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パレボレ教官 Ⅱ
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最高司令官が、遠い目をしながら語った。
「我々ははるかな過去に「#$%&%$」とさえも戦おうとしました」
「はい、その歴史は知っています」
ロボさんのことだ。
その戦闘の中で、この宇宙が滅びかけたことすらある。
今ではグランマザーの宣言によって、ロボさんは不可侵の存在となっており、地球の石神さんと一緒にいることは全員が承知している。
「他にも様々な敵と戦いました。今では主に紛争が起きた場合の鎮圧が主な戦闘になります」
「はい、それも理解しています」
今は「敵」というものがおらず、「大銀河連合」内での軍事力を用いた紛争の平定に乗り出すことは知っている。
「しかし、しばらく前から未知の敵が現われました。その敵は生命体とは言い難く、それでも何らかの意識を持ったエネルギー体であることは確かなのです。まだ「大銀河連合」全体には公表はしていませんが、かなり激しい戦闘になっています」
「そうなのですか。それは知りませんでした」
伺うと、逸早くグランマザーが予見していたもので、そのために「大銀河連合軍」も早い段階で準備が出来ていたようだ。
「その敵は、「ミレー星系」に突然現われました」
「ミレー星系ですか?」
「はい。かの石神高虎様が地球で「業」と本格的に戦い始めてからのことです。グランマザーによると、石神様の戦いが全宇宙に関連するものであると確定しております」
「なんですって! 石神さんが!」
最初の頃はともかく、今であれば石神さんの途轍もない運命は僕も感じていた。
グランマザーからも、石神さんが宇宙の運命に関わるということは聞いてはいた。
でも、現実にミレー星系で実際の戦闘が始まっていたとは!
「グランマザーが未知のエネルギー体との戦闘に有効な兵器を開発し、徐々に戦闘は我々に有利に動きつつあります。特に石神様が「トゥアハー・デ・ダナン星系」に《リア・ファル》を投下されて以降は敵の勢力も縮小し、我々の戦線が格段に優位に立ちました」
「そうなのですか! そうなんです、石神さんは最高なんです!」
僕の知らない所で石神さんはとんでもないことをしていたのだ。
あの人はやっぱり違う。
「はい、石神様はグランマザーが仰るようにこの宇宙を救う方であることは、我々も確信しています。それでも、やはり戦闘は厳しく、兵士たちも終わりの見えない戦争に疲弊していました」
「そうなのですか!」
大変なことだ。
「そうなのですが、パレボレさんが発信されている《地球学》の講義が素晴らしく! あれを全軍に周知して再教育を施したところ、兵士の戦意高揚が顕著に見られ、そのお陰で一層戦線は我々が盛り立てているのです!」
「え?」
「パレボレさん、あなたのお陰ですよ! あなたの《地球学》は本当に素晴らしい! もちろんここにいる私たちも毎日学んでいます。それにパレボレさんのご紹介の地球の「ドラマ」ですか、あの『虎は孤高に』は我々の聖典です。本当に素晴らしいものをありがとうございます!」
「い、いえ、そんな! あのドラマも地球で制作されたものですし!」
「それを我々にもたらして下さったのはパレボレさんです。今日はその感謝をお伝えしたく、お忙しいパレボレさんにここまでお越し頂きました」
「そんな、僕なんて……」
他の高官の方々からも何度もお礼を言われたてしまった。
「我々は、本当の「軍隊」というものを理解していなかったことがよく分かりました。本当の軍隊とは何なのか、戦うというのはどういうことなのか。それを学ぶことが出来ました」
「僕の力など何もありませんが、それは喜ばしいことと思います」
「いいえ、パレボレさんが石神様のこと、地球のことを教えてくれなければ何も分かりませんでした。最大の感謝をパレボレさんに捧げます」
「そんな! 僕なんて何も! 石神さんたちの素晴らしさだけですよ!」
みんなが笑っていた。
「それです。そういう所が《地球学》です。もう我々にも分かっていますよ」
「いいえ、あの……」
本当に困ってしまった。
僕などはお礼を言われるような人間ではないのだ。
でも、みなさんが石神さんたちのことを理解してくれたのは、嬉しかった。
「パレボレさんに是非ともお礼がしたいのですが」
「いいえ、何もいりません! みなさんはこの宇宙のために勇敢に戦っていらっしゃる! そんな方々の助力になったとすれば、それだけで十分です」
「そう仰ると思いました。でも、それでは我々がパレボレさんからいただいた感謝が納まりません」
気持ちは分かるのだけど、僕も困ってしまう。
石神さんはこういう場合、どうするのだろう。
僕はその日は何とか断って、一度考えさせて欲しいと言った。
みなさんは僕のことを奥ゆかしいとか言ってくれたけど、そういうことじゃない。
僕は丁寧にお礼を言って、帰った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
僕の《地球学》の講義が丁度ワンクールを終え、地球に戻って亜紀さんに電話で相談した。
「なんじゃ、ソレ?」
「いえ、だからミレー星系で大変な戦争が起きてまして」
「落穂ひろい?」
「なんです?」
「よく分からんな」
「そうですかね」
分からないかー。
「とにかくさ、タカさんに話してみなよ」
「はい!」
その晩に石神さんのお宅へ伺い、石神さんにお会いした。
僕はミレー星系の戦争の話をし、石神さんのお陰で兵士たちの士気が高まっていることを話した。
「へぇー」
「はい!」
「それで何くれるって?」
「いや、それは聞いてませんが」
「じゃあ俺も何とも言えねぇよ」
「なるほど」
確かにそうだろうと思った。
「その戦争よ、ロボに頼む?」
「ああ!」
「多分、一発だよな」
「そうですよね!」
「以上!」
「はい!」
どういうことか分からなかったけど、確かにロボさんなら一発だ。
石神さんがソファで寝ていたロボさんを呼んでくれた。
石神さんに呼ばれてロボさんが嬉しそうに来る。
「じゃあ、ロボに頼めよ」
「え、僕がですか!」
「お前らのことだろう!」
「はい! えー、あのロボさん」
「にゃー」
「一緒に来て頂きたいのですが」
クリオネタイフ-ン・ポセイドン殺しキックを喰らった。
柳さんが。
「なんでぇー!」
石神さんが吹っ飛ぶ柳さんを黙って見ていた。
「なんかロボは嫌がってるな」
「そうなんですか?」
「まあ、しょうがねぇよ。お前らで何とかしろ」
「はい、「大銀河連合軍」の方々もそのつもりであるかと」
「ああ、礼ってことならよ、何でも貰っておけよ」
「そういうものですか」
「お前が感謝されてんだろ?」
「いいえ、石神さんたちのお陰ですよ」
石神さんは笑って自分は何もいらないと言った。
僕もそうなんですけどー。
石神さんはちょっと待てと言い、段ボール箱一杯のDVDなどを貸してくれた。
「宇宙戦争って言ったらコレだからな。参考にしろよ」
「はい! ありがとうございます!」
《機動戦士ガンダル・シリーズ 全巻(第一作から最新『機動戦士GundarGQuuuuuuX』まで)》
「特によ、フルバーニアンとかのハイエンド的なものがカッチョイイぞ」
「そうなんですか」
僕は丁寧にお礼を言い、お借りした。
亜紀さんが夕飯を一緒に食べて行けと言うのでご馳走になった。
「カレー大会」ということで、僕も大好物で嬉しかった。
相変わらずの激しい食事で、僕も頑張った。
石神さんがいつになく本気で食べていた。
カレーはいつも一杯しか食べられないそうだ。
なんでだろう?
《機動戦士ガンダル・シリーズ》は「大銀河連合軍」の指令本部の方々が絶賛し、すぐに全軍に放映された。
兵器開発部の方々が夢中でモビルスーツを開発し、戦線に投入された。
それまでの艦隊での攻撃がより柔軟な作戦行動となり、戦線は大いに活性化したそうだ。
僕も想定外だったけど、様々な星の種族が集まっているので、同じ船に乗ることすら難しく、共同作戦は戦艦単位になっていたのだ。
それがモビルスーツで個別な環境を設計出来るので、集団戦が格段に柔軟になりやりやすくなったということだった。
艦隊での攻撃は強力ではあったが小回りが効かず、敵に回り込まれると苦戦することが多かったという問題が一気に解決した。
すぐにモビルスーツが大増産され、ミレー星系での戦闘で活躍して行った。
モビルスーツのパイロットたちは一躍軍の花形となり、人気が高まった。
ただ、モビルスーツの名前が「パレボレスーツ」と呼ばれてしまい、困っている。
石神さんにご報告し、実際の戦闘も見て頂いた。
「おい、まんまガンダルじゃねぇか!」
「カッコイイですからね」
「あ、《赤い彗星》もいんのかよ!」
「カッコイイですからね」
「これ、《ダブルオーライザー》?」
「カッコイイですからね」
「《ザザビー》とかもいんの?」
「カッコイイですからね」
「……」
石神さんが黙り込んでしまった。
地球での戦闘にも関わらせてもらおうとしたら、地球ではいろいろ「版権問題」があるので来るなと言われた。
「我々ははるかな過去に「#$%&%$」とさえも戦おうとしました」
「はい、その歴史は知っています」
ロボさんのことだ。
その戦闘の中で、この宇宙が滅びかけたことすらある。
今ではグランマザーの宣言によって、ロボさんは不可侵の存在となっており、地球の石神さんと一緒にいることは全員が承知している。
「他にも様々な敵と戦いました。今では主に紛争が起きた場合の鎮圧が主な戦闘になります」
「はい、それも理解しています」
今は「敵」というものがおらず、「大銀河連合」内での軍事力を用いた紛争の平定に乗り出すことは知っている。
「しかし、しばらく前から未知の敵が現われました。その敵は生命体とは言い難く、それでも何らかの意識を持ったエネルギー体であることは確かなのです。まだ「大銀河連合」全体には公表はしていませんが、かなり激しい戦闘になっています」
「そうなのですか。それは知りませんでした」
伺うと、逸早くグランマザーが予見していたもので、そのために「大銀河連合軍」も早い段階で準備が出来ていたようだ。
「その敵は、「ミレー星系」に突然現われました」
「ミレー星系ですか?」
「はい。かの石神高虎様が地球で「業」と本格的に戦い始めてからのことです。グランマザーによると、石神様の戦いが全宇宙に関連するものであると確定しております」
「なんですって! 石神さんが!」
最初の頃はともかく、今であれば石神さんの途轍もない運命は僕も感じていた。
グランマザーからも、石神さんが宇宙の運命に関わるということは聞いてはいた。
でも、現実にミレー星系で実際の戦闘が始まっていたとは!
「グランマザーが未知のエネルギー体との戦闘に有効な兵器を開発し、徐々に戦闘は我々に有利に動きつつあります。特に石神様が「トゥアハー・デ・ダナン星系」に《リア・ファル》を投下されて以降は敵の勢力も縮小し、我々の戦線が格段に優位に立ちました」
「そうなのですか! そうなんです、石神さんは最高なんです!」
僕の知らない所で石神さんはとんでもないことをしていたのだ。
あの人はやっぱり違う。
「はい、石神様はグランマザーが仰るようにこの宇宙を救う方であることは、我々も確信しています。それでも、やはり戦闘は厳しく、兵士たちも終わりの見えない戦争に疲弊していました」
「そうなのですか!」
大変なことだ。
「そうなのですが、パレボレさんが発信されている《地球学》の講義が素晴らしく! あれを全軍に周知して再教育を施したところ、兵士の戦意高揚が顕著に見られ、そのお陰で一層戦線は我々が盛り立てているのです!」
「え?」
「パレボレさん、あなたのお陰ですよ! あなたの《地球学》は本当に素晴らしい! もちろんここにいる私たちも毎日学んでいます。それにパレボレさんのご紹介の地球の「ドラマ」ですか、あの『虎は孤高に』は我々の聖典です。本当に素晴らしいものをありがとうございます!」
「い、いえ、そんな! あのドラマも地球で制作されたものですし!」
「それを我々にもたらして下さったのはパレボレさんです。今日はその感謝をお伝えしたく、お忙しいパレボレさんにここまでお越し頂きました」
「そんな、僕なんて……」
他の高官の方々からも何度もお礼を言われたてしまった。
「我々は、本当の「軍隊」というものを理解していなかったことがよく分かりました。本当の軍隊とは何なのか、戦うというのはどういうことなのか。それを学ぶことが出来ました」
「僕の力など何もありませんが、それは喜ばしいことと思います」
「いいえ、パレボレさんが石神様のこと、地球のことを教えてくれなければ何も分かりませんでした。最大の感謝をパレボレさんに捧げます」
「そんな! 僕なんて何も! 石神さんたちの素晴らしさだけですよ!」
みんなが笑っていた。
「それです。そういう所が《地球学》です。もう我々にも分かっていますよ」
「いいえ、あの……」
本当に困ってしまった。
僕などはお礼を言われるような人間ではないのだ。
でも、みなさんが石神さんたちのことを理解してくれたのは、嬉しかった。
「パレボレさんに是非ともお礼がしたいのですが」
「いいえ、何もいりません! みなさんはこの宇宙のために勇敢に戦っていらっしゃる! そんな方々の助力になったとすれば、それだけで十分です」
「そう仰ると思いました。でも、それでは我々がパレボレさんからいただいた感謝が納まりません」
気持ちは分かるのだけど、僕も困ってしまう。
石神さんはこういう場合、どうするのだろう。
僕はその日は何とか断って、一度考えさせて欲しいと言った。
みなさんは僕のことを奥ゆかしいとか言ってくれたけど、そういうことじゃない。
僕は丁寧にお礼を言って、帰った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
僕の《地球学》の講義が丁度ワンクールを終え、地球に戻って亜紀さんに電話で相談した。
「なんじゃ、ソレ?」
「いえ、だからミレー星系で大変な戦争が起きてまして」
「落穂ひろい?」
「なんです?」
「よく分からんな」
「そうですかね」
分からないかー。
「とにかくさ、タカさんに話してみなよ」
「はい!」
その晩に石神さんのお宅へ伺い、石神さんにお会いした。
僕はミレー星系の戦争の話をし、石神さんのお陰で兵士たちの士気が高まっていることを話した。
「へぇー」
「はい!」
「それで何くれるって?」
「いや、それは聞いてませんが」
「じゃあ俺も何とも言えねぇよ」
「なるほど」
確かにそうだろうと思った。
「その戦争よ、ロボに頼む?」
「ああ!」
「多分、一発だよな」
「そうですよね!」
「以上!」
「はい!」
どういうことか分からなかったけど、確かにロボさんなら一発だ。
石神さんがソファで寝ていたロボさんを呼んでくれた。
石神さんに呼ばれてロボさんが嬉しそうに来る。
「じゃあ、ロボに頼めよ」
「え、僕がですか!」
「お前らのことだろう!」
「はい! えー、あのロボさん」
「にゃー」
「一緒に来て頂きたいのですが」
クリオネタイフ-ン・ポセイドン殺しキックを喰らった。
柳さんが。
「なんでぇー!」
石神さんが吹っ飛ぶ柳さんを黙って見ていた。
「なんかロボは嫌がってるな」
「そうなんですか?」
「まあ、しょうがねぇよ。お前らで何とかしろ」
「はい、「大銀河連合軍」の方々もそのつもりであるかと」
「ああ、礼ってことならよ、何でも貰っておけよ」
「そういうものですか」
「お前が感謝されてんだろ?」
「いいえ、石神さんたちのお陰ですよ」
石神さんは笑って自分は何もいらないと言った。
僕もそうなんですけどー。
石神さんはちょっと待てと言い、段ボール箱一杯のDVDなどを貸してくれた。
「宇宙戦争って言ったらコレだからな。参考にしろよ」
「はい! ありがとうございます!」
《機動戦士ガンダル・シリーズ 全巻(第一作から最新『機動戦士GundarGQuuuuuuX』まで)》
「特によ、フルバーニアンとかのハイエンド的なものがカッチョイイぞ」
「そうなんですか」
僕は丁寧にお礼を言い、お借りした。
亜紀さんが夕飯を一緒に食べて行けと言うのでご馳走になった。
「カレー大会」ということで、僕も大好物で嬉しかった。
相変わらずの激しい食事で、僕も頑張った。
石神さんがいつになく本気で食べていた。
カレーはいつも一杯しか食べられないそうだ。
なんでだろう?
《機動戦士ガンダル・シリーズ》は「大銀河連合軍」の指令本部の方々が絶賛し、すぐに全軍に放映された。
兵器開発部の方々が夢中でモビルスーツを開発し、戦線に投入された。
それまでの艦隊での攻撃がより柔軟な作戦行動となり、戦線は大いに活性化したそうだ。
僕も想定外だったけど、様々な星の種族が集まっているので、同じ船に乗ることすら難しく、共同作戦は戦艦単位になっていたのだ。
それがモビルスーツで個別な環境を設計出来るので、集団戦が格段に柔軟になりやりやすくなったということだった。
艦隊での攻撃は強力ではあったが小回りが効かず、敵に回り込まれると苦戦することが多かったという問題が一気に解決した。
すぐにモビルスーツが大増産され、ミレー星系での戦闘で活躍して行った。
モビルスーツのパイロットたちは一躍軍の花形となり、人気が高まった。
ただ、モビルスーツの名前が「パレボレスーツ」と呼ばれてしまい、困っている。
石神さんにご報告し、実際の戦闘も見て頂いた。
「おい、まんまガンダルじゃねぇか!」
「カッコイイですからね」
「あ、《赤い彗星》もいんのかよ!」
「カッコイイですからね」
「これ、《ダブルオーライザー》?」
「カッコイイですからね」
「《ザザビー》とかもいんの?」
「カッコイイですからね」
「……」
石神さんが黙り込んでしまった。
地球での戦闘にも関わらせてもらおうとしたら、地球ではいろいろ「版権問題」があるので来るなと言われた。
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