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反発と融和
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嫌な奴が来たとミハイルは思った。
「ミハイル、どうだ研究の方は?」
満面の笑みで宇羅がミハイルに話しかけて来る。
「順調ですよ」(何もかも足りないんだ! お前も分かっているだろうが!)
「それは良かった。何しろ最近はいろいろな物資が不足しているからな」(何が順調だ、ザマァ!)
「そうですね。でも私には大した影響はありませんので」(このやろう、知ってて言ってやがる!)
実際にミハイルは窮していた。
電力は今は何とかなってはいるが、恐らくしばらくすれば高圧を使う幾つかの施設はダメになるだろう。
ロシアは国全体で深刻な電力不足が起きている。
電力ばかりではない。
ジェヴォーダンの装甲に必要なチタンは既に手に入らなくなっている。
レアメタルは更に壊滅的だ。
ロシアは元々資源大国であり、石油や天然ガスの豊富なことからヨーロッパへ恒常的に輸出してきた。
ウランも豊富にあったはずだ。
それが根こそぎ枯渇した。
稀少ガスも消え去り、ロシア政府は非常に慌てている。
今は採掘済のもので何とか賄い、輸入を急いでいる。
海洋資源も豊富にあったはずが、それも最近では消え去りつつあるらしい。
何が起きているのかは推察が付く。
あの「イシガミ」たちだ。
どのような方法を使っているのかまでは分からない。
しかし、恐らくは宇羅が得意とする妖魔だろう。
恐ろしく力のある妖魔が「イシガミ」に従っているらしい。
お陰でミハイルの研究は頓挫しかけている。
バイオノイドへの洗脳や改造にも、様々なものが必要だ。
ジェヴォーダンの飼育にも、大電力がいる。
幼体のうちは環境に弱く、常に一定の温湿度を保つ必要がある。
「ハイヴ」と名付けた飼育施設では、既に電力不足のためにジェヴォーダンの飼育に影響が出始めている。
最も深刻なのは、「ニルヴァーナ」の開発だ。
「ハイヴ」の最深層で研究されているウイルスは、絶対に漏洩出来ない。
そのために高度な殺菌設備と隔離手順を必要とするが、それを維持出来ない可能性が出て来た。
電力不足だ。
石油とウランの枯渇が最も大きなダメージになっている。
「カルマ」様に上奏し、何とか手を打っていただけるように頼んでいる。
そのうちに、どこかの外国の施設を襲って奪ってくると言われてはいる。
でも、それがいつになるのかは分からない。
「「カルマ」様が不足しているエネルギーや資源を確保して下さる」(早くしてくれぇー!)
「ああ、その話は聞いている。ミハイルが忙しいから、私が担うことになるよ」(やる気はねぇよ!)
「そうか、ありがたい。出来れば急いで欲しい」(とっととやれよ! このクソジジィ!)
「出来るだけ早くな。ヨーロッパで最近になって資源がどんどん輸入されているらしいよ」(俺は動かんがな)
「そうなのか! でも、ヨーロッパも大変だったはずだが?」(分かってるならすぐに行け!)
「「ローテス・ラント」だよ。最近になってどこかからガンガン資源を集めて回している」(知ってるけどやらんがな)
「そうなのか! じゃあ、そこから奪えばいいんだな?」(お前、やる気あんのか!)
「そういうことだ。でも、まだ君が順調だということだから、準備を万端に整えてからにするよ」(ワハハハハハ!)
「あ、いや、出来れば急いで欲しい」(このやろう!)
「ん? そうなのかね」(だったらちゃんと土下座して頼め!)
「今、他のプロジェクトの稼働も考えているのだ。そちらの方でも大電力や資源がたくさん必要なのだよ」(おい、いい加減にしろ!)
「ああ、分かった。私に任せておけ」(お前が苦しんでいるのが楽しいんだよ!)
「宜しく頼む」(早くしろ!)
宇羅はミハイルの部屋を出て、エレベーターに乗ってから大笑いした。
一か月後。
ミハイルは宇羅の「百鬼城」に向かった。
「ハイヴ」に閉じこもって研究を続けているミハイルが外に出るのは滅多に無い。
特に気味の悪い宇羅の「百鬼城」は、「業」の私室の次に入りたくない場所だった。
「ミハイルじゃないか、珍しいな」(なんだ、その慌てぶりは! ワハハハハハ)
「ウラ、いい加減にエネルギーと資源を集めてくれ!」(お前! 今まで何してたんだ!)
「ああ、その件か。今準備しているところだよ」(何もやってないよーん!)
「おい、本当に急いでくれよ。研究にも支障が出てきているんだ!」(ジェヴォーダンが数十頭死んだぞ!)
「そうか、悪かったな。じゃあなるべく急ぐようにしよう」(どんだけ困ったのか言え! 笑ってやるわ!)
「頼む! もう限界なんだ!」(お前! まだやる気がねぇな!)
「分かった分かった。私も忙しいんだ、もう帰ってくれ」(いいツラ見られたぜぇ!)
ミハイルは悔しそうな顔で「百鬼城」を出た。
最も行きたくない場所へ行った。
宇羅は「業」に呼び出された。
部屋へ入ると、「業」の機嫌が悪いことが即座に分かった。
「宇羅、お前はミハイルを困らせて楽しんでいるそうだな?」
「いえ! 決してそのようなことは!」(あいつ、何を言いやがった!)
「すぐに石油とミハイルが指定する資源を手に入れて来い」
「はい! 必ずそのように!」(仕方ない、もうやるしかないか)
宇羅は平伏した。
「何故すぐにミハイルを助けなかった」
「はい! ミハイルを心配して尋ねたところ、まだ余裕があると申しておりましたので!」(ミハイル、覚えてやがれ!)
「そうなのか?」
「はい! 研究は順調で、今のところ問題は無いのだと」
「うむ。俺が聴いていたこととは違うようだな」
「あの男は他人に恰好をつける癖があるようでして。私ももう少し詳しく聴いておけばよかったと反省しております」(何とか切り抜けられるか!)
「分かった。この件はもういい。とにかく急いで手配しろ」
「はっ!」(ふぅー)
宇羅はライカンスロープ3000体の軍勢を、「ローテス・ラント」の港湾倉庫へ差し向けた。
しかし、思わぬ反撃に遭った。
「なんだ! あの不死身の軍隊は!」
「宇羅様! それだけではありません! 妖魔討伐に特化したと思われる騎士団がいます!」
「不死身の軍隊の赤い刀はなんなのだ! 我が軍が次々と切られているぞ!」
「騎士団の剣もそうです! それにあちらも妖魔を召喚しております!」
「未知の範囲攻撃も脅威です!」
宇羅の差し向けた軍勢は悉く殺された。
宇羅にしても大きな痛手となった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「イシガミ! お前の設置してくれたレーダーのお陰で、「カルマ」の攻撃部隊を壊滅できたぞ!」
「マクシミリアン! よくやった!」
「ブルートシュヴェルトとの共闘も上手くいったよ」
「そうか。もう仲間だからな。上手くやってくれよ」
「ああ、分かっている。あいつらもなかなかやるぜ!」
「ワハハハハハハハ!」
マクシミリアンが「業」の3000ものライカンスロープの軍勢を撃破したらしい。
資源の枯渇したロシアから、「業」がどこかを襲うことは予期出来た。
だから事前に網を貼っておくことが出来たのだ。
他所から奪うのが難しいとなれば、恐らくロシア国内から徴発するのだろう。
そうなれば、「業」に反発する勢力も出て来る。
それが俺の狙いでもあった。
それに反攻は出来なくとも、ロシアから逃げ出したい人間は大勢出て来る。
その受け入れもどんどん進めたい。
マクシミリアンがまた日本に来たいと言っている。
美味い鰻を食わせてやると約束した。
「ローマ教皇は置いて来いよな!」
「ワハハハハハハハ!」
あいつ、約束しなかった。
まあ、うちも慣れたものだ。
別に来ても構わん。
「ミハイル、どうだ研究の方は?」
満面の笑みで宇羅がミハイルに話しかけて来る。
「順調ですよ」(何もかも足りないんだ! お前も分かっているだろうが!)
「それは良かった。何しろ最近はいろいろな物資が不足しているからな」(何が順調だ、ザマァ!)
「そうですね。でも私には大した影響はありませんので」(このやろう、知ってて言ってやがる!)
実際にミハイルは窮していた。
電力は今は何とかなってはいるが、恐らくしばらくすれば高圧を使う幾つかの施設はダメになるだろう。
ロシアは国全体で深刻な電力不足が起きている。
電力ばかりではない。
ジェヴォーダンの装甲に必要なチタンは既に手に入らなくなっている。
レアメタルは更に壊滅的だ。
ロシアは元々資源大国であり、石油や天然ガスの豊富なことからヨーロッパへ恒常的に輸出してきた。
ウランも豊富にあったはずだ。
それが根こそぎ枯渇した。
稀少ガスも消え去り、ロシア政府は非常に慌てている。
今は採掘済のもので何とか賄い、輸入を急いでいる。
海洋資源も豊富にあったはずが、それも最近では消え去りつつあるらしい。
何が起きているのかは推察が付く。
あの「イシガミ」たちだ。
どのような方法を使っているのかまでは分からない。
しかし、恐らくは宇羅が得意とする妖魔だろう。
恐ろしく力のある妖魔が「イシガミ」に従っているらしい。
お陰でミハイルの研究は頓挫しかけている。
バイオノイドへの洗脳や改造にも、様々なものが必要だ。
ジェヴォーダンの飼育にも、大電力がいる。
幼体のうちは環境に弱く、常に一定の温湿度を保つ必要がある。
「ハイヴ」と名付けた飼育施設では、既に電力不足のためにジェヴォーダンの飼育に影響が出始めている。
最も深刻なのは、「ニルヴァーナ」の開発だ。
「ハイヴ」の最深層で研究されているウイルスは、絶対に漏洩出来ない。
そのために高度な殺菌設備と隔離手順を必要とするが、それを維持出来ない可能性が出て来た。
電力不足だ。
石油とウランの枯渇が最も大きなダメージになっている。
「カルマ」様に上奏し、何とか手を打っていただけるように頼んでいる。
そのうちに、どこかの外国の施設を襲って奪ってくると言われてはいる。
でも、それがいつになるのかは分からない。
「「カルマ」様が不足しているエネルギーや資源を確保して下さる」(早くしてくれぇー!)
「ああ、その話は聞いている。ミハイルが忙しいから、私が担うことになるよ」(やる気はねぇよ!)
「そうか、ありがたい。出来れば急いで欲しい」(とっととやれよ! このクソジジィ!)
「出来るだけ早くな。ヨーロッパで最近になって資源がどんどん輸入されているらしいよ」(俺は動かんがな)
「そうなのか! でも、ヨーロッパも大変だったはずだが?」(分かってるならすぐに行け!)
「「ローテス・ラント」だよ。最近になってどこかからガンガン資源を集めて回している」(知ってるけどやらんがな)
「そうなのか! じゃあ、そこから奪えばいいんだな?」(お前、やる気あんのか!)
「そういうことだ。でも、まだ君が順調だということだから、準備を万端に整えてからにするよ」(ワハハハハハ!)
「あ、いや、出来れば急いで欲しい」(このやろう!)
「ん? そうなのかね」(だったらちゃんと土下座して頼め!)
「今、他のプロジェクトの稼働も考えているのだ。そちらの方でも大電力や資源がたくさん必要なのだよ」(おい、いい加減にしろ!)
「ああ、分かった。私に任せておけ」(お前が苦しんでいるのが楽しいんだよ!)
「宜しく頼む」(早くしろ!)
宇羅はミハイルの部屋を出て、エレベーターに乗ってから大笑いした。
一か月後。
ミハイルは宇羅の「百鬼城」に向かった。
「ハイヴ」に閉じこもって研究を続けているミハイルが外に出るのは滅多に無い。
特に気味の悪い宇羅の「百鬼城」は、「業」の私室の次に入りたくない場所だった。
「ミハイルじゃないか、珍しいな」(なんだ、その慌てぶりは! ワハハハハハ)
「ウラ、いい加減にエネルギーと資源を集めてくれ!」(お前! 今まで何してたんだ!)
「ああ、その件か。今準備しているところだよ」(何もやってないよーん!)
「おい、本当に急いでくれよ。研究にも支障が出てきているんだ!」(ジェヴォーダンが数十頭死んだぞ!)
「そうか、悪かったな。じゃあなるべく急ぐようにしよう」(どんだけ困ったのか言え! 笑ってやるわ!)
「頼む! もう限界なんだ!」(お前! まだやる気がねぇな!)
「分かった分かった。私も忙しいんだ、もう帰ってくれ」(いいツラ見られたぜぇ!)
ミハイルは悔しそうな顔で「百鬼城」を出た。
最も行きたくない場所へ行った。
宇羅は「業」に呼び出された。
部屋へ入ると、「業」の機嫌が悪いことが即座に分かった。
「宇羅、お前はミハイルを困らせて楽しんでいるそうだな?」
「いえ! 決してそのようなことは!」(あいつ、何を言いやがった!)
「すぐに石油とミハイルが指定する資源を手に入れて来い」
「はい! 必ずそのように!」(仕方ない、もうやるしかないか)
宇羅は平伏した。
「何故すぐにミハイルを助けなかった」
「はい! ミハイルを心配して尋ねたところ、まだ余裕があると申しておりましたので!」(ミハイル、覚えてやがれ!)
「そうなのか?」
「はい! 研究は順調で、今のところ問題は無いのだと」
「うむ。俺が聴いていたこととは違うようだな」
「あの男は他人に恰好をつける癖があるようでして。私ももう少し詳しく聴いておけばよかったと反省しております」(何とか切り抜けられるか!)
「分かった。この件はもういい。とにかく急いで手配しろ」
「はっ!」(ふぅー)
宇羅はライカンスロープ3000体の軍勢を、「ローテス・ラント」の港湾倉庫へ差し向けた。
しかし、思わぬ反撃に遭った。
「なんだ! あの不死身の軍隊は!」
「宇羅様! それだけではありません! 妖魔討伐に特化したと思われる騎士団がいます!」
「不死身の軍隊の赤い刀はなんなのだ! 我が軍が次々と切られているぞ!」
「騎士団の剣もそうです! それにあちらも妖魔を召喚しております!」
「未知の範囲攻撃も脅威です!」
宇羅の差し向けた軍勢は悉く殺された。
宇羅にしても大きな痛手となった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「イシガミ! お前の設置してくれたレーダーのお陰で、「カルマ」の攻撃部隊を壊滅できたぞ!」
「マクシミリアン! よくやった!」
「ブルートシュヴェルトとの共闘も上手くいったよ」
「そうか。もう仲間だからな。上手くやってくれよ」
「ああ、分かっている。あいつらもなかなかやるぜ!」
「ワハハハハハハハ!」
マクシミリアンが「業」の3000ものライカンスロープの軍勢を撃破したらしい。
資源の枯渇したロシアから、「業」がどこかを襲うことは予期出来た。
だから事前に網を貼っておくことが出来たのだ。
他所から奪うのが難しいとなれば、恐らくロシア国内から徴発するのだろう。
そうなれば、「業」に反発する勢力も出て来る。
それが俺の狙いでもあった。
それに反攻は出来なくとも、ロシアから逃げ出したい人間は大勢出て来る。
その受け入れもどんどん進めたい。
マクシミリアンがまた日本に来たいと言っている。
美味い鰻を食わせてやると約束した。
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