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早乙女家でクリスマス
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12月も終わりに近づき、クリスマスをどうしようかと亜紀ちゃんと話した。
「タカさん、今年は見送ってもいいんじゃないですか?」
亜紀ちゃんが気を遣って言う。
槙野の件が片付いたのは先週だ。
「まあ、俺の態度が悪くて申し訳ない。でも、響子も楽しみにしていることだしな。ああ、俺も結構な」
「そうですか?」
「あ、ほんとはそんなには」
亜紀ちゃんが笑った。
「もう、タカさん、気を遣わなくていいんですよ!」
「そうか」
クリスマスをやるのは簡単だ。
極端に言えば、クリスマスの料理を用意して、響子や六花たちを誘えばいいだけだ。
言い換えれば、いつも通りだ。
「タカさん、今年はゆっくりしましょうよ」
「そうだなぁ」
「年末年始は、やっと別荘に行けそうじゃないですか!」
「おお、そうだな!」
今年は夏場に忙しく、恒例の別荘にも行けなかった。
年末年始はゆっくり行けそうだ。
「でも、響子が楽しみにしてるかもなぁ」
「じゃあ、家に呼びましょうよ! 六花さんと鷹さんも!」
「うーん。でも、そうすると、クリスマスをやるのとあんまり変わらないんじゃないか?」
「あ」
うちはプレゼント交換も無い。
響子にだけだ。
本当に料理の問題のみ。
俺は普段自由に外に出られない響子のことを思った。
「まあ、じゃあやっぱりやるかな」
「そうですね!」
「あ、そうだ。早乙女に頼んでみるか」
「え、早乙女さんですか?」
「ああ、もちろんうちでも手伝うけどな」
「でも、大勢だと大変じゃ」
「いや、とにかく話してみるよ」
「はぁ」
早乙女は、槙野の事件のことでずっと俺に謝り続けていた。
自分が不甲斐なくあんな組織を見逃していたことで、俺の大事な槙野と花を不幸にしてしまったと。
まあ、俺もあいつに当たり散らした結果なのだが、幾ら俺が悪かったと言ってもあいつの気が済まないらしい。
電話した。
「よう」
「石神!」
早乙女が喜んだ。
「あのさ、急で悪いんだけど、お前の所でクリスマスパーティってどうかな?」
「え!」
「うちの子どもたちと響子、六花と吹雪、それと鷹、ああ、どうせなら真夜と真昼も呼ぶか」
「ほんとか!」
「12名とロボ、それとお前のとこで4人か。ああ、もちろんうちの子どもたちも手伝うぞ」
「任せてくれよ!」
「いいのか?」
「うちで用意するよ! ああ、楽しみだなぁ!」
「おい、無理するなって。うちも手伝うよ。時間も無いし、早速雪野さんと相談させてくれ」
「分かった! すぐに雪野さんに連絡しておくから」
「本当に急で悪いな」
「石神! ありがとう!」
早乙女は明るく礼を言いやがった。
俺が頼んでいるのだが。
俺は双子に電話し、しばらくしたら雪野さんに電話するように言った。
クリスマスを早乙女家でやることが決まったので、メニューなどの相談だ。
俺は響子の部屋へ行き、クリスマスパーティを今年も行なうことを話した。
やはり二人とも喜んだ。
「タカトラ、大丈夫?」
「平気だよ。楽しみだな」
「うん!」
響子まで俺に気を遣っていた。
六花に廊下へ連れ出された。
「あの、今年は無いかと思って、プレゼントを用意してないんです」
「おう、俺もだ。でもさっき思いついた」
「なんですか?」
ロボキューとフブキューにした。
クリスマス・イブ。
金曜日だが、俺は4時に上がって響子と六花、吹雪と一緒に帰った。
一旦俺の家に行き、ゆっくりする。
子どもたちはもう早乙女家へ行っている。
ロボもだ。
俺たちが行くと慌ただしいし邪魔になるので、5時まで家にいることにする。
「みんながいないと静かだね」
「そうだよなー」
三人で吹雪をいじって遊んだ。
吹雪がくすぐられて喜んで悲鳴をあげた。
ゆっくりと早乙女家に行く。
近いので、響子も歩いた。
「響子、寒くないか?」
「うん、大丈夫」
吹雪は大判のショールに包まれて丸くなっている。
顔はずっと六花が自分の顔を寄せて風を防いでいた。
自然に吹雪を守る、六花の愛情だ。
響子と二人でニコニコして見ていた。
早乙女家の門が開き、俺たちはチャイムを押すことなく中へ入った。
玄関をスーが開き、俺たちを招き入れた。
「お待ちしておりました」
「ああ、楽しみだったよ。今日はよろしくな」
「はい!」
「柱」たちが駆け寄って来る。
首(?)にグリーンのリースを掛けていた。
自慢げに俺に見せてくる。
気持ち悪かった。
「おお、クリスマスだな!」
俺の肩に触れ腕に触れ、「柱」が喜んでいた。
「小柱」はいつものように俺の胸にスポスポする。
鬱陶しい。
「じゃあ、また後でな!」
早々にエレベーターに乗った。
響子と吹雪もペタペタ触られて喜んでいた。
3階に上がると、大体準備が出来ていた。
「いしがみー!」
「よう、今日は悪かったな」
「そんなことない! 楽しみにしてたんだ!」
「雪野さんも、すみませんでした」
「いえいえ、本当に楽しみだったんですよ」
俺たちはテーブルに連れられ、吹雪は柔らかなマットとクッションなどが置かれた場所に寝かされた。
怜花と一緒だ。
低いサークルで囲ってある。
なるほど、ベッドだと落ちる可能性があるので、こういうことをしたか。
久留守は別な部屋で眠っている。
もうテーブルには料理が一部置かれていたが、キッチンからどんどんワゴンで運ばれてくる。
まあ、石神家だからだ。
ローストビーフ(超大量)にローストチキン(多め)。
ピザ各種。
魚介のスープ。
ポテトサラダ(獣も大好きなので大量)。
パーティ・クラッカー(もちろん大量)。
唐揚げ(超大量 ローストチキン必要だったか?)。
雪野ナス(俺の好物)。
雪野ポテト(雪野ナスと同じ要領 初めて食ったが絶品)。
その他ラザニアや何種類かのアヒージョやパスタ各種などが出た。
石神家でも食い切れないほどの料理の量だった。
吹雪と怜花も楽しそうに食べた。
ロボも美味しい刺身やステーキをもらい、雪野さんに甘えに行った。
「雪野ポテト、最高ですね!」
「まあ、そんな名前が!」
「アハハハハハハ!」
みんなで美味しい料理を楽しく味わった。
亜紀ちゃんが俺の所へ来て言う。
「タカさん、食べてますか!」
「お前! 病気か!」
「なんですよ!」
みんなが笑った。
俺に気を遣ってやがる。
吹雪も怜花もサークルの中で楽しそうにじゃれている。
俺はギターを持って、『ホワイトクリスマス』を歌ってやった。
みんなが集まって来る。
ワムの『ケアレス・ウィスパー』、J・ガイルズ・バンド『堕ちた天使』を歌う。
子どもたちがノリノリで踊り、ロボも加わった。
怜花がにこにこしながら雪野さんと一緒に手を叩き、吹雪が仰向けになって手足を動かした。
六花が可愛すぎて吹雪を抱き締めた。
みんなが満腹になり、俺と六花が響子にプレゼントを渡した。
「なにこれぇー!」
響子が大喜びだった。
「駆動部分とシャーシを皇紀とルー、ハーに組んでもらってな。その上に俺と六花でこういうのを作ったんだ」
「可愛すぎるよー!」
一つはロボと同じ真っ白のネコだ。
もう一つは吹雪をイメージした赤ん坊。
ゼンマイで走るようになっている。
「ロボキューとフブキューな!」
「カワイイ!」
俺と六花でゼンマイを巻き、走らせた。
チョロチョロとまっすぐに走る。
響子が大興奮で、他のみんなも大笑いだった。
ロボが追いかけて行く。
「ありがとう! タカトラ! リッカ!」
「おう!」
「よかったね!」
響子にキスをされた。
料理の堪能し、みんなで楽しんで、そろそろ帰ることにした。
「今日は世話になったな」
「いや、石神がいると楽しいよ」
「そうかな」
「あのさ、石神」
「なんだ?」
「さっきの響子ちゃんのアレ、うちにも作ってくれないかな」
「あれを?」
「うん。ハムキューとか」
「ワハハハハハハ!」
必ず作ってやると約束した。
響子が帰りに、「柱」たちにロボキューを自慢げにみせた。
「柱」が俺の肩を掴んで揺すった。
「分かった! お前らのも作ってやる!」
肩をパンパンと叩かれた。
なんなんだよ、この家。
「タカさん、今年は見送ってもいいんじゃないですか?」
亜紀ちゃんが気を遣って言う。
槙野の件が片付いたのは先週だ。
「まあ、俺の態度が悪くて申し訳ない。でも、響子も楽しみにしていることだしな。ああ、俺も結構な」
「そうですか?」
「あ、ほんとはそんなには」
亜紀ちゃんが笑った。
「もう、タカさん、気を遣わなくていいんですよ!」
「そうか」
クリスマスをやるのは簡単だ。
極端に言えば、クリスマスの料理を用意して、響子や六花たちを誘えばいいだけだ。
言い換えれば、いつも通りだ。
「タカさん、今年はゆっくりしましょうよ」
「そうだなぁ」
「年末年始は、やっと別荘に行けそうじゃないですか!」
「おお、そうだな!」
今年は夏場に忙しく、恒例の別荘にも行けなかった。
年末年始はゆっくり行けそうだ。
「でも、響子が楽しみにしてるかもなぁ」
「じゃあ、家に呼びましょうよ! 六花さんと鷹さんも!」
「うーん。でも、そうすると、クリスマスをやるのとあんまり変わらないんじゃないか?」
「あ」
うちはプレゼント交換も無い。
響子にだけだ。
本当に料理の問題のみ。
俺は普段自由に外に出られない響子のことを思った。
「まあ、じゃあやっぱりやるかな」
「そうですね!」
「あ、そうだ。早乙女に頼んでみるか」
「え、早乙女さんですか?」
「ああ、もちろんうちでも手伝うけどな」
「でも、大勢だと大変じゃ」
「いや、とにかく話してみるよ」
「はぁ」
早乙女は、槙野の事件のことでずっと俺に謝り続けていた。
自分が不甲斐なくあんな組織を見逃していたことで、俺の大事な槙野と花を不幸にしてしまったと。
まあ、俺もあいつに当たり散らした結果なのだが、幾ら俺が悪かったと言ってもあいつの気が済まないらしい。
電話した。
「よう」
「石神!」
早乙女が喜んだ。
「あのさ、急で悪いんだけど、お前の所でクリスマスパーティってどうかな?」
「え!」
「うちの子どもたちと響子、六花と吹雪、それと鷹、ああ、どうせなら真夜と真昼も呼ぶか」
「ほんとか!」
「12名とロボ、それとお前のとこで4人か。ああ、もちろんうちの子どもたちも手伝うぞ」
「任せてくれよ!」
「いいのか?」
「うちで用意するよ! ああ、楽しみだなぁ!」
「おい、無理するなって。うちも手伝うよ。時間も無いし、早速雪野さんと相談させてくれ」
「分かった! すぐに雪野さんに連絡しておくから」
「本当に急で悪いな」
「石神! ありがとう!」
早乙女は明るく礼を言いやがった。
俺が頼んでいるのだが。
俺は双子に電話し、しばらくしたら雪野さんに電話するように言った。
クリスマスを早乙女家でやることが決まったので、メニューなどの相談だ。
俺は響子の部屋へ行き、クリスマスパーティを今年も行なうことを話した。
やはり二人とも喜んだ。
「タカトラ、大丈夫?」
「平気だよ。楽しみだな」
「うん!」
響子まで俺に気を遣っていた。
六花に廊下へ連れ出された。
「あの、今年は無いかと思って、プレゼントを用意してないんです」
「おう、俺もだ。でもさっき思いついた」
「なんですか?」
ロボキューとフブキューにした。
クリスマス・イブ。
金曜日だが、俺は4時に上がって響子と六花、吹雪と一緒に帰った。
一旦俺の家に行き、ゆっくりする。
子どもたちはもう早乙女家へ行っている。
ロボもだ。
俺たちが行くと慌ただしいし邪魔になるので、5時まで家にいることにする。
「みんながいないと静かだね」
「そうだよなー」
三人で吹雪をいじって遊んだ。
吹雪がくすぐられて喜んで悲鳴をあげた。
ゆっくりと早乙女家に行く。
近いので、響子も歩いた。
「響子、寒くないか?」
「うん、大丈夫」
吹雪は大判のショールに包まれて丸くなっている。
顔はずっと六花が自分の顔を寄せて風を防いでいた。
自然に吹雪を守る、六花の愛情だ。
響子と二人でニコニコして見ていた。
早乙女家の門が開き、俺たちはチャイムを押すことなく中へ入った。
玄関をスーが開き、俺たちを招き入れた。
「お待ちしておりました」
「ああ、楽しみだったよ。今日はよろしくな」
「はい!」
「柱」たちが駆け寄って来る。
首(?)にグリーンのリースを掛けていた。
自慢げに俺に見せてくる。
気持ち悪かった。
「おお、クリスマスだな!」
俺の肩に触れ腕に触れ、「柱」が喜んでいた。
「小柱」はいつものように俺の胸にスポスポする。
鬱陶しい。
「じゃあ、また後でな!」
早々にエレベーターに乗った。
響子と吹雪もペタペタ触られて喜んでいた。
3階に上がると、大体準備が出来ていた。
「いしがみー!」
「よう、今日は悪かったな」
「そんなことない! 楽しみにしてたんだ!」
「雪野さんも、すみませんでした」
「いえいえ、本当に楽しみだったんですよ」
俺たちはテーブルに連れられ、吹雪は柔らかなマットとクッションなどが置かれた場所に寝かされた。
怜花と一緒だ。
低いサークルで囲ってある。
なるほど、ベッドだと落ちる可能性があるので、こういうことをしたか。
久留守は別な部屋で眠っている。
もうテーブルには料理が一部置かれていたが、キッチンからどんどんワゴンで運ばれてくる。
まあ、石神家だからだ。
ローストビーフ(超大量)にローストチキン(多め)。
ピザ各種。
魚介のスープ。
ポテトサラダ(獣も大好きなので大量)。
パーティ・クラッカー(もちろん大量)。
唐揚げ(超大量 ローストチキン必要だったか?)。
雪野ナス(俺の好物)。
雪野ポテト(雪野ナスと同じ要領 初めて食ったが絶品)。
その他ラザニアや何種類かのアヒージョやパスタ各種などが出た。
石神家でも食い切れないほどの料理の量だった。
吹雪と怜花も楽しそうに食べた。
ロボも美味しい刺身やステーキをもらい、雪野さんに甘えに行った。
「雪野ポテト、最高ですね!」
「まあ、そんな名前が!」
「アハハハハハハ!」
みんなで美味しい料理を楽しく味わった。
亜紀ちゃんが俺の所へ来て言う。
「タカさん、食べてますか!」
「お前! 病気か!」
「なんですよ!」
みんなが笑った。
俺に気を遣ってやがる。
吹雪も怜花もサークルの中で楽しそうにじゃれている。
俺はギターを持って、『ホワイトクリスマス』を歌ってやった。
みんなが集まって来る。
ワムの『ケアレス・ウィスパー』、J・ガイルズ・バンド『堕ちた天使』を歌う。
子どもたちがノリノリで踊り、ロボも加わった。
怜花がにこにこしながら雪野さんと一緒に手を叩き、吹雪が仰向けになって手足を動かした。
六花が可愛すぎて吹雪を抱き締めた。
みんなが満腹になり、俺と六花が響子にプレゼントを渡した。
「なにこれぇー!」
響子が大喜びだった。
「駆動部分とシャーシを皇紀とルー、ハーに組んでもらってな。その上に俺と六花でこういうのを作ったんだ」
「可愛すぎるよー!」
一つはロボと同じ真っ白のネコだ。
もう一つは吹雪をイメージした赤ん坊。
ゼンマイで走るようになっている。
「ロボキューとフブキューな!」
「カワイイ!」
俺と六花でゼンマイを巻き、走らせた。
チョロチョロとまっすぐに走る。
響子が大興奮で、他のみんなも大笑いだった。
ロボが追いかけて行く。
「ありがとう! タカトラ! リッカ!」
「おう!」
「よかったね!」
響子にキスをされた。
料理の堪能し、みんなで楽しんで、そろそろ帰ることにした。
「今日は世話になったな」
「いや、石神がいると楽しいよ」
「そうかな」
「あのさ、石神」
「なんだ?」
「さっきの響子ちゃんのアレ、うちにも作ってくれないかな」
「あれを?」
「うん。ハムキューとか」
「ワハハハハハハ!」
必ず作ってやると約束した。
響子が帰りに、「柱」たちにロボキューを自慢げにみせた。
「柱」が俺の肩を掴んで揺すった。
「分かった! お前らのも作ってやる!」
肩をパンパンと叩かれた。
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