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《御虎》の奇跡
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山梨の新都市《御虎》。
都市設計の天才パピヨンによって創られた「幻想都市」と俺が呼んでいる。
アラスカで《アヴァロン》を築き、想像以上の美しい都市になった。
そしてここ《御虎》でも同様に幻想的で美しい都市が築かれつつある。
中央に巨大な防衛機関ヘッジホッグがあり、高さ800メートルの超高層建造物だ。
数百メートルの超高層ビルは他にも幾つもあるが、点在していて景観が計算されている。
そして東には《ミトラの祭壇》。
フィリピンで皇紀と双子が「ヘヴンズ・フォール」で導かれた巨大な水晶のような物体がある。
巨大なドーム施設や隣接する運動場、ビル群も多いが、個人の住居施設や公園なども多い。
道路も整備され、都市機能は万全だ。
麗星たち道間家による霊的防衛もなされたが、麗星は《ミトラ祭壇》が桁違いで、あまり必要無いのだと言っていた。
「あれはどういうものなんだ?」
「さあ。でも、途轍もないもの過ぎて、わたくしにも分かりません」
「そうかぁ」
分からない物を当てにするわけにも行かないので、一通りはやってもらった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《御虎》の防衛には、元海兵隊からレオン・フィルシャーに来て貰っている。
ターナー大将の推薦で、非常に情熱を持った人物とのことだった。
俺も直接会っているが、その言葉通りの軍人だった。
ターナー大将と共に、レイの暗殺を機に海兵隊を米軍から切り離すことを進言した人間の一人だった。
日本語も堪能で、後からレイの母親によって習得したことを知った。
オリヴィア先生のことも少し知っていたので驚いた。
「フィルシャー、この都市は必ず何度も襲われる」
「タイガー、分かっている。私は必ずこの美しい都市を護る」
俺はフィルシャーを信じ、「虎」の軍の兵器のほとんどを明かし、自在に稼働出来るようにさせた。
フィルシャー自身に司令本部の人員を選別させ、ほぼ海兵隊員のスペシャリストで編成されることとなった。
フィルシャーはその後も俺に襲撃の際の避難誘導やそれに伴う施設の増強や改変の案を報告して来る。
「タイガー、一つ問題がある」
「なんだ?」
「この都市は美しく素晴らし過ぎる」
「なんだよ?」
「兵士がだらけてしまうので困る」
「ワハハハハハハハハ!」
ヒルシャーは真面目に兵士を兵舎に住まわせるように進言したが、俺は希望者のみにしろと言った。
「自分の街が好きになれば、それだけ本気で守ろうとするものだ」
「タイガーがそう言うのならば」
ドイツ系らしく生真面目な男だったが、やはり情熱がある。
兵士はアラスカからソルジャーの精鋭を回し、それに加えて米軍を中心に各国から希望者を募り、ヒルシャーがその雑多な集団を上手く統制していった。
日本国内からも千万組を中心に、元稲城会、山王会からも「虎」の軍に入った人間たちが希望して回って来た。
基本は英語での指揮系統だったが、日本語の習得を進め、今では7割が日本語を話せるようになっている。
嬉しいことに、オリヴィア先生を中心とした日本語学校の講師たちが来てくれた。
アラスカでも活躍してくれ、今では大人気の日本語学校として知られるようになった。
その中でも優秀な講師たちが、《御虎》に来てくれた。
半年も通うとカタコトながら、みんな日本語が話せるようになる。
本当に素晴らしい学校だった。
《御虎》にはまだ建設中の建物が多い。
それでも既に3万人の人間が移住している。
3割は建築関連の人間だが、明彦のいる和田商事など、逸早くビルに入った企業の人間たちも多い。
今後は東京と共にここ《御虎》が政治経済の中枢となることを知っている人間たちだ。
そういう人間のために、様々な商売の人間も集まり、都市は活性化している。
更に周辺には農地や牧場も多く在り、俺と御堂が願っていた地産地消が実現しつつある。
もちろん外からのものも流通している。
梅田精肉店が経営する牧場もあり、子どもたちには絶対に行くなと厳命している。
「食べないよー」
「信じられん」
「「えーん」」
特に双子は絶対に厳禁だ。
一応《ミトラ祭壇》は特定の宗教施設ではないと説明しているが、参拝者が多い。
誰が決めたわけでもないのだが、みんな周囲で手を合わせて祈って行くようだ。
自然にそうさせるものがあるのだろう。
寺院や神社、教会なども都市の中にはある。
俺も御堂も宗教は自由に信仰してもらいたいと思っている。
教会は、案の定ローマ教皇が来日して話題をかっさらった。
俺の病院や青の店の他、クリスチャンが訪れる整地になりつつある。
余談だが、青の「般若」、俺の病院、乾さんのバイクショップが都内近郊の聖地だ。
「般若」で食事をし、俺の病院で診察を受け、乾さんのバイクショップへ行く。
『虎は孤高に』のロケ地も聖地扱いされることもある。
あのドラマは世界中で放映されるようになり、結構な人気になっているそうだ。
俺はどうでもいいが。
乾さんはディディの提案で、RZにまたがる「赤虎」のフィギュアを作って売るようになった。
折角バイクショップに来てくれても買うものがないので、申し訳ないということだったらしい。
赤木さんが協力してくれ、数千円のものから本格的な30万円のものまで揃った。
最初は来てくれた観光客相手だったらしいが、ネットでの通販を始めてから飛ぶように売れた。
「おい、本業より売れてるんだが」
「ワハハハハハハハハ!」
知らねぇ。
まあ、それも冗談で、本業の方が余程スゴイ。
従業員を倍に増やし、ネット通販の方も専門の人間を雇ったそうだ。
乾さんが儲かって嬉しい。
《御虎》に来た観光客はクリスチャンだけではない。
日本に新しい新興都市が出来るということで、全国から来る。
遊戯施設もあるのでそこで遊んだり、建築中の街を歩いて楽しむ人々も多い。
テーマパーク「オロチランド」は大好評で、そのうちにDランドを抜くかもしれない。
直径2キロの大観覧車「オロチホイール」と全長100キロのジェットコースター「スーパードドンコ」が目玉だ。
どこから聞きつけたか、石神家本家の連中が「スーパードドンコ」に乗りに来た。
「……」
他に幽霊屋敷「佐藤家」や様々なアトラクションも多い。
六花の故郷でやっていたバギーコースや本格的なヴァーチャルリアリティの体験アトラクションも入れた。
「御虎病院」、小中高大一貫の「御虎大学」、その他様々な施設など。
「御虎大学」は全国から入学希望が殺到し、小学校の入学試験は競争率1000倍を超えた。
海外からも応募者が来たためだ。
まだどういう教育機関かは分からないはずなのだが、これも御堂の人気だろう。
「人間教育を中心とし、今後の世界を支えて行く人材を育てる教育機関です」
そんなことを御堂がテレビで言った。
その言葉を信じた人間たちが多いのだろう。
流石は御堂だ。
日本は研究者が少ない。
優秀な人間は医者になりたがる。
それが一番確実に儲かる仕事だからだ。
だから野に埋もれている優秀な人材を集めた。
金にならない学問もある。
そういう人間たちが集まってくれた。
日々躍動し活性化していく《御虎》。
俺も御堂も、その行く末を楽しみにしていた。
都市設計の天才パピヨンによって創られた「幻想都市」と俺が呼んでいる。
アラスカで《アヴァロン》を築き、想像以上の美しい都市になった。
そしてここ《御虎》でも同様に幻想的で美しい都市が築かれつつある。
中央に巨大な防衛機関ヘッジホッグがあり、高さ800メートルの超高層建造物だ。
数百メートルの超高層ビルは他にも幾つもあるが、点在していて景観が計算されている。
そして東には《ミトラの祭壇》。
フィリピンで皇紀と双子が「ヘヴンズ・フォール」で導かれた巨大な水晶のような物体がある。
巨大なドーム施設や隣接する運動場、ビル群も多いが、個人の住居施設や公園なども多い。
道路も整備され、都市機能は万全だ。
麗星たち道間家による霊的防衛もなされたが、麗星は《ミトラ祭壇》が桁違いで、あまり必要無いのだと言っていた。
「あれはどういうものなんだ?」
「さあ。でも、途轍もないもの過ぎて、わたくしにも分かりません」
「そうかぁ」
分からない物を当てにするわけにも行かないので、一通りはやってもらった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《御虎》の防衛には、元海兵隊からレオン・フィルシャーに来て貰っている。
ターナー大将の推薦で、非常に情熱を持った人物とのことだった。
俺も直接会っているが、その言葉通りの軍人だった。
ターナー大将と共に、レイの暗殺を機に海兵隊を米軍から切り離すことを進言した人間の一人だった。
日本語も堪能で、後からレイの母親によって習得したことを知った。
オリヴィア先生のことも少し知っていたので驚いた。
「フィルシャー、この都市は必ず何度も襲われる」
「タイガー、分かっている。私は必ずこの美しい都市を護る」
俺はフィルシャーを信じ、「虎」の軍の兵器のほとんどを明かし、自在に稼働出来るようにさせた。
フィルシャー自身に司令本部の人員を選別させ、ほぼ海兵隊員のスペシャリストで編成されることとなった。
フィルシャーはその後も俺に襲撃の際の避難誘導やそれに伴う施設の増強や改変の案を報告して来る。
「タイガー、一つ問題がある」
「なんだ?」
「この都市は美しく素晴らし過ぎる」
「なんだよ?」
「兵士がだらけてしまうので困る」
「ワハハハハハハハハ!」
ヒルシャーは真面目に兵士を兵舎に住まわせるように進言したが、俺は希望者のみにしろと言った。
「自分の街が好きになれば、それだけ本気で守ろうとするものだ」
「タイガーがそう言うのならば」
ドイツ系らしく生真面目な男だったが、やはり情熱がある。
兵士はアラスカからソルジャーの精鋭を回し、それに加えて米軍を中心に各国から希望者を募り、ヒルシャーがその雑多な集団を上手く統制していった。
日本国内からも千万組を中心に、元稲城会、山王会からも「虎」の軍に入った人間たちが希望して回って来た。
基本は英語での指揮系統だったが、日本語の習得を進め、今では7割が日本語を話せるようになっている。
嬉しいことに、オリヴィア先生を中心とした日本語学校の講師たちが来てくれた。
アラスカでも活躍してくれ、今では大人気の日本語学校として知られるようになった。
その中でも優秀な講師たちが、《御虎》に来てくれた。
半年も通うとカタコトながら、みんな日本語が話せるようになる。
本当に素晴らしい学校だった。
《御虎》にはまだ建設中の建物が多い。
それでも既に3万人の人間が移住している。
3割は建築関連の人間だが、明彦のいる和田商事など、逸早くビルに入った企業の人間たちも多い。
今後は東京と共にここ《御虎》が政治経済の中枢となることを知っている人間たちだ。
そういう人間のために、様々な商売の人間も集まり、都市は活性化している。
更に周辺には農地や牧場も多く在り、俺と御堂が願っていた地産地消が実現しつつある。
もちろん外からのものも流通している。
梅田精肉店が経営する牧場もあり、子どもたちには絶対に行くなと厳命している。
「食べないよー」
「信じられん」
「「えーん」」
特に双子は絶対に厳禁だ。
一応《ミトラ祭壇》は特定の宗教施設ではないと説明しているが、参拝者が多い。
誰が決めたわけでもないのだが、みんな周囲で手を合わせて祈って行くようだ。
自然にそうさせるものがあるのだろう。
寺院や神社、教会なども都市の中にはある。
俺も御堂も宗教は自由に信仰してもらいたいと思っている。
教会は、案の定ローマ教皇が来日して話題をかっさらった。
俺の病院や青の店の他、クリスチャンが訪れる整地になりつつある。
余談だが、青の「般若」、俺の病院、乾さんのバイクショップが都内近郊の聖地だ。
「般若」で食事をし、俺の病院で診察を受け、乾さんのバイクショップへ行く。
『虎は孤高に』のロケ地も聖地扱いされることもある。
あのドラマは世界中で放映されるようになり、結構な人気になっているそうだ。
俺はどうでもいいが。
乾さんはディディの提案で、RZにまたがる「赤虎」のフィギュアを作って売るようになった。
折角バイクショップに来てくれても買うものがないので、申し訳ないということだったらしい。
赤木さんが協力してくれ、数千円のものから本格的な30万円のものまで揃った。
最初は来てくれた観光客相手だったらしいが、ネットでの通販を始めてから飛ぶように売れた。
「おい、本業より売れてるんだが」
「ワハハハハハハハハ!」
知らねぇ。
まあ、それも冗談で、本業の方が余程スゴイ。
従業員を倍に増やし、ネット通販の方も専門の人間を雇ったそうだ。
乾さんが儲かって嬉しい。
《御虎》に来た観光客はクリスチャンだけではない。
日本に新しい新興都市が出来るということで、全国から来る。
遊戯施設もあるのでそこで遊んだり、建築中の街を歩いて楽しむ人々も多い。
テーマパーク「オロチランド」は大好評で、そのうちにDランドを抜くかもしれない。
直径2キロの大観覧車「オロチホイール」と全長100キロのジェットコースター「スーパードドンコ」が目玉だ。
どこから聞きつけたか、石神家本家の連中が「スーパードドンコ」に乗りに来た。
「……」
他に幽霊屋敷「佐藤家」や様々なアトラクションも多い。
六花の故郷でやっていたバギーコースや本格的なヴァーチャルリアリティの体験アトラクションも入れた。
「御虎病院」、小中高大一貫の「御虎大学」、その他様々な施設など。
「御虎大学」は全国から入学希望が殺到し、小学校の入学試験は競争率1000倍を超えた。
海外からも応募者が来たためだ。
まだどういう教育機関かは分からないはずなのだが、これも御堂の人気だろう。
「人間教育を中心とし、今後の世界を支えて行く人材を育てる教育機関です」
そんなことを御堂がテレビで言った。
その言葉を信じた人間たちが多いのだろう。
流石は御堂だ。
日本は研究者が少ない。
優秀な人間は医者になりたがる。
それが一番確実に儲かる仕事だからだ。
だから野に埋もれている優秀な人材を集めた。
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