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お祝いゲスト
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4時頃にうちに着いた。
もう響子は先に来ている。
柳に連れて来てもらった。
鷹も既に来ていて、六花の祝いの料理を作り始めてくれていた。
六花と吹雪はみんなに歓迎された。
吹雪をみんなで見る。
亜紀ちゃんと双子以外は初めてだ。
みんな、その美しさに感動する。
吹雪は大勢に囲まれることに慣れていたか、泣かなかった。
「夕飯の準備が出来るまで、少し休んでいろよ」
「はい」
響子と一緒に俺の部屋で寝かせた。
ロボも大好きな六花が来て嬉しそうだった。
一緒に俺の部屋へ行く。
俺はそのまま院長夫妻を迎えに行った。
ロールスロイスを見て、お二人が驚いていた。
西池袋の狭い道を、慎重に運転した。
今日は他に、一江と大森、それに早乙女達を呼んでいる。
リヴィングでは手様なので、ウッドデッキで祝うつもりだ。
吹雪は長時間は無理なので、リヴィングへ一部を移動させながらと考えている。
子どもたちはずっと外でもいいだろう。
5時半から始めた。
テーブルと椅子を並べ、子どもたちにバーベキューを任せ、鷹の美味い和食をみんなで頂く。
アワビのバター醤油。
伊勢海老の山椒焼き。
真鯛の岩塩焼き。
牛頬肉の煮込み。
それに各種刺身の御造りと鷹渾身の握り寿司。
鷹が注文を受けて握ってくれる。
子どもたちは注文出来ないようにした。
結果が見えすぎている。
御造りの一部が各種マグロの炙りだったが、これが絶品だった。
アワビは隠し包丁が絶妙で、口の中で良い感じに解けてアワビの旨味を堪能できた。
伊勢海老は最初に山椒の刺激があり、その後で伊勢海老の濃厚な味が拡がっていく。
何重にも口の中で味わえる、鷹の真骨頂だ。
院長と静子さんは鷹の握りが気に入って沢山食べて頂いた。
前にも銀座の寿司屋へ行くと聞いたので、寿司がお好きなのだろう。
今度、ご馳走したい。
大人たちが満足したので、鷹の替わりに双子が握り寿司を始め、子どもたちもワイワイと食べて行った。
ただ、すぐに肉ネタだけになっていったが。
響子も寿司を堪能し、他の料理もいつもよりも食べた。
ずっと六花の傍にいて、楽しそうに話していた。
吹雪と怜花はウッドデッキ傍の廊下にベビーベッドを置き、一緒に寝かせた。
みんなが食べている途中でそっと見に行く。
ロボも興味深そうに一緒に付いて行った。
「大丈夫かな?」
早乙女がベビーベッドの方を見て言った。
「何がだよ?」
「だって、石神の子だろ?」
「お前! 何を考えてんだぁ!」
雪野さんが大笑いした。
俺は早乙女に10歳までは大丈夫だと言った。
早乙女が安心していた。
雪野さんがまた笑った。
俺はそろそろ大人たちにリヴィングへ移動してもらおうと思っていた。
その時、チャイムが鳴った。
うちはウッドデッキでも聞こえるようにしている。
「誰だろう?」
食事中なので、皇紀が蹴り出されて門の方へ行った。
「タカさーん!」
俺を呼んでいる。
俺の客か。
歩いて行ってびっくりした。
「お、お前ら! 来たのかよ!」
「柱」と「小柱」だった。
俺が叫ぶと、「柱」が申し訳なさそうに右手を挙げて帰ろうとする。
「じょ、冗談だって! よく来てくれた! さあ、中へ入ってくれよ!」
俺は門を開けて中へ入った。
皇紀に、鷹に院長夫妻を先にリヴィングへ通すように言った。
あのお二人には刺激が強い。
皇紀が走って行く。
俺がウッドデッキに案内した時には、三人はいなかった。
六花と響子も上がったようだ。
ホッとした。
子どもたちが驚き、早乙女たちはテーブルに手招いた。
早乙女がすぐに料理を幾つか皿に入れて「柱」たちの前に置いた。
子どもたちは呆然と見ている。
突然、皿の刺身が消えた。
「「「「「「!」」」」」」
俺は子どもたちを庭の隅に連れて行った。
「おい、あれって喰ったってことか?」
「そうなんじゃないですか?」
「どこに入るんだよ!」
「知りませんよ!」
双子が感じたことを口にする。
「なんかね、エネルギーになったみたい」
「ちょっと増えたよね」
「なんだ、そりゃ」
「分かんないよ!」
「タカさんの持ち場じゃない!」
「ふ、ふざけんな!」
なんであんなのを持って来たのか悔やまれる。
仕方が無いのでウッドデッキに戻り、「柱」と「小柱」に、吹雪を見せた。
みんなついて来る。
俺がサッシを開けて、ベビーベッドを見せた。
「俺と六花の子どもの吹雪だ。よろしくな!」
平静を装って紹介した。
「柱」がじっと見つめ、「小柱」はベッドの上を飛んでいた。
「カワイイだろう!」
そう言った瞬間、「小柱」が舞い降りた。
《すぽ》
吹雪の胸に刺さった。
「おい!」
慌てた俺が叫ぶと、早乙女が笑って言った。
「大丈夫だよ、石神。うちの怜花にもよく入るよ」
「慣れてんじゃねぇ!」
俺は「小柱」の頭を引っ張って抜こうとしたが、やはり掴めなかった。
「お前! 出ろ!」
「柱」が俺の背中に手を置いた。
「!」
大丈夫だから、というような感覚が伝わって来た。
気持ち悪かった。
俺は振り向いて頼むから出してくれと言うと、そのうちに「小柱」が抜けた。
「「「「「「……」」」」」」
柱が俺の手を握ってブンブンした。
「あ、ああ」
よく分からないまま付き合った。
《すぽ》
「小柱」が俺の胸に入った。
「「「「「「……」」」」」」
もう慣れた。
もういいや。
すぐに「小柱」は抜け、「柱」と一緒に帰って行った。
みんなで手を振った。
俺が吹雪を抱き、早乙女が怜花を抱いてリヴィングへ行った。
子どもたちは余った食材を食べていく。
「お前、大丈夫か?」
俺が吹雪に声を掛けると、吹雪が全身で暴れた。
大丈夫そうだった。
もう響子は先に来ている。
柳に連れて来てもらった。
鷹も既に来ていて、六花の祝いの料理を作り始めてくれていた。
六花と吹雪はみんなに歓迎された。
吹雪をみんなで見る。
亜紀ちゃんと双子以外は初めてだ。
みんな、その美しさに感動する。
吹雪は大勢に囲まれることに慣れていたか、泣かなかった。
「夕飯の準備が出来るまで、少し休んでいろよ」
「はい」
響子と一緒に俺の部屋で寝かせた。
ロボも大好きな六花が来て嬉しそうだった。
一緒に俺の部屋へ行く。
俺はそのまま院長夫妻を迎えに行った。
ロールスロイスを見て、お二人が驚いていた。
西池袋の狭い道を、慎重に運転した。
今日は他に、一江と大森、それに早乙女達を呼んでいる。
リヴィングでは手様なので、ウッドデッキで祝うつもりだ。
吹雪は長時間は無理なので、リヴィングへ一部を移動させながらと考えている。
子どもたちはずっと外でもいいだろう。
5時半から始めた。
テーブルと椅子を並べ、子どもたちにバーベキューを任せ、鷹の美味い和食をみんなで頂く。
アワビのバター醤油。
伊勢海老の山椒焼き。
真鯛の岩塩焼き。
牛頬肉の煮込み。
それに各種刺身の御造りと鷹渾身の握り寿司。
鷹が注文を受けて握ってくれる。
子どもたちは注文出来ないようにした。
結果が見えすぎている。
御造りの一部が各種マグロの炙りだったが、これが絶品だった。
アワビは隠し包丁が絶妙で、口の中で良い感じに解けてアワビの旨味を堪能できた。
伊勢海老は最初に山椒の刺激があり、その後で伊勢海老の濃厚な味が拡がっていく。
何重にも口の中で味わえる、鷹の真骨頂だ。
院長と静子さんは鷹の握りが気に入って沢山食べて頂いた。
前にも銀座の寿司屋へ行くと聞いたので、寿司がお好きなのだろう。
今度、ご馳走したい。
大人たちが満足したので、鷹の替わりに双子が握り寿司を始め、子どもたちもワイワイと食べて行った。
ただ、すぐに肉ネタだけになっていったが。
響子も寿司を堪能し、他の料理もいつもよりも食べた。
ずっと六花の傍にいて、楽しそうに話していた。
吹雪と怜花はウッドデッキ傍の廊下にベビーベッドを置き、一緒に寝かせた。
みんなが食べている途中でそっと見に行く。
ロボも興味深そうに一緒に付いて行った。
「大丈夫かな?」
早乙女がベビーベッドの方を見て言った。
「何がだよ?」
「だって、石神の子だろ?」
「お前! 何を考えてんだぁ!」
雪野さんが大笑いした。
俺は早乙女に10歳までは大丈夫だと言った。
早乙女が安心していた。
雪野さんがまた笑った。
俺はそろそろ大人たちにリヴィングへ移動してもらおうと思っていた。
その時、チャイムが鳴った。
うちはウッドデッキでも聞こえるようにしている。
「誰だろう?」
食事中なので、皇紀が蹴り出されて門の方へ行った。
「タカさーん!」
俺を呼んでいる。
俺の客か。
歩いて行ってびっくりした。
「お、お前ら! 来たのかよ!」
「柱」と「小柱」だった。
俺が叫ぶと、「柱」が申し訳なさそうに右手を挙げて帰ろうとする。
「じょ、冗談だって! よく来てくれた! さあ、中へ入ってくれよ!」
俺は門を開けて中へ入った。
皇紀に、鷹に院長夫妻を先にリヴィングへ通すように言った。
あのお二人には刺激が強い。
皇紀が走って行く。
俺がウッドデッキに案内した時には、三人はいなかった。
六花と響子も上がったようだ。
ホッとした。
子どもたちが驚き、早乙女たちはテーブルに手招いた。
早乙女がすぐに料理を幾つか皿に入れて「柱」たちの前に置いた。
子どもたちは呆然と見ている。
突然、皿の刺身が消えた。
「「「「「「!」」」」」」
俺は子どもたちを庭の隅に連れて行った。
「おい、あれって喰ったってことか?」
「そうなんじゃないですか?」
「どこに入るんだよ!」
「知りませんよ!」
双子が感じたことを口にする。
「なんかね、エネルギーになったみたい」
「ちょっと増えたよね」
「なんだ、そりゃ」
「分かんないよ!」
「タカさんの持ち場じゃない!」
「ふ、ふざけんな!」
なんであんなのを持って来たのか悔やまれる。
仕方が無いのでウッドデッキに戻り、「柱」と「小柱」に、吹雪を見せた。
みんなついて来る。
俺がサッシを開けて、ベビーベッドを見せた。
「俺と六花の子どもの吹雪だ。よろしくな!」
平静を装って紹介した。
「柱」がじっと見つめ、「小柱」はベッドの上を飛んでいた。
「カワイイだろう!」
そう言った瞬間、「小柱」が舞い降りた。
《すぽ》
吹雪の胸に刺さった。
「おい!」
慌てた俺が叫ぶと、早乙女が笑って言った。
「大丈夫だよ、石神。うちの怜花にもよく入るよ」
「慣れてんじゃねぇ!」
俺は「小柱」の頭を引っ張って抜こうとしたが、やはり掴めなかった。
「お前! 出ろ!」
「柱」が俺の背中に手を置いた。
「!」
大丈夫だから、というような感覚が伝わって来た。
気持ち悪かった。
俺は振り向いて頼むから出してくれと言うと、そのうちに「小柱」が抜けた。
「「「「「「……」」」」」」
柱が俺の手を握ってブンブンした。
「あ、ああ」
よく分からないまま付き合った。
《すぽ》
「小柱」が俺の胸に入った。
「「「「「「……」」」」」」
もう慣れた。
もういいや。
すぐに「小柱」は抜け、「柱」と一緒に帰って行った。
みんなで手を振った。
俺が吹雪を抱き、早乙女が怜花を抱いてリヴィングへ行った。
子どもたちは余った食材を食べていく。
「お前、大丈夫か?」
俺が吹雪に声を掛けると、吹雪が全身で暴れた。
大丈夫そうだった。
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