3,032 / 3,202
アラスカの悪人
しおりを挟む
「真夜、たまには渋谷にでも行こうか?」
「え、亜紀さん、何か買い物でも?」
《オペレーション・チャイナドール》が終了し、私たちは2週間の休暇を頂いていた。
あまりにも激し過ぎる戦場だった。
私と真昼はもちろん、あの元気一杯の亜紀さんも、二日間寝込んでいた。
私と真昼よりも、亜紀さんの疲労は濃かったはずだ。
あの北京大空洞での激戦で、石神家の剣聖の方々と並んで、亜紀さんは頑張って妖魔を駆逐していた。
大技の連続で、限界を超えて最期まで亜紀さんは戦っていた。
だけど、もう三日目になると亜紀さんは元に戻っていた。
元気だなー。
亜紀さんはアラスカで《キャッスル・ディアブロ》という巨大な城を与えられている。
アラスカの最前線にあるが、ここはまだ襲われたことは無い。
亜紀さんと私と真昼の三人で暮らしているが、亜紀さんは人気者なのでしょっちゅう来客がある。
亜紀さんと一緒の戦場で戦った軍部の人も多いが、ルーさんとハーさん、それにアラスカに来ると皇紀さんも来る。
もちろん石神さんもよくいらっしゃるし、「カタ研」のみんなも休暇になるとよく来てくれる。
亜紀さんが明るい方なので、みんなが集まるのだ。
ロボさんも時々来て泊っていくこともある。
ロボさんはあちこちに住むようになった「石神家」のみなさんの顔を見に来るのだ。
優しい方だ。
多くは石神さんのお傍にいるのだけれど、時々いらしてみんなで大歓迎だ。
だからこの城はしょっちゅう宴会(肉大会)だった。
みんな亜紀さんを慕って集まって来る。
今は昼食を三人で作っていた。
お世話をしてくれるデュールゲリエたちもいるのだが、食事は基本的に可能な限り自分たちで作るようにしている。
それも楽しいのだ。
今日は肉そばだった。
亜紀さんの好物だし、私も真昼も好きだ。
ところで亜紀さんの話で、日本へはたまに行くが、なんだろう?
「ほら、またそろそろ悪人が湧いてるかもしれないじゃん」
「あー」
また亜紀さんの悪いクセが出た。
亜紀さんは石神さんとお肉の次に「悪人狩り」が大好きだ。
だからたまに私たちも付き合わされる。
「でもあっちも結構治安が良くなりましたよ?」
「分かんないじゃん! 悪人はゴキブリみたいに湧いてくるからね!」
「はぁ」
あれは半年前か。
亜紀さんと新宿で「悪人狩り」をして、コスタリカ系のマフィアと市街戦になった。
相手が結構な武器弾薬を持っていたのだ。
ビル全体がマフィアの持ち物で、重機関銃まで撃って来た。
もちろん亜紀さんが大笑いしながら突入してマフィアを全滅させ、ビルごと潰した。
問題は流れ弾が周囲のビルや走行中の車を破壊し、30人を超える負傷者を出したことだ。
マフィアを含めて死者が出なかったのは幸いだが。
早乙女さんが何とかしてくれたが、三人でこってり怒られた。
「「虎」の軍法もあるけどね、街中での銃撃戦は勘弁してね!」
「「「すいません」」」
その後石神さんにも怒られた
亜紀さんはぶっ飛ばされて失神し、私と真昼は「お前たちが止めてくれよ」と頼まれた。
でも石神さんも、それが難しいことは分かっている。
「亜紀さん、渋谷は不味いですよ」
「あ、真夜はやっぱギロッポン?」
「いえ、そういうことじゃなくてですね」
「外国人の悪い奴が多いもんね!」
「いいえ、六本木もちょっと」
「あー、じゃあ池袋かぁ! シブイね!」
もうはっきり言った。
「亜紀さん、やめましょう」
「えぇー!」
肉そばが出来て食べた。
ステーキは一人4枚まで。
亜紀さんは最近「普通の食事」を目指してる。
もうちょっとだ!
「悪人、狩りたいなー」
「亜紀さん!」
真昼は笑ってる。
この子は結構亜紀さん系だ。
「悪人狩り」も楽しんでやってる。
実を言えば私もちょっと楽しい。
だけど止めなきゃいけない。
「日本で騒ぎを起こしたら不味いですよ。こないだのコスタリカ系マフィアのことは、石神さんも散々怒ってたじゃないですか」
「じゃあ、パリに行って士王でも誘うかなー」
「パリもダメです!」
亜紀さんのことは大好きなのだが、この悪いクセはなんとか止めないと。
亜紀さんは嬉しくなるとブレーキが壊れる。
そのまま進んで、大問題になることが何度もあった。
基本的に真直ぐな人なので、隠し事が出来ないのだ。
ルーちゃんとハーちゃんはその辺が上手いのだが。
「亜紀さん、《アヴァロン》でも行きましょうよ。買い物も出来ますし」
「そっか、そうだね。あそこも人が増えて、悪人も出て来るかもね!」
いや、そっから離れて下さいって。
とにかく、《アヴァロン》に行くことになった。
あそこは治安がいいので、亜紀さんも何もしないだろう。
治安警備のデュールゲリエたちがいるし、《ウラノス》の監視も万全だ。
北京ではあれだけの激しい戦闘だったんだ。
亜紀さんにはしばらくのんびりと楽しんで欲しい。
「悪人狩り」じゃなくて。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
亜紀さんが愛車のデモちゃん(ダッジ・デーモン)を出して、御機嫌で運転した。
《アヴァロン》の駐車場の一つに入れて、ゆっくりと歩いて散策した。
服でも観ようかとブティック街に向けてなんとなく歩いていると、前方で騒いでいる。
「泥棒だぁー!」
大きな声が聞こえた。
亜紀さんを見ると、顔が輝いている。
いけない!
しかし止める間もなく亜紀さんが走り出した。
「亜紀さん!」
真昼と必死で追った。
だけど、20秒後に亜紀さんが犯人を捕まえていた。
よかった、ぶっ飛ばしてない!
「亜紀さん!」
「おい、ゴルァ! てめぇ、人様のもんを盗みやがって!」
見ると黒人の少年だった。
10歳前後だろうか。
ああ、だからいきなり暴力を振るわなかったのか。
亜紀さんは子どもには優しい。
「離せよ!」
「うるせぇ! 大人しくお縄につけぇ!」
二人共英語で話しているけど「お縄に」というのは通じない。
「お前、名前を言え!」
亜紀さんが男の子の頭をはたいた。
強くはないが、あれは痛い叩き方だ。
「あ、アンソニーだよ!」
いきなり亜紀さんが少年を抱き締めた。
「いい子!」
「なに?」
なんだろう、亜紀さんが突然男の子の頭を撫で始めた。
亜紀さんが男の子アンソニー君を離した。
ただ、逃げないように手は握っている。
「警察に突き出すのかよ!]
亜紀さんが私に盗んだハンドバッグを渡してきた。
「真夜、これ返してきて!」
「は、はい! あの、亜紀さんは?」
「逃げるよ!」
「ゲェ!」
亜紀さんはアンソニー君を抱えて「飛んだ」。
私は慌ててハンドバッグを女性に返した。
初老の優しそうなご婦人で、しきりに私にお礼を言っていた。
私は簡単に挨拶し、真昼と一緒にデモちゃんを取りに行って城へ戻った。
すぐにDP(デュールゲリエ・ポリス)が来るに違いない。
亜紀さん、何やってんですかぁ!
日本では「「虎」の軍法」があって大抵のことは問題にならないのだが、ここアラスカではそうは行かない。
軍籍であろうが亜紀さんのようなVIPであろうが、犯罪はちゃんと取り締まられる。
盗難の犯人を拉致したら、それは犯罪だ!
亜紀さんはどういうつもりなのだろうか。
確実に監視カメラで亜紀さんがアンソニーを連れ去ったのは確認されているだろう。
絶対に誤魔化せるわけがないのは、亜紀さんも分かっているのだろうが。
とにかく亜紀さんを追わなければ。
「え、亜紀さん、何か買い物でも?」
《オペレーション・チャイナドール》が終了し、私たちは2週間の休暇を頂いていた。
あまりにも激し過ぎる戦場だった。
私と真昼はもちろん、あの元気一杯の亜紀さんも、二日間寝込んでいた。
私と真昼よりも、亜紀さんの疲労は濃かったはずだ。
あの北京大空洞での激戦で、石神家の剣聖の方々と並んで、亜紀さんは頑張って妖魔を駆逐していた。
大技の連続で、限界を超えて最期まで亜紀さんは戦っていた。
だけど、もう三日目になると亜紀さんは元に戻っていた。
元気だなー。
亜紀さんはアラスカで《キャッスル・ディアブロ》という巨大な城を与えられている。
アラスカの最前線にあるが、ここはまだ襲われたことは無い。
亜紀さんと私と真昼の三人で暮らしているが、亜紀さんは人気者なのでしょっちゅう来客がある。
亜紀さんと一緒の戦場で戦った軍部の人も多いが、ルーさんとハーさん、それにアラスカに来ると皇紀さんも来る。
もちろん石神さんもよくいらっしゃるし、「カタ研」のみんなも休暇になるとよく来てくれる。
亜紀さんが明るい方なので、みんなが集まるのだ。
ロボさんも時々来て泊っていくこともある。
ロボさんはあちこちに住むようになった「石神家」のみなさんの顔を見に来るのだ。
優しい方だ。
多くは石神さんのお傍にいるのだけれど、時々いらしてみんなで大歓迎だ。
だからこの城はしょっちゅう宴会(肉大会)だった。
みんな亜紀さんを慕って集まって来る。
今は昼食を三人で作っていた。
お世話をしてくれるデュールゲリエたちもいるのだが、食事は基本的に可能な限り自分たちで作るようにしている。
それも楽しいのだ。
今日は肉そばだった。
亜紀さんの好物だし、私も真昼も好きだ。
ところで亜紀さんの話で、日本へはたまに行くが、なんだろう?
「ほら、またそろそろ悪人が湧いてるかもしれないじゃん」
「あー」
また亜紀さんの悪いクセが出た。
亜紀さんは石神さんとお肉の次に「悪人狩り」が大好きだ。
だからたまに私たちも付き合わされる。
「でもあっちも結構治安が良くなりましたよ?」
「分かんないじゃん! 悪人はゴキブリみたいに湧いてくるからね!」
「はぁ」
あれは半年前か。
亜紀さんと新宿で「悪人狩り」をして、コスタリカ系のマフィアと市街戦になった。
相手が結構な武器弾薬を持っていたのだ。
ビル全体がマフィアの持ち物で、重機関銃まで撃って来た。
もちろん亜紀さんが大笑いしながら突入してマフィアを全滅させ、ビルごと潰した。
問題は流れ弾が周囲のビルや走行中の車を破壊し、30人を超える負傷者を出したことだ。
マフィアを含めて死者が出なかったのは幸いだが。
早乙女さんが何とかしてくれたが、三人でこってり怒られた。
「「虎」の軍法もあるけどね、街中での銃撃戦は勘弁してね!」
「「「すいません」」」
その後石神さんにも怒られた
亜紀さんはぶっ飛ばされて失神し、私と真昼は「お前たちが止めてくれよ」と頼まれた。
でも石神さんも、それが難しいことは分かっている。
「亜紀さん、渋谷は不味いですよ」
「あ、真夜はやっぱギロッポン?」
「いえ、そういうことじゃなくてですね」
「外国人の悪い奴が多いもんね!」
「いいえ、六本木もちょっと」
「あー、じゃあ池袋かぁ! シブイね!」
もうはっきり言った。
「亜紀さん、やめましょう」
「えぇー!」
肉そばが出来て食べた。
ステーキは一人4枚まで。
亜紀さんは最近「普通の食事」を目指してる。
もうちょっとだ!
「悪人、狩りたいなー」
「亜紀さん!」
真昼は笑ってる。
この子は結構亜紀さん系だ。
「悪人狩り」も楽しんでやってる。
実を言えば私もちょっと楽しい。
だけど止めなきゃいけない。
「日本で騒ぎを起こしたら不味いですよ。こないだのコスタリカ系マフィアのことは、石神さんも散々怒ってたじゃないですか」
「じゃあ、パリに行って士王でも誘うかなー」
「パリもダメです!」
亜紀さんのことは大好きなのだが、この悪いクセはなんとか止めないと。
亜紀さんは嬉しくなるとブレーキが壊れる。
そのまま進んで、大問題になることが何度もあった。
基本的に真直ぐな人なので、隠し事が出来ないのだ。
ルーちゃんとハーちゃんはその辺が上手いのだが。
「亜紀さん、《アヴァロン》でも行きましょうよ。買い物も出来ますし」
「そっか、そうだね。あそこも人が増えて、悪人も出て来るかもね!」
いや、そっから離れて下さいって。
とにかく、《アヴァロン》に行くことになった。
あそこは治安がいいので、亜紀さんも何もしないだろう。
治安警備のデュールゲリエたちがいるし、《ウラノス》の監視も万全だ。
北京ではあれだけの激しい戦闘だったんだ。
亜紀さんにはしばらくのんびりと楽しんで欲しい。
「悪人狩り」じゃなくて。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
亜紀さんが愛車のデモちゃん(ダッジ・デーモン)を出して、御機嫌で運転した。
《アヴァロン》の駐車場の一つに入れて、ゆっくりと歩いて散策した。
服でも観ようかとブティック街に向けてなんとなく歩いていると、前方で騒いでいる。
「泥棒だぁー!」
大きな声が聞こえた。
亜紀さんを見ると、顔が輝いている。
いけない!
しかし止める間もなく亜紀さんが走り出した。
「亜紀さん!」
真昼と必死で追った。
だけど、20秒後に亜紀さんが犯人を捕まえていた。
よかった、ぶっ飛ばしてない!
「亜紀さん!」
「おい、ゴルァ! てめぇ、人様のもんを盗みやがって!」
見ると黒人の少年だった。
10歳前後だろうか。
ああ、だからいきなり暴力を振るわなかったのか。
亜紀さんは子どもには優しい。
「離せよ!」
「うるせぇ! 大人しくお縄につけぇ!」
二人共英語で話しているけど「お縄に」というのは通じない。
「お前、名前を言え!」
亜紀さんが男の子の頭をはたいた。
強くはないが、あれは痛い叩き方だ。
「あ、アンソニーだよ!」
いきなり亜紀さんが少年を抱き締めた。
「いい子!」
「なに?」
なんだろう、亜紀さんが突然男の子の頭を撫で始めた。
亜紀さんが男の子アンソニー君を離した。
ただ、逃げないように手は握っている。
「警察に突き出すのかよ!]
亜紀さんが私に盗んだハンドバッグを渡してきた。
「真夜、これ返してきて!」
「は、はい! あの、亜紀さんは?」
「逃げるよ!」
「ゲェ!」
亜紀さんはアンソニー君を抱えて「飛んだ」。
私は慌ててハンドバッグを女性に返した。
初老の優しそうなご婦人で、しきりに私にお礼を言っていた。
私は簡単に挨拶し、真昼と一緒にデモちゃんを取りに行って城へ戻った。
すぐにDP(デュールゲリエ・ポリス)が来るに違いない。
亜紀さん、何やってんですかぁ!
日本では「「虎」の軍法」があって大抵のことは問題にならないのだが、ここアラスカではそうは行かない。
軍籍であろうが亜紀さんのようなVIPであろうが、犯罪はちゃんと取り締まられる。
盗難の犯人を拉致したら、それは犯罪だ!
亜紀さんはどういうつもりなのだろうか。
確実に監視カメラで亜紀さんがアンソニーを連れ去ったのは確認されているだろう。
絶対に誤魔化せるわけがないのは、亜紀さんも分かっているのだろうが。
とにかく亜紀さんを追わなければ。
3
あなたにおすすめの小説
【完結】狡い人
ジュレヌク
恋愛
双子のライラは、言う。
レイラは、狡い。
レイラの功績を盗み、賞を受賞し、母の愛も全て自分のものにしたくせに、事あるごとに、レイラを責める。
双子のライラに狡いと責められ、レイラは、黙る。
口に出して言いたいことは山ほどあるのに、おし黙る。
そこには、人それぞれの『狡さ』があった。
そんな二人の関係が、ある一つの出来事で大きく変わっていく。
恋を知り、大きく羽ばたくレイラと、地に落ちていくライラ。
2人の違いは、一体なんだったのか?
芙蓉は後宮で花開く
速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。
借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー
カクヨムでも連載しております。
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる