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3章
とりあえず
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成実「消えた…。」
ハーン「瞬間移動の類か…?そんな能力まで…。」
成実「いや、アイツはそもそも以前戦ったヴァイツじゃない…。人間界で戦った時と、魔力の出力が大差なかった。魔界では本来の力が発揮されるはずなのに。あれは分身とか、違うやつのなりすましとか、とにかくあいつ自身じゃなかったと思います。」
ハーン「なるほど…。分析せねばいけないことが山積みだな。それでも…とりあえず、終結だな。」
『アレストラ』で起こったクーデターは、『クロライド』の撤退に伴い、終結した。ハーン自らが城下に赴き、事の成り行きを説明することで住民の不平不満は解消されていった。
住民「ハーン王子の言葉には、なんか、嘘がなかったっていうか…」
住民「ハーン王子の考えていることが流れてきたって感じだった。」
ハーンの言葉は国民を動かし、国全体で復興が始まった。成実らも復興の一助となり、人間と魔族の友好を深める要素となった。
次期王となるシャリゼの失踪によりハーン王子の即位が決まった。それに伴い、再び魔力鑑定が行われると、新事実が発覚する。
鑑定士「これは…。ハーン王子の能力は、無能力と判断されていましたが、とんでもございません。能力名〔水源。周囲から魔力を集め、魔力を分け与える能力です。王族の中にも10世代に1度しか生まれないと言われる脳力です。」
ハーン「そんな力が…。」
鑑定士「恐らく、初めて鑑定した際は誰の魔力も集めていなかったため、気づけなかったのでしょう。今ハーン王子の魔力は、たくさんの魔力が混ざりあっています。そして、受け取った魔力の能力も微力ながら使えるでしょう。」
ハーン「!…そうか!だから空中に浮けたのか…。」
鑑定士「おそらく、国民が『ハーン王子の考えがわかる』と言っていたのも、この能力で魔力を共有したからだと思われます。魔力に感情が乗って送られたのだと…。」
ハーン「そうか…。これは…王にふさわしい能力だな…。」
鑑定士「でも、考えが筒抜けですよ?」
ハーン「いいんだ。なにを知られても構わない。言葉に説得力をもたせることができるなら心強い。」
鑑定士「…。王にふさわしい力は能力だけじゃないようです。」
遥は昏睡状態のまま、柿崎隊と一足先に人間界へ戻った。
成実は復興が一段落すると、『アレストラ』の城下町の一角にある墓地へ向かった。
成実「これが、親父の墓…。」
成実の目の前には墓石には「伊沖家の墓」と刻まれていた。
???「人間界との関わりを尊重して、人間界のやり方でお墓を作ってあるんです。」
成実に、1人の魔族が話しかけた。国王軍の軍服を着ている。
ブリーズ「私の名前はバージ・ブリーズ。第2支団、団長です。伊沖成実さん、初めまして。」
成実「初めまして。そういえば、復興でお見かけしたことがあります。」
ブリーズ「本国の守護と復興にお力添えしていただき、ありがとうございます。…。」
ブリーズは一礼し、成実の顔を見つめた。
ブリーズ「やはりそっくりだ。伊沖 樽昌団長と。」
成実「父を…知っているんですか?」
ブリーズ「ああ。大変お世話になった。場所を変えて話そう。墓参りだけ、済ませていいかな?」
2人は喫茶店で話を始めた。
ブリーズ「伊沖団長は、今から23年前に第2支団の団長に就任された。俺が正式入団した年のことだった。前団長の戦死に伴い、最年少の副団長だった伊沖さんが団長になったんだ。」
ハーン「瞬間移動の類か…?そんな能力まで…。」
成実「いや、アイツはそもそも以前戦ったヴァイツじゃない…。人間界で戦った時と、魔力の出力が大差なかった。魔界では本来の力が発揮されるはずなのに。あれは分身とか、違うやつのなりすましとか、とにかくあいつ自身じゃなかったと思います。」
ハーン「なるほど…。分析せねばいけないことが山積みだな。それでも…とりあえず、終結だな。」
『アレストラ』で起こったクーデターは、『クロライド』の撤退に伴い、終結した。ハーン自らが城下に赴き、事の成り行きを説明することで住民の不平不満は解消されていった。
住民「ハーン王子の言葉には、なんか、嘘がなかったっていうか…」
住民「ハーン王子の考えていることが流れてきたって感じだった。」
ハーンの言葉は国民を動かし、国全体で復興が始まった。成実らも復興の一助となり、人間と魔族の友好を深める要素となった。
次期王となるシャリゼの失踪によりハーン王子の即位が決まった。それに伴い、再び魔力鑑定が行われると、新事実が発覚する。
鑑定士「これは…。ハーン王子の能力は、無能力と判断されていましたが、とんでもございません。能力名〔水源。周囲から魔力を集め、魔力を分け与える能力です。王族の中にも10世代に1度しか生まれないと言われる脳力です。」
ハーン「そんな力が…。」
鑑定士「恐らく、初めて鑑定した際は誰の魔力も集めていなかったため、気づけなかったのでしょう。今ハーン王子の魔力は、たくさんの魔力が混ざりあっています。そして、受け取った魔力の能力も微力ながら使えるでしょう。」
ハーン「!…そうか!だから空中に浮けたのか…。」
鑑定士「おそらく、国民が『ハーン王子の考えがわかる』と言っていたのも、この能力で魔力を共有したからだと思われます。魔力に感情が乗って送られたのだと…。」
ハーン「そうか…。これは…王にふさわしい能力だな…。」
鑑定士「でも、考えが筒抜けですよ?」
ハーン「いいんだ。なにを知られても構わない。言葉に説得力をもたせることができるなら心強い。」
鑑定士「…。王にふさわしい力は能力だけじゃないようです。」
遥は昏睡状態のまま、柿崎隊と一足先に人間界へ戻った。
成実は復興が一段落すると、『アレストラ』の城下町の一角にある墓地へ向かった。
成実「これが、親父の墓…。」
成実の目の前には墓石には「伊沖家の墓」と刻まれていた。
???「人間界との関わりを尊重して、人間界のやり方でお墓を作ってあるんです。」
成実に、1人の魔族が話しかけた。国王軍の軍服を着ている。
ブリーズ「私の名前はバージ・ブリーズ。第2支団、団長です。伊沖成実さん、初めまして。」
成実「初めまして。そういえば、復興でお見かけしたことがあります。」
ブリーズ「本国の守護と復興にお力添えしていただき、ありがとうございます。…。」
ブリーズは一礼し、成実の顔を見つめた。
ブリーズ「やはりそっくりだ。伊沖 樽昌団長と。」
成実「父を…知っているんですか?」
ブリーズ「ああ。大変お世話になった。場所を変えて話そう。墓参りだけ、済ませていいかな?」
2人は喫茶店で話を始めた。
ブリーズ「伊沖団長は、今から23年前に第2支団の団長に就任された。俺が正式入団した年のことだった。前団長の戦死に伴い、最年少の副団長だった伊沖さんが団長になったんだ。」
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