Proof

Yuki

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1章

膨大な魔力

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成実「伊沖小隊、配置につきました。」
 スパイの持ち帰った情報による、魔界の一国、『クロライド』による進行開始日。日付以上の情報は得られなかったため、その前日の深夜に配置につく。
昭夫「おい、成実。俺らの配置はこの一帯、エリア2ーBだからな。ここから出るなよ。」
 伊沖の小隊の一員、石川いしかわ 昭夫あきおが伊沖に注意する。
成実「ったく、クソ真面目だな。言われなくても出ないよ。今日の防衛は、エリアをびっしり区分けされてる。俺の出る幕ないだろ。」
昭夫「誰かがピンチになったら勝手に駆けつけるのがお前だろ。」
成実「そりゃ確かに。安心しろよ。隊員捨てて、他のエリアに行くわけないだろ。」
昭夫「…俺らが勝てる相手なら、俺らに任せて飛んでいきそうだな。」
【伝令!ワープホールを探知!その数、10,15,…無数です!】
成実「おいおい、少数精鋭じゃないのかよ。」
【本部より半径5km圏内の戦闘区域のみにホール集中!本部より半径8kmの避難区域内に、魔力の反応はありません!区域外への侵攻が無いように注意してください!】
成実「伊沖隊、ホールを複数確認。ほとんどが戦闘用モンスターのようだ。駆除する。」
昭夫「魔族との戦闘に備え、雑魚モンスターとの戦闘は俺たち、刀剣で相手をする。エネルギーは温存しておけ。」
 ワープホールから出てきたのは、戦闘用モンスター。鹿ほどのサイズで四足歩行、黒い禍々しい見た目をしている。
 伊沖隊は、その鹿モンスターを5体確認した。正面の交差点に、まとまって出現している。
昭夫「これなら、1度にまとめて攻撃できそうだな。」
 昭夫と成実が地面を蹴って距離を詰める。
 それを感知した鹿モンスターは、口を開いた。開いた口からは銃口が覗く。
成実「銃撃!」
 成実と昭夫の反応が一瞬早く、横に飛びのく。マシンガンのように、毎秒無数の銃弾が2人を襲う。
 2人は、空き家の塀に隠れた。
成実「エネルギー使ってシールド張るより、民家を突き抜けて後ろにまわろう。」
昭夫「了解。この辺は、基地周りの空き家で避難区じゃないし、いいだろう。」
 2人は、家から家へ身を隠しながら交差点へ向かい、鹿モンスターの背後にまわった。最後の家で思いきり跳躍し、鹿モンスターの背後、完全に死角をとった。
 2人が思いきり刀を振りかぶったとき、無線が入る。
重宗「砲撃!両側から!」
 次の瞬間、成実と昭夫を挟み撃ちにするように、両側50mほど離れた位置からエネルギー砲が放たれた。
昭夫「成実!」
成実「俺たちはこのまま攻撃をする!」
 鹿型とは違ったモンスターが放ったエネルギー砲が2人に迫る。
 しかし、昭夫は成実の指示通り、振りかぶった刀で鹿型モンスターに攻撃を仕掛ける。
 着弾スレスレで、エネルギー弾は方向転換をし、飛んできた方向に向かった。そのままUターンしたエネルギー弾が、発射したモンスターに直撃する。
 エネルギー弾が反射した時には、2人は刀を思い切り水平に振り抜き、2人で5体の鹿型モンスターを両断した。
成実「助かったぜ、」
正輝まさてる「結局エネルギー使ってしまったじゃないか。」
 エネルギー弾を反射させたのは留守るす 正輝まさてる
 彼の刀、大倶利伽羅おおくりから。刀に触れた物質にかかる力の向きを操作する。
正輝「レーダーに写らないモンスターも連れてきてるみたいだな。」
【伊沖隊!ゲート出現!魔族が来ます!】
 次の瞬間、成実らはのしかかるような重圧を感じた。
成実「なんだこのエネルギー…」
 その膨大なエネルギーを有する者は直ぐに現れた。
 成実はエネルギーの出どころを感じ、近くの家の屋上を見上げる。
???「あーあ、どうやってもバレちまうから奇襲できないのが俺の弱点だ。」
 大柄な男が堂々と独り言を話している。

成実【伊沖隊、魔族確認。討伐します。】
 重宗がエネルギー弾を放つ。魔族と、立っていた屋根に重宗の10数発の弾丸が着弾し、土煙をあげる。
 魔族はシールドをはることもなく身体で全ての弾丸を受けた。
重宗「直撃した?」
 しかし、土煙が晴れた着弾地点には、無傷の魔族が立っていた。
???「おいおい、名乗るぐらいさせてくれよ。13番ドライツェーン支団長、ヴァイツ・ヴォルツだ。」
 魔族は人間界に来るための契約でエネルギーを使い、力が劣った状態で現れる。しかし、人間界で名乗ることでその存在を人間界に刻みつける。
 その魔族の名前を人間が認識した数に比例して、魔族は契約で失ったエネルギーを取り戻す。
 つまり、大人数に囲まれた状況で名乗ると魔族は大幅に力を取り戻すことになる。
ヴァイツ「6人か。まあ、大した量は戻らないが充分だろ。さぁ、遊ぼうぜ。」
 エヴィデンスの隊員は戦闘中の情報を共有するために、常に本部と通信状態にある。
 しかし、魔族の名乗りまで通信してしまうと大人数が聞くことになるため、名乗りの時は通信を切ることを徹底している。
重宗『エネルギー弾が通らない!リロードして、今度は弾を合成する!』
成実『了解!近接は時間を稼ぎつつ、敵の能力を探る。あのエネルギー量は危険だ…。』
伊沖隊『了解!』
 伊沖隊は口に出さず、通信を通して作戦を練る。
 成実と昭夫がヴァイツに迫る。
 2人を囮にして、伊沖隊もう1人の刀持ち、国分こくぶ 盛也もりやがヴァイツの背後をとり、首をはねるよう横なぎの一閃をくりだす。
 しかし盛也の刀はヴァイツの首で止まる。刀が皮膚を傷つけることすらできない。
盛也「硬すぎるだろ…」
ヴァイツ「そんなんじゃぬるいな。」
 にやりと笑ったヴァイツは、指を銃の形にする。ヴァイツの周囲に現れた彼の残弾数は、おびただしい数だった。
成実「嘘だろ…。重宗何人分だよ…」
 それらが成実、昭夫、正輝、盛也に向けて放たれる。
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