのですが」
「やめろ!」
蓮花が俺を睨んでいる。
「き、近所によ。山林を買ってあるんだ。お前は普段そこでもいいかな」
「はい、喜んで」
「ちょっと、小屋とか建ててやるよ。冬場はきっと寒いしな」
「ありがとうございます」
「食べ物は自分で用意出来るか?」
「はい。山の獲物でも狩っていきましょう」
「じゃ、じゃあ、そういうことでな!」
「はい」
「あ! 今晩は一緒に祝おうな!」
「ありがとうございます」
残念なことに、御堂は忙しいのでその後で帰った。
俺たちは夕飯で鯛をたらふく食べた。
シャドウが、意外と上品に皿で鯛を食べていた。
手づかみだが。
蓮花が山小屋を大至急作り、シャドウはそこへ移動した。
普段、何をやってるのか分からない。
ただ、時々蓮花が食事を持って行くようになった。
少し会話をするようになり、そのうちに、楽しく語り合うようになったようだ。
いい奴のようだった。
「お話ししていると、ちょっと石神様に似ているように感じることも」
「やめろ!」
ちょっとやめて欲しい。
ブランたちも食欲旺盛で、食事用にでかい丼が用意されている。
最大3合が入るものだ。
同じものを子どもたちも使い、「石神家式」に、好きな具材を好きなだけ入れて良いことになっていた。
ブランたちも大喜びで自分のネタを乗せて行った。
もちろん子どもたちは何度もお替りをしていった。
蓮花が、ウニを黄身に溶いて、別途濃い出汁で溶いた山芋と併せたものを作った。
「石神家で卵をご飯にかけると伺ったので、このようなものを朝食でお出ししようと思っていたのですが」
「ワハハハハハ!」
「酷い方に邪魔されて、今朝はお出し出来ませんでした」
「そいつを連れて来い! 説教してやる」
「はい、宜しくお願いいたします」
御堂が笑い、俺と一緒に試した。
物凄く美味かった。
「蓮花! これ最高だな!」
「ありがとうございます!」
俺が叫んだので子どもたちが寄って来た。
俺が最高に美味かったと言うと、みんなが試し、感動した。
双子が蓮花に作り方を聞いている。
俺は喰い切られる前に、ブランたちにも少しずつ分けた。
みんな喜んでいた。
「蓮花! 戦争が終わったら俺と一緒に割烹料理の店をやろう!」
「はい! 最高でございます!」
「タカさん! 私もー!」
「「私たちもー!」」
亜紀ちゃんと双子が言う。
「お前らがいると、店のものが全部飲み食いされるだろう!」
「「「ワハハハハハ!」」」
御堂が笑って言った。
「じゃあ、僕は毎日通うよ」
「おう! お前はいつもタダな!」
御堂が大笑いした。
午後も、午前中と同じ準備で備えた。
一つ違うのは、俺がラットを可愛がったことだ。
「俺、ネズミってあんまし好きじゃないんだよなー」
「タカさん! 大事なことなんだから!」
「分かったよ」
ネズミは俺が両手で優しく包むと、心地よさそうに仰向けになった。
「流石タカさん!」
「うるせぇ」
小さな肉をやると、嬉しそうに食べ、俺をじっと見つめた。
目が綺麗だ。
俺を見ながら、後ろ足で立ち、身体を左右に揺らした。
前足を上に上げながら。
「お、なんかカワイイな」
俺はそっと地面に置き、ジルバを踊った。
ラットがたどたどしく、動きを真似た。
「お前! やるな!」
手招きすると、俺に駆け寄って身体を昇って来た。
右肩に乗る。
「もういいんじゃない?」
「大丈夫そうだよね?」
双子がそう言い、ラットをゲージに戻した。
ラットは暴れて俺に向かって手を伸ばした。
双子はゲージの網を動かしてラットを固定する。
シリンジを打ち込むと、ラットが痛がって苦しんだ。
「おい、可愛そうだろう!」
「タカさん! 何言ってんの!」
シリンジから、俺の血液がラットの身体に入って行く。
みるみる身体が大きくなり、ラットは肉を食べながら更に巨大化した。
しかし、2メートルを超えた辺りで成長が止まった。
「さっきと違うな」
ゲージはラットの身体が大きくなる過程で壊れていた。
巨大化したラットが俺を見ていた。
「我が主」
「なんだ?」
「我は生まれました。なんなりと御命じ下さい」
「いや、別にないけど」
ラットが恭しく俺に傅いた。
「ねえ、あんた悪いことする?」
ルーが問う。
「我が主の命であれば、どのようなことも」
「人間を襲いたい?」
「我が願いは、我が主の望みを叶えるのみ。それ以外は興味は無い」
「そーなんだ」
ルーとハーが俺に向いて、首を縦に振った。
「この子は大丈夫そうだよ」
「とってもきれいな色だよ」
「そうなのか」
よく分からないが、午前のラットとは違うらしい。
「タカさん! 成功だよ!」
「やっぱり、タカさんの愛なんだよ! それが受けられないと野生の本能だけだけど、タカさんの愛があれば、愛を知る者になるんだよ!」
「そうか!」
俺も嬉しかった。
俺の血が悪いばかりのものではないことが証明されたからだ。
「でも、レイラには愛を注いだつもりだったんだが」
「人間は別なんだと思う。元々自我があるからね。だから力に溺れちゃって、とんでもないことをすることもあるんだよ」
「じゃあやっぱり、気軽に輸血はしない方がいいんだな」
「それは言えるね! でも重要なのは、相手がタカさんに愛情を持っていれば大丈夫ってことだよ!」
「亜紀ちゃんにも輸血したじゃん!」
親父と戦った時、重傷を負った亜紀ちゃんに俺の血液を輸血した。
「ああ! あの後はちょっと狂暴になったけどな!」
「なってませんよ!」
亜紀ちゃんが叫び、みんなが笑った。
「そうか! 俺が愛する仲間にならば、俺の血は分けてもいいんだな!」
「そうだよ! 良かったね、タカさん!」
「もう安心してね、タカさん!」
双子が俺に抱き着いた。
「よし! じゃあ解散だな! 今日はお祝いだ!」
「「うん!」」
「蓮花! 今晩の夕食はなんだっけ!」
「はい! めでたいお祝いですから、鯛の食べ放題ですよ!」
「そうか! じゃあ群馬の鯛は全滅だな!」
みんなが笑った。
「じゃあ、撤収! ブランたちも今日は休みだ! みんな夕飯まで自由に楽しめ!」
「タカさん! 飲みましょうか!」
「ばかやろう! 明るいうちから酒なんか飲むんじゃねぇ!」
「石神さん、デート行きましょう!」
「おう! いいな! じゃあ柳と散歩でもするかぁー!」
「「「「わたしたちもー!」」」」
「ダメだよ! みんなぁー!」
御堂が大笑いしていた。
ブランたちも笑っていた。
「まずはお茶でもみんなで飲むか! 亜紀ちゃん、みんなと準備してくれ!」
「はい!」
俺たちは大騒ぎしながら撤収の準備をした。
「あの」
「ん?」
でかラットが俺に聞いた。
「「「「「「「「!」」」」」」」」」
「おい、ルー! ハー! こいつ、どうすんだ?」
「え!」
「あ!」
「おい、まさか考えてねぇのかぁー!」
「だって!」
「成功するとは思ってたけど!」
「あの、死にましょうか?」
「待て待て待てぇー!」
死なせるわけにはいかん。
こっちの都合で勝手にやったことだ。
「も、もちろんお前も夕飯の祝いには来てくれ」
「ありがたく」
「そ、それとお前はもう仲間だかんな!」
「ありがたく」
俺は高速で思考していた。
「そうだ! まずは名前だな! まだ名前はないよな!」
「あの、《シャドウ・ガンブレイク》では如何でしょうか?」
「あ?」
「自分の名前です。宜しければ《シャドウ・ガンブレイク》とお呼び下さい」
「厨二病?」
「いえ、《シャドウ・ガンブレイク》です」
「あ、ああ。でも、ちょっと長いからシャドウでもいい?」
「はい、ありがたく」
なんなんだ、こいつ。
「それとさ。お前はここで生まれたわけだ」
「はい、さようでございます」
「だから、当座はここで暮らしてくれ」
「石神様!」
蓮花が慌てた。
「ここにいる連中はみんな俺の大事な仲間だ。お前の力で守って欲しい」
「はい、承りました。元々皆さまは自分を生み出すお手伝いをされた方と見受けました。幾久しく、ここを守りましょう」
「頼むな!」
「石神様!」
「ところでシャドウは鯛は好き?」
「はい」
「人間とかも食べる?」
「いいえ、自分は美食家ですので」
「そうか!」
俺は蓮花の肩を叩き、安心しろと言った。
「食べられないこともないのですが」
「やめろ!」
蓮花が俺を睨んでいる。
「き、近所によ。山林を買ってあるんだ。お前は普段そこでもいいかな」
「はい、喜んで」
「ちょっと、小屋とか建ててやるよ。冬場はきっと寒いしな」
「ありがとうございます」
「食べ物は自分で用意出来るか?」
「はい。山の獲物でも狩っていきましょう」
「じゃ、じゃあ、そういうことでな!」
「はい」
「あ! 今晩は一緒に祝おうな!」
「ありがとうございます」
残念なことに、御堂は忙しいのでその後で帰った。
俺たちは夕飯で鯛をたらふく食べた。
シャドウが、意外と上品に皿で鯛を食べていた。
手づかみだが。
蓮花が山小屋を大至急作り、シャドウはそこへ移動した。
普段、何をやってるのか分からない。
ただ、時々蓮花が食事を持って行くようになった。
少し会話をするようになり、そのうちに、楽しく語り合うようになったようだ。
いい奴のようだった。
「お話ししていると、ちょっと石神様に似ているように感じることも」
「やめろ!」
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