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1章
垣根 重宗
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「またやってくれたな。」
「!重宗。悪かったな。」
説教終わりの成実を迎えたのは、同じ伊沖小隊のメンバー、垣 根 重 宗。猫目と八重歯が印象的で小柄ながら、確実な実力を有する。
「俺は別にいいけどよ。昭 夫がカンカンだったぜ。」
「民家に近かったから、つい、な。機動力で言えば俺が1番だからな。急いで行って守りたくなるのは当然だろ。」
「その反省しない態度を改めれば、昭夫も丸くなるんだろうにな。」
「来週の戦争では大人しく小隊で動いてもらうぞって軍隊長にも釘刺された。」
「そりゃそうだろ。死人なんて出したくないだろうしな。」
「俺だって死にたくはねぇよ。勝てるっていう確信の元にだな…。それに、万が一の時にはお前らが間に合うって信じてるし。」
「はぁ。そういうとこだけ隊長ぶらなくても。」
「それより、訓練室行こうぜ。戦い足りねんだ。」
「好きだなぁ。」
伊沖と垣根は訓練室に向かう。訓練室は大小様々なフィールドが用意され、その中での戦闘は基地に蓄積されたエネルギーを使用したエネルギー体で行う。本人のエネルギーを消費することなく訓練できるシステムだ。しかし、エネルギー体の持つエネルギー量は本人のものを忠実に再現する。
「さぁて、ぶった斬るぜ。」
「懲りてないみたいだからな。蜂の巣にしてやる。」
垣根が右手を銃の構えにする。その指先から体を取り巻くようにエネルギーの球体が出現する。これが彼の武器である。
指先から銃弾を発射する。射撃用のエネルギー体の基本装備である。そして出現したエネルギー体が残弾数である。その最大数は個人の持つエネルギー量に比例し、残弾数がゼロになるとリロードが必要になる。弾が残っている状態でもリロードはできるが、その間、残弾が赤く光り、銃弾の発射はできなくなる。
まず垣根が3発発射する。
伊沖は弧を描くように垣根との距離を詰めることで弾丸を躱す。
「一斉」
垣根の体の周囲にあった弾丸が一斉に伊沖を目掛けて射出される。
伊沖は刀で振り払うが、数発被弾する。
伊沖の体をはずれ、地面に着弾した弾丸が土煙を上げる。
伊沖は刀を振り切り、垣根がいた場所に向かって斬撃を飛ばす。
砂埃を切り裂いた先には垣根の姿はなかった。住宅地を模したフィールドに隠れ場所は無数にある。
「せこいやつめ…。」
伊沖は気配を探る。左後方から窓ガラスの割れる音を聞いた反射で頭を低くする。
次の瞬間には左手で抜刀し、斬撃を左後方の家に飛ばす。
砂埃のたった家から、次の弾丸が飛んでくる。その弾丸は巨大で、炎を纏っている。
弾丸は残弾数を消費することで威力を重ねがけできる。さらに、垣根の能力は指先で炎を操ること。弾丸に炎を乗せ、威力を飛躍的に増大させる。
避け場のない伊沖は2本の刀を体の正面で交差させ、弾丸を受け止める。
「ぐっ…!」
その衝撃で少しづつ踏ん張る足が後ろに追いやられていく。振り払える威力ではなかった。
「こんなもの…!」
伊沖が力んだ次の瞬間、伊沖の胸元を弾丸が貫く。
「ぐっ…おい!」
「俺の勝ちだな。」
倒れ込む伊沖の前に垣根が姿を表す。
巨大な弾丸を放ってすぐ、3発分のリロードをした垣根はその弾丸を1発分の大きさに凝縮し、高密度の炎を纏わせ、巨大な弾丸を貫通して伊沖の胸元を狙撃した。巨大な弾丸は目眩しだったのだ。
「じゃあ、次の任務は大人しくしてくれよ。」
「!重宗。悪かったな。」
説教終わりの成実を迎えたのは、同じ伊沖小隊のメンバー、垣 根 重 宗。猫目と八重歯が印象的で小柄ながら、確実な実力を有する。
「俺は別にいいけどよ。昭 夫がカンカンだったぜ。」
「民家に近かったから、つい、な。機動力で言えば俺が1番だからな。急いで行って守りたくなるのは当然だろ。」
「その反省しない態度を改めれば、昭夫も丸くなるんだろうにな。」
「来週の戦争では大人しく小隊で動いてもらうぞって軍隊長にも釘刺された。」
「そりゃそうだろ。死人なんて出したくないだろうしな。」
「俺だって死にたくはねぇよ。勝てるっていう確信の元にだな…。それに、万が一の時にはお前らが間に合うって信じてるし。」
「はぁ。そういうとこだけ隊長ぶらなくても。」
「それより、訓練室行こうぜ。戦い足りねんだ。」
「好きだなぁ。」
伊沖と垣根は訓練室に向かう。訓練室は大小様々なフィールドが用意され、その中での戦闘は基地に蓄積されたエネルギーを使用したエネルギー体で行う。本人のエネルギーを消費することなく訓練できるシステムだ。しかし、エネルギー体の持つエネルギー量は本人のものを忠実に再現する。
「さぁて、ぶった斬るぜ。」
「懲りてないみたいだからな。蜂の巣にしてやる。」
垣根が右手を銃の構えにする。その指先から体を取り巻くようにエネルギーの球体が出現する。これが彼の武器である。
指先から銃弾を発射する。射撃用のエネルギー体の基本装備である。そして出現したエネルギー体が残弾数である。その最大数は個人の持つエネルギー量に比例し、残弾数がゼロになるとリロードが必要になる。弾が残っている状態でもリロードはできるが、その間、残弾が赤く光り、銃弾の発射はできなくなる。
まず垣根が3発発射する。
伊沖は弧を描くように垣根との距離を詰めることで弾丸を躱す。
「一斉」
垣根の体の周囲にあった弾丸が一斉に伊沖を目掛けて射出される。
伊沖は刀で振り払うが、数発被弾する。
伊沖の体をはずれ、地面に着弾した弾丸が土煙を上げる。
伊沖は刀を振り切り、垣根がいた場所に向かって斬撃を飛ばす。
砂埃を切り裂いた先には垣根の姿はなかった。住宅地を模したフィールドに隠れ場所は無数にある。
「せこいやつめ…。」
伊沖は気配を探る。左後方から窓ガラスの割れる音を聞いた反射で頭を低くする。
次の瞬間には左手で抜刀し、斬撃を左後方の家に飛ばす。
砂埃のたった家から、次の弾丸が飛んでくる。その弾丸は巨大で、炎を纏っている。
弾丸は残弾数を消費することで威力を重ねがけできる。さらに、垣根の能力は指先で炎を操ること。弾丸に炎を乗せ、威力を飛躍的に増大させる。
避け場のない伊沖は2本の刀を体の正面で交差させ、弾丸を受け止める。
「ぐっ…!」
その衝撃で少しづつ踏ん張る足が後ろに追いやられていく。振り払える威力ではなかった。
「こんなもの…!」
伊沖が力んだ次の瞬間、伊沖の胸元を弾丸が貫く。
「ぐっ…おい!」
「俺の勝ちだな。」
倒れ込む伊沖の前に垣根が姿を表す。
巨大な弾丸を放ってすぐ、3発分のリロードをした垣根はその弾丸を1発分の大きさに凝縮し、高密度の炎を纏わせ、巨大な弾丸を貫通して伊沖の胸元を狙撃した。巨大な弾丸は目眩しだったのだ。
「じゃあ、次の任務は大人しくしてくれよ。」
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